答えは闇の中へ「廻るピングドラム」
深夜時間帯のアニメーションには過去にそのような例は数えきれぬほどあるんで、全く責める気はない。
また、解釈について云々するのも主旨と異なるので、避けておく。
「廻るピングドラム」は、インフォグラフィックスが多用されている。
この技法が採用されたのは、日本のアニメーションでは初めてである。
近年、グラフィックデザインの世界に於いて話題となっているもので、ピクトグラムやアイコンとは少々異なる。
インフォグラフィックスで表現されている部分が「廻るピングドラム」世界の真実,キャラクターが動いている部分は虚構が混ざっていると考えると整理がつきやすい。
構造を多重とすることで作品の厚みを増そうとしたと思われるのだが、それが成功したか?については、残念ながら疑問を呈さざるを得ない。
むしろ、キャッチーな「生存戦略」と言う言葉や、Brain's Baseの作画に助けられている面が多く、主旨と異なる受け方をしてしまったのではないだろうか?
幾原邦彦12年ぶりの監督作品なので、思いが重なった結果と推察するが、もう少し噛み砕いてから出直していただきたかった。