『夜中の薔薇』 向田邦子 講談社文庫

「箸置きも置かずに、せかせかと食事するのが嫌になったのよ」(『箸置』より)

生活の精神的な充実度に目を向けるというのは、勤勉な日本人の中では選択の優先度は高くないのではないでしょうか。実際、食事のときに箸置を使うかは別として、部屋がきれいに掃除されていたり、しわのないシャツで生活したり、家族とゆっくりお茶を飲んだり、季節ごとの旬のもので食事をとるということは、効率的な生活ではないかもしれませんが、幸せを感じるということに強い関連があると個人的に思います。

夜中の薔薇 (講談社文庫)

夜中の薔薇 (講談社文庫)