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2016-08-11 「国民1人当たり830万円詐欺」には気をつけよう このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

報道によれば、財務省から6月末時点での「国の借金」について昨日新たな発表があったようです。

 財務省は10日、国債借入金などの残高を合計した「国の借金」が6月末時点で1053兆4676億円になったと発表した。

 3月末時点から4兆1015億円の増加で、不足する税収分を賄う国債の発行額が増えた。7月1日時点の人口推計(1億2699万人)を基に単純計算すると、国民1人当たりの借金は約830万円になる。

国の借金1053兆円=1人当たり830万円―6月末 
     時事通信 8月10日(水)17時58分配信


ほぼ同様の報道は同日、日経新聞朝日新聞産経新聞からも報じられています。

改めていうまでもないことですが、日本の国自身は対外資産が340兆円と世界一であることはこれらの報道機関自身が報じていますので、「国の借金」1053兆円という報道は誤りであり、正しくは「政府の家計などに対する負債が1053兆円」であり、報道とは逆に「国民1人当たり830万円の借金を政府が抱えている」という表現が正しいことになりますね。

その根本的間違いを一旦おくとしても、政府債務1053兆円を「国民1人当たり830万円」と報じられていることを世界的企業トヨタに置き換えてみましょう。

直近の決算では、トヨタ自動車は売上28兆円、従業員35万人で、有利子負債よりも利益剰余金現金同等物株主資本を合わせた金額が多い、実質無借金経営をしています。

ただ、負債はないわけではなく、ないどころか、負債総額は29兆円もあります。
ということは、実質無借金の優良企業トヨタ自動車でも、従業員1人当たりにすれば85百万円もの借金を抱えていることになります。

もしある日、トヨタ自動車の社長が従業員に「あなた達従業員は現在85百万円もの借金を抱えているので、将来の従業員にツケを残さないために、給料から8%、2年後からは10%を天引きして借金を返済します。」と発表したら、従業員は全員、社長が気が触れたと思うことでしょう。

財務省時事通信日経新聞朝日新聞産経新聞など報道各社は、これと同様に、世界一おカネを海外に貸している無借金経営の日本について、気が触れたとしか思えない内容の報道を毎度毎度繰り返し、消費税増税が必要と唱えています。

本当にこれらの人々が気が触れていて日本は破綻寸前と信じているのならお気の毒なことで、としかいいようがないのですが、気が触れて財政破綻を信じている人たちが、ちゃっかり3年連続の公務員人件費増額を決めたり、消費増税時には新聞への軽減税率を求めたりもしないと思うんですが。

皆さんも、横行する国民1人当たり830万円詐欺には騙されないよう、十分気をつけましょう。
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通りがかりの人通りがかりの人 2016/08/12 06:35 3000万の住宅ローンを借りて家を建てた人、物件評価額が2000万円だとしたら、借入負債が3000万円で資産が2000万円と表現する。国の財政も同じで、対外的な資産サイドがあっても、1053兆の借金があると言う事実と表現は正しい。

国の借金は、国民の徴税権をある意味担保にしているので、最終的に国民の資産でオフセットされることを考えると、国の、政府の借金は国民の借金と言ってもあまり違和感はない。財政破綻してハイパーインフレが起きたジンバブエは、日本のように借金ができない。徴税権を担保にした財政が成立しないから。

トヨタと日本の事例で違和感あるのは、トヨタは利益を担保に借金ができているということであり、日本は国民の資産で担保ができているという違いが混合していること。日本の財政は恒常赤字で、借金は毎年30兆以上増えている。しかし、対外的な資産や、国民への徴税権があるから、借金の拡大がいまのところ許されている。トヨタは、資産だけでなく、将来生み出す利益も含めて、財政が健全とされた上での借金。ましてや、従業員に対する資産没収権などはないので、日本政府と国民の関係性を当てはめるのは、明らかにミスリードにつながるので、その論調はやめたほうが良い。

shavetail1shavetail1 2016/08/12 07:01 日本政府にはいつからあなたのいう国民の財産没収権が生まれたんですかね?
一般的に言っても、債務者・日本政府が債権者・日本国民の財産をいつでも没収する権利があるというのなら、最初から賃借関係は破綻していることになり、日本は初めからデフォルトしていることになりますね。

shavetail1shavetail1 2016/08/12 08:35 >他の国は60年償還ルールではありませんし、1200兆円どうやって返すのかというその考え方自体が普通財政の議論にはないものです。日本は財政の本当の姿を正確に見せた方が良いと思います「日本の借金1200兆円は返済の必要なし」ソシエテ・ジェネラル会田卓司氏 
https://zuuonline.com/archives/70155

shavetail1shavetail1 2016/08/12 08:38 FRB元議長Ecclesによる議会証言
Mr. Patman: "How did you get the money to buy those $2 billion of Government securities?" (20億ドルの国債購入資金はどうやって入手しましたか?)
Mr. Eccles: "We created it." (我々が創りました。)
Mr. Patman: "Out of what?" (どっからですって?)
Mr. Eccles: "Out of the right to issue money, credit." (信用貨幣を創造する権利によってです。)
Mr. Patman: "And there is nothing behind it, except the Government's credit?" (つまり、政府の信用以外には何もない、ということですね。)
Mr. Eccles: "We have the Government bonds." (我々には政府国債があります。)
Mr. Patman: "That's right, the Government's credit." (そう、政府の信用が。)
Mr. Patman: "You have made the statement that people should get out of debt instead of spending their money. You recall the statement, I presume?"(あなたは、人々はお金を使うのは止めて借金を減らすべきといったこと、覚えてますよね?)
Mr. Eccles: "That was in connection with installment credit."(それは消費者割賦払いについて述べたものです。)
Mr. Patman: "Do you believe that people should pay their debts generally when they can?"(人々は債務は支払うべき、とは考えていますか?)
Mr. Eccles: "I think it depends a good deal upon the individual; but of course, if there were no debt in our money system..."(それは相手にもよりけりかと。もし我々の通貨システムに債務がなければ…)
Mr. Patman: "That is the point I wanted to ask you about."(そこですよ、私がお尋ねしたかったのは。)
Mr. Eccles: "There wouldn’t be any money."(お金は存在しなくなります。)
Mr. Patman: "Suppose everybody paid their debts, would we have any money to do business on?"(もし、全ての人々が債務を払ってしまえば、経済活動を行うためのお金は全くなくなってしまうと?)
Mr. Eccles: "That is correct."(その通りです。)
Mr. Patman: "In other words, our system is based entirely on debt."(言い換えれば、我々の通貨システムは全て債務によるもの、ということですね。)

JancloJanclo 2016/08/12 21:00 通りがかりの人 さん

国民の資産を担保と言いますが、デフォルトした時、誰に渡すのでしょうか?

