『高慢と偏見』を原書で読む(第1回)

ロビンソン・クルーソー』にも少し飽きて来たので、『高慢と偏見』を原書で読むことにしました。

Pride and Prejudice (Penguin Classics)

Pride and Prejudice (Penguin Classics)

19世紀はイギリス小説の黄金時代でした。
文学史上に残る作家・作品が多数生まれましたが、ジェーン・オースティン(1775〜1817)もその中の一人であり、『高慢と偏見』(1813)は彼女の代表作です。
ジェイン・オースティンの受容――明治期から昭和初期にかけて――」によると、日本で最初に彼女を紹介したのは夏目漱石とのこと。
夏目漱石は『高慢と偏見』を絶賛していました。
『文学論』の第四編第七章に次のようにあります。

Jane Austenは写実の泰斗なり。平凡にして活躍せる文字を草して技神に入るの点において、優に鬚眉の大家を凌ぐ。余いふ。Austenを賞翫する能はざるものは遂に写実の妙味を解し能はざるものなりと。例を挙げてこれを証せん。

取材既に淡々たり。表現亦洒々として寸毫の粉飾を用ゐず。これ真個に吾人の起臥し衣食する尋常の天地なり。これ尋常他奇なきの天地を眼前に放出して客観裏にその機微の光景を楽しむ。もし楽しむ能はずといはばこれ喫茶喫飯のやすきに馴れて平凡の大功徳を忘れたるものの言なり。

川島幸希氏(秀明大学教授)の『英語教師 夏目漱石』によると、漱石は晩年、『高慢と偏見』を、「則天去私」を表わす作品として、ゴールドスミスの『ウェイクフィールドの牧師』と共に挙げたそうです。
光文社古典新訳文庫版の『高慢と偏見』の「訳者あとがき」によると、本作を日本で初めて翻訳したのは、漱石門下の英文学者・野上豊一郎なのだとあります。
その妻の彌生子は、「はじめてオースティンを読んだ話」という随筆の中で、「夏目先生が貸してくださったのはジェーン・オースティンのPride and Prejudice”(自重と偏見)にシャロッテ・ブロンテの“Jane Eyre”(ジェーン・エア)、それにジョージ・エリオットのものが一冊」と書いているそうです。
大学や高等学校の講義では、ジョージ・エリオットの『サイラス・マーナー』しか使いませんでしたが、漱石は、それ以外の女流作家も愛読していたということですね。
帝国大学英文科で漱石の前任者であったラフカディオ・ハーンも、オースティンのことを「古今の人間の書き手のうちでも最大の一人だった」「文学的教養が十分でないと彼女の小説の並はずれた長所を理解することはできない」と言い、『高慢と偏見』については、「シェイクスピアの芝居のあるもののように面白い。実際、人物たちの劇的な真実といきいきしたようすは、シェイクスピア的と言っていいくらいだ」と言っています。
ジェーン・オースティンについて
ジェーン・オースティンは、生涯に発表した作品がわずか6作という寡作の作家でしたが、いずれも現在に至るまで幅広い読者を獲得しています。
まず、『はじめて学ぶイギリス文学史』(ミネルヴァ書房)から、彼女の略歴を引いてみましょう。

はじめて学ぶイギリス文学史

はじめて学ぶイギリス文学史

小説家。ハンプシャに牧師を父として生まれる。早くから創作をはじめた彼女は、感傷や怪奇趣味をあおるその頃の文学的風潮を風刺することによって、諧謔精神あふれる独自の作風を築いていった。20歳代に書かれた3篇の長編小説は、後に改題され、内容も手直しされて、『分別と多感』(Sense and Sensibility, 1811)、『高慢と偏見』(Pride and Prejudice, 1813)、『ノーサンガー僧院』(Northanger Abbey, 1818)として出版された。1801年、退職した父にともなってバースに移転するなど一時不安定な生活が続くが、1809年にチョートンに落ち着いた後、再び創作活動をはじめる。この時期に執筆された『マンスフィールド荘園』(Mansfield Park, 1814)、『エマ』Emma,1815)、『説得』(Persuation, 1818)には、作家的成熟と微妙な陰影が加わり、いずれも芸術的完成度の高いイギリス写実小説の傑作となっている。

