『暗闇にヤギを探して 3』(MF文庫J)

この3巻(最終巻)の出来は単品で見てとても出来が良いのに、これを読むのはシュールでポカーンな1、2巻を乗り越えてきた少数の人間だけであるというのがとても勿体ないですね。

いやホント。こういう真っ当なセツナイ系の青春恋愛モノを書けるなら最初から書いてくれれば…。この路線で次回作に期待。

やー、感想サイト系では評判良さげな割に自分の感覚では「いや、そこまで…」という感じだったので正直この3巻に手を出すつもりなかったんですよねー。が、出先でうっかり手持ちの本を読みきっちゃったので帰りの電車で読むものがなくなったので買ってみただけなんですよ、実は。いやー、見逃さなくて良かった良かった。

この最終巻はダブルヒロインの結末ということで「どっちを選ぶのか」という王道ながらもう1人のほうもしっかりと書いていてなかなかのセツナサっぷり。微妙に「それなんて泣きゲー?」なことも思いましたが、まあ些細な事。

というわけで満足ですわ。ただ、1巻から考えるとストーリーがねじくれまがって着地したような一貫性のなさを感じますやね。3冊のうち余分な部分(なんかハーレムモノっぽいアレとか)を削ぎ落として1冊でデビューすれば割と評価が高かったんではないかと思ったり。

暗闇にヤギを探して 3
穂史賀 雅也著
メディアファクトリー (2007.4)
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