また、仮にハイパーインフレが起きても、日本は資源も技術もないジンバブエではなく、同じ島国のイギリスの様になるだけでしょう。
先日も、ソフトバンクがarm社を買収しましたよね?
日本がハイパーインフレが起きた時に、日本の作る車や部品の国際価格も暴落すると思いますか?
むしろ、投資収益率が良くなるので、外資がこぞって日本企業を買収するようになるだけでしょう。

JancloJanclo 2016/08/12 21:31 マスコミがおかしいのは、借金を問題にしながら、公共事業より福祉や教育に金を出すべきというところ。
トヨタなんかは借金は、工場や製造設備、貸付金として資産に化けて、リターンを得ているわけです。トヨタが日本政府と同じように投資を絞って、社員に高給をばら蒔けば、あっという間に倒産するでしょう。

投資と費用の区別や現金と利益の違いだとか、簿記の基礎を無視して、議論するからおかしい俗論がまかり通るんでしょうね。

GokaiGokai 2016/08/16 00:05 通りがかりの人 さん
>1053兆の借金があると言う事実と表現は正しい。

1053兆円の借金が政府にあるということは、そのおかげで民間に1053兆円の預金を生み出しているということですから、もっと政府は借金を増やせばよいのです。(信用創造)それで国民はお金持ちになります。

SS 2016/08/16 09:24 財政赤字の累積と財政破綻の間にそもそも因果関係が無いのだった。
でも多くの人があると思い込んでいる。
そこで躓いてんだよね。

S 2016/08/16 09:29 誰かが誤解しているみたいだけど、日本国債の担保は徴税権じゃないぞ。

GokaiGokai 2016/08/16 19:13 Sさんへ
>誰かが誤解しているみたいだけど、日本国債の担保は徴税権じゃないぞ。

・通貨発行券でしょうね。

GokaiGokai 2016/08/16 19:13 Sさんへ
>誰かが誤解しているみたいだけど、日本国債の担保は徴税権じゃないぞ。

・通貨発行券でしょうね。

田中リンクス田中リンクス 2016/08/17 01:08 通貨発行の限界は生産力の限界なので、結局国債発行の担保は生産力に行き着くんじゃないですかね?

ウナギマンウナギマン 2016/08/17 07:47 はじめして。
記事をいくつか拝見いたしました。そこで、教えていただきたのですか、(どなたでもかまいません。)

仮に政府の負債を現時点で0にした場合(強制的に国民の富を徴収するとかして)
それは単に国民の富が政府に移るだけのことで、国民の生活等は現状と何もかわらない。

それ以降、国債発行はしません、なんてした場合には消費税15%くらいになって、経済は更に負のスパイラルに…。
こんなイメージで間違ってないでしょうか。

shavetail1shavetail1 2016/08/17 17:39 田中リンクスさま
同意です。

ウナギマンさま
政府債務をゼロにしたら、想像を絶するようなデフレ不況になり、暫く経てば自給自足で暮らさざるを得ない人々が多発するでしょうね。
現実にはそこまで待たずに政府債務ゼロ目標の誤りが誰の目にも明らかになってその方針は中断されるでしょうけれど。

GokaiGokai 2016/08/17 23:01 ウナギマンさま

・政府借金の1000兆円を強制的にゼロにしたら、国民の預金も同額の1000兆円が減ってしまい、今ある1100兆円の預金総額が残り100兆円の残額になってしまいます。

・これは、shavetail1さまも常日頃言われていることですよね。

ウナギマンウナギマン 2016/08/17 23:54 shavetail1さま、Gokaiさま。

ご返答いただきましてありがとうございます。
書き方が悪くて申し訳ありません。
Gokaiさまが書かれているとおりのことを書きたかったのです。
やはり、政府の債務を0にすることはまったくもって誤りですね。

自分は簿記も会計も勉強したことはないのですが、メディア等で書かれてあることはどうにも
辻褄が合わないので、専門的な方に聞いてみたかったのです。

ありがとうございました。

2016-07-01 英国の経済格差は日本よりどれだけ酷いか調べてみた このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

先週末のイギリスEU離脱決定は今も世界経済に影を落としたままです。

イギリスでは、エリート社会と低所得者社会がもともと分断されているところに、この投票結果はさらに分断を強める結果になるだろうと報じられています。

そうすると、近年移民流入が続く英国格差社会はかつての格差を超えて、さぞ酷いことになっているのだろうと思い、ピケティの所得データベースを使って実際のところを調べてみました。(図表1)


  英国所得下位者の所得は伸びているし、格差拡大もしていない
  日本の所得下位者の所得は著しく減り、格差は英国以上に拡大

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 図表1 英国・日本の所得上位10%と下位90%の所得推移
 出所:The World Top Incomes Database Thomas Piketty他
 それぞれの所得水準は、2010年通貨で実質化されている。
 英国所得格差は5.5倍程度で変化がないが、日本の所得格差
 4.4倍から6.1倍と階級社会英国を超えている

 英国の下位90%の平均所得は、実質ベースでも1993年から2010年にかけて伸びていますし、絶対値では5倍以上開いている上位10%の平均所得との比も、予想に反して開いていません。

 一方、比較対象とした日本の下位90%の平均所得は実質ベースで1993年の225万円から149万円へと、実質34%もの減少となっています。
その結果、英国所得格差は5.5倍程度で変化はありませんでしたが、日本の所得格差は4.4倍から6.1倍と階級社会英国を超えるまでになっています。 また日本の場合、英国とは異なり上位、下位とも実質所得が減少していることも特筆に値します。

 英国では日本同様の緊縮財政を続けている一方で、ロンドンのシティを世界の金融センターとして維持したり、住宅取得ローンに政府保証をつけたりと、民間の活力維持にはそれなりの努力をしている結果、民間の所得維持が可能になってるのでしょうか。

 かたや日本。 鳴り物入りで始まり、今も安倍首相は成果を強調するアベノミクスでしたが、総務省のデータなどによれば、国民の実質所得の低下はアベノミクスの間に更に強まっています。

 政府日銀は、イギリスEU離脱ショックに備えるため、潤沢な流動性供給などで協力すると報じられていますが、政府経済失政をいつまでもこうした海外環境や天変地異のせいにせず、あり得ない国債暴落を防ぐという無意味な緊縮政策が過去や将来の日本で必要だったのかを内省する必要があるのではないでしょうか。

?? 2016/07/01 22:47 失業率は??

shavetail1shavetail1 2016/07/02 08:19 今の日本のように、極めて低賃金の劣悪な仕事だらけで求人すれば、求人倍率は何倍にも増えていくし、それと上のグラフの実質賃金低下は何の関係もない話ですね。

通りすがり通りすがり 2016/07/02 11:06 別にアベノミクス論者ではありませんが、政策開始から効果が出るまでのタイムスケールを厳密にして議論しないと、アベノミクスの効果の可否と断定できないのでは?

shavetail1shavetail1 2016/07/02 17:00 通りすがりさま

アベノミクスはこの数年ですが、日本で所得下位者の所得低下が著しくなった時期はアベノミクスを含めたこの20年にわたります。 その間ほぼ一貫しているのは、緊縮財政です。

