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2012-12-24 NHKスペシャル「日本国債」の本当の問題 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

f:id:shavetail1:20121224094519j:image:w180:right昨晩9時からのNHKスペシャルでは「日本国債」についてその危機的な状況が報道されていました。*1

確かに日本の政府債務は2012年9月で約1100兆円に積み上がっています。

 番組では、日本国債売りを仕掛けているヘッジファンド、ヘイマンキャピタル代表 カイル・バス氏も登場し、「私たちは何年も前から日本の借金レベルは返済できないレベルにあると考えています。」と語っていました。
 しかしその一方で、国債の安全度のひとつの指標となる長期国債金利は日本国債ではギリシャ国債などとは全く反対に、1%を下回り、世界最低レベルで安定しています。

 では日本国債は本当は危険なのでしょうか、安全なのでしょうか。 また日本国債の問題の本質とは何なのでしょうか。

1.内債としての日本国債
 よく知られていますように、日本国債の保有者は、9割以上が日本国内居住者です。
 内債は、政府国債を発行することに事実上制約がなく、またその国債を裏付けとするならば、中央銀行も無制限にマネーを供給できますので、しばしば「内債の破綻はあり得ない」と結論されています。

 ところが、ケネス・ロゴフ教授は「国家は破綻する」で過去800年間、66カ国に及ぶ経済史を分析し、1800年以降のデフォルト事例では、対外債務でのデフォルトが250件であるのに対し、内債でのデフォルト事例も70数件発生しており、内債でのデフォルトがそう珍しい事例ではないことを述べています。 廣宮孝信氏の「国の借金新常識」では、このロゴフ教授の大著と自身の分析から、背景分析がしやすい1970年以降の42例の背景を調べ、内債破綻は3つのパターンに集約されることを指摘しています(図1)。
f:id:shavetail1:20121011221222p:image:w300
図1 内債破綻事例(1970年〜)の分析
42件の内債破綻事例は、政情不安・実質外貨建て・高インフレ対応の3パターンに分類し得る。
もっとも多いのが、内戦などによる返済不能(25件)、ついでドルペッグ国など事実上外貨建て内債破綻(13件)
そして、高インフレに対応するための破綻(4件)。 内債破綻で、他の原因は知られていない。
詳しくは 内債が破綻する時とは 内債が破綻する時とは このエントリーをはてなブックマークに追加を参照のこと。

このロゴフ教授の経済史研究結果から考えると、内債が破綻することは実際にときどき発生するが、その原因は3種のみであり、これら3種の原因の中で、日本国債が近いうちに陥りそうな状況はないことが分かります。

NHKスペシャルでは財務官僚も登場し、「国債発行は綱渡りの状況です。」と述べていました。
一方で、その同じ財務省が、日本国債の格付けを下げたS&Pへの書簡では

貴社はデフォルトを「約定日に金融債務を履行しないこと、及び当初よりも不利な債券の交換」と定義し、最近発表のレポートでは「改革が実施され持続的成長が回復してもデフォルトを回避するには遅すぎるかもしれない」としている。しかし、このような想定は、日本のマクロバランスや国債の保有状況等を考慮に入れた場合非現実的であり、タイムスパンを明記しつつ、具体的にどのような事態が生じうるのか敷衍が必要。

として、S&Pの日本国債格下げは非現実的想定に基づくものとして一刀両断に切り捨てています。*2

2.日本国債の分析と問題点
 ロゴフ教授らの経済史分析から見ても、財務省の見解から見ても日本国債が「日本のマクロバランスや国債の保有状況などを考慮」すると破綻は考えにくい、とすれば日本国債の真の問題点とは何なのでしょう。
これを考えるためには、日本国債を含む日本の金融ストック全体を俯瞰する必要があります。