河出文庫版『高慢と偏見』の解説によると、ジェーン・オースティンは大変な読書家で、シェイクスピア、ミルトンを始め、サミュエル・リチャードソン、ヘンリー・フィールディング、オリヴァー・ゴールドスミス、アレグザンダー・ポープ、ロレンス・スターン、ウォルター・スコットジョージ・ゴードン・バイロン等の劇、詩、小説を愛読したそうです。
さて、『高慢と偏見』は、かつて旧制高校でも英語教材として盛んに読まれました。
例えば、「大正後期における旧制高校の英語教科書について」によると、大正10年度には第六高等学校(現・岡山大学)の文科甲類(英語が第一外国語)の2年、山口高等学校(現・山口大学)の文科乙類(ドイツ語が第一外国語)の3年、松山高等学校(現・愛媛大学)の理科甲類(英語が第一外国語)の2年で、教科書として採用されています。
高慢と偏見』は、僕が在籍していた大学の英文科では、2年生の「英文学入門」という科目の中で原書講読が行われていました。
必修科目なので、僕も履修したはずなのですが、単位を取れたかどうかは覚えていません。
まあ、不良学生だったもので。
ネットの情報などを総合すると、ジェーン・オースティンの英文は、イギリス小説の中でも最難関のようです。
TOEIC900点以上、英検1級を持っている人でも、なかなか歯が立たないとあります。
TOEIC0点で、英検5級にすらただの一度たりとも合格したことのない僕は、一体どうすれば良いのでしょうか。
英文の難易度は、デフォー、スウィフト、ブロンテ姉妹辺りが最も平易で、その後はハーディ→サッカレーディケンズヘンリー・ジェイムズの順で、その上がオースティンだとあります。
シェイクスピアやミルトンを除けば、英文学で最高の難度を誇るということですね(もちろん、『べオウルフ』やチョーサーは別です)。
デフォーの『ロビンソン・クルーソー』は、かつて旧制中学の英語の教科書にも使われていたくらいなので(もちろん、原文ではありませんが)、読み易いのは間違いありません。
他の作家は、原文で読んだことがないので、何とも言えませんが、『高慢と偏見』の冒頭部分を読むと、かつての難関大学の英文和訳問題のように構文が入り組んでいて、非常に読み難いのは確かです。
こんなものを、「入門」で読ませるとは。
もっとも、「会話体が中心で読み易い」という意見もありましたが。
テキストには、ペンギン版を選びました。
ペンギン版を選んだ理由は、この版が近所の図書館にもあり、また、大型書店の洋書コーナーにも普通に置かれていて、いちばん入手し易いからです。
翻訳について
英文学作品を原書で読むに当たって重要なのは、翻訳のあるものを選ぶということです。
英文学の原書は難しいので、翻訳がなければ、分からないところがあった時に、確認する手段がありません。
僕の尊敬する伊藤和夫先生も、『伊藤和夫の英語学習法』(駿台文庫)の中で、「僕も修業中は、対訳本は使わなかったけれど、翻訳と原書を並べて、原書で分からなかったら翻訳を見る、つまり翻訳を辞書のように使う勉強はずいぶんやったよ」と仰っています。
翻訳を選ぶ際、『高慢と偏見』のような有名作品では複数の版が出ていることがありますが、その場合、なるべく新しいものを選択することです。
古い翻訳だと、日本語の意味を読み取るだけで一苦労、ということもあります。
また、新たに翻訳する人は必ず先行訳を参照しているので、仮に前の訳に欠点があったとしても、それが改められている可能性が高いのです。
実際、岩波文庫版の翻訳を担当した富田彬氏は、同書の「まえがき」で、「今度は当文庫の依頼で、すでに完璧に近い邦訳のあるこの『高慢と偏見』を手がけることになり、すでに踏みならされた道を後から行くものの気楽さと同時に一種の不自由さを感じないでもなかった」と述べています。
また、ちくま文庫版の翻訳を担当した中野康司氏(青山学院大学教授)は、同書の「訳者あとがき」に、次のように書きました。

本書には野上豊一郎・平田禿木共訳、中野好夫訳、阿部知二訳、冨田彬訳があり、変わったところでは、野上弥生子による『虹の花』と題された翻案ものが昭和十二年に出ている。たいへんお世話になりました。しかし本書に限らず、イギリス小説の古典の新訳はどんどん出てほしい。

