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ドキドキ上海日記 RSSフィード

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11月26日(日)【1DAY】レネット×メイリッシュコラボカフェ
何の前フリもなくこのお店の話題が出ることがあります。
ていうか、そればっかりです。

2018/04/28 (Sat) 早稲田松竹

ホームレス超能力少女

『女神の見えざる手』

「社会派サスペンス」という触れ込みだったが、本質は全然社会派ではなく『スティング』みたいなコン・ゲームものだった。と書くだけでネタバレみたくなっちゃうけど。銃規制強化法案を通そうとする女性ロビイストが主人公、というと確かにいかにも社会派っぽいが、銃規制にまつわる様々な議論や事件も「どっち陣営に有利になるか」という観点でしか描かれないし、ロビイストという職業がどんな仕事かを見せるって感じでもない。なにしろ盗聴・買収何でもありで劇中でも「007ごっこ」とか言われてるくらいだし、ヒロインも「敵を欺くにはまず味方から」を地で行きすぎて周り全員ドン引き。しまいには銃乱射事件の生存者である過去を伏せていた同僚を、本人の同意を得ずにいきなりTV出演させて「あなたの感情にも人生にも私は責任を負っていない、任務達成のために出来る手段は全て利用する」と言い放つ。

でもやっぱり、睡眠障害の身体にアッパー系の薬をブチ込みながら戦い続ける生き方に限界を感じた彼女は、自分が聴聞会で吊し上げられることまで読み切った上で大逆転の手を打つ、のではなく、自分が有罪になる代わりに将棋盤をちゃぶ台ごとひっくり返す、みたいな結末を選んだ、という話になっている。この映画で唯一、利害抜きで彼女のために行動するのが金で買っていた男娼(偽証罪のリスクを冒して彼女を庇う)というのも皮肉が効いてる。

でも、コン・ゲーム的には「最初に彼女に愛想を尽かして離反した元部下が実は密偵だった」ていうのが最高のどんでん返しなのに、その直後にくるのが「NSA仕込みの最新盗聴技術でゲットした証拠を御覧ください」みたいな何のヒネりもないオチなのも微妙。出す順番が逆ならよかったのに。なので最終的にこの映画はコンゲームでもないことになる。ヒロインは何を優先するのか? という話である。何が何でも銃規制したいという主義主張なのか、ロビイストとしての成功なのか、自爆してでも民主制の腐敗を暴くことなのか、それとも、というヒロインの「勝利条件」が最後に問われる流れになっていく、押井守の感想が聞いてみたい映画(笑。

これが米仏合作というのもよくわからん。

『ドリーム』

マーキュリー計画なのにアポロ計画とかいう邦題に非難囂々、『ドリーム』に変更されたという経緯ですがドリームてのもどうなんだ。原作ではキング牧師の "I have a dream." がフィーチャーされてるし、映画にも一応「夢」って出てくるけどさ。

人工衛星打ち上げに続いて有人宇宙飛行でもソ連に先を越された、ていうシーンで、ケヴィン・コスナーが「これからずっと残業続きになる。それに見合った給料は出ない。わかったら帰りが遅くなると女房に電話して仕事に戻れ。俺もそうする」とか言うんだけど、アメリカ人もこんなこと言うんだなーと思いました。冷戦下でソ連と競争してるNASAだからこそかもしれませんが。原作ではこんなニュアンスではなかった気が。

そのケヴィン・コスナー本部長が「それで仕事の効率上がるんなら人種差別なんかしてる場合じゃねえだろ!」ってな具合に合理精神でどんどん黒人女性の地位を引き上げて行く役どころで、相変わらずケヴィン・コスナーはこういうオイシイ役をやりたがるんだなあと思いました。

原作は、インドの外交団がホテルの予約や飲食店の利用を拒否された話など、アメリカの人種差別が冷戦下でソ連と比較された場合にマイナスイメージになるという視点だったり、よりスケール大きくタイムスパンも長く取って書かれている。当然ながら原作のほうが圧倒的に情報量が多いので、映画観た人は原作読んでみることをオススメしたい。逆にIBMのメインフレーム機がデカすぎて部屋に搬入できないとか、当初プログラマがいなくて使い物にならないみたいなとこは画で見ると面白かった。そう、「コンピュータ」という言葉が「計算係」の人間を意味していた時代から、計算機としてのコンピュータが登場してくる過渡期の話でもあるのだった。

2018/04/25 (Wed)

GGO

平山雄一『明智小五郎回顧談』(集英社)

作者の肩書きは「推理小説研究者、翻訳家」で、公刊された小説はこれが初めてのようだが、なるほど研究家らしいペダンティックというかブッキッシュなパスティーシュ小説。警視庁の非公開資料を作るため、嘱託された退職刑事が隠退した明智に取材にくる、という体裁で、明智自身が生い立ちから戦後に至るまでの、短篇やいわゆる通俗長編に書かれた全活動を年代記的に語る。江戸川乱歩は明智の友人で本人をモデルに小説を書いたとして話の中に登場する。『二銭銅貨』のラストで例の銅貨をくれた「ある人」が明智だったり、明智登場作品以外もいくつか明智が関与してたことになってたりする。

乱歩的な稚気も大いにあって、以下どうしてもネタバレ満載になる(笑。

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2018/04/12 (Thu)

スマホのゲームを新たに始める

ずっと真面目にプレーし続けてるのはFGOとスクストの2本だったのだが、最近(3月末時点で)どっちもデイリーの作業やってるだけで気分的に停滞気味だったので、今のスマホにしてから挿してなかったSDカードを内部ストレージ扱いで増設して、その分新しいゲームを始めてみた。いや、これ以上スマホいじる時間を増やすべきではないと思ってはいるのだが。意志薄弱なので歯止めが効かなくなるのわかってるし。

あ、あとバンドリのガールズバンドパーティー(ガルパ)も入れたまままだ消してなかった。ログインしてないけど。このへんが未練である。

まあ全部続ける気はなくてとりあえず試してみようくらいのつもりだったのだが、今のところ一つも辞めてないし4月に入ってFGOもスクストも新展開があったので結果やることが多くてとても忙しい。

スクールガールストライカーズ トゥインクルメロディーズ(スクメロ)

http://www.twinkle-melodies.com/

スクスト本編のキャラがアイドル活動をするゲーム。2017年8月31日サービス開始。

もともとスクストは「チャンネル」と呼ばれる無数の可能性世界が存在し別世界の自分の能力を借りて戦うという話なので中にはアイドルやってる世界があってもいいだろみたいな。本編でもメンバー5人ずつチームを組んでるのでそれがそのままアイドルユニットに移行している。

スクストにはそれなりに真面目に取り組んでる俺がこっちに手を出してなかったのは、いわゆる音ゲーが絶望的にヘタクソで全然できないのと、同一タイトルで複数のゲームがあるのってどうなの? 全部やってたらキリがないじゃんアイマスとか、と思ってたのと、メインの主人公ユニットが本編に未登場の新チームだったので思い入れがなかった、などが理由である。キャラデザも違うしね。

ついでにキャラの3Dモデルも別。スクスト本編でも飛んだり跳ねたりのアクションや、コントのシーンであらゆる芝居をさせてるのだから、アイドルの踊りを見せるのとでは違う部分が多々あるのはわかるが、ベースの部分はモデルを流用できなかったのだろか。確かスクストの3Dエンジンはスクエニ内製でフルスクラッチしたものを使ってると聞いた気がするので逆に再利用が難しかったのかな。あるいはスクストのリリースは2014年4月ともう4年も前なので、日進月歩のこの分野では一世代以上前の技術という感じだったのかもしれない。以下に紹介するタイトルとの比較でもそのへんは痛感した。