1)日本(一般政府)の粗債務と純債務
日本には1000兆円を超える政府債務があると度々マスコミ報道されています。 たた、この政府債務とは正しく言えば一般政府の粗債務です。 日本政府には資産も多額にあるため、日本政府債務で重要なのは純債務です。
図2は日本政府の粗債務と純債務の推移です。
f:id:shavetail1:20121224090347p:image:w360
図2 日本政府の粗債務と純債務
出所:日銀資金循環統計から筆者作成、 縦軸:兆円。
2012年秋段階での日本の粗債務は約1100兆円、純債務は約610兆円。
しばしば日本の粗債務を家計の純資産と比較することがあるが意味がない比較である。

日本の粗債務は現在約1100兆円で、純債務が610兆円となっています。
政府債務と家計純資産を比較して数年後にも日本経済の破綻を予測する本などは荒唐無稽であることが分かります。
ただいずれにしても政府債務の610兆円としても、少ない債務とはいいがたいことも事実です。

2)政府債務を支える構造
図3は、日本政府の純債務プラス企業の純債務を家計の純資産と比較したものです。
f:id:shavetail1:20121224092329p:image:w360
図3 政府債務、企業純債務と家計純資産
出所:日銀資金循環統計から筆者作成、縦軸:兆円。
政府債務は図2から再掲。 家計純資産政府債務と企業純債務を支えている状況が分かる。
家計純資産は増大し続けており、政府と企業の純債務を足したものとの差額は日本の海外純資産にほぼ等しい。

図3を見ますと、いくつかのことが見えてきます。
1.日本の家計は政府と企業のみならず、海外の純債務をも支えている。
2.政府債務は増大しているが、家計純資産もほぼこれと並行して増大している。
3.政府負債は1990年代後半から急増しているが、同時期に企業債務の減少が始まっている。

この状況を直観的に言えば、
「日本国債は、デフレ下で家計の純資産として凍りつきつつ増え続けている」といったところでしょうか。

 この図3を見れば、日本国債売りを仕掛け、2013年7月までの日本国債破綻を予言したヘッジファンドのカイル・バス氏は恐らく深く失望することでしょう。
それはともかくとしてシェイブテイルは図3から次のようなことが言えると思います。

・日本では経常収支が黒字であり、日本全体ではその他の国々に貸し付けている状態であり、この状態で破綻はあり得ない。
日本政府の純債務が増大しているのは、歳出の中で医療年金政府雇用者給与のような義務的支払が増大し続けているのに対し、デフレにより法人税所得税收入が激減したため、その差を国債などの債務で補填する必要があったため。
日本政府の借金が急増し、企業債務が減少をし始めた1990年代後半とは、構造改革の美名のもと、デフレ環境であるのに橋本内閣消費税増税を強行して、デフレを強化してしまった時期に相当し、それ以後、日銀デフレ目標を守り続けて現在に至るため、企業は投資を拡大することができず、企業借入が縮小している。


1997年の橋本消費税増税、それ以降の日銀デフレの中、日本国民は浪費をせず貯蓄に努め、銀行には預貯金が溢れています。この預貯金を原資として国債が買われ、その国債医療年金政府雇用者給与が民間に支払われる結果、民間純資産は増大し、これと並行して政府債務が増大するということが「日本国債問題」の本質と言えるでしょう。

26日に発足する安倍新政権日銀を制御しデフレを脱却し、無意味な消費税増税を行わなければ、NHKスペシャルでおどろおどろしく語られた「日本国債」問題は氷解してしまうのではないでしょうか。

【参考】こちらも読んでいただければ、国の債務と個人債務の明らかな違いが見えてくるかと。
国の債務を全て返済すれば何が起きるのか 国の債務を全て返済すれば何が起きるのか

【2012.12.26追記】このエントリーの続編です。
NHKスペシャル「日本国債」の本当の問題II - シェイブテイル日記 NHKスペシャル「日本国債」の本当の問題II - シェイブテイル日記

読者読者 2012/12/24 11:32 大変わかりやすいです。

つまり、昨日のNHKスペシャルは、
ヘッジファンド「俺ら相当含み損抱えてるんで、国債暴落よろ!」
NHK「金融緩和でデフレ脱却なんてとんでもない!ハイパーよ!」
という、金かけて役者使ってサブリミナルまで入れ込んだ印象操作ということでよろしいでしょうか?