更に、新潮文庫版の翻訳を担当した小山太一氏(専修大学准教授)は、同書の「訳者あとがき」で、「小山太一訳『自負と偏見』は。これまで新潮文庫で出ていた中野好夫訳と置きかわるものである。(中略)今回の新訳を機にこの大先輩の訳業を読み返した(中略)また、中野康司訳『高慢と偏見』(ちくま文庫)の簡にして要を得た訳文からもさまざまなヒントを得た」と述べています。
高慢と偏見』の翻訳は現在、主なものが5点(岩波、ちくま、河出、光文社古典新訳、新潮の各文庫版)出ていますが、そのうち、前述の小山氏による新潮文庫版(2014年8月発行)が最新なので、僕はこれを参照することにしました。

高慢と偏見〈上〉 (岩波文庫)

高慢と偏見〈上〉 (岩波文庫)

高慢と偏見〈下〉 (岩波文庫)

高慢と偏見〈下〉 (岩波文庫)

高慢と偏見 上   ちくま文庫 お 42-1

高慢と偏見 上 ちくま文庫 お 42-1

高慢と偏見 下 (ちくま文庫 お 42-2)

高慢と偏見 下 (ちくま文庫 お 42-2)

高慢と偏見〔新装版〕 (河出文庫)

高慢と偏見〔新装版〕 (河出文庫)

高慢と偏見(上) (光文社古典新訳文庫)

高慢と偏見(上) (光文社古典新訳文庫)

高慢と偏見(下) (光文社古典新訳文庫)

高慢と偏見(下) (光文社古典新訳文庫)

自負と偏見 (新潮文庫)

自負と偏見 (新潮文庫)

非常に現代的で、読み易い訳です。
ただし、それなりに意訳されているので、原書と突き合わせる際には、少し頭を働かせなければなりませんが。
一口に「良い訳」と言っても、二通りあって、一つは原文に忠実な訳、もう一つは、日本語として読み易い訳です。
平たく言うと、「直訳」と「意訳」ということですね。
直訳か意訳か、どちらが良いのでしょうか。
前出の『伊藤和夫の英語学習法』には、「文法的なとらえ方は正しくても、日本語としては意味不明な訳文」はいけないとあります。
ネット上では、河出文庫版の阿部知二訳が最も原文に近いと言われていますが、間違いもあるようです。
【追記】
2017年12月、中公文庫から新訳が出ました。
高慢と偏見 (中公文庫)

高慢と偏見 (中公文庫)

翻訳は大島一彦氏(早稲田大学文学学術院教授)。
ジェーン・オースティンの権威です。
ちなみに、僕は学生時代に大島先生の授業を受けたことがあります。
本書の「訳者あとがき」によると、大島先生は、「大分以前からこの作品の自分なりの日本語版を作りたいと思っていた」そうです。
時間を掛けて、じっくりと完成させたとのこと。
上記の既訳も参照されたそうです。
大島先生は、昨今の新訳ブームに疑問を呈されています。
何でも新しければ良いというものではないと。
最近の新訳は、現代的な表現で読み易く、という方向を目指しているものが多いと思われますが、大島先生は、こうした傾向を、「或る文章が賞味出来るか出来ないかは多分に読手の教養や感受性次第だ」と、厳しく批判されています。
ですから、大島先生の訳は、敢えて古風な表現を使って、古典の風格を維持しているのでしょう。
登場人物の言葉遣いも、現代のテレビ・ドラマ等では絶対に出て来ない格調の高いものです。
それでいて、読み易く、かえって登場人物の性格が浮かび上がるように訳されています。
ただ、翻訳として読む分には良いですが、上に書いたように、古風な表現も多用されており、理解するには、正しく読み手の教養が問われますので、原文を読む際に参照するには、他のもう少し現代的な訳を使った方が無難かも知れません。
辞書・文法書などについて
それでは、どのように読み進めれば良いでしょうか。
よく、「速読か精読か」が問題になります。
もしも十分な英語力があり、一読して英文の意味が取れるという人なら、どんどん自分のペースで読んで行けばいいと思います。
しかしながら、このブログのタイトルは『英文学をゼロから学ぶ』です。
僕のように中学生以下の英語力しかない人間が英文学の原書を読もうとする場合は、分からない箇所を地道に一つ一つ確認しながら進めるしかありません。
精読するには当然、辞書を引きながら読むことになりますが、その際、斎藤兆史氏(東京大学大学院教授)が『英語達人塾』(中公新書)の中で勧めているように、単語ノートを作るのが良いと思います。
その方が記憶に残り易いからです。
辞書には、中学生用、高校生用等色々ありますが、英文学を原書で読むには、最低でも大学生・社会人用の中辞典が必要になります。
中辞典の中で最も伝統があるのは、研究社の『新英和中辞典』(初版1967年)です。
新英和中辞典 [第7版] 並装