スクストのキャラは当然、「新感覚ラノベスタイルRPG」であるところのスクスト向けにデザインされたのであってアイドルが全く似合わない子も多く(笑)、それが3Dモデルで歌って踊る映像というのがまさに俺のツボなのであった。

モーション制作の記事を読むと、わざわざ本当にアクター5人並べて収録してるんだなーと思ったら、

「スクメロ」で学ぶ,モーションキャプチャの制作現場。アクターのダンスが“3Dキャラのダンス”になる瞬間を見てきた

http://www.4gamer.net/games/386/G038640/20171121042/

5人の立ち位置が交代したり、縦に並んだり、一人だけ前に出てソロ取ったり、複雑な移動を伴う振り付けを実現するために5人一緒に収録してるんですね。逆にいうと、5人が横一列に並んで同じ振り付けで踊るだけなら一人分のモーションを流用すればよいわけで、そうなってるのかと思ってた。アイマスは(たぶん)そう。そこはアイマスにはっきり優っている。

(追記:ミリシタでも「歌い分け」アイコンの付いた一部の曲では非シンクロの振り付けがあった。自分が解放済みの曲の中ではタイトル画面で流れるテーマ曲でもある『Brand New Theater!』と他に1曲しかない)

5人別モーションの密かな良さとして、揃って同じ動きをしてるとこもアクターによって微妙に手足の角度とか違うので、そこがリアル。

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ハンドマイク曲もあったりして、これもアイマスとの差別化を意識してるのでは。

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というわけでダンス映像を堪能したいのだが、このゲームでは映像をじっくり視る「MV」モードを解放するには、その曲を最高難易度「Expert」でクリアする必要があるのだった。アイマスではどの難易度でもクリアさえすればOKなのに……。

上記の通り俺はリズムゲーがありえないほどヘタクソなため、ガルパ(バンドリ)では4段階ある難易度のうち下から2番目の「Normal」をどうにかこなすのが精一杯で、あのゲームでは効率よく稼ぐには他のユーザーと同期でプレーする「協力ライブ」が前提になるのだが、ヘタすぎて恥ずかしいし迷惑にもなるので協力ライブが全くできず、早々に諦めてしまった。しかし、今回ばかりはどんなことをしてもクリアしてやるぞ! とやる気を出した。

思うに、リズムゲーというのは、タッチする位置とタイミングは表示で判断できるので極端に言うと音を一切聴かなくても理論上はプレー可能である。逆に「鳴ってる音」と「タイミングの指示」はなんとなく合わせてあるだけで本質的には無関係なので、全部スネアに合わせればいいとかならともかく、歌の部分は譜割りに合わせてあったりするし、不合理なのであまり頼りにしたくない。しかし難易度が上がると目で見て判断が全く追っつかないので、結局は曲の展開を覚えるしかない。覚えるには反復するしかないが、Expertモードはプレーするだけで大量のスタミナを消費するので練習回数をこなすこと自体が困難。スタミナを消費しない代わりにスコアも実績に加算されない「予行演習」というモードがあるがこれも1日3回の制限がある(3回分以上は溜められない)。このへんの仕様はどのゲームもほぼ同じである。そこで俺が何をやったのかというとスマホをUSBデバッグモードでPCに接続し、 Android Studio のスクリーンレコーディングでExpertモードのプレーを動画に記録した。手元の Android Studio がバージョン2のままだったので3を入れ直すところから始めた。正確には普通にプレーするとミスで減ったライフがゼロになった時点で終了してしまうので、予行演習モードで最後まで演奏したのを録画。ところが Screen Recording は音声が含まれないので(笑)無音の動画になってしまった。音は別途録音して動画編集ソフトで曲の頭を合わせればいいか……と思ったが、さすがに面倒くさくなって曲だけでも動画ないかなと思ってYouTubeで検索したら普通にフルコンボ動画がいくらでもあった(本当はダメなやつね)。しかもスマホ画面のキャプチャではなく、プレーしてる手元を別のカメラで撮影した(笑)ある意味原始的な動画まで(たまたまその曲に関しては)あったのでそれを観て大いに参考にした。じゃあなんでUSB云々の話を書いたのかというとそれだけ必死だったということを伝えたかった。久しぶりにゲームで本気出した。

ガルパではNormal止まりだったのがその上のHard(つまり上から2番目)までクリアできたところでもしかして行けるんじゃね? とは思ってたのだが、実際にExpertがクリアできた時は呆然としてしまった。本当にできるとは。ガルパやった時は自分は本当に遺伝子レベルでリズムゲーの適性がない人間じゃないかと思ったからね。まあ対応力がなかったのは間違いないにしろ初心者が最初にぶつかる壁で普通に止まってただけだったのか。

俺、「最初できなかったことを努力した結果達成する」という成功体験が全然ないので、いつかできると信じて練習を続けるみたいなことが本当にできないんですよね。今回久々に「あ、最初は絶対無理と思っても必死に頑張ったらできるようになるんだ!」というのを実感して、大げさにいうと人生観が変わるような体験だった。大げさすぎ。

まあそこまで必死にやる必要があったのは最初の一曲だけであり、あとは「できるはず」という前提に立ってしまえばできるもので、もちろん失敗は数多く繰り返したものの通常曲のExpertはほとんどクリアしてMVを解放した。

あとイベント毎にランキング戦みたいなのがあって、スクストでは結構がんばっても5万位台とか、まあ上に何万人もいるポジションが関の山なのだが、始めたばかりのスクメロでは途中経過の一時的なランクとはいえいきなり3桁の上のほうの順位が出てしまってビビった(笑。

アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ (デレステ)

http://cinderella.idolmaster.jp/sl-stage/

シンデレラガールズのTVアニメは全部観てたのでそれなりに馴染みがあるつもりで始めたが、知らない子も多かった。下に書いたミリシタに比べると全体的にちょっと古いなーという感じは否めないし(リリースは2015年9月)、その視点で見ると3D映像のクオリティも物足りなく感じてしまう。あと実をいうとメインの絵を描いてる人の絵柄があんまり好きじゃない……。てな感じで、これから頑張ってやろう! というモチベーションもあまり湧かないのでどうしようか迷っている。容量に余裕ないしサクッと消して『刀使ノ巫女』でも入れるべきか。とか考えつつガルパすらまだ消してない俺はアンスコに踏み切れないのだった。

でもつい最近になって新フィーチャー「営業」が追加されたり、まだまだ開発は盛んなのね。

とか書きかけてる間にシンデレラガールズ総選挙が始まった。総勢180人もおるんか。

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とりあえずこの子を推すことにした。いいメガネ。

アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ (ミリシタ)

http://millionlive.idolmaster.jp/theaterdays/

765プロが常設劇場を持ってそこを拠点に39人の新人アイドルをデビューさせる「39プロジェクト」を展開する、という話。あの雑居ビルに事務所を構えていた765プロが……! と思ったが事務所は相変わらず雑居ビルにあるっぽい(笑。