shavetail1shavetail1 2012/12/24 11:35 読者さま
仰るとおりですね。
「国営放送」が日本売りヘッジファンドの片棒担いで、売国放送化していることが分かりますね。
財務省は増税キャンペーンでNHKにネタを出したのかも知れませんが、ネット上での反響を見る限り逆効果でしたね。

通りすがり通りすがり 2012/12/24 18:00 とあるtweetからですが…>> 昨夜も某国営放送が、日本国債の危機を煽っていた様です。根本の追求がまるで無いのです。何故、国の借金が膨れたのか、政治政策の何処に問題があったのか。社会保障福祉が、何故破綻状態になったのか。財務省、官僚に責任は無いのか…

・国債の内訳、詳細って教えられていないんですよね。
“独りファシズム”さんなんかを読むと(BLOGも書籍も)結局天下り官僚の不労所得のため…という内容が(12兆)大きいのに国民は知らされていなくて身を粉にして働いているわけです。
NHKも同じようなものですね。家族が…「働きたくないから借金したので大変になった」って言いふらしてるようなもんです。

失礼しました。

シントシント 2012/12/24 19:13 記事作成お疲れ様です。

しかしこうしてはっきりと、「日本企業の債務が減る=日本国の日本円の通貨の消滅」、と言うのを見ると、財政赤字路線で進めて、国が責任と債務を持って、日本円を増やし続けるのが一番良いのかもしれませんね。

そういえばマネーストックって、政府が国債発行して借りて、企業に使ったら、企業のマネーが増えますから、マネーストックは増える、と言うことになるのでしょうか?

shavetail1shavetail1 2012/12/24 19:45 シントさま
GDPの成分から考えても、企業などの投資が縮小する局面では財政がそれを補うしかないと思いますね。 そして財政が拡大するにつれ、金利や為替に悪影響がでることがないよう、十分な金融政策を行ない、インフレ目標により、インフレ期待が熟成するのを待てば、民間投資が再拡大してもはや財政は脇に退くべきでしょうね。

マネーストックはやはり環境次第ではないかと。インフレ転換すれば、財政に投入された資金で企業自身が再投資に回すでしょうから、大きく増大するでしょうね。

田中田中 2012/12/24 22:16 twitterでさらっとキーワード「国債」でnhkスペシャル放映後あたりからみんなどんなことつぶやいてるか見てきて、煽られちゃってる人がやっぱり結構いました。残念です。

細かいところですが、
http://ja.wikipedia.org/wiki/国営放送
日本では、日本放送協会(NHK)のことを「国営放送」と表現することがある。正しくはNHKは公共放送であり国営放送ではない。

shavetail1shavetail1 2012/12/24 22:25 田中さま
上の私のコメントの「国営放送」ですか。
あれは、ほぼ国営放送が次期政権をdisり、売国もとい売国債ヘッジファンドのコメントをありがたがって放送していることを皮肉ったもので、って買いても、読んであんまりおもしろくないですね。すみません。

田中田中 2012/12/25 01:31 小言にコメントしてくれなくてもよかったんですが、どうしてわざわざ書いたかといえば、nhkが憎いからです。

国営ではないと言っても結局nhkにはいくらか税金が入っていて、つまり国民が売国の片棒を担いでいることになる。nhkが国営放送ではなく公共放送と言っているのは、「国家」という責任からの逃げのような気がして、だからと言って「公共」という本来誠実な言葉を馬鹿にされているような気がしていずれにしても頭がくるからです。

シェイブテイルさん「国営が売国やりやがって聞いて呆れる」
nhk「国営じゃないし、公共だしwww」
私(怒りが言葉にならない)

ノブノブ 2012/12/25 03:48 データ付きで非常にわかりやすく、ありがとうございました。
国債の問題だけでなく、今日の日本のデフレ不況を少子高齢化や社会保障費への不安から来ている!と言う因果関係を逆さまにしているレトリックで増税を煽るマスコミ(財務相?)もそうですが、正しいデータを元に報道して欲しいです。
少しでも多くの国民が正しい情報を得て、正しい政策を実施しようとしている政権を支えて欲しいと思います。