アベノミクスも、2014年の消費税8%への増税で実質賃金も消費指数も両方ともいっぺんに悪化しました。 
私もアベノミクスについては、2011年末から2013年にかけて一時的に期待していて、財金併用をやってくれるものと思っていましたが、2014年以降は、逆に緊縮財政が酷くなってしまいました。 
安倍さんはいまだに「財政再建の旗は降ろさない」などといっていますから、いまもってご自分が引き起こした国民生活の窮乏はご存じないのでしょう。

阿Q阿Q 2016/07/02 19:57 緊縮財政が20年も続いているとかいう割にアベノミクスが引き起こした国民生活の窮乏にご存じないとは、全責任のっけるような書き方ですね。
ご自身がつらいのはわかります。
私もそうやって政治の責任にできる精神的勝利法を体得したいですので、その秘儀の一部だけでもぜひ記事にしていただけないでしょうか。

名は実を語る名は実を語る 2016/07/03 11:04 政治に影響力が無いのであれば、日本という実体は無いに等しい。
個人の能力と責任が日本の有り様を決める最大要因であるならば、国の存在価値は無いに等しい(どころか税金で国民の足を引く害虫のような存在かw)
自身が展開する論法そのものが魯迅が批判した阿Q的論法であろう。

shavetail1shavetail1 2016/07/03 11:15 名は実を語るさま

いいことおっしゃいますね。 今後ともよろしくお願いします。

BaruBaru 2016/07/03 15:56 イギリスの状況は知りませんが、日本については、高齢化の進行が格差拡大にもっとも寄与しています。格差を論じるときには、高齢化に関する分析が欠かせないと思っております。
調べた限りでは、イギリスは1993と2010の間でそれほど信仰していないようですので、高齢化の進行度合いの違いが、イギリスとの違いを生んだのではないでしょうか?

JancloJanclo 2016/07/03 16:31 >高齢化の進展
これは私も思ったのですが、どうなのでしょう?

安倍総理は半年前、高齢者は消費性向が高いから3万円配るんです!と言ってましたが、これは高齢者が現役時代にためた資産を削っているから高く出る、という数式上の話 。

こういった世代特性を無視して議論すれば、解決策が明後日の方向に行きかねない気がしますがどうでしょう?

kemushikunkemushikun 2016/07/03 21:35 こういう意見もありますよ。

富の独占率:日本低水準、中国は大幅に上昇
http://www.chinapress.jp/12/43753/
>一方、富の分配が最も進んでいる国家はベルギーであった。
>所得上位10%人口の資産が、ベルギー総資産に占める割合は47.2%にとどまる。
>第2位は日本の48.5%。富の独占率が50%を下回ったのは調査国中、ベルギーと日本の2カ国のみであった。


駐英でしたがイギリスはロンドンとそれ以外は完全に別の国になってます。投票後にロンドン独立論が出たのを見てもわかるでしょう。地方は完全に衰退してます。それなりの格式のある店は防犯用の鉄格子がはまってるケースが少なくないです。残りの店の存在理由は貧乏人に必要な生活必需品の提供。顧客の中に自分の名前すら書けず、仕方なく名前欄に「×」を入れたことも何度かあります。日本でそんな経験はありません。


フォーブスの世界長者番付ですが、上位200人の中で日本人はたった3人しかランクインしてません。
世界で3番目の経済大国なんですがね。孫正義さんも世界の中じゃ小物の部類です。私は日本の格差がそこまで酷いとは思いません。
http://www.forbes.com/billionaires/list/5/#version:static

stuffstuff 2016/07/04 16:10 全体として上昇していれば、格差は対した問題ではないはずなんです。
日本はずっと全体的に下がっているのが深刻。(先進国で唯一?)

格差格差と叫んで、上の人の足を引っ張って低値で平等を求める日本式横並びは、結果として「皆で貧乏」「社会全体で貧乏」にしてるだけですね。

お金持ち増やして気持ちよく納税してもらおう、という仕組みに転換しないと…

タニタタニタ 2016/07/04 21:05 印象操作でアベノミクスを批判してみた
って記事だな・・・
大卒就職率や失業率とかの数字は出しません(苦笑い)

田中リンクス田中リンクス 2016/07/06 20:04 stuffさん

お金持ちを増やして気持ちよく納税、とは具体的にどういう政策ですか?
法人税の更なる減税?それとも累進課税の廃止?

タニタさん

大卒就職率や失業率の改善はアベノミクスのおかげなのですか。成る程成る程。
では具体的にどういった政策がどういった経路により失業率の改善に繋がったのでしょうか?そして雇用が増えた産業はどこなのか?なぜ人手不足に陥っているのか?
是非とも御教授願いたい。

JancloJanclo 2016/07/06 21:53 田中リンクス さん

横レスですが、
>お金持ちを増やして気持ちよく納税
資産取得に対する損金の拡大や固定資産税、相続税の減税などですね。

資産家や企業に多額の税金を掛ければ、税金を支払うために現金の需要が増すだけ。
つまり、デフレを強めるだけなんです。

>具体的にどういった政策
金融緩和による円安で、自動車や鉄鋼産業なんか求人が増えてますよ。

とおりすがりとおりすがり 2016/07/09 15:10 与党の予定では、秋の補正予算で財投債(プライマリーバランスに関係しない国債)でリニア建設等、阿保ほど(隠れ)財政出動(ヘリコプターマネー)をやるので、思ったほど心配はないのでは。

JancloJanclo 2016/07/09 21:00 財投債で景気対策となると、小泉改革での天下り改革て何だったのかと呆然となりますね。(私は賛成ですが)

ただ、もし財投債で景気対策となると、財投改革に携わったシバキリフレの人とかやかましそうだ。

SS 2016/07/12 11:24 「お金持ち増やして気持ちよく納税してもらおう、という仕組み」

これが累進化税率の強化を意味しているなら正しい。そうでないならぺけ。

のぞみのぞみ 2016/07/23 16:51 sさん、落ち着いて!
2回も同じ投稿をしないでください。
ところで、あなたはアク禁ではありませんか?

SS 2016/07/25 11:05 Sとsさんは別人です。念のため。
更に、sさんは前のsと別の人のような・・・

2016-06-26 途上国に始まり、EUに終わる? このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

f:id:shavetail1:20160626083430j:image:w250:right今日も英国EU離脱報道がまだ続いています。 英国はもちろんですが、英国での離脱派勝利から、ドイツ以外のEU主要国内でもEU離脱派が勢いづいているようです。
各国内でも、ドイツに牛耳られて一挙手一投足に規制を入れてくるEUに対する不満が大きくなっているのでしょう。

ただ、EU英国を準加盟国扱いにするという情報もあり、ノルウェー、あるいはカナダに準じて処遇するとすれば、英国に対して常識的な幅の中でオプションを提示して、離脱させるという流れになるとすれば、英国の離脱問題自身は不透明性が高い今が問題のピークなのかもしれません。

それに対して主要加盟国から離脱運動が盛んになっているEUのあり方こそ、今後の焦点となっていくのではないでしょうか。

ところで、2011年秋ごろ、リーマン・ショックで個人は多額の負債を抱えたまま放置されているのに、サブプライムローンを売った側の大手金融機関の多くが救済されたという不公平などの理由から、ウォールストリートが占拠されたことがありました。 