ちょうど前作にあたる『〜ミリオンライブ!』が先月19日でサービス終了し、後継作品である今作に一本化されたところなんですね。リリースは2017年6月29日。新しいだけあって表現はリッチで、いわゆるホーム画面にあたる「劇場」は全体が3D空間として描画されており、「エントランス」「控え室」「事務室」「ドレスアップルーム」の4つのシーンがあってそれぞれアイドルが出入りしており奥のドアから入ってきた子が椅子に座って台本を読み始めたり、エントランスの掃除を始めたり、フィッティングルームで着替えて出ていったり、といった日常が演出される。このVR感が俺の大好物なのである(笑。とりあえず起動すると劇場をアイドルどもがうろちょろしてるのでそれだけで楽しみがある。

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控え室でおもむろにラーメンを食い始める四条貴音さん。どこから出したんだよ(笑。

こっちのアイマスは765プロが登場する、当初GREE版のアイマスという意味で「グリマス」などと呼ばれてたほうの流れを汲むやつだったんですね。よく知らんかった。旧TVアニメから劇場版『〜輝きの向こう側へ』につながってるやつだ。つまり矢吹可奈というアイドルはあの映画でレッスンを無断欠席してたバックダンサーなわけで、極めて印象が悪い(笑。

アイマスくらいメジャーな作品になると、本編に直接触れてなくても二次創作のマンガやイラストを見る機会が多いので人気のあるキャラは大体知ってたりするものだが、その意味では今も昔もシンデレラガールズ系のほうがメジャーでミリオンライブ系は影が薄い(個人の感想です)。知り合いの推しアイドルが、その人が描いてるの以外全然見たことないなと思ってたらこっちの、ミリオンライブのアイドルだった(笑)のを今回プレーして初めて知ったくらいである。誰のことかはあえて書くまい。

ではなぜ俺がこっちをプレーしようと思ったのかというと、結論を言うとこれである。

昨年MIDI検定1級の認定を受けた声優の小岩井ことりは、その時点である意味プロ級の技能を持っているわけだから音楽制作の仕事もやりたいという意欲を表明しており、最初は知り合いのプロデューサーを介して地下アイドルユニットみたいなところに楽曲提供していた。声優としてはメジャーでもコンポーザーとしては新人以前の、未知数の存在なのだから前途遼遠だろうなーとその時は思ってたのだが、今回いきなりアイマスの、自分が演じるキャラの曲を書くという派手なデビューをキメてくれたのでビックリ。こうなったらチェックするしかあるまい、となった次第である。

MIDI検定1級持ち声優として認識してから気になって気になってずっとチェックしてたので、小岩井ことりがアイマスで武道館ライブとかに出演してたのは知っていた。もしかしてキャラ自体がソングライター志望みたいな設定なのかな? と思ったらそんなことはなかったぜ。

天空橋朋花

ファンを「子豚ちゃん」と呼び「聖母」を自称する女王様キャラだった。しかもあの声で。

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俺の大好物やないか!!(そればっか

既存の天空橋朋花ソロ曲は(把握している限り)2曲とも「マリア」という単語が出てきて、ネタかぶってるっつーかキャラとして「聖母」というキーワードが強すぎた感がある。今回の曲は『Sister』で、さすがに一筋縄ではいかないというか、あまりベタにキャラに当て書きしたキャラソン(とも微妙に違うが)が好きではない俺も納得の仕上がり。さすが中の人。しかも曲調はモロにラテンなノリで、本当にこの曲書いたの? と思ってしまった(笑。 MIDI検定ってどっちかというと試されるのは作曲能力よりはアレンジャーとしてのスキルがメインのはずだしね。

そのへんの詳細はこちら。

前代未聞!?声優の小岩井ことりさんが作家としてメジャーデビュー!自ら演じるアイドルマスターのキャラソンを作詞・作曲

http://www.dtmstation.com/archives/52012179.html

しかしこのゲーム、例によって無課金でやってるとガチャを引けるチャンスが非常に少ないので、未だに本命の朋花がド低レアのN(ノーマル)しかいないのだった。早く天空騎士団に入りたい……。

そういやアイマスは『〜シャイニーカラーズ』という新作も出るみたいですね。また別プロダクションの話だとか。まだ増えるんかい。

きららファンタジア

https://kirarafantasia.com/

まんがタイムきらら系のマンガは全然読んでないのだが、TVアニメはほぼ全部観てるので参戦作品は全て知ってた。その意味では俺みたいな人間がターゲットなのか。しかしアニメ化作品といっても『うらら迷路帖』なんて観てた人いるか(俺は観てたけど)? 一方で俺の好きだった『あんハピ♪』はなぜ参戦してないんだ、など納得いかない部分はある(笑。原作者の意向なのかしら。3月までのアニメで好評だった『ゆるキャン△』と『スロウスタート』もさっそく参戦決定して、キャッチーという点では申し分ないと思う。

ゲームとしては『FGO』に比較的近いが、クローンというほどまんまではないので、その落差の部分で「FGOはよく出来てるんだなあ」と思わされる(笑。

メインストーリーはリリース済みの分は全部すぐ終わってしまったが、シナリオ上はあまり作品間のクロスオーバー要素がないというか、まずは一章につき一作品をフィーチャーする感じなのか。よく把握してなかったけどこないだリリース100日記念とか言うてた段階なのでこれからに期待、というべきか。

とりあえず無課金なので、キャラ育成面でいうと、レベルキャップ開放するのに同レアレティのカードを重ねる必要があるため、高レアほどレベルが頭打ちになり、むしろ低レアのレベル上げまくったほうが強くね? となってしまう。まあこの点でも現状まだそこまで強いキャラが必要な段階に達してないですが、長期的には厳しくなってきそう。サポートキャラ(他のユーザーが登録してるキャラを借りられる)を見ると高レアを上限まで育て切ってる人がゴロゴロいるのでみんなすげーなと思う。

今はちょうどスロウスタート参戦記念イベントやってるけど、メインストーリーとは別扱いなのであんまり走る意欲が湧かなくて早くも放置気味である。いやメインストーリーがそこまで楽しみかというとそれも微妙なのだが(笑。

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とりあえず現状で思い入れがあるのは主に『NEW GAME!』勢かしら。

D×2 真・女神転生 リベレーション

https://d2-megaten-l.sega.jp/

これはつい最近、ペルソナ5の枠でCMやってるの見て始めてみた。

俺にとってのメガテンはそれこそファミコンの1,2とスーファミの最初の真・女神転生をやったくらいで、その代わり原作のデジタルデビルストーリーは新DDS全6巻まで読んだしその後ログアウト冒険文庫だかで新作が一冊だけ出てそれっきりになったのも読んだ。そもそもシリーズタイトルは『デジタルデビルストーリー』でありその小説1巻が『女神転生』だっただけなのだが……、とか以下略。

俺から見るとペルソナはもう「スタイリッシュすぎてつらい……w」という感じなのだが、こっちはイイ感じに真・女神転生というタイトルの泥臭い感じを引きずりつつデザインのセンスはとても良い、バランスの取れた仕上がりではないかと。

タイトルの「D×2」は「デビルダウンローダー」で、その昔中島朱実くんが開発してノートPCで走らせてた「悪魔召喚プログラム」が時代も変わりスマホで使えるようになってカジュアルに広まっている、と歴史的に繋がってるのが感じられて(設定上の繋がりはないが)、まさに時代を超える先見性ある発明だったなあと思った。長く続くシリーズになるだけのことはある。