経済素人学生経済素人学生 2012/12/25 14:41 はじめまして。学生です。

先日見たNHKの番組、結局よく分からなかったなぁと感想を持っていたところ、こちらの記事も拝見してさらにわからん、となった情けない人間です。

ひとつシェイブテイルさんのような方に考えを聞いてみたいことがあって、それは市民が持つ「不安感」とか「感情」についてです。
記事の中でデータでおっしゃることの理論は分かったのですが、あの番組を見て不安になる人というのは、シェイブテイルさんが用いた「政情不安」こそ、自分たちが起こすものだという認識がどこかにあるからではないでしょうか?それは個々人の影響力としては0.00001%程度だと思うんですけど、人間はどうしても群集心理が働きます。起こすつもりなくても起きてしまうという経験は誰しもあるはずです。「理論どおりなら大丈夫、そしてみんながそう思っていればずっと結果的に大丈夫だから」と思っていて崩壊したのがバブルなんですよね?そういう経験が日本人の中に不安感としてあるからではないでしょうか。

僕は経済というのは人の心・感情の集まりだとしか思えません。感情抜きに語れないというか。もしお考えあれば教えていただけませんか。経済と人の感情について。ぜひこれからもブログ拝見して勉強させていただきます。

コメントコメント 2012/12/25 14:58 毎年国債を40兆〜50兆新規発行していて、今後改善の見込みもありません。これを続けていけば遠くない将来に国内では国債を消化できなくなります。国内で消化できるという前提で記事を書いても意味がないですよ。

↑ 2012/12/25 15:23 じゃあ日銀に引き受けさせましょう
日銀に払う利子は税外収入として国庫に返ってきますので金利は関係ないし
ロールオーバーし続ける間は事実上返済義務は無くなります

ガジェット通信編集部ガジェット通信編集部 2012/12/25 18:31 はじめまして。ガジェット通信編集部の寄稿チームと申します。
こちらの記事を、是非弊社媒体に寄稿という形で転載させていただきたくご連絡申し上げました。
詳細をお伝えしたいので、お手数をおかけいたしますがpost2012@razil.jpまでご連絡いただけますでしょうか。
何卒ご検討のほどよろしく御願い申し上げます。

?????? 2012/12/25 21:07 日銀がどんどん引き受けさせてくれたら、政府は国債発行しまくりで、日本政府は、毎年、湯水のようにお金を使えるのか・・・

↑ 2012/12/25 21:28 そう、無からお金が産まれる
でも、そんなうまい話があるわけないよね?副作用があるよね?それは何?
っていうとインフレになるって話。これがバーナンキの背理法ってこと
金融緩和でインフレになんてならない!ってのならその方が願ったり叶ったりだわなw

うーーんうーーん 2012/12/26 00:12 政府資産をバランスシートなんて、誰が言い出したのでしょうかね・・・
国の資産を外国にでも売却するつもりなんでしょうか。
似非経済的なフォローが目立って大本営発表的になってきているのでいよいよかなと思います。そう背理法、日本が重大な局面に陥らないということは、借金をし続けて大丈夫!!ってことが正しくなければならないのです。

国家借入は民間資産にはなりますが、単年で組み込まれて終わりですよ。それが毎年のGDP上昇のエンジンにならなかったら、負債がつもっていくだけ。もはや借入をした分以上に、毎年のGDPが上昇していって、対GDP比が低下へ収束していくなどというシナリオはほとんど考えられなくなってしまっていますからね・・・それでも、まだ、発散しないのは、日本人がそういう認識がない、という信心の領域ですね。不思議な国だと思います。

シューベル肉屋シューベル肉屋 2012/12/26 18:48
>毎年国債を40兆〜50兆新規発行していて、今後改善の見込みもありません。

デフレである以上、フロー(GDP)を考えれば、過剰貯蓄が発生し続けるので、当然そうなります。

>これを続けていけば遠くない将来に国内では国債を消化できなくなります。国内で消化できるという前提で

フローとストックの区別ができてるかの確認。
http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-502.html
自国民の生み出したGDPから現在はきっちり消化できてる。