あのウォール・ストリート占拠運動もまた、直接的には欧州内に渦巻いていたEUに対する不満が米国に飛び火して発生したものでした。
その占拠運動の主導者のひとりは、デビッド・グレーバーという人物で、活動家でもありますが、本職はロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの人類学教授です。*1

彼は人類学調査で赴いたマダガスカルで、経済危機によりIMFから多額の債務を受けざるを得なくなりその代償として厳しい緊縮財政を強いられ、マラリア駆除の予算さえ削減されて、人々の命が緊縮政策の犠牲になる状況を目の当たりにしました。

この経験により、本職の人類学の研究から負債貨幣の関連、およびマダガスカルの状況から負債と緊縮政策との関連について深く関心を持った結果、前者からは現在の経済学に対する強い疑問をいだき、後者から活動家にも進んだようです。 

シェイブテイルとしては、グレーバーはこう考えたのではないかと思います。 
「現在の経済学の基本的な誤りから、世界中に間違った緊縮政策がはびこり、人々を苦しめている」と。

さて、グレーバーの活動家面についてはおくとして、人類学の研究からは2011年に重要な一冊の本が書かれました。 Debt: The First 5000 Yearsという本です。
とても興味深い本なのに500ページほどの原書で、買って読めずにいましたが、この本の骨子について解説した文献を文化人類学者の松村圭一郎氏が現代思想に書いてくれていました。*2
この文献もとても短いという訳ではありませんが、更に骨子に当たる部分を引用します。

(以下引用)
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貨幣負債の起源
貨幣の起源を語る経済学者にとって、負債はつねに貨幣のあとに発達したものだった。ずっと人類学がその誤りを指摘してきたにもかかわらず、経済学的には、信用貸しと負債は純粋に経済的な動機から生じるとされた。だから、負債貨幣以前に存在するとは認められなかったのだ。経済学者は、交換の媒体としての貨幣が登場するまで、人びとは物々交換をしていたと考えた。社会が複雑になるにつれ、直接的な物々交換は煩雑になる。貨幣が媒体となってはじめて、市場が生まれ、取引がうまく機能するようになった。グレーバーは、この神話が想像の産物にすぎないという。

 未開の物々交換を貨幣代替していくという神話の基礎をつくつたのが、アダム・スミスだった。スミスは、貨幣政治体制によってつくられたという考えを否定し、それ以前に貨幣と市場が存在していただけでなく、貨幣と市場こそが人間社会の基礎であると主張した。人間だけが、ある物を他の物と交換し、そこから最大の利益を得ようとする。その人間の性質が労働の分業につながり、人類の繁栄と文明をもたらした。政治の役割は、貨幣の供給を保証するなど限定的なものにすぎない。このスミス観点が、経済が道徳や政治からは切り離され、それ自身のルールに則って作用するという考え方をつくりあげた。
 グレーバーは、その説明には何ら根拠がないと指摘する。 人類学は、物々交換が異邦人や敵どうしのあいだで祝祭的、儀礼的に行われてきたことを示してきた。二度と会わない相手、継続的な関係を結ぶことのない相手との交換では、相互の責任や信頼を必要としない一回きりの物々交換が適切だった。

 経済学のテキストでは、交換する人びとが親しくなることも、地位の差もないという現実離れした想定がなされている。じつさいに社会関係をもつ人びとのあいだでは、物々交換ではなく、贈与交換になる。それが、人類学があきらかにしてきたことだ。

 洗練された物々交換は、むしろ国家経済の崩壊にともなって生じ。最近では、1990年代のロシア、そして2002年前後のアルゼンチンで、貨幣が使われなくなった。かって、ローマ帝国フランク王国カロリング朝が滅んで物々交換への転換が起きたときにも、硬貨を使わない信用取引が行われた。

 古代エジプトメソポタミア時代の紀元前3500年の記録も、硬貨の発明に先立って信用取引が行われていたことを記している。シュメール文明の時代に発明された硬貨の使われ方からは、貨幣が商業的な取引産物ではなく、物資を管理するために官僚機構によってつくられたことがわかる。負債や市場での価格が銀貨で算定されても、それを銀貨で払う必要はなく、ほとんどが信用取引だった。グレーバーはさまざまな時代の資料を示しながら、物々交換の神話が虚構だと論じる。いわゆる「バーチャル・マネー(仮想通貨)」が最初にでき、硬貨はずいぶんあとにつくられた。さらに長い間、貨幣は一般的には使われず、信用取引代替することはなかった。物々交換は、貨幣の一時的な副産物だったのだ。

 では、なぜ経済学において、この神話が保持されてきたのか。グレーバーは、その理由は、物々交換の神話経済学の言説全体にとって中心的だったからだと指摘する。 経済学には、物々交換のシステムが「経済」の基礎にあることが重要だった。個人と国家にとって何より大切なのは、物を交換することである。その視点から排除されてきたのが、国家の政策の役割だった。グレーバーは、貨幣をめぐるふたつの理論を参照しながら、国家と貨幣の関わりを考察する。

貨幣の信用理論と国家理論
 貨幣の信用理論といわれる立場がある。この理論では、貨幣は商品ではなく、勘定のための道具だとされた。つまり、貨幣は物ではない。貨幣単位は、たんに計算の抽象的な単位にすぎない。では、物差しとしての貨幣は何を測っているのか。
 その答えが負債である。信用理論家たちは、銀行券は1オンスの金と同じ価値の何かが支払われるという約束だと論じた。その意味では、貨幣が銀であろうと、金のようにみえる鋼ニッケル合金であろうと、銀行のコンピューター上のデジタルの点滅であろうと、関係ない。それらは「借用書」にすぎないのだから。

 もうひとつの立場が、ドイツ歴史学派として知られる歴史家によって唱えられた貨幣の国家理論である。貨幣が計量単位だからこそ、皇帝や国王にとっての関心事となる。彼らはつねに国内で度量衡を統一することを目指していた。じつさいの通貨の循環は重要ではない。それが何であれ、国家が税の支払いなどで認めさえすれば、通貨となる。つまり通貨政府への債務の印として取引されてきた。

 近代の銀行券も同じだ。最初に成功した世代的な中央銀行であるイングランド銀行設立されたとき、イギリスの銀行家連合は、王に30万ポンドのローンを提供した。その代りに、彼らは銀行券の発行についての王室の独占権を受けとった。今日に至るまで、このローンは返済されていない。最初のローンが返済されてしまえば、イギリス全体の貨幣システムが存在しなくなるからだ。