ゲーム的にはレベリングクエストという、手頃な敵と戦って経験値を稼ぐミッションがあるのだがそれを全自動でスタミナ尽きるまで回してくれる機能があり、序盤においてはかなり効率がいいので放置してるだけでレベルがバカスカ上がっていく。昔の俺なら「勝手にレベルが上がってるのって達成感なくない……?」とか思っただろうけど、今はさすがスマホゲー! て感じでバンバン使ってます。楽ちん。

あと悪魔は全部3Dだけどゲームは意外と軽量。何GBもDLさせるような大作ばっかやってたせいか、ものすごくライトに感じる。音ゲーはアニメ観ながらプレーができないし(笑)、こういう手軽かつクラシックなRPGも一つあっていいな、うん。ただ通信エラーの頻度が高いのは最近俺と同じようなタイミングで始めたユーザが急増したせいかしら。

ところでこのゲームやろうと思ったのはCMで見たキャラが可愛かったからなのだが、改めて公式サイトの紹介を見ると、

高殿栞

コードネーム:しおにゃん

売れない地下アイドル。

16歳にしてマサチューセッツ工科大学に飛び級で入学。

IQ180で八カ国語に堪能。

性格が悪すぎてファンがつかない。

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しかも声はチャイカこと安済知佳だった。なんで俺はこういうクソみたいなキャラばっか引いちゃうんだろう。完全に見た目だけで選んだはずなのに……w

この子なかなか出てこなくて、やっと登場はしたけどまだ仲間になってない。

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テンプラドラゴンちゃんもかわいい。

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悪魔はこんなん。パズスさん強いんだけど通常攻撃のミスが有意に多い気がしてならない。

2018/03/28 (Wed)

『ミイラの飼い方』

http://www.tbs.co.jp/anime/miira/

間違いなく一年後には完全に忘れ去られている作品なのでやはり今のうちに書いておかねばと思う。

原作は comico のWebコミックらしいが、今期最も「誰をターゲットにしているのか分からない作品」である。こういうよくわからんものはメジャー誌ではまず連載できないだろうから、マンガの裾野が広がって多様な作品が世に出るようになったという意味ではよいことなのだろう。しかしそれがTVアニメ化してしまうというのは謎である。

導入は、海外を飛び回っていて不在の父親(考古学者か何か)から得体の知れない荷物が送られてくる、というよくあるパターンなのだが、送られてきたのが「ミイラ」で、それもぬいぐるみサイズで二頭身の、ゆるキャラみたいな生きているミイラ。言葉は喋らない。このミイラがかわいいというのがこの作品のウリなのか? 理解でけん。

メインキャラは主人公含め4人いて、それぞれ「ミイラ」「小鬼」「ドラゴン」「バク」という未確認生物(?)を家で飼うことになる。最初は、変だけどかわいい小さな生き物を飼う日常ものだったのだが、アニメ後半になると地元の神社に神様がいてその周囲に魑魅魍魎や妖怪変化が無数に暮らしているという『もののけ姫』みたいな世界観になっていて、じゃあお前らが飼う必要なくね? とツッコんでしまった。

まあそれはよい。

メイン4人のうち一人だけ女の子で(このへんも作品のターゲットがわからない部分)、声は茜屋日海夏で男言葉っぽい口調でちょっとかわいい。この、前髪をナナメに切り揃えてるの好きなんだよね。リアルでは見たことないっつーかモデルみたいな美人でオシャレじゃないと似合わないだろうからキツそうだけど。

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結局何が言いたいのかというとEDである。

EDはサビまではSDキャラが踊ってる画を入れつつ、最終パートだけ頭身高いキャラが1コマで(たぶん)踊るのだが、そこだけ妙に印象に残る。それも4人のメインキャラが順に出るのだが、例の女子はもう一人の男と一緒でピンのパートがなく、しかも短い。どうせなら女の子をガッツリ踊らせろよ! と思ってしまうのだった。

で、そのダンスがどうやら歌ってるアイドルの振り付けをそのまま再現してるらしいと気づいた。

なぜかキャストが踊る動画というのもある。

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茜屋日海夏は本業アイドルだからいいけど、声優さん大変だよなこれ……。プロモーションにしてもなぜそこに力を入れてくるのかわからん(笑。

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この曲、作詞作曲が志倉千代丸なのね。千代丸はアフィリアサーガとか自分の会社でアーティスト丸抱えでやってるんだと思ってたが今はこういうのプロデュースしてるのか? 楽曲提供だけなのか? 確認してない。しかし失礼ながら正直これはブレイクしねえだろうなあ……と思ってしまうのである。

こういう、ブレイクを目論むBC級アイドルがアニメタイアップでワンチャン、みたいなの本当に多くなりましたよね。この『ミイラの飼い方』なんてEDだけじゃなくOPもそう。せめてどっちかにしろよ。

D

こちらは少数精鋭というか、上のに比べればメンバーのルックスはそこそこのレベルだと思うのだが、一方でこのMVは振り付けといい映像といいやる気なさすぎねえか? と思うのである。やる気じゃなくて予算がないのか。もう少し頑張れなかったか。

せっかくなので以下、今期のアイドル系アニメ主題歌。

D

『だがしかし2』のED、映像は初めて観たが、声が完全に子供なのを逆に活かした(?)ラップともポエトリーリーディングともつかないパートは逆に好感が持てる(笑。 初期のももクロを彷彿とさせるというか。

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今期一番普通のクソアニメだった、定番の異世界もの『デスマーチから始まる異世界狂想曲』のOPはWUGの妹分ユニットである Run Girls, Run! のデビュー曲。凝ったアレンジのかっこいい曲なのだが、いかんせんボーカルが新人なので全く歌いこなせてなくて勿体ない(笑。

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おそ松さん。A応Pはブレイクしたと言っていいんだろうか? ツアーとかやってるみたいだけど。「アニメ応援プロジェクト」だった頃は到底無理だろと思ってました。

あと斉木楠雄のΨ難のEDがでんぱ組.incなんだけどなぜかMVがないので前の曲を。

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まあでんぱ組はメジャー度でいえば段違いなのでここで紹介するのは失礼かも(WUGも省略したし)。でも金髪の子が脱けてメンバー入れ替わったりゴタゴタしてたみたいだし、MVがないのもそのせいだったりするのかしら。

2018/03/11 (Sun)

大洗旅行

昨年に引き続き、同じ面子で一泊旅行してきました。

個人的ハイライトでお送りします。

大洗駅ホームに最近設置された電光掲示板。

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観光収入やふるさと納税の成果?

宿泊先はウサギさんチームの戦車がポール看板に激突したことでお馴染み大勘荘さん。

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折れたポールに警戒色シートが巻いてあるのは「補修された跡」という説も(笑。

大洗磯前神社、神磯の鳥居。

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普通に撮ったらイイ画になったので。この日は波が高かった。

バーどん底のモデルになった歌族ステージ ドルフィン

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夜だからこんな写真しかない。

あと前回会えなかった、おりょうパネル(玉屋菓子店)を撮ったんだけど思いっきりガラスに自分らが映り込んでて公開できる写真がなかった(笑。

施設リニューアルした大洗シーサイドステーション内、大洗まいわい市場では土産に大量の煎餅を買い、さらにガルパンギャラリーでけん玉を買ってしまった。

戦車道×けん玉道の共通点

・集中力の鍛錬・精神力の発達・戦略知識の向上・技を磨く

・チームプレー・共通の仲間で友情を育む・終わりがない楽しさ さぁ、君も「道」を極めよう!