次に区別ができてるとして、これ。
http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-638.html
こういう意味では
デフレのままでは「将来に国内では国債を消化できなくなります」は正しい。



バーナンキの背理法の言及しておられる方の仰るとおりで、
無限に財政出動していいなんて思ってる人は誰もいないでしょう(笑)。
もし居たら「ずっとデフレでいいじゃん。金好き放題バラマキできるし。」と言わねばおかしい。

「2012/12/25 14:58」のコメントはクルーグマンの言葉を借りると「藁人形叩き」ってやつですな。

hogehogehogehoge 2012/12/27 13:51 1万円は2円で作れる。だから信用でなりたっている。

本当にそうでしょうか?

分かりやすく最近の流言でいえば、世界はデータでなりたっているです。

お金はデータです。データは金、紙幣、物価、為替などです。

すべて国債に影響します。

つぎのシェイブテイルさんの主張は、国内だけの問題です。

|1.内債としての日本国債

|2.日本国債の分析と問題点
|1)日本(一般政府)の粗債務と純債務
|2)政府債務を支える構造

|結論
|日本国債は、デフレ下で家計の純資産として凍りつきつつ増え続けている

国債は欧米中印他各国の国際情勢の影響が圧倒的に強い。

つまり、日本国債問題の本質は、

民が支える医療・年金・財政・対外債権のうち、対外債権の影響を本質見るべき。これからの。

疑問疑問 2012/12/27 17:44 かねてからの疑問なのですが、国民が預金(資産)を海外に移動させた場合はどうなるのでしょうか。

shavetail1shavetail1 2012/12/27 19:58 経済素人学生さま
経済は物理などと異なり、心理が測定値に反映することは確かですね。 特に短期での動きには心理が強く反映され、行動経済学などがカバーする学問領域ですね。

ただ、こういった群集心理のようなものだけで、ファンダメンタルズとは別に経済の方向性が決まることはほとんどあり得ず、少なくとも事後的には冷静に説明可能な場合がほとんどのように思います。

shavetail1shavetail1 2012/12/27 20:12 疑問さま
さてどうなるんでしょうね。
ただ、日本円は日本でしか使えないので、国民が続々と海外に脱出して外貨に換えるケースを想定しなければ、影響はそれほど大きくないのでは。

シューベル肉屋シューベル肉屋 2012/12/27 20:21 hogehoge さん

>つまり、日本国債問題の本質は、
>民が支える医療・年金・財政・対外債権のうち、対外債権の影響を本質見るべき。これからの。

横槍ですが、文法的によくわかりませんでした。
仰っておられるのは
『今後に発行される国債の消化(ちゃんと買い手がつくか)を決める主因は(日本人の)民間の純対外債権がプラスであり続けるかどうか』
ってことですか?
民間の対外債権=これまでの経常収支の累計ってことになると思いますが

名無しの投資家名無しの投資家 2012/12/27 22:46 元々、
家計→政府・企業→家計 という具合に資金が循環していたが、(これが基本的な資金循環)、バブル崩壊で企業が債務整理に追われた結果、98年ごろから
家計・企業→政府→家計・企業という循環に変わってしまっただけの事。
(記事中の図3や日銀資金循環統計を見れば一目瞭然。)