新英和中辞典 [第7版] 並装

歴史のある辞書の方が、改訂される度に内容が良くなっている可能性が高いと思います。
『新英和中辞典』の収録語数は約10万語。
僕も高校生の頃から愛用しています。
英文学を原書で読んでいると、時には、中辞典には載っていない単語すら出て来ますが、そういう場合には、プロの翻訳家にも愛用されている『リーダーズ英和辞典』(研究社)の登場です。
リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]

リーダーズ英和辞典 <第3版> [並装]

収録項目数は28万(見出し語、派生語、準見出し、イディオムを含む)。
更に、『リーダーズ英和辞典』には、『リーダーズ・プラス』(研究社)という補遺版があります。
リーダーズ・プラス

リーダーズ・プラス

  • 作者: 松田徳一郎,高橋作太郎,佐々木肇,東信行,木村建夫,豊田昌倫
  • 出版社/メーカー: 研究社
  • 発売日: 2000/03/01
  • メディア: 単行本
  • 購入: 1人 クリック: 19回
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収録語数は19万語。
文学作品のタイトルや登場人物名等も詳細に載っているので、とても便利です。
2冊の『リーダーズ』があれば、かなりの範囲をカバー出来ますが、それでも載っていない語については、『新英和大辞典』(研究社)を引いてみましょう。
新英和大辞典 第六版 ― 並装

新英和大辞典 第六版 ― 並装

これは、日本で最も伝統と権威のある英和辞典です(初版1927年)。
収録項目数は26万ですが、さすが「ITからシェイクスピアまで」を歌い文句にしているだけあって、これまで挙げた辞書には載っていない語でも見付かることがあります。
このようにして、丹念に辞書を引きながら読んで行けば、難解な英文学と言えども、きっと理解することができるでしょう。
文法的なことで分からない点があれば、英文法の大家・江川泰一郎氏(元・東京学芸大学名誉教授)の『英文法解説』(金子書房)を参照すると良いかも知れません。
英文法解説

英文法解説

ただ、ほとんどのことは辞書に書いてあるので、そんなに出番はないと思いますが。
生田英数会という塾の先生のブログによると、『高慢と偏見』の原文には、大学受験レベルの文法事項が頻出するそうです。
以下に引用します。

後年、一応の能力をつけてから「高慢と偏見」を読みましたが、そこでは、英語固有の文構造こそが保証しているように感じられる、機知、皮肉、ユーモア、品位を味わう事が出来ました。小説ですから、受験英語ばかり日頃やっているわたしの知らない単語はあるものの、文の骨組み自体は、仮定法、分詞構文、倒置、強調、省略の連続であるともいえて、オースティンを読むことは、「学校英語の文法で習ったことがどんなに役立つか」を思い知る経験でもありました。

ですから、理論的には、受験を経て来た大学生なら、辞書を丹念に引けば、本作を読めるということです。
なお、この先生の仰っていることには、僕も強く賛同します(下記リンク参照)。
この先生は、高校1年生の時、「多読用」と称して、オーウェルの『動物農場』等の原書を6冊も渡されましたが、よく理解出来なかったそうです。
そりゃそうですよね。
高校1年では、未だ基本的な文法事項も全て習ってはいませんから。
世間では、「いちいち細かいところにとらわれずに、大意を把握しろ」というようなことがまことしやかに言われますが、これが如何に間違った考え方であるか。
再び、上述のブログから引用します。

