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2009-12-13

日本の経済成長と低迷

| 02:51 |

そして、このような日本的システムは、「何を作るか(What)」が明確で、「どう作るか(How)」が主な問題なときは、凄まじい生産性をたたき出します。

しかし、「何を作るべきかが明確」で、「どう作るか(How)こそが問題だった」時代は過ぎ去りました。

作らなきゃならないことがはっきりしているモノやサービスは、あらかた作って、世界中を満たしてしまったからです。


日本のソフトウェアビジネスが今後もずっとアメリカの足下にも及ばない理由

http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20070226/1172462591


日本が急激な経済成長をなぜできたか、90年代に入ってから低迷し続けているのか何故か、というのは上の理由によるところが大きいと思います。組織のトップレベルに要求されるのは、「何を作るか」であり、これが明確であれば、実質的にこのレベルでの意思決定を行わなくてもうまくいきます。この時、重要なのは「協調性」で、改善による持続的イノベーションが効果的になるため、「努力」に比例したリターンが得られます。


しかし、日本が世界に追いついてしまった時、この成功モデルは機能しなくなります。トップに必要とされるべき、内部/外部のテクノロジーのマネジメント、将来のシナリオの想定、そして、「何をつくるか」を決定する能力が必要とされるからです。このようなリーダ/組織を作るシステムを持たない日本が低迷するのは必然的なように思えます。


グローバルな経済システムによって昔のような状態にもどることは無理でしょう。アメリカで起こったイノベーションは日本が真似する時間を持てない位にすぐに日本まで届いてしまいますし、ローカライズによってその商品がそのままサポートされてしまうからです。以下の記述にあるように、世界は水平分業の効率的な実装によってグローバルにカバーされていくと考えられます。


産業構造の変化というとき、池尾・池田本で想定しているのは、こうした広義の情報産業における垂直統合から水平分業への変化である。それは不可避で不可逆であり、すべての工業製品やサービスが何らかの意味でデジタル化する現代においては、このグローバルな分業構造の変化に適応できない企業は淘汰されるしかない。


日本企業はなぜ敗れたのか

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/39c2970f079ebad7f1ef793ec99f7105

この4社だけで、10兆6000億円と、日本のソフトウェア業の(主業の)売上 11兆4000億円に匹敵する。しかし、従業員は、合計24万人程度しかいない。


IT業界に関する統計(その4)

http://d.hatena.ne.jp/elm200/20091029/1256644159


特定部分を集中的に効率化/自動化して、これを世界規模でばら撒くことが現在においては効果的な戦略です。少数の優秀なチームで特定部分を徹底的に自動化して低コスト化した商品を作り、それを多くのユーザに使ってもらうことで結果的に大きな利益を生み出すというモデルです。これはコピーコストが0に近いソフトウェア(サービス)では特に有効に働きます。


ソフトウェアにおいては、微妙に異なるシステムをその都度、ユーザに合わせて作っていくような受託開発では低コスト化、価格競争力という点で非常に不利です。Microsoftのようなパッケージ、Googleのサービスのようなモデルが先進国で取りうる一番の戦略だと思います。


分業をモデル化することと、そこに知性を集中させるシステム(金融システム?)が今の日本には必要ではないかと思います。