破綻だ、破綻だと騒ぐ人はこの事を全く理解できていない。

いわば、心臓から血液を送りし続ければ出血多量で死亡してしまう!!!!と騒いでいる事と同じ。実際には血液は循環して心臓に戻って来るだけなのだから出血多量で死ぬ事はありえない。
経済の血液たるお金も同じ。幾ら政府が国債を発行しようがペースを守り(心臓麻痺にならないように)、大量出血(外債の大量発行)を防げば、破綻する事はありえない。必ず税収と国債として政府の元に戻って来るのだから。そして、この部分がマクロの経済主体(家計・企業・政府)と個々の経済主体(一つ一つの家計、企業)との大きな違い。マクロの経済主体としての家計・企業には必ず資金が循環するが、マクロを構成している個々の家計や企業には必ず資金が循環するとは限らない。だから過大な債務には要注意なのだ。しかし、政府はそれ自身がマクロな存在なので否応無しに資金が循環するのである。

shavetail1shavetail1 2012/12/27 23:04 名無しの投資家さま
分かりやすいコメント・解説ありがとうございます。
お金というものは皆が知っているようで、実はよく知られていないものですね。 例えばお金は使ったらなくなる、というのは個人レベルでは実感のある「真実」ですが、マクロ経済から見れば全くの誤りだったり。 このあたりも、破綻論(破綻宗?)の根強い信者が出てくる原因なんでしょうかね。

名無しの投資家名無しの投資家 2012/12/29 00:43 >例えばお金は使ったらなくなる、というのは個人レベルでは実感のある「真実」ですが、マクロ経済から見れば全くの誤りだったり。

仰るとおりです。マクロで見てお金が消える事は「信用収縮」以外にはありえないのです。日本もバブル崩壊で大規模な信用収縮に見舞われたのですが、政府が大きな財政赤字を作ってくれたおかげで無事にやり過ごせたのです。

マクロで見れば必ず投資(借金)=貯蓄(借金返済)となります。いま貯金できる事も、住宅ローンを返済出来る事も全て他の誰かが新たに借金をしてくれるおかげなんです。そして、マクロでみた日本で唯一借金を増やしてくれているのは「政府」だけなんですね。この政府が財政再建などやり始めたら、日本経済が崩壊する事は間違いないでしょう。

数ある指標や統計はこのお金の循環をある断面で切り取ったにすぎません。しかし、その表面的な数字に騙される人が多すぎます。恐らく、経済学者も含めて本当の意味でお金が循環している事を理解できる人は非常に少ないと思います。

帰宅部二号帰宅部二号 2012/12/29 22:40 既に複数人に指摘されているとおり、
実際はデフレの結果、政府の財政リスクが悪化してきたわけですが。
資金循環がわからないと陥るトンデモの好例がありましたので。

http://d.hatena.ne.jp/equilibrista/20120510/p1

コメント欄
>>yuuki
>デフレを放置してきた責任、つまり信用リスクを顕在化させなかった功績
>>equilibrista
>その意味で日銀は堅実な仕事をしてきた

フローを理解できず、180度間違えた論に行き着いてしまったという。。。。

本文
>財政リスクを日銀に飲み込ませて、紙幣リスクの姿に変えることを望む者など居るはずもないのは

>後者(長期債の買いオペ)はどうしても相手の破綻リスクを気にせざるを得ない比較的不安定な約束である。
>いくつかの南欧諸国で実際に起きている、財政リスクによる長期金利の上昇

金融緩和を「財政リスクを日銀に飲み込ませ」というようなことは
デフレでもない状態で、財政赤字を蓄積してきたならわかる話で、
「紙幣リスクの姿に変えることを望む者など居るはずもない」のはリフレ論者にとっても当然の大前提。