これもよく、あることですが模試を受けてきた生徒に感想を聞くと、「なんとなく長文がわかった」といっている子は、全くだめ。逆に、「全然分かりませんでした」という子は、けっこうできている、というのがあります。これはもっと、一般化できることなのかもしれませんが、「なんとなくわかった」といういいかたを出来る子は、「ものごとをわかるということは、なんとなくレベル、でいい」と思っている子です。たとえば試験問題の長文の「ところどころに知っている単語があり、その一つががたとえば environment であったりすれば「環境問題」だったらしいと考え、そのことを「なんとなくわかった」と表現しているわけです。
反対に「全然分からなかった」という感想をいう子は、「少しでも不明なところがあれば、気になって仕方がない」という気性の子、を意味するということです。
「なんとなくレベル」の子に「なんとなく」をおすすめするほど、危険なことはありません。

また、2016年9月15日付の『朝日新聞』夕刊の「英語をたどってIV」という連載記事の中では、行方昭夫氏(東大名誉教授)が以下のように述べています。

英文を読んで「わかった」という学生たちに、「念のため日本語にしてみて」というと、中身をつかんでいなかったりアバウトだったり。実は読めていません。

東大の学生ですらそうなのですから、その辺の人達は推して知るべしです。
僕のような英語力の全くない人間は、面倒でも辞書を一々引きながら、「精読」するしかありません。
大学の授業について
もし、英文科の原書講読で本作を読むとしたら、どれくらいのペースなのでしょうか。
僕の手元に、アマゾンの古書で購入した、研究社英米文学叢書の『自負と偏見1』があります。
昭和42年1月発行の12版。
書き込みがたくさんあり、その最初のところには4月19日、最後には1月25日という日付けが。
おそらく、大学の授業で使ったのでしょう。
書き込みがあるのは55ページまでですから、1回の授業で2〜3ページずつ進んだのでしょうか。
ちなみに、英米文学叢書版は2巻に分かれていて、本文は合わせて411ページあります。
全体の8分の1しか読めなかったということですね。
難しい英文学作品の原文を、先生が丁寧に解説しながら進むのですから、それ位のペースになるのは仕方がありません。
未だ大学進学率が低かった昭和40年代の学生ですらそうなのですから、現在の大衆化した大学生なら、もっと時間が掛かるでしょう。
なお、京大の大学院では、『高慢と偏見』の原書(ペンギン版)を、1回の授業で10ページ位は進むそうですが、普通の大学の学部では無理です。
光文社古典新訳文庫版の『高慢と偏見』を翻訳した小尾芙佐氏も、50数年前(!)に大学(津田塾)の授業で本作を読まれたそうですが、やはり、最後までは読み通せなかったとか。
今や英文科の多くは「英語コミュニケーション学科」などという卑屈な名前に変わっています。
少し調べましたが、『高慢と偏見』の原書講読も、ほとんど行われていないようです。
しかし、英語を本当の意味で身に付けるには、やはり、英文学の研究は避けては通れません。
僕も、どれくらい時間が掛かるか分かりませんが、頑張って『高慢と偏見』を原書で読破したいと思います。
次回以降は、僕の単語ノートを公開しましょう。
【参考文献】
本学学術情報リポジトリの JAIRO Cloud への移行について - 図書館|滋賀大学ジェイン・オースティンの受容――明治期から昭和初期にかけて――」岩上はる子
文学論〈下〉 (岩波文庫)夏目漱石・著
英語教師 夏目漱石 (新潮選書)川島幸希・著
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jeigakushi1969/1998/30/1998_30_93/_pdf「大正後期における旧制高校の英語教科書について」井田好治
1982年度 二文.pdf - Google ドライブ
『高慢と偏見』 読み終わりました〜: TOEIC980点の大学生のブログ
★ジェイン・オースティン★Part4
伊藤和夫の英語学習法―大学入試 (駿台レクチャーシリーズ)伊藤和夫・著(駿台文庫)
英語達人塾 極めるための独習法指南 (中公新書)斎藤兆史・著
「精読より多読」は正しいか | こくばん塾生田英数会
「英語をたどってIV」刀祢館正明(『朝日新聞』2016年9月15日付夕刊)
自負と偏見 1 PRIDE AND PREJUDICE (英米文学叢書)』岡田美津・注釈(研究社)