ピンクのあんこうチームの他に緑のⅣ号戦車D型もあります。

こういう「誰が買うんだよ」ってグッズ見ると買っちゃうんだよなあ……バットとか。

その場で開けて遊んでみたら基本技が全然できなくなってたので(笑)「サイズが小さくてやりづらい」と言い訳してたんですが、

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後で確認したら認定けん玉と同一サイズでした。

2018/02/26 (Mon)

刀使ノ巫女

『刀使ノ巫女』

http://tojinomiko.jp/

日本刀で武装したJK(=刀使)が「荒魂」と呼ばれる妖怪と戦う、いかにもありがちなB級美少女アニメのようであるが、意外とみどころが多い気がしている。

まず味方側の組織のトップが実は荒魂に乗っ取られており、そのことを主人公らごく少数しか知らないので組織全体を敵に回して反逆する形になる展開、主人公が訓練校の学生にすぎない組織の最下級戦士である設定などは明らかに『聖闘士星矢』最初の十二宮編を下敷きにしているし(第1話の御前試合はもちろんギャラクシアンウォーズである)、訓練学校が「五箇伝」と呼ばれる五校に分かれて競争相手になってるのは組織を横に広げて奥ゆきを出す工夫であろう。「刀使」をはじめ既存の概念で間に合うところにやたら独自の造語を使うのもなにげに聖闘士星矢っぽい(笑。 設定情報を増やせばいいというものではないが、ちゃんと効果的な範囲で考えられていると思う。

『フリージング』や『テラフォーマーズ』のように、本来戦うべき相手として外敵が設定されているにもかかわらず人間同士が戦うほうが盛り上がるからそればっかりになっちゃうのは本末転倒というか設定がうまくないなと感じてしまうのだが(逆に『仮面ライダー龍騎』なんかはライダー以外のモンスターが何のためにいるのかよくわからない)、聖闘士星矢型のプロットはこの点でもうまく機能している。偉大なり。

“JK with ポン刀”という絵面もすっかり陳腐になった感あるが、チャンバラに関しても意外に志が高い。なにげないシーンで、鯉口に添えた左手に滑らせるようにして納刀する動作がちゃんと描かれてたり、「写シ」という"御刀を媒介として肉体を一時的にエネルギー体へと変質させる"技の設定は、「一回だけなら斬られてもセーフ」になることで真剣での斬り合いバトル演出に幅を持たせるいいアイディアだと思う。おそらく『ワールドトリガー』のトリオン体を意識してるのかな。

聖闘士星矢では一部の青銅聖闘士による、いわば兵卒だけの叛乱で組織のトップまで倒しきってしまい、味方はグラード財団など基本的に無力な存在だけである。孤立無援の戦いのほうがサスペンスもあって話が盛り上がるからか。一方『刀使の巫女』には主人公側の味方として「舞草」という本格的なレジスタンスグループが登場し、しかもこれは組織=「特別刀剣類管理局」内部の"反折神紫派で結成された組織"とされている。Ζガンダムで地球連邦の中で主流派になりつつあったティターンズに対抗してエゥーゴが組織されたみたいな感じで、実にオトナな設定だと思うのである。JK五人かそこらが日本刀振り回して全て解決じゃないのがいい。

あと「S装備」というパワードスーツがあるのだが、普通こういうのは早々に標準装備になるか、または鳴り物入りで登場してすぐブッ壊される噛ませ犬かのどちらかだと思うのだが、あまり出番がないまま期待感を残した状態で引っぱっているのも気になる。聖闘士星矢でいうと天秤座の黄金聖衣ってほど重要なアイテムでもなさそうだけど、さりとて鋼鉄聖闘士のポジションでもないようだ。デザインはダサいので黄金聖衣の役割ではあってほしくない(笑。

以下はよくないところ。

第1話の御前試合決勝の対戦場で、主人公の可奈美の眼前で、対戦相手の姫和が突然、管理局のボスである折神紫に斬りかかる。その場で粛清されそうになった姫和をなぜか可奈美が助けて二人で逃亡するのだが、学校も別で初めて会ったばかりの、名前も覚えていなかった姫和を可奈美が躊躇なく助けて逃げて管理局のお尋ね者になった理由が全然わからんので、わけもなくポジティブで深く考えずに行動しちゃうタイプの主人公なのかなー苦手だなーと思ってたのだが、実は姫和が斬りかかった一瞬、折神紫の背後に荒魂がいるのが(可奈美にだけ)見えた、という話が第3話でやっと出てくる。それもっと早く言えよ! ここまでずっと組織から身を潜めて逃げ隠れする展開が続いているので、主人公の行動原理が不明のまま進行していたのはかなりストレスが溜まった。3話目まではセーフという判断なのかもしれないが、遅い。

それから全ての発端となった20年前の「相模湾大災厄」という事件。巨大な荒魂が出現して、それを封印するのに功あった6名が現在の管理局幹部(局長および五箇伝校長)になっている。第8話ではこの過去の事件がガッツリ描かれて上記6名と可奈美・姫和の母親の若い頃の姿が見られるのはいいのだが、肝心の部分がよくわからない。そこでは大荒魂タギツヒメを鎮めるため、折神紫と姫和の母・篝の二人が「一部の者にしか伝えられていない方法」を使う。そこに可奈美の母・美奈都が合流して三人でタギツヒメに対するのだが、無事帰還したのは紫一人で他の二人は意識不明の状態で保護される。

本来、鎮めの儀とは篝が御刀で荒魂を刺し貫いたまま自分もろとも隠世に引きずり込んで封じるというもので、これが曖昧な秘術とかではなく具体的な作戦なのが面白い。もともと御刀の力を使った「迅移」という技があって、見た感じは009の加速装置みたいに高速移動する術なのだが、これは隠世という異空間に潜ると時間の流れが異なるのを利用した技なのだとか。隠世に深く潜るほど通常空間での動きは速く、イコール隠世での時間は長く(?)なるので、無限の階層まで潜ると時間が永遠になって戻ってこられなくなるのだとか。ブラックホールみたいなイメージだろうか。よくわからんのはここからである。篝はタギツヒメにこの技を決めて死ぬはずだったが、本来その場にいるはずのなかった美奈都が「ギリギリのところで彼女を救った」ため命は助かったものの二人とも刀使の力は失う。そして「荒魂を封じきれなかった。一時的に力を奪ったにすぎない」のでタギツヒメは折神紫に「憑依して消滅を免れた」。

どうだろうか。「敵もろとも最高速度で異空間に突入し永遠に戻って来られなくする」という作戦は非常に具体的である一方、実際に何が起こったのかは実に曖昧である。理論上最高速の迅移が使えるのは篝だけなのに、美奈都はどうやってその状態の篝を助けたのか? 帰還不能な時空間に敵を引きずり込むという技なのに「封じ切れず一時的に力を奪った」とはどういうことなのか? そのタギツヒメが折神紫に憑依したということはその時点で技から脱出したということであり技は効かなかったんじゃ? なんで一時的に力を失ったので紫に憑依して20年間隠していたみたいな感じになっているのか。わからん。