以上、
現在起こっていることの表層のみを見て背後の原因を理解しないと、
名無しの投資家さんのご指摘どおりの(?)輩が湧くという例でした。

re:shavetail1re:shavetail1 2013/01/01 11:49 なんか、これを肯定している人は、

みんながやってるから、ほかの国もやってるから、と聞こえる。

ミクロ、マクロ、経世済民の話は教科書読めばわかりますw

みんなshavetail1さんみたいにアウトプットがうまくないだけです。

>名無しの投資家さんの
お金は使ったらなくなる、というのは個人レベルでは実感のある「真実」、ではありません。

不良債権というのは、

個人、あるいは中小零細法人レベルでは、借りすぎた人が破たん(精算結了)することで社会全体で負担します。

この破綻した個人(法人)は現在リタイアして年金(社会全体で負担)で暮らしています。

また、この間の経験というものが生かされて新たに仕事につきます。

これが世代間格差です。責任放棄です。

国債問題の本質は、いちいち国債問題(手段)を蒸し返して考える輩が多いことです

傍観者傍観者 2013/01/01 13:22 秋頃『円高の正体』(安達誠司)という本を読んだときと同じ感想です。
データは参考になるが解釈は真逆。経済学風の議論はそうなることが多い。
データはそのデータが採られるまでに生起した全てのいきさつの一つの結果にすぎない。そこからどんな結論を引き出すかに解釈者の意図が読み取れる。
いきさつの中に埋もれたターニングポイントをあぶり出し、そこから教訓を得て、「次こそは失敗すまい」と自己改革の一歩を踏み出すのか、財政出動・国債発行・国内金融機関による大量保有の現状を是とするのか。
私が想像するのは、この種の「客観的指標」による「正しい」議論によって政府や金融機関が現状維持の判断をし続けたことが長期低成長の一つの要因だったろうということ。
金融機関の収益の中で国債運用益はどれほどの比率を占めているのか。日本の金融機関は本来の役割を果たしていると言えるのか。そういった議論を見ることは少ない。

ペンキ屋ペンキ屋 2013/01/05 21:37 原発が止まったままだと、日本は経常収支赤字国になるのに、外国人が日本国債を買っているのはなぜですか?

名無しの投資家名無しの投資家 2013/01/09 01:01 >ぺンキ屋さん
詳しくは「経常収支」でググッてください。

一応、素人解説しておきます。

世の中にA国とB国かいないと仮定します。また、貿易収支=経常収支と仮定します。そしてお互い100円ずつ持っています。この状態でA国がB国に対し20円の貿易黒字を出すにはどうしたらいいでしょうか?

答えは、A国が10円をB国に貸し出すのです。つまりB国の国債を買うのです。そしてB国はその借りた10円と、もともとの100円でA国の商品を110円分買うのです。反対にA国はB国の商品を90円買うのです。

すると、
A国:収入110円 支出 90円 投資10円
B国:収入 90円 支出110円 借金10円

つまり、経常収支の赤字は、誰かの投資(経常収支の黒字)が無いと成立しないのです。経常収支の赤字が続けは必然的に外国人が日本国債を買うことになります。

名無しの投資家名無しの投資家 2013/01/09 01:20 上記を訂正。

まず、A国がB国の製品を90円分買うと同時にB国がA国の製品を100円分買います。この時、
A国:110円(100−90+100)
B国: 90円(100−100+90)
となります。

次にA国は20円を資金が欲しいB国に貸し出します。そしてB国はその20円で再びA国の商品を買います。

経済は難しい・・・・。

名無しの投資家名無しの投資家 2013/01/09 23:08 訂正続きです。

上記の結果、
A国:収入110円 支出 90円 投資20円
B国:収入 90円 支出110円 借金20円
となります。

nepnep 2013/01/13 09:07 素晴らしい分析です
感心しました

でも・・・でも・・・ 2013/01/14 12:48 すぐには国は破綻しないかもしれない
でも国民から多額の借金をして成り立っているということでしょ。
現状は年収400万円の人が1億円の借金をしている状態。
ただし、借りている相手が身内で、身内が儲かっているから破綻はしない、という話だと思います。
でも、身内からしたら、こんな親族がいたらたまらないですよ。
本当に返してくれるのか、って話ですよね。

名無しの投資家名無しの投資家 2013/01/16 00:45 >でも さん

貴方の心臓は貴方の体から血液を借りていますか?貴方の心臓は貴方の体に血液を返済する必要がありますか?