 この観点から、国家がなぜ貨幣を用いて課税をするのかがあきらかになる。スミスが想定したように、政府から完全に独立した市場の自然な作用によって金や銀が貨幣になったわけではない。グレーバーは、むしろ貨幣と市場は国家によってつくられたと強調する。国家と市場が対立するというスミスに由来するリベラルの考え方は誤りで、歴史的な記録にもとづけば、国家なき社会には市場も存在しないのだ。マダガスカルでは1901年フランスの占領によって、人頭税が課された。この税は、あらたに発行されたマダガスカル・フランでのみ支払いが可能だった。納税は収穫直後に行われ、農民は収穫した米を中国人かインド人の商人に売って紙幣を手に入れた。収穫期はもっとも米の価格が低い時期だった。
 多くの米を売らざるをえなかった世帯は、家族を養えなくなると価格が高い時期に、同じ商人からツケで米を買い戻すことを強いられた。借金から抜け出すには、換金作物をつくるか、子どもを都市やフランス人植民者の農園に働きに出すしかなかった。それはまさに安い労働力農民から搾り取るための仕組みだった。農民の手元に残ったお金は、中国人の店に並ぶ傘や口紅といった商品の消費に使われた。この消費者の需要は、植民者がいなくなったあともマダガスカルフランスに永遠に結びつけた。1990年に革命政府によって人頭税が廃止されたとき、市場の論理はすでに浸透していた。

同じことがヨーロッパ軍隊によって征服された世界各地で起きた。 それまでなかった「市場」が、まさに主流派経済学が否定した「国家」によってつくりだされたのである。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

いかがでしょう。 現代経済学人類学調査の結果が否定する物々交換という神話を手放さないのは、経済学者にとっては現在の仕事の基礎を失うため、政治家にとっては、政府は小さいほうがいいという自分たちの主張の誤りを覆い隠してくれるから、というのは言い過ぎでしょうか。

シェイブテイルとしては、世界を変えるようなノーベル経済学賞経済学者の世界からではなく、ちょっと会計をかじった人類学者から出るのではと半分冗談ながら思っています。

Debt - Updated and Expanded: The First 5,000 Years

Debt - Updated and Expanded: The First 5,000 Years


*1:生まれはニューヨーク

*2現代思想 2012 vol.40-2 pp218「負債モラリティ

asdasd 2016/06/26 15:18 市場原理主義者の方々は「とにかく市場に任せろ、国家を切り離せ」と言うけれど、そもそも市場とは貨幣(国家管理された道具)で成り立ってるものだってことわかってんのかいな
…という不満をずっと持ってましたが、この本が広まってくれれば私の溜飲も下がりそうですね

asdasd 2016/06/26 15:28 ネットで序盤を翻訳してくれてる方がいたので今読んでますが、異様に面白いですね。人類学者なのに、そこらの経済学者連中より圧倒的に信用を理解している(笑)
惜しむらくは日本語訳が出版されてないことですが、早速現代思想を取り寄せてみました。

shavetail1shavetail1 2016/06/26 15:43 asdさま
コメントありがとうございます。全くおっしゃる通りで、これほど面白い本がなぜ邦訳されないのか不思議なほどです。

2016-06-03 やはり、大昔物々交換などなかった このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

経済学の教科書のはじめの方に登場する物々交換ですが、フェリックス・マーティン著「21世紀の貨幣論」には物々交換が人類学などから疑問を呈されているという話を以前書きました。

大昔、物々交換などなかった - シェイブテイル日記 大昔、物々交換などなかった - シェイブテイル日記

今年4月に出版されたカビールセガール著「貨幣の新世界史」でも、少し違う切り口から大昔には物々交換などなく、貨幣の起源は債務にある、という説を紹介しています。

以下は貨幣の新世界史から引用します。*1

(引用開始)
-----------------------
お金のもうひとつの起源

経済入門のクラスでは、お金の歴史をつぎのように教えるケースがほとんどだろう。

昔々、世界の果ての地で、人びとは物々交換を行なっていました。しかし、常に満足できる形で成立するわけではなく、やがてお金が発明されました。

アリストテレスの思想はこの考え方の延長線上にあるし、さらに時代を下れば、アダム・スミスなど古典派経済学者にも行き着く。アダム・スミスによれば、分業によって道の専門化が進んだが、そのおかげで取引は複雑さを増した。それをスムーズに運ぶため、お金の役割がクローズアップされるようになった。彼は『国富論』で以下のように書いている。

たとえば肉屋が、自分が必要とする以上の肉を店に持っており、酒屋とパン屋がその一部を手に入れたがっているとする。肉屋もパン屋もそれぞれの仕事で生産したものしか持っておらず……このような状態から生まれる不便を避けるために、分業が確立した後、どの時代にも賢明な人はみな……他人が各自の生産物と交換するのを断わらないと思える商品をある程度持っておく方法をとったはずである。
〔「国富論 上」(2007年 山岡洋一訳)より引用〕

さらにスミスは、スコットランド高地では釘などの商品が交換手段として使われ、初期貨幣の役目を果たしていたと述べている。やがてこれらの商品に代わり、貴金属の小片が使われるようになった。
すでに本書ではお金の起源に進化生物学的な立場から取り組んできたが、食べものや手斧といった商品の物々交換がお金の誕生につながったという発想は、進化生物学的に見ても説得力がある。相互依存的な物々交換が貨幣による交換の先駆けだったという考え方は、ロマンチックであるし、わかりやすい。スミスには銀貨三枚を褒美としてあげて、この間題は解決ということにしたい。

ところがそう簡単にはいかない。あるイギリス人経済学者が一九二二年、「バンキングロー・ジャーナル」のなかでこの理論に疑問を寄せた。その経済学者、アルフレッドミッチェル・イネスは、スミスの説には歴史的な証拠がないどころか、実際のところ間違っていると主張した。さらに釘が交換手段として使われたという箇所は、ほかの人物からも誤りを指摘される。「ザ・ウエルス・オブ・ネーションズ」の編集者だったウイリアム・プレイフェアは、当時の釘職人が貧困層に属していたことを挙げ、釘の原材料を関連業者から提供してもらうしかなかったと説明している。おまけに業者は原材料だけでなく、作業中の職人がパンやチーズを買えるように融資までしていたという。つまり釘職人は債務を抱えていたのだ。作業が終了すると、職人は完成品の釘を業者に提供して債務を返済したのである。ミッチェル・イネスはこう書いている。「アダム・スミスは実体のある貨幣を発見したと信じたが、実際には信用取引の仕組みを発見しただけにすぎない」。

ミッチェル・イネスの論文はまずまずの注目を集め、特にジョン・メイナード・ケインズからは絶賛される。しかし一世紀近くのあいだ忘れられたままで、二一世紀になって再び脚光を浴びた。L・ランダル・レイなど著名な経済学者やデイヴイッド・グレーバーなど著名な人類学者が、この説の長所に注目したのだ。たとえばレイは、貨幣債務はまったく同じものだと主張して、貨幣債務の一手段にすぎないと指摘した。 一方、グレーバーは著書『Debt: The First 5,000 Years (債務‥最初の五〇〇〇年)のなかで、物々交換について研究した数人の人類学者の成果を紹介している。そのひとり、ケンブリッジ大学のキャロライン・ハンフリーは、つぎのような意見だ。
「純粋でシンプルな形の物々交換経済の事例はどこにもないし、まして、そこから貨幣が誕生したなどとは考えられない。入手できる記録文書の内容から判断するかぎり、そんなものが存在していたとは想像できない。」
著書のなかでグレーバーはいくつもの点を結びつけたうえで、これほど証拠が不足しているのであれば、貨幣の起源に関する従来の説の正しさは疑うべきだと語っている。そしてさらに、貨幣の発達に関する基本理論は神話にすぎなかったとまで推測している。