もう一つわからんというか納得しづらいのは、その後の篝と美奈都である。捨て身の技を使ってギリギリで助かったから刀使の力を失ったというのはまあいいとしよう。しかしその後引退して二人とも普通に結婚し、娘を産んで、十年後に死んでしまうというのがよくわからん。「命を削ったのだと思う」とのことだが、子供を産んだあとも別に病み衰えたような画でもないし、そこまでは普通に生活してるのに急に事件の影響で早死にしたというのは腑に落ちない。この感じ何かに似てるなと思ったらアレだ、Fate/Zeroの第四次聖杯戦争のあとで衛宮切嗣が「じいさん」になって死んじゃったというのがよくわからんのに近い。まああっちは聖杯の呪いとか魔術的なあれこれがあったみたいだけど、やっぱり元気な姿しか描写されてないのにその後「命が削られていて早死にした」という説明だけがあるのは受け入れにくいよね。死の前兆みたいな演出が少しでもないと。

最後にまた別の話だけど、可奈美の夢に出てきて剣術の稽古をつけてくれる少女が実は17歳当時の母・美奈都だったというのもなんかいい。17歳時点の記憶しかない人格だから母親の自覚はなくて友達っぽいのもちょっといいし、可奈美は起きている時はその夢のことを忘れているけど、またその夢を見る時は前回のことも含め全て覚えているという、夢が記憶の上で一貫した別世界みたいに処理されているのも、まあ部分的にはよくある設定だけどこの作品の巧さの一つだと思う。

2018/02/21 (Wed)

しまりん

佐藤賢一『ラ・ミッション ―軍事顧問ブリュネ―』(文春文庫)

相変わらず佐藤賢一先生はネタを拾ってくる目の付けどころは抜群にイイのに肝心の小説はちっともうまくないという(笑)、いわば田中芳樹タイプの作家である。

ブリュネは以前から気になっててこの日記にも書いたことがある。

鈴木明『追跡 ―一枚の幕末写真―』(集英社文庫)

http://d.hatena.ne.jp/shanghai/20110521/book

そのブリュネを佐藤賢一が書く! なるほどやられた! と思ったのだが……。

これは確か『小説フランス革命』を読んだ時の感想だが今も評価は変わらないなぁ。

最初に書いた通りフランス人の視点から戊辰戦争の顛末を書く、ていう着想はいいんですよ、とても。ただプロットでいうとあまりにも英仏に寄りすぎて榎本も土方も書き込まれてないし、ブリュネを書くなら(上に挙げた過去エントリにも書いた通り)「軍を脱走して旧幕府軍に合流する決断をするところ」と、もう一つ彼らは結局、五稜郭の陥落前にフランスの船で函館を離れてるんだけどその部分を納得できるように書く、この二点がキモだろう。そこがイケてない。

まず、幕府寄りだったフランス全権公使ロッシュが更迭され、後任のウートレー公使は外交方針転換に伴いイギリスに追随し官軍側に接近する動きを見せる、みたいな外交の内幕が書かれる。ちなみにフランス人視点なので幕府は「タイクン政府」、明治新政府は「ミカド政府」、さらにフランス人はHが発音できないので横浜は「ヨコアマ」表記だし土方は「イジカタさん」と呼ばれる(笑。

これは当時の共通認識なんだけど幕府残党軍が「交戦団体」つまり日本の内戦において官軍と対等の勢力であると認められている限りは、国際法上は各国とも「局外中立」を守らねばならないので介入できないわけです。この局外中立がいつまで成立するか、いつ解除されるかというのが駆け引きになる。函館を制圧して北海道全体を支配下に置いた榎本の蝦夷共和国は改めて各国に政権を承認させ引き続き局外中立をキープしつつ、その中立国に明治政府との講和を仲介してもらおうという戦略なわけですが、結局この小説ではフランス本国およびウートレー公使の方針が明治政府寄りになってしまったのでブリュネら軍事顧問団と感情的な対立が生じ、その葛藤を書くのに終始している。ウートレーを必要以上に悪役に仕立てているのもまさにこの作者の悪いところが出てる感じ。ブリュネの脱走が遅れたのも局外中立を盾に公使に頭を押さえられてたからという感じになってるし、それもグダグダになって、一大決心の瞬間! みたいなクライマックスがない。

二点目の函館脱出についても、榎本の目標は最初から停戦講和であるからブリュネは母国フランスにその仲介を頼むべく不仲なウートレーに頭を下げるため函館を脱出する、という流れで、それはそれで自然ではあるけど一種の逃げだよなあ、と思った。しかも人質にとったブリュネの現地妻に手紙を書かせてまで出頭を強いたウートレーは最初から講和に手を貸すつもりなどなかった、という話で、全ての物語がこの小物の悪役と主人公の個人的な対立に収束してしまうのはどうなのか。あとこの時、ジッタロウこと田島応親もこの艦に同乗して函館を脱出したことになってるけどこれは史実なんだろうか。確認できず。

さらに、最後に無理なオチを付けるため、函館から横浜で上陸も許されずそのままサイゴンまで送還されたはずのブリュネが、艦長を説得して再度函館に寄港したという相当に不自然な展開になっている。

その前によかった部分も書いておくか。

フランスは陸軍国なのに旧幕府軍(榎本)の優位は海軍力にあり、逆に英国は海軍国なので新政府軍を支援するも陸戦がうまくない、という観点で書かれてるのは考えてなかった点で新鮮だった。それから函館に合流したフランス人が軍事顧問団の脱走組だけでなく香港に駐留してた艦隊からも来てたりするのは、蝦夷共和国が直接選挙(士官以上による入れ札)で元首を決めるという、この時点では相当に先進的な制度を実現したので、特に革命をやったフランス人にとっては革命の精神を真に体現した政府だというので人気があったとか。なるほどなあ。こういう西洋史の専門家らしい視点で蘊蓄を積み重ねるような小説の構築をやってほしいのに、なんで変な悪役を振ったりして済ませちゃうんだろ。勿体ない。

では以下大オチについてネタバレ。

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2018/01/30 (Tue)

刀使の巫女

石ノ森章太郎『ミラクルジャイアンツ童夢くん』

石ノ森章太郎デジタル大全で単行本が出てた! これが初の単行本化では?(未確認)

TVアニメ版は知られてますけど原作というかマンガ版は学研の学習誌『○年の学習』に連載されてました。つまり1〜6年の6誌に同時連載してたのでそれぞれ担当作家が違う。学年が上がると、ストーリーの進行はだいたい同じだけど描いてる作家が違う別の作品に切り替わるわけです。Wikipediaの情報が、昔はなかったんだけどいつの間にか充実していて、5年が石ノ森章太郎、そして6年がなんと桜多吾作だった。俺自身の記憶でも、5年から6年になった時のギャップが酷かった(笑。 メロディちゃんがすげえバタくさい顔でエロい身体になって困惑したよ! 当時は作者名なんて覚えてなかったしそもそも桜多吾作を知らなかったけど、後から知ってまあ納得。マジンガーの印象が強いけどもともと石ノ森プロ出身だったんですね。俺の記憶ではその前に読んでたのはちょっとスマートな絵柄で大人しい童夢だったイメージなんだけど石ノ森先生のは見るからにクソガキである(笑。 今見るとアニメのキャラデザもそれなりにこれを意識してるっぽいな。あと正確にはマンガ版のタイトルは『ミラクル・リトル・ジャイアンツ 童夢くん』だったと思うんだけどいつの間にかアニメのほうのタイトルで統一されたのか。そこはWikipediaでもフォローしてない。

