AndroidをPalmと比較する

先日、auのIS05を入手しました。

実は私、かつては、かなり熱心なPalmユーザーでした。
通勤途中には、『青空文庫』から落とした小説を読んだり、『SimCity』を楽しみ。
会社に行けば、『Intellisync』でNotesのToDo/カレンダーとPalmを同期。
社内/客先を問わず、ちょっとしたメモは、『グラフティ文字』を駆使し、Palmに蓄積。
外出先では、『CFカードPHSカード』で、ネットをチェック。
帰宅すれば、『muchy.com』だったり、『PalmFan』をチェックしては、あれやこれやとアプリをセレクトするのを楽しみにしていたわけです。

最終的に使用していたのは、SONYCLIE TH55でしたが、確か2008年くらいまではだましだまし何とか使用していた覚えがあります。


そういう私にとって、『基本PDAと変わらないだよねぇ』という、スマートフォンに対する変な逆劣等意識があり、なかなかスマートフォンを入手するには至りませんでした。そう、使い始めた知り合いが『スマートフォンって使いにくいんだよ...』とぼやくたびに、ある種の優越感を密かに抱きながら、『まぁ、基本PDAだからねぇ。電話じゃないんだよ』なんて愚にもつかない講釈をたれていたわけです。


そんな私も、いい加減スマートフォンを使用しないと、偉そうなことも言っていられないなぁと思い入手したのが、au:IS05。SHARP製のAndroid端末ですね。
前置きが長くなりましたが、以前愛用していたPalmを比べて、Androidを自分なりに考察してみようと思います。

PDAと比較しても、スマートフォンが、仕様の観点から大きく異なるデバイスであるとの認識は持っていません。(携帯電話機能を除けば...、ですけど)
ただ、性能の向上や、デバイスとの親和性が大きく高まったと感じるのは、通信機能およびGPSですね。
あの不恰好でかさばる『CFカードPHSカード』だったり、GPSユニットをデバイスに差し込む必要がないのは、大きな進化かと。

そして、AndroidPalmの比較で大きな進化と深化を感じるのは、Googleが提供する一連のWebサービス(カレンダー、Gmail、Map、Docsもろもろ)との連携。スマートフォンを使い始める前から、Googleサービス群との連携については期待していましたが、いざ使い始めると、事前期待以上に便利。


結局...
Palmは基本思想として、パソコンの一部機能を持ち出すための補助デバイスであったわけです。
定期的に、PalmDeskTopを介してパソコンとのデータ同期を実行する必要があり、それは確かに便利な発想ではありました。しかし、一方でパソコンの代替にPalmがなりうることは、仕様思想上絶対にありえないというジレンマにもつながっていました。
つまり、Palmはあくまでパソコンの延長線上に存在する存在であると。

一方、スマートフォンはあくまで携帯電話の延長(というか、携帯電話のひとつ)であることは明確。
そしてGoogleは、脱パソコンたるスマートフォンの思想を邪魔しないように、スマートフォンにもGoogleサービス群との連携を提供しているとも考えられるのではないでしょうか。

パソコンをハブとして考えざるを得ないPalm
Webサービスにハブを設定することにより、デバイス選択の自由度を高め、スマートフォンの価値を独立化させたAndroid

まあ、こんな小難しい考え方をせずとも、Androidには楽しいことがいっぱいありますけど。


ちなみに。
2009年の総務省による調査から、30歳未満における携帯電話、パソコンの普及率について以下のようなデータが存在します。

  • 携帯電話の普及率は、男女とも約94%
  • パソコンは、男性約70%。女性約62%

http://www.garbagenews.net/archives/1485865.html

むしろ、約6%が携帯電話を持っていないことに驚きを感じます。

私のとあるクライアントでは、学生のリクナビを介した会社説明会へのエントリーのうち、8割がモバイルからエントリーだったそうです。
若年層におけるパソコンの普及率が低い現状を考えると、パソコンの存在がハブとして不可欠なPalmは、思想としてAndroidに劣っているのは明確ですね。
もちろん、Androidの優位性は、ここに記載した論点だけには因りませんし、そもそもPalmのようなレガシーな存在と比較すること自体が無意味かもしれませんが


って、ここまで書いてきて疑問。
iPhoneは、基本的にiTuneが必須なんですよね??
(今後始まるiCluodは置いておきます)

仕様設計思想からすると、思いっきりPalmと被るんですけど。
これは、Appleのブランド力がレガシーな設計思想を補って余りあるものと考えるべきなのかどうか....
それとも、単純に、iPhoneiPod代替として使用していない、つまりiTuneを連携せずに使用しているユーザーが多いということなのでしょうか...