お金は経済を循環しているのです。大量出血(信用収縮や外債の大量発行と資本逃避)や心臓麻痺(生産力を大きく超える通貨発行=ハイパーインフレ)を起こさない限り、血液(お金)は心臓(政府)に戻ってくるのです。

経済とはそういう仕組みなのです。だから日本はこれだけ国債を発行しても破産しないし、アメリカも同様です。

そして、経済の心臓は「借金」なのです。借金=信用創造が正常に働かないと経済は死んでしまうのです。

質問質問 2013/01/21 22:18 政府が心臓だとすると、国債を引き受けている国民はどこにあたりますか。

umeume 2013/01/22 00:35 >国民はどこにあたりますか

脳かな?
日銀券も国債も血液であることに変わりは無いでしょう。
国によってはコレステロール値が高かったりしますが。
心臓は不随意運動をする器官ですが、
しっかり考えて生活を送っていれば、
健康な状態を保つ事ができるんじゃないかと思います。

↑ 2013/01/22 22:25 脳が血液を作り出すということですね。
よくわかりました。

通りがかりの社会人三年目通りがかりの社会人三年目 2013/01/22 23:25 とはいうものの、発行された国債(血液)が社会保障という傷口に大量に回っているということではないですか?社会保障に回ったお金は、老人に回り病院や福祉施設に資金が流れるのかなと思われますが、この年代に回ったお金が力強い消費や将来に繋がる生産的なお金(血液)と言えるのでしょうか?心臓から送り出されたお金(血液)が元の価値で心臓に戻ってくるのですか?私は腑に落ちません。体内で溶けているように思います。

通りがかりの社会人三年目通りがかりの社会人三年目 2013/01/22 23:48 例えば、国債発行のお金が、戦後の自動車業界や家電業界、インフラ整備などの様に国内経済を成長させるための投資なら理解出来るのですが、政府の財政支出分野と額面を覗くと国債発行した資金の行方に未来が描けないと思えてくるのです。公共工事で地場の土建屋に金が入り、人を増やし、職を得た人の消費が増え、地場の小売の売上が上がり結果として地域の企業の利益が上がり税収も増える。但し、その効果って最初に出した公共工事支出のもととれてるんですか?投資対象は投資額面に見合った効果を発揮するんですか?

umeume 2013/01/23 18:51 少々言葉足らずだったので、補足させてもらいます。

>日銀券も国債も血液であることに変わりは無いでしょう。

経済を回すものとして、お金を血液と例えているわけですが、
その場合、お金=日本銀行券と考えるのは、マネーを狭義的に考えすぎてるように思います。
何から何までが血液に当たるのかは、一つの議論になってしまうでしょうから、省かせてもらいますが。


>国によってはコレステロール値が高かったりしますが。

例えば、ギリシャ債なんかは血管に詰まって大量出血を起こしましたし、
ジンバブエドルは心臓マヒを起こしましたね。


>心臓は不随意運動をする器官ですが、
>しっかり考えて生活を送っていれば、
>健康な状態を保つ事ができるんじゃないかと思います。

政府や中央銀行は、必ずしも国民の意に沿った動きをするわけではありませんが。
政府や中央銀がどういう行動をしているかは、国民の選択の結果でもあるわけです。
心臓が適切な動きをするうよう、脳はよく考えて行動しましょう。という意味です。
脳が血液を作り出すのかと言われれば、ある意味、そうなのかもしれませんね。
本来そうあるべきだと思います。

umeume 2013/01/23 19:00 >(血液)が元の価値で心臓に戻ってくるのですか
>体内で溶けているように思います。

血液:ベースマネー
酸素や養分を受け取った血液:マネーサプライや国債、その他のお金

とでも考えるといいかもしれませんね。
日銀が増減させなければベースマネーの量は変わらないでしょう。
GDPとは血液がどれだけ動いたか=体をどれだけ動かしたかであり、
血液の価値が体に溶けるのはその帰結なのではないかと思います。

財政策や金融策がどれだけの効果を発揮したかは、
乗数効果(財政乗数・貨幣乗数)を見れば解るのではないでしょうか。
一般的に、社会保障関連の支出はインフラ事業等より乗数効果が低いのではないかと思います。

名無し名無し 2013/01/26 17:04 例えが悪いんじゃない?
脳が血液を作るわけないでしょ。
どうせ例えるのなら、体の機能にあった例えじゃないと非常にわかりにくい。
頭脳である国民が、心臓である政府に指令を出すというのも変です。