昔の野球マンガって先行作品のネタを流用することに妙に寛容だったりして(野球に限らず大らかな時代だったつーこともあるだろうけど特に野球に顕著じゃね?)、『巨人の星』にしてからが『ちかいの魔球』の影響下にある。まあ少年マンガそのものが今よりはるかに定型的だったし、さらに同じ野球となるとパターン化も避けられないところか。童夢くんの下敷きになっているのは明らかに『リトル巨人くん』で、小学生がジャイアンツに入団して活躍するというネタがそのまんまである。もっと言うとリトル巨人くんの初出は小学館の学習誌『小学○年生』で、童夢くんの掲載誌とは競合といってよいのかな。印象としては学研のほうが教育色(?)がずっと強く、小学館のは俗っぽいイメージだが、実際どうかはよく知らん。ただリトル巨人くんの方が、のちコロコロに移籍してリブート(?)したので全体としては長期シリーズだが初出は童夢くんより10年以上前なので、ちょっと上の世代の人と話をすると童夢くんよりリトル巨人くんだったという人が多い。歳がバレる(笑。 上記の通り童夢くんマンガ版のタイトルに「リトル」が入ってたのはリトル巨人くんへのオマージュ的な意味の目配せだったのかもしれない。

ただリトル巨人くんは(ほとんど読んだことないけど知る限りでは)野球マンガ的な要素は薄く小学生ネタ(?)がメインだったので、内容的に童夢くんが参照しているのはむしろ『巨人の星』的な野球マンガの系譜である。魔球やキャラの立ったライバル選手、打たれると特訓して新魔球を編み出すなどの構造もそうだし、特にマンガ版では同じ小学生の藤谷学が女房役の捕手として登場し親友になるが、のち大洋ホエールズ(当時)にトレードされて打者として強敵になる流れは露骨に伴宙太である。しかも童夢くんの父親である新城夢人(やはり巨人の投手で81球完全試合を達成)が交通事故に遭いそうな子供を助けて身代わりになった、その時の子供が実はこの藤谷学だったというすごい因縁があった。

一方で小学生ネタというのは、童夢くんが21時以降登板できないとかそういうやつ。バント攻勢で体力を削りにくる敵の作戦とかもあった。

余談だが、↓こんなエピソードまでフォローしてるWikipediaの記事すごいな。

新城夢人の背番号「42」は、現実の巨人では、1968年の大隅正人投手(66に変更)→新浦壽夫投手の後、1997年にロッテから移籍したエリック・ヒルマン投手が付けるまでの間空き番となっていた(途中、1990年頃ドン・ベイラー臨時コーチがキャンプ期間中のみ着けていたことがあるが、正式に登録されたものではない)。その後外国人選手の背番号として使用されていたが、2017年からはDeNAからフリーエージェントで移籍した山口俊投手が、日本人選手としては49年ぶりに着用。

永久欠番ではないけどそれに匹敵するような伝説の投手として扱われている新城夢人の背番号として、使われてない比較的若い番号をうまく拾ったのか、球団側にも話は通してあったのかしら。背番号ってどれくらい空きがあるもんなのかよくわからんけど。ヒルマンが付けた時、仲間内のごく一部のヲタの間で話題になったのを覚えている(笑。 俺は現実のプロ野球にはあまり興味なかったのだが。

閑話休題、後楽園球場に代わって巨人の本拠地として開場したばかりだった東京ドームをフィーチャーしたのが童夢くんの独自色とはいえる。初期の魔球はドーム内の空調の気流とか天井を保護色にするとか、東京ドームの特徴を利用しておりドームでしか投げられないという設定だった。後期の魔球は完全に超能力(念動力)としか思えないものばかりでアレだった。広島に超能力者(テレパス)の敵キャラとかいたし。

と、実はここまで買ったマンガを読まずに書いた(笑。

読んでみるといろいろおかしい。話が2年目のシーズンから始まっているのである。Wikipediaの記事をみるとマンガは1988年8月号からスタートしているはずなのに5年の学習の石ノ森章太郎版だけ1989年4月号からとなっている(註によるとこの記述は逆にこの単行本が根拠)。'88年度はここに記載のない別の作家が描いていたのか、石ノ森先生が描いてたけど何らかの事情で未収録なのか、5年〜だけ掲載がなかったということはないはずなのでどちらかだと思われるが謎である。

というわけで'89年4月号掲載分から始まるこの単行本1巻は魔球2号ブーメランボールが登場済みで、それを攻略しにメロディちゃん(前年度に日米野球で登場済み)がアメリカから来て中日に入団するあたりから始まる。通天閣虎雄とかスノーミラージュボールのくだりが読めないのは残念。

さらに、2巻は'91年3月号までで終わっていて、次の年度も石ノ森版は(読者に合わせて6年の学習にスライドして)続いてるはずなのに単行本はここまで。話もシーズンオフに山籠もりしてる回で終わり。なんじゃこりゃ。やはりこの前後もあるけど未収録ってことなんだろうなあ。

ていうか、上に書いたように俺が記憶してるのは桜多吾作版と、おそらく4年のつはらよしあき版で、その間に読んでたはずの石ノ森版の記憶が全くない。今読むと石ノ森マンガ以外の何物でもないが、当時は石ノ森を意識はしてなかったにしろちょっとは記憶に残ってるシーンあってもよさそうなのになー。謎である。

まあポジティブに考えると、アニメ版の内容に相当するレインボースパークボール以降の展開はちゃんと把握してなかったので石ノ森版でしっかり読めたのは収穫だった。小学生向けの月刊誌連載という性質上か、各回の盛り上げ方とかはわりと大味だけど、むしろこれが石ノ森的なのか? 忍者の修行するところとか丸っきり石ノ森立川文庫の猿飛佐助だし、物干し竿バットのくだりで佐々木小次郎も出てくるし。老師みたいなキャラのもとで修行するというベタな展開をわりと安易にやっちゃうのも石ノ森チックである。

あと藤谷学を大洋にトレードする理由が、この年(90年)から大洋の監督になった須藤豊が前年まで巨人の二軍監督で、自分が育てた選手だから欲しかった、という話の流れになっていた。なんか考証のうまい時代小説みたいでいいな、これ。しかも両者の自立を促すため親友を一度敵にするのが藤田監督の意図ということになってる。

童夢くんが二軍に落ちると呂明賜がいる、とかプロ野球界の時事ネタも拾ってくる。チョイ役級の選手までちゃんと顔を似せて描いてるのも嬉しい。石ノ森章太郎による似顔絵と考えるとかなり貴重な仕事なんではないかこれ。野球好きだったのかな。嫌いならそもそもこんな仕事しないか(笑。

2018/01/25 (Thu)

姉弟子銀子ちゃん

子連れ狼

Kindleのクラシック漫画特集というセールで一冊100円になってたので全28巻まとめ買いしてしまった。

子連れ狼とは何か、から説明が必要かもしれない。

中学生の頃、カートみたいなやつに石灰粉を入れて転がして歩くとグラウンドに白線が引けるラインカーという器具があって、うちの中学ではそれに「大五郎」という名前がついていた。本体に大五郎と落書きしてあったのだと思う。ある時、担任が雑談で「なんであれ大五郎っていうか知ってる?」と訊くとクラスがシーンとなったので、俺が「“子連れ狼”ですか?」と言ったら「そうそう!」となったのだが、他には誰一人わかる者がおらず全員ドン引きでなんだこいつみたいな空気になった(いつものことだったがw)。

