『キー・ラーゴ』

この週末は、ブルーレイで『キー・ラーゴ』を見た。

1948年のアメリカ映画。
監督は、『天地創造』『カジノロワイヤル』の巨匠ジョン・ヒューストン
原作は、『西部戦線異状なし』『間違えられた男』の脚本を書いたマクスウェル・アンダーソン。
音楽は、『風と共に去りぬ』『カサブランカ』『三つ数えろ』の巨匠マックス・スタイナー
主演は、『カサブランカ』『三つ数えろ』『潜行者』の大スター、ハンフリー・ボガート
共演は、『十戒』のエドワード・G・ロビンソン、『三つ数えろ』『潜行者』のローレン・バコール、『グランド・ホテル』のライオネル・バリモア、『続・猿の惑星』のトーマス・ゴメス。
ワーナー。
モノクロ、スタンダード・サイズ。
画質は良い。
華やかな音楽から始まる。
フロリダのサンゴ礁列島で一番大きな島の名前がキー・ラーゴ。
走るバス。
追い付く車。
バスの運転手に「インディアン二人が脱走した」との旨が告げられる。
バスには、退役軍人のフランク・マクラウドハンフリー・ボガート)が乗っている。
彼は、キー・ラーゴのホテルへ向かっていた。
しかし、ホテルに着いてみると、人相の悪い連中達が占拠して、「夏は閉店だ」とのたまう。
バーには、中年女性ゲイ・ドーン(クレア・トレヴァー)が競馬談義をしながら酒を飲んでいる。
フランクは、ホテルを経営しているジェームズ・テンプル(ライオネル・バリモア)に挨拶する。
ジェームズは足が不自由で車椅子生活だ。
彼の娘のノーラ(ローレン・バコール)は、未だ若いのに未亡人になってしまった。
彼女の夫は、フランクの戦友なのであった。
ジェームズはフランクに、「ぜひウチに泊まっていって」と言う。
息子の戦死について、話しを聞きたいのであった。
その頃、フロリダにはハリケーンが近付いていた。
ノーラはインディアン達と仲が良い。
108歳だというインディアンの婆さんが登場する。
本当だろうか。
脱獄したらしい二人のインディアン青年も、こともなげに「自首する」なんて言っている。
ギャング達は、いよいよ銃でホテルを占拠した。
ジェームズは、果敢にもギャングに立ち向かうが、足が不自由でどうにもならないのが哀しい。
ギャングのボスは、悪名高いジョニー・ロッコエドワード・G・ロビンソン)であった。
フランクは、真っ向からロッコには立ち向かわず、現状追認のようなことを言う。
ロッコらは、いよいよ調子に乗って、ジェームズをけしかける。
車椅子から無理して立ち上がったジェームズは、倒れてしまう。
それを笑い者にするロッコら。
何て非道な連中だ。
身体の不自由な人を笑うなんて、けしからん。
頭に来たノーラは、拳でポカポカとロッコを叩く。
すると、ロッコは何と彼女に無理矢理キスをする。
これは衝撃的だ。
ロッコが逃亡用に手配していた船の船長が、「こんな嵐の中をどうする!」と抗議に来る。
ロッコは、ハリケーンの怖さを知らないらしい。
更に、連中は、脱獄したインディアンを追って偶然ホテルに来たソーヤー副保安官をボコボコにする。
ヤクザの常だが、ロッコは裏で警察も政治家も全部押さえているのであった。
で、ロッコは、ノーラのことを「気の強い女だ」と言って気に入る。
ノーラは、ロッコにツバを吐く。
タイタニック』でケイト・ウィンスレットがやったのは、これから来たのか?
そんな中、アル中のゲイが目覚めて部屋から出て来る。
ロッコは、偉そうにしているが、頭は弱い。
ロッコは、フランクに銃を渡して、「オレを殺せ」と挑発する。
フランクは撃たない。
そこへ、ソーヤー副保安官が銃を取ってロッコに立ち向かう。
ロッコは、ソーヤーを射殺する。
血も涙もないヤツだな。
そして、さっきフランクに渡した銃は、実は空砲だった。
フランクは、ロッコみたいなヤツのために死にたくない。
ノーラは、フランクのことを「あなたは臆病者よ」と罵る。
本作のハンフリー・ボガートは、等身大のヒーローだな。
あまり格好良くない。
まあ、クライマックスではヒーローになるのだが、それは短時間で畳み掛けるように終わる。
本作の舞台はフロリダだから、ハリケーンはしょっちゅう来るんだな。
本作は、全編ほとんどセット撮影なので、大変だ。
面白かったのは面白かったんだけど、映画史に残る映画かと言われると、どうかな。
アカデミー賞助演女優賞受賞(クレア・トレヴァー