『天国から落ちた男』

この週末は、ブルーレイで『天国から落ちた男』を見た。

1979年のアメリカ映画。
監督はカール・ライナー
主演はスティーヴ・マーティン
昔、『愛しのロクサ―ヌ』とか『花嫁のパパ』の予告を見たことはあるが、出演作自体を見るのは初めてだ。
映画館の裏。
一時は金持ちになったが、今は酔っ払いホームレスとなったネビン(スティーヴ・マーティン)の回想。
最初から、オチを明かしている。
生まれはミシシッピーの貧しい黒人の家(白人なのに)。
自然の中のボロ家に、にぎやかな家族。
みんなで歌って踊る。
今日はネビンの誕生日。
母親が打ち明ける。
「あなたは本当の子じゃないのよ。捨て子なの」(そりゃそうだろ。)
何と言うか、分かり切ったことを大げさに言う。
全編このノリが続く。
このバカバカしさに入り込めるかどうかで、本作への評価は変わって来るだろう。
ネビンは、ラジオの音楽を聴いて、外の世界へ出る決意をする。
彼は、ヒッチハイクを繰り返す。
宿泊したモーテルでは、何もないのに「火事だ!」と騒ぐ。
この時、部屋に迷い込んで来た犬を一緒に連れて行くことにする。
ネビンは、たまたまトイレを借りたガソリン・スタンドで働くことになる。
彼は、かなりの世間知らずだ。
店主に店番を頼まれると、窃盗犯の連中がやって来る。
盗まれたカードを使ったのに気付いて、ネビンは警察に電話をする。
連中が逃げないように車に縄を付けたら、その縄が引っ張って行った隣の教会が壊れる。
電話帳に名前が載って、何故か狙撃犯に狙われる。
とにかく、ネビンはあちこちで、おバカな大騒動を巻き起こす。
ある日、中年男がガソリン・スタンドにやって来る。
ネビンは、彼のずり落ちそうな眼境を器用に工夫し、枠を改良した。
感心した中年男は、早速その改良型眼鏡を生産すると言う。
もし儲かったら、ネビンに半額渡すと。
これは、後の伏線。
一瞬、『2001年宇宙の旅』のパロディーもある。
今度は、ひょんなことから旅芸人一座の一員になる。
最初は、火の輪くぐりの女に気に入られる。
更にある日、見物に来ていた子供が事故に会いそうになるところを助けたネビンは、それがきっかけで、少年に付き添っていた、森田童子みたいな髪型の若い美容師マゾー(バーナデット・ピータース)に恋をする。
しかし、高い理想を抱く彼女は、ネビンの結婚申し込みを受け入れなかった。
ちなみに、バーナデット・ピータースは当時、実際にスティーヴ・マーティンと付き合っていたらしい。
多いね、そういうの。
物語の続きは未だあるが、こういうコメディーで、あらすじを書いても仕方がない。
僕の文章力では、到底このテンションまでは表現出来ない。
ちょっと、ピーター・セラーズの『チャンス』に似ているところもある。
あんなにシニカルではないが。
ネビンのパートナーのワンコは、なかなかの演技派。
結局、言いたかったことは「カネよりも家族が大事」ということだろう。
僕は、どうもあちらのコメディーのノリには付いて行けない。