そもそもミッチェル・イネスと同じくグレーバーも、貨幣が誕生する以前から債務は存在していたと考えている。利子つきの融資は古代メソポタミアで最初に登場したが、それはリディア王国で硬貨が発明されるより何千年も古い。メソポタミアでは、神殿や宮殿や有力者の家で働く人たちは、銀や大麦などの商品価格に基づいて融資金額を計算した。ちなみにビールのつけ払いも古い習慣で、古代メソポタミアではすでに普及していたという。 最終的にグレーバーは、債務貨幣よりも先行していたか、少なくとも同時に発達したという結論に達している。このように債務は歴史的に重要な意味を持っているのだから、様々な角度から理解を試みるべきだろう。
-----------------------
(引用終わり)

貨幣の起源はアダム・スミスらの想像上の産物、物々交換などではなく「債務」であったという話に加え、アダム・スミスが物々交換の好例と考えた釘職人の釘さえ、債務の一形態だったというのは面白い話ですね。

ほぼ百年前にミッチェル・イネスが唱え、ケインズに絶賛されたという、上に引用した論拠をを踏まえ、書き換えられた経済学の教科書があるのなら、是非それを読んでみたいものですが、21世紀になった今もまだ国富論の間違いはそのまま堂々と事実であるかのように教科書に載り、その間違いを基礎に現在の経済学が組み立てられているのは、学問とは誤りを正していくのが本質と信じている私にはかなりの違和感があります。

 話は飛ぶようですが、安倍首相は最近の記者会見で、アベノミクスとともに財政再建の旗を降ろさず、プライマリーバランス均衡達成を目指すとしていますが、もし安倍さんが、政府債務というものは貨幣経済を毀損するどころか、その一部をなしていることを知ったとすると、それでもやはり財政再建を急ぐということになるのでしょうか。

f:id:shavetail1:20160603204537j:image:w150
18世紀スコットランドの釘もまた、流動性を持つ債務としてのおカネだった?


*1:p109

JancloJanclo 2016/06/04 17:31 貨幣の起源は、物々交換か債務か、という議論を見ると、天動説と地動説の議論を見ている感じがしますね。
アダム・スミスやマルクスは、貨幣を物々交換の発展形として捉えたわけですが、彼らから批判された前時代の重商主義者達の中には、フランス中央銀行の創設に携わったジョン・ローなど、マネーの本質に気づいていた人間もいるわけですが、経済学の主要にはなれていないわけです。

キリスト教世界おいては、地動説は反キリスト教的として長く無視されてましたが、経済学の世界でも、債務マネー論が数世紀も無視されたことに、不思議な関連をかんじますね。

DYODYO 2016/06/05 21:14 信用がマネーを生むかマネーが信用を生むのかとういう話ですよね
量的緩和に効果はないと決定づけられる気がしますが

shavetail1shavetail1 2016/06/05 21:30 Jancloさま、DYOさま
お二人ともよくご理解いただいているようで、ありがとうございます。
天動説も大勢の人々が生業とするとなると、簡単には誤りを認められなくなるものなのかもしれません。

ただ、思うのは信用、債務が貨幣を生むという原理に基づいた経済学、部分的にはかなりケインズの経済学に近いものかも知れませんが、そう遠くない将来、新しい経済学を誰かが創り上げるのではないか、そんな気がします。

まっつんまっつん 2016/06/18 01:06 MMTの理論構成の入口になるような話ですね。

shavetail1shavetail1 2016/06/18 20:10 まっつんさま
コメントありがとうございます。
スタグフレーションをきっかけに隆盛を極めた主流派経済学でしたが、リーマン・ショックも見通せず、昨今では先進国がどこもかしこも低インフレに悩む時代に対応できずにいます。

そう遠くない将来、MMTあるいはポストケインジアンがベースになるような信用貨幣を中心とする経済学体系を世界の経済学者のうち、どなたかが確立して大きく時代が変わるのでは、と思っております。

2016-05-29 貨幣と財政からみた経済学派分類 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

安倍首相は昨晩(5月28日)、現在はリーマン・ショック級の経済危機という認識から、10%への消費税増税2019年10月まで2年半先送りする方針麻生副総理らに伝えたとのことです。 会合後の報道ではその方針に異論も出たとのことで最終的な落とし所はまだわかりません。

ただ、コンセンサスが得られてきたことは、どうやら金融政策中心のアベノミクスでは限界があり、デフレ脱却・景気好転のためには財政出動も必要だろうということです。

このブログを読んでいただいている方々からみれば、なるべくしてなった結果ということかも知れません。

それにしても、デフレ脱却・景気好転を願う目的は同じでもこれほどのアプローチに対する選好がことなるのでしょう。 今日はこの点を改めて考えてみたいと思います。

下の図は、貨幣(細かく言えば民間を巡るマネーストック)の生まれ方に対する認識(横軸)と財政政策の役割に対する認識(縦軸)の二軸で、マクロ経済に対する認識をグルーピングしたものです。*1


f:id:shavetail1:20160529134248j:image:w600

現代の主流派とよばれる経済学派は、全て貨幣外生説側、つまり図の左側にグルーピングされます。 左側のグループには新古典派系の経済学、ヒックス以後の新古典派総合、あるいはアメリカンケインジアンとよばれる新古典派の土台にケインズのトッピングを載せたような経済学もこちらに入るでしょう。

中央銀行マネタリーベースを増やせば、民間のインフレ期待が高まり、民間を巡るおカネ、マネーストックも増えるという考え方は、中央銀行がコントロールするおカネマネタリーベースにより民間のおカネマネーストックが操作可能と考えていることになりますから、これまでの金融政策中心のアベノミクスを理論的に支えた岩田規久男日銀総裁らのいわゆるリフレ派もこのグループになります。

ただこれらの主流派に属する経済観でも財政政策の重要性についてはかなりの幅があるようです。
財政破綻不可避であり、増税をすべきで財政出動はあり得ないという左下のグループ(財政破綻派としましょう)も現在の日本の学者では相当数いるでしょう。

一方、20年ほど前のアメリカンケインジアン金融政策が主体であるべき(それに倣ったのが現在のリフレ派本体)ですが、クルーグマンなど現代のアメリカンケインジアンは、財金併用に大きく居場所を変えています。*2

さて、今後の安倍政権経済政策と関わりが深いのは図の右側です。
こちらは主流派ではないので、画一的なグループ名は思いつかないのですが、仮に「貨幣中立系」としましょう。