俺らの世代でも認知度はそんなもんだったので、今は知らない人のほうが多いと考えるべきか。

『子連れ狼』とは、小池一夫原作、小島剛夕作画の劇画である。TV時代劇や映画にも何度もなっているのでむしろそちらでよく知られているかも。日本のマンガがアメリカに紹介された最初期の例としても知られており、トム・ハンクスの映画『ロード・トゥ・パーディション』のプロットが子連れ狼のイタダキであることは有名である。閑話休題。主人公の浪人が乳母車(劇中では「箱車」)に乗せている子供の名前が大五郎。ラインカーが箱車を連想させるので誰かが洒落たものであろう。

小池一夫作品て『傷追い人』とか『クライングフリーマン』とかは読んだんですが子連れ狼ってちゃんと読んだことなくて、ドラマや映画もちゃんと観たことあるわけでもなくて、なぜ中学生の俺が知ってたのかというと「知っておくべきと思われる古典の名作」は最低限押さえるという今に通じるヲタ意識もあってなんとなく知ってたとしか言えないんですけど、そんな断片的な知識の中にたとえばアーケードゲーム版の『子連れ狼』というのがあって、箱車に機関銃が仕込んであって撃ちまくれるというギミックがありそれはドラマ版準拠の設定っぽかったので、いわば『必殺!』シリーズが池波正太郎の仕掛人・藤枝梅安から全くかけ離れてどんどんムチャクチャな殺し屋の演出にエスカレートしていったのと同じで、ドラマ版が悪ノリして「乳母車にマシンガン」をやらかしたんだろうと思っていた。ところがその設定が原作にもある(!)と知って小池先生すげえ!! と思ってた。あ、それも読む前の話。まあ原作のは「順発銃」という、単純に銃身を二段×十本くらい束ねただけみたいなやつで、これが江戸時代に少なくとも図面レベルでは実在してた(他の時代劇でも稀に見かける)と知って三度ビックリですよ。ドラマ版のは完全にガトリングガンみたいになってた気がするけど。

で、その『子連れ狼』を遂に読んだ。メッチャ読み応えあった。気分的にはほぼ一気読みしたけど何日もかかった。それはまあ普通か。しかし絵で見せるタイプの話だし、チャンバラアクションがメインなわけだからパラパラめくってればあっという間に読み終わる感じでもおかしくないジャンルなのに、全くそうではないのである。

俺の知る限り他の小池作品、上の『傷追い人』や『クライングフリーマン』も代表作に挙げられることもあるような作品だけど、それらと比べても全くレベルの違う傑作だと思った。すごい。俺の中で小池一夫という作家への評価も何段階も上がった感じ。山手樹一郎先生の内弟子をして時代小説家を目指してたというけど、ガチだったんだなと思いました。もちろん、主人公が子連れの浪人で殺し屋だとか、敵がいわゆる裏柳生だとかそういう部分は荒唐無稽だし、初期は明暦年間という記述が出てくるので普通に考えると将軍家綱の時代で、後半は将軍本人も出てくるんだけどあくまで実在の大物は人名を出さないようにフワッとした感じで書いてる(うまく曖昧にぼやかしている)。しかしそれらを支えるデティールの描写が、上記の順発銃みたいなキワモノっぽい設定まで含めて、すげえしっかり調べた上でフィクションのウソをつくため効果的に使われているのがわかる。脱帽した。極端に言うと、これは失礼な言い種だが小池先生はこの一作品で全てを出し切ってしまったのではないか? とすら思った。やばい。

もちろんストーリーテリングもすごい。「子連れで殺し屋」という無茶な設定も、一族を虐殺されて復讐のため刺客人になる際に、大五郎に侍の子として「刀を選ぶか玩具を選ぶか」を三歳児本人に自己決定させるシーンがあって、もし玩具を選んだら人の子としての幸せ=死んだ母の許に送ってやるつもりだったけど刀を取ったので「父子で冥府魔道に入る」=人の道も侍の道も捨てる、とその時点で決定していて、以後一切ブレてないんですね。子供を人質に取られても微塵も動じないし、何なら殺す相手に接近するため子供を囮に使う策とか最初からバンバン使ってくる。一藩丸ごと敵になったりとかどう考えても絶体絶命の危機に陥ることも何度もあるわけですが、「六道四生順逆の境は覚悟の上」なので全く動じることもないし判断もブレない。主人公に芯が通ってるので、どんなムチャな展開になっても不自然な行動だなーと感じさせないのが素晴らしい。このへんは「キャラを立てれば勝ち」という小池先生のキャラクター創作論の最も理想的な実例といえる。全28巻中、10巻までの第一部は基本的に一殺五百両の報酬で依頼されて人を斬る刺客人の話が一話完結で続き、およそこの設定で考えられるプロットのあらゆるパターンが網羅されているので読むと本当に勉強になる。主人公の拝一刀より息子の大五郎がメインになる話も多いし、40話目くらいで拝一刀が全く登場しない大五郎だけの回を描き切ったときはやった!と思った。

ただ、小池先生の教える創作論は「キャラクター論」に偏っているけれども、上に書いた通り俺は時代劇としてのベースを支える教養や考証的な裏付けの部分に凄みを感じたので、そういうことは弟子に教えないのかなーと思った。ただでさえ本格的な時代劇って失われつつあるジャンルなわけで、その技術論の精髄を伝えられる貴重なレジェンドなのに。まあそこは極論「歴史を勉強しろ」で終わっちゃう話だし今の時代には合わないということなのかな。とか思ってたら最近は「時代劇 夜ばなしの会」というのも講義するそうで、その方面も考えておられるのかしら。人格的には、というか世俗的にはあまり芳しくない評判も聞こえてくる小池先生ではあるが(真偽は知らん)、劇画村塾も含め創作論の実績は間違いなく本物であるから今回もその成果に期待したい。って俺はどの立ち位置で論じてるのかよくわからんが。閑話休題。

話を戻すと、10巻で一度、柳生との決戦があるも水入りになって勝負つかず(ここで例の順発銃は失われて以後出てこない)、第二部は「柳生封廻状」なる密書を巡る柳生からの刺客との暗闘という流れができ、これはもちろん五味康祐の柳生武芸帖を下敷きにしてるんだろうけど、結局何だか分からなかった柳生武芸帖と違って最終的にちゃんと謎解きをやってるのも素晴らしい。しかしここからが長い。封廻状の謎を解いた拝一刀が柳生との最終決戦のため江戸に入ったあたりからがいわば最終章だが、裏柳生の刺客と戦う流れだった第二部とも違って、ラスボス柳生烈堂と一対一の戦いになるとこれがバビル二世VSヨミみたいな感じで何度も戦って決着つかないという引っぱり方もまた巧い(笑。 さらに両者は剣客として武士として敵同士ではあるがどこか通じ合っているという感じになってくるので、そこへ第三項として公儀御唇役(将軍家の毒味役)・阿部頼母という、全く武士らしくない悪役がアンチテーゼとして出てくるのだが、こいつが意外と面白いキャラになったのでおそらく予定外に長く引っぱって重要な役になったのだな、と伝わってくるのもいい(笑。 第一部、第二部、第三部と(後者は便宜上勝手にそう呼んでるだけだが)話の構造が変わり、それぞれ実にうまくできているので三度おいしいという、まさに必読の書であろう。

以下、今さらだが結末についてネタバレ。

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2018/01/20 (Sat)

高木さんガールズ

『ガールズ&パンツァー最終章 第1話』

やっと観た。バルト9。7.1chだった。以下ネタバレ。

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