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英文学をゼロから学ぶ

2014-09-29

『ドクター・ノオ』

この週末は、ブルーレイで『ドクター・ノオ』を見た。

1962年のイギリスアメリカ映画。

英国が誇る「007シリーズ」の記念すべき第1作。

もう半世紀以上も昔の作品だとは!

日本ではそれほどでもなかったらしいが、世界中で大ヒットした。

僕は今まで、「007」をほとんど見たことがない。

唯一、『ワールド・イズ・ノット・イナフ』を、ソフィー・マルソーデニス・リチャーズ目当てで映画館に観に行ったことがあるだけである(しかも、内容は余り覚えていない)。

このシリーズは熱狂的なファンの方が多そうなので、僕のような門外漢が語れるようなことは何もない。

昔、母が「007なんか嫌いや」とよく言っていた。

どこが嫌いだったのか、亡くなってしまった今となっては聞くことが出来ないが、おそらく、本作に流れる男尊女卑的な空気ではないか。

母は、太宰治についても、「あんな女を小馬鹿にしたような小説は嫌いや」と言っていたので。

本作は、1作目ということで、作品のコンセプト自体が未だはっきりと固まっていないような気がする。

そして、秘密兵器らしきものも出て来ない。

ジェームズ・ボンドがスタイリッシュで、女たらしだということだけは一貫しているが。

監督はテレンス・ヤング。

初期の「007」の監督として有名だが、後に『バラキ』なんかも撮っているんだな。

主演はショーン・コネリー

彼の出演作で僕が今までに見たことがあるのは、『史上最大の作戦』『オリエント急行殺人事件』『遠すぎた橋』『アンタッチャブル』等。

共演は、『バラキ』のジョセフ・ワイズマン、『第三の男』のバーナード・リー、『ロリータ』のロイス・マクスウェル、『バラキ』のアンソニー・ドーソン等。

ちょっと『ウルトラセブン』っぽい美術は、ケン・アダム。

彼はキューブリックの『博士の異常な愛情』『バリー・リンドン』の美術も担当している。

バリー・リンドン』は本当に素晴らしかった。

例の有名なテーマ曲から始まる。

如何にも60年代風で、ちょっと『ウルトラQ』のテーマにも似ている気がするが、この曲を聴けば誰でもすぐに「007」を思い浮かべる訳で、音楽の力というのは本当にスゴイ。

タイトル・バックは、何かゴダールっぽく、スタイリッシュな感じで、これも如何にも60年代。

時代は冷戦の真っ只中。

会員制クラブでカ―ド遊びをしていた軍人が、外に出て盲人にカネを恵んだ直後、黒人男性3人組に撃たれる。

本筋とは関係ないが、ここにイギリス風の階級社会が現れている。

その後、彼の秘書の女性も、何か秘密の通信をしている最中に、先の軍人と同じ黒人達に撃たれる。

ここはジャマイカであった。

舞台はイギリスに移り、ロンドンの会員制カジノでカード遊びをするジェームズ・ボンドショーン・コネリー)。

若いね!

イギリスの上流階級は、本当にカード遊びが好きだな。

ボンドは急用で中座する。

何とオシャレなスーツとコート。

生地が素晴らしい。

ボンドのスーツはサヴィル・ロー製らしい。

彼はM(バーナード・リー)から、先のジャマイカで軍人が消された事件の真相究明を命じられる。

ジャマイカとは現在、交信不能になっているのだ。

合間合間に、ボンドの女たらしっぷりがいかんなく発揮される。

本編をただ見ているだけではなかなか状況がつかめないが、要するに、アメリカの月面ロケット発射が近付く中、妨害電波が発射されており、その発信源がジャマイカ付近だったということだ。

で、今回の事件と何か関係があるのではないかと。

ボンドはジャマイカへ飛ぶ。

空港から迎えの車に乗ったが、尾行される。

何だか、ウルトラ警備隊のようだ。

如何にも古典的なスパイ映画である。

実は、迎えの車はワナであった。

ボンドが運転手を追及すると、この運転手は毒入りのタバコを呑み込んで死ぬ。

しかし、展開は今のアクション映画とは比べ物にならない程ゆったりとしていて、一々優雅である。

ボンドはカクテルを飲む。

仕事なのか、遊びなのか。

それから、現地の漁師に聞き込み。

そして、命を狙われるが、味方だということが判る。

今度は、夜のカフェで無断でボンドの写真を撮る女。

ボンドは、彼女のカメラを取り上げ、フィルムを引き出して感光させる。

給食のアルミの食器のようなフラッシュが時代を感じさせる。

話しがなかなか展開しないが、黒幕は中国人のドクター・ノオであった。

今度は、怪しいデント教授(アンソニー・ドーソン)に聞き込み。

教授は秘かに島に渡る。

ドクター・ノオ(声だけで未だ姿は出て来ない)に「ボンドが私に会いに来た」と報告。

教授は、ボンド殺害に失敗したのである。

そして、ドクター・ノオから、今度は失敗しないように強く命じられる。

教授は、大きな毒グモを持ち帰る。

寝室で眠っているボンドの上を這う毒グモ。

当然、デント教授が仕掛けたのだろう。

毒グモを払いのけ、叩き潰すボンド。

危機一髪。

続いて、ボンドは島にある「クラブ・キー」に向かう。

放射能の反応が出たようだ。

車で女を迎えに行くボンド。

またも別の車が追って来る。

激しいカー・チェイス…と言いたいところだが、リア・プロジェクション丸出しである。

ボンドは、この車を何とかまく。

車は崖から落ちて、爆発。

女の家に着くボンド。

実は、女は敵側のスパイである。

察知して、女を逮捕させ、家の中を探すボンド。

女の家に隠れていると、デント教授がやって来た。

ボンドはためらわずに撃つ。

忙しい映画だねえ。

ボンドは島へ渡る。

ロケットの打ち上げは48時間後だそうだ。

ボンド、島へ上陸。

すると、水着の女が海岸に上がって来る。

この作品は、とにかくお色気が必要なのだろう。

更に、高速艇がボンドを追って来る。

さあ、彼の運命は?

有色人種を召し使いにしているのは、さすが『ロビンソン・クルーソー』の国である。

それから、中国を敵視しているのが、如何にも冷戦時代を反映している。

設定自体は、結構荒唐無稽だが、こういうものとして受け入れなければならないのだろう。

画面に流れる雰囲気は、やっぱり70年代とは違う。

60年代を知るには、勉強になる。

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