民間を巡る貨幣(≒マネーストック)は、民間銀行で負債と同時に生成し、中央銀行が生み出すマネタリーベースではコントロールはできないという貨幣観が共通しています。

ここには、例えば、旧日銀派例えば白川前総裁以前の日銀)、あるいはポストケインジアン系、現代金融理論(MMT: Modern Monetary Theorists)、そして日銀の実務を知った上で昭和初期にデフレ脱却を果たした高橋是清など、幅広い考え方がありますが、全て「貨幣中立系」グループに一緒くたに属しています。

とはいえ、財政政策に対する選好性は大差があり、旧日銀派は財政政策にはネガティブもしくは無関心であり、今も欧州にいる現代のポストケインジアン貨幣の内生性には関心が強そうですが、財政政策について統一的な見解は私が知る限りはありません。

さて、ケインズ経済学に名を残しているケインズですが、著書は難解で比較的早世したこともあり、位置づけが明確ではありません。
ただ、ケインズ経済学をモデル化したとされるヒックスは、新古典派の考え方をベースにモデル化したため、ケインズ自身の考えとはかなり距離がある「ヒックス経済学」とでもよぶべきものになっており、貨幣に対する考え方はいわゆる主流派のそれと考えて良さそうです。

ケインズ自身は貨幣の内生性にも気がついていたようですが、それをモデル化するには至らずこの世を去りました。ということでケインズ財政政策重視の、左右にまたがる広い帯で示しました。

前フリ?が非常に長かったのですが、シェイブテイルとしましては、デフレ脱却を目指し財政政策を打ち出そうという安倍政権が最も参考にすべきなのは右上に赤い◯で示した高橋是清経済政策ではないだろうかと考えています。

以前も示しましたように、高橋是清は財金併用、特に単年で財政規模を急増させて、わずか1年以内にデフレ脱却を果たし、その翌年には早くも財政規模の縮小に舵を切っています。

アベノミクスと高橋財政を比較してみた - シェイブテイル日記 アベノミクスと高橋財政を比較してみた - シェイブテイル日記

高橋是清がいち早くデフレを脱却できたのも、是清が貨幣とは流動性をもった負債だということを実務経験から知っていたからでは、とシェイブテイルは思っています。 そういう私は、自称高橋是清派ということですね。

*1:もちろん経済学派の分類がこの二軸に限るなどということは全くなく、便宜的な分類です。

*2経済学が専門ではない筆者は、主流派経済学には殆ど関心がないので記載が間違っている部分があるかもしれません。 その点はご指摘いただければありがたいです。

2016-05-26 G7で安倍首相がピエロにならないためには このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

今日から明日までの日程でG7 伊勢志摩サミットが開催されています。

安倍首相はその地ならしとして、G7諸国が一致して財政出動するように求め、各国を回りましたが、調整としては不調に終わったようです。

それも当然で、カナダのようにすでに積極財政に転じて成果が出始めている国もあれば、英国ドイツのように緊縮財政政権の国々もあり、一致して積極財政、となるはずもありません。

安倍首相自身、第2次安倍内閣をスタートし、「3本の矢」を発表した2013年こそ多少の財政出動をしたものの、2014年には消費税増税、昨年も緊縮と、金融政策頼みの経済運営が目立ちました。

その後、家計消費がマイナスなど経済減速がはっきりした昨年9月に、「新3本の矢」を打ち出し、2020年に名目GDP600兆円を打ち出したところは目を引きましたが、後は小粒な目標だけで、肝心の達成手段は何も公表されませんでした。

では、2020年、つまりあと3,4年で名目GDP600兆円を達成するにはどうすれば良いのでしょうか。

現在の名目GDPはちょうど500兆円ですから、今年以降、毎年4%成長を達成する必要があります。
一見非現実的な目標のようですが、そうとも言えません。

図は、安倍政権発足後の3年間での、先進国での政府支出の伸び率と名目GDPの伸び率の相関図です。
f:id:shavetail1:20160526170808j:image:w360
図 政府支出-名目GDP伸び率
出所 IMF 期間2013−2015年 データから筆者作図

図の左側、政府支出の伸びを抑制している国々は財政破綻が現実視されているギリシャキプロスなど欧州諸国です。  図の右側は財政破綻したものの、借金棒引きを叶えられたアイスランドなどで、世界一海外にカネを貸している日本は、財政破綻が現実のギリシャキプロスに近い緊縮を実施し、名目GDPの伸びも低い、という形になっています。

この相関関係はなかなか堅固で、幾通りかの国々、期間を選択しても同様の関係があります。
ですから、現在開催中のサミットで、安倍首相が年率4%程度の拡張財政を宣言すれば、おそらく予定通りに2020年頃には名目GDPが600兆円で世界も羨む状況となっているでしょう。

ただ、「アベノミクスを成功させる会」会長の山本幸三議員が最近首相に進言したように、わずかな財政出動とともに2%消費税増税をすれば、これが恒久的な負の財政出動ですから2020年に500兆円のGDP維持さえ困難で、はっきりとしたデフレに逆戻りしていることでしょう。

安倍首相が拡張財政を訴えて回ったことは大変結構なことでした。 ただ財政政策は各国の政府債務裏付けで実施可能なものですから、日本は日本独自の大型財政政策、もしくは消費税大幅減税・廃止を打ち出せばいい話です。

もしも、折角招聘したスティグリッツクルーグマン両氏らの示唆も無視して、山本幸三の進言通りにすれば、世界から失笑を買うだけでなく、日本はさらなる失われた数十年を強いられることになるのではないでしょうか。

JancloJanclo 2016/06/01 22:51 http://agora-web.jp/archives/2019504.html
結局、ピエロになってしまったようですね。
ドイツですら、歳出を増やしているようですが、
http://ecodb.net/country/DE/imf_ggrx.html
いい加減、安倍総理も財政再建という欲を捨ててほしいものです。

それに資源価格の低下に懸念を持つなら、福祉ではなく、数年前の中国のように公共インフラに投資すればいいだけです。http://kabumatome.doorblog.jp/archives/65863852.html
日本の小さい港湾では事業を維持できない、と撤退する企業が出ているわけですから、すべき公共事業はあるんです。
早く人からコンクリートへと政策転換してほしいものです。

shavetail1shavetail1 2016/06/02 08:11 Jancloさま
まったくおっしゃるとおりだと思いますね。
財政戦略と大きくでたはいいものの、PBバランス均衡などという意味のない妄想を国民生活より重要視するという洗脳が解けていないのは相変わらず。経済指標がどんどん悪化するのはわかっているのに、それを何年もさらに確認して、財政政策を経済が好転しない程度に出し、「やはり財政は一時しのぎ」と再確認()するという伝統芸がすでにみえていますね。

2016-05-24 少子化対策は国債で このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

昨日厚生労働省から発表された2015年人口動態統計によれば、昨年の出生率は1.46と、1994年の1.50並のレベルになっています。(図1)

f:id:shavetail1:20160524080626j:image:w600
図1 日本の出生率推移
出所: 厚生労働省 特殊出生率(H27)

