プルトニウム利用示せず 原発再稼働が遅れ 電事連

(03/29 16:22 時事通信配信)

電気事業連合会は29日に開いた原子力委員会で、大手電力などが原子力発電のために保有しているプルトニウム
利用計画の策定時期について、目標としていた2015年度末から先送りする方針を明らかにした。原発の再稼働が遅
れ、現時点で利用計画を示せないと説明した。

核兵器に転用できるプルトニウムの管理をめぐっては、発電という平和利用を行ってきた日本にも、国際社会から
厳しい目が向けられている。東京電力福島第1原発事故後の原発稼働停止に伴い、使用済み燃料からプルトニウム
取り出し、ウランと混ぜて燃料として再利用するプルサーマル発電計画が凍結状態にあり、将来の利用計画が不透明
になっているからだ。

同日の原子力委員会で、電事連は「16〜18基の原子炉でプルサーマル導入を目指す方針に変わりはない」と述べたが、
プルトニウムの利用計画については「できるだけ早期に示す」との説明にとどめた。委員会側は「やむを得ない」と
しつつも、国内外の信頼確保へ透明性向上を求めた。