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2013-09-30 賽は、振られた このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

今晩の報道によれば、安倍首相は明日夕方、消費税の8%への増税を発表するとのことです。

 消費税増税に関する政府閣議決定案が30日、分かった。「消費税率を2014年4月1日に5%から8%へ引き上げることを確認する」と明記した。安倍晋三首相は10月1日夕に記者会見し、増税方針と経済対策を説明する。予算措置に企業減税も含めた対策の総額は6兆円規模となる見通しだ。

 自民公明両党は、政府が提案した復興特別法人税の前倒し廃止をめぐり、30日も詰めの協議を続けた。企業に設備投資や賃上げを促す減税策を柱とした与党の「民間投資活性化のための税制改正大綱」は大筋で了承した。

 政府は30日、対策に盛り込む政策的な減税措置は、国と地方を合わせて1兆円余りになるとの見通しを与党に示した。

経済対策は6兆円規模 首相、消費税8%表明へ
47NEWS  共同通信 2013/09/30 21:47


まだ、明日夕方にならなければ確定とは言えませんが、この報道の具体性からみて、信ぴょう性は高そうです。

このブログではデフレ下での消費税増税の過ちを繰り返し述べてきました。
1997年の橋本政権下での+2%増税でもその後の15年間で115,000名という、原爆被害者に匹敵する程の超過自殺者を出しました。

既に賽は振られたとすれば、安倍政権による+3%増税による超過自殺者はどれほどの規模に膨らむのでしょうか。

3→5%への+2%消費増税以後、115,000名もの自殺者の増加
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原爆投下に匹敵する消費増税による超過自殺者数 

災害などでの死者数
原爆ヒロシマ 122,338
消費税+2% 115,000 *1
原爆ナガサキ 73,884
東日本大震災 19,009

【2013.10.01追記】
消費増税自殺の関係がピンとこない方もいらっしゃるようなので。
  98年の自殺者数異変は消費増税以外には考えられない - シェイブテイル日記 98年の自殺者数異変は消費増税以外には考えられない - シェイブテイル日記

*11997年自殺者数をベースとした場合、1998年-2012年の自殺者増加数=115,000名。

ペペロンチーノペペロンチーノ 2013/09/30 22:43 今日の昼間からマスコミは本格的に動きだしたようですね。日経チャンネルは首相会見を生放送するようです。
大学では教えられない歴史講義 : 日経、ふざけるな! by kurayama - 憲政史研究者・倉山満の砦
http://www.kurayama.jp/modules/wordpress/index.php?p=1137

lilaclilac 2013/10/01 03:48 消費税が+3%って、強制的にインフレ3%になるってこととは違うのでしょうか?

shavetail1shavetail1 2013/10/01 15:12 ある意味そうであり、別の意味ではそうではありません。

消費税を上げれば、確かに消費者物価指数(CPI)やGDPデフレーターといった物価指標は一時的には上がります。
ただ、この消費税は国に吸い上げられる運命ですので、一見した見た目とは逆に物価を下げる働きがあります。

確かに上げた年には預かり金として民間に消費税は残りますが、上げた翌年からは預かり金の効果は消え、デフレ効果が顕在化します。

lilac001lilac001 2013/10/01 18:05 物価指標があがって一見インフレになるのに、実質はデフレ効果ということでしょうか。
難しいですね・・・ありがとうございました。