とはいうものの、若い女性の絶対数が減り続けていることもあって、出生数自身は過去二番目の低さに留まっており、少子化にはまったく歯止めはかかっていません。

今朝の日経新聞社説では少子化対策について次のように論じています。

 大事なのは、若い世代の将来への不安を和らげることだ。政府が先週まとめた「ニッポン一億総活躍プラン」は、非正規で働く人たちの待遇改善を柱に据えた。安定した雇用と収入は、若い世代が結婚や出産の希望をかなえるのを後押しする。「同一労働同一賃金」の議論を進めるとともに、個人が自らの力を伸ばせるよう支援することが必要だ。

 男女ともに働きながら子育てができるよう環境を整えることも欠かせない。硬直的な長時間労働を見直すことや、保育サービスの拡充が柱になる。今は保育所の待機児童問題にばかり目が向きがちだが、小学校に入ってからの学童保育など、充実すべき点は多い。


確かに、若い世代の将来への不安を和らげることは必要でしょう。 消費税がどんどん上がるようでは子供を増やすという「贅沢」はその後の人生で大きなリスクを伴いかねません。

ただ、「ニッポン一億総活躍プラン」のような小粒な施策で、政府が目指す特殊出生率1.8や、人口減が止まる2以上などの目標に届くものなのでしょうか。


シェイブテイル個人としては、恒常的に若い人たちの生活が明らかに楽になる施策を取る必要性があると思っています。 
つまりは、子育て支援だろうが、婚活支援だろうが、いずれの施策を考えるにしても結局おカネの問題に帰着するのではないでしょうか。

例を上げれば、消費税撤廃、定額のベーシックインカムでも良いですが、恒常的に生活が楽になると分れば、恋愛・結婚・子育てすべて増えるでしょう。

財源は国債です。

消費税など税金の場合、民間からおカネを吸い上げて、同額財政出動してチャラですが、どの政権も同額財政出動するなど決してせず、法人税減税など福祉とは無関係な「浪費」が多すぎました。

世界一海外におカネを貸すほど金持ちの日本で財源を国債にしたからといって何の問題もありませんが、アレな格付け会社は日本国債の格付けをどんどん下げるかもしれません。 A+がA-に…、という具合に下がっていくかも知れません。しまいにはジャンク債レベルになるかも知れません。

でも、そここそ目指すところです。 ジャンク債になった日本国債はもう下げる余地もありませんから、誰も緊縮しようとは思わないでしょう。

格付けが下がるとカネが借りられなくなる? 今は銀行にも企業にもカネはあふれていますよ。 

ないのは若い人たちなど家計だけです。
だから国債でカネを若い人に撒けば全て解決するんですよね。

JancloJanclo 2016/05/24 09:45 Shavetail1さん

お久し振りです。

Shavetail1さんは少子化対策に、家計支援を提言されていますが、生活が比較的楽だったはずの80年代から、少子化がはじまっていることについては、どう思われますか?

>法人税減税など福祉とは無関係な「浪費」
これは、ちょっと違いますね。
大企業は、労働者の健康保険や退職者の厚生年金を自主運用しているので、法人税減税による利益剰余金の増加は、福祉の拡充に繋がります。

だからこそ、財政政策により、資産の利回りを上げないと行けないのですが、政府が投資減税の縮小など財政再建と自己責任を掲げ続ける限りは、企業は存続するため、投資を控えて利益剰余金を積み上げないといけなくなるんですよね。

ポルシェ万次郎ポルシェ万次郎 2016/05/25 15:40 日本のすべての問題は、「お金がない」と誤解している点にありますよね。

アイドル新党なでしこ! 第019話 ピンチはチャンス!
http://ameblo.jp/p-manjiro/entry-12151886174.html

少子化対策について、少し前に漫画で提言させていただいております。ご一読いただけますと幸いです。

shavetail1shavetail1 2016/05/26 12:51 Jancloさま
お久しぶりです。
 原因としては貧困時代のような子供を労働力と捉える家庭が激減し、女性の社会進出や、晩婚化も効いているのではないでしょうか。

ただ少子化・晩婚化自身は世界的な傾向で出生率が2に下がるまでは大きな問題ではなかったかと思います。

日本は出生率が2を切る頃ちょうどバブルの頂点で、以降は一貫して労働者の賃金が右肩下がりに下がりました。 そうなると低賃金層から子供どころか結婚も困難という層が広がったのでは。

後半ご指摘の保険年金自主運用の件、意識していなかったので、ご指摘ありがとうございます。

ただ、私が若い労働者の立場なら、消費税を上げながら年金に回るお金が潤沢になるという選択肢よりも、直接自分にお金が回る選択肢の方がありがたいし、福利にも繋がると思いますがいかがでしょうか。

ポルシェ万次郎さま
お久しぶりです。
早速読ませていただきます。 ありがとうございます。

janclojanclo 2016/05/28 16:22 shavetail1さま

>低賃金層から子供どころか結婚も困難という層

こちらも原因としては大きいでしょうが、

>子供を労働力と捉える家庭が激減し、女性の社会進出や、晩婚化

こちらの方が私は原因として大きいと思います。
実際、出生率の高い沖縄・九州や山陰地方なんかは、賃金は低いですが、出生率は高いです。
一方で、都心部は賃金は高いが、出生率は低い。
また、これらは、大学進学率と負の相関にあります。

私が思うに、少子化を解決するなら、教育や福祉より公共事業にお金を回す方が効果が高いと思うのですが、あまりこういった意見は聞かれませんね。
また、子ども手当といった給付政策より、世界でもトップレベルである資産課税(相続税、固定資産税等)の減免の方が、質の高い少子化対策(富裕層の多産化)になるような気がするのですが。

>私が若い労働者の立場なら、消費税を上げながら年金に回るお金が潤沢になるという選択肢よりも、直接自分にお金が回る選択肢の方がありがたいし、福利にも繋がると思いますがいかがでしょうか。

若い労働者の立場としても、産休・育休や社員教育といった「間接費」に企業は対応しないといけません(最近になってようやく社会保険料の労働者・事業主負担が免除)から、やはり潤沢な方が福利に繋がります。

後、私の立場を言うと、法人税率の引き下げには反対で、投資・開発減税の拡大には賛成、消費税と法人税に関係はない、です。
そもそもタックスシールド効果を考えれば、投資・開発減税を縮小すれば企業は現金を持っておく方が有利になる。
なぜならば、上記のように、将来の労働者の福利も担わされているわけですから。

来年度税制改正で政策減税「ゼロベースで見直す」 麻生財務相が各閣僚に要請
http://www.sankei.com/economy/news/150724/ecn1507240020-n1.html

現政権は法人税において「も」デフレ政策を推進しているわけで、消費税と法人税の分配がデフレに繋がってるわけではないでしょう。
しかし、リフレ派にしても現政権にしても会計に弱いな、という印象を私は持ちますね。

janclojanclo 2016/05/28 16:28 追記
×社会保険料の労働者・事業主負担が免除
○産休育休中の社会保険料の労働者・事業主負担が免除