あなたはみうらじゅん?いとうせいこう?

世の中の人間は、どうやら二つのタイプに分類されるらしい。
S?M?それとも、ポジティブ?ネガティブ?
いやいや、そんな軽薄なものではない!

世の中は、みうらじゅんと、いとうせいこうで構成されているのだ!


ここに一冊の本がある。
「見仏記」
読んでいない方に、簡単に紹介。
みうらじゅんいとうせいこうが、全国の仏さんを仲良く見に行く珍道中を記したものだ。
お堂の内部が仏達のライブ会場に見える!と熱く語るみうらじゅん
それに対して、みうらじゅんが語る内容を、丁寧に言葉にしてわかりやすくまとめる、いとうせいこう
二人の仏像に対する愛情がたっぷりと詰まった、爆笑必至の一冊。


この本は、いとうせいこうが記事を書いている。
だから、いとうせいこう側から見た、みうらじゅん像が常に登場するのである。
みうらじゅんは、言葉遊びを好まなく、感覚ですべてを表現する。

例えば、法隆寺の金堂の天井が高いことについて、「外人にもOKだよね」と言い出す。
みうらじゅんは、創建当時の人々は、この高い天井に違和感を持つだろう、だから、異国の感じが出ているということだ。

それに対していとうせいこうは、仏教建築様式を伝えた渡来人にとって、高い天井は非日常ではなかったのでは、と考察を加える。
歴史と文化を用いて、この「外人にもOKだよね」という言葉の論拠を探すのである。



お分かりだろうか。

みうらじゅん型人間は、生まれた感覚を、妄想につなげる。具体例につなげる。

いとうせいこう型人間は、生まれた感覚を、言語化する。分析する。

この二人は、見事にタイプが違う、仏像好きなのである。
普通の旅行記では決して起こりえない、奇跡の取り合わせである!

この際日本の学生は、進路を決めるときに迷うのであれば、この本を読んでみてはいかがだろうか?
みうらじゅんに共感する時は、芸術系。
いとうせいこうに共感する時は、文化系。
そうすれば、学部選択に迷いがなくなる・・・・はずである。


さて、明日は床屋にいって、おかっぱ頭にしてこようか。

見仏記 (角川文庫)

見仏記 (角川文庫)

見仏記〈2〉仏友篇 (角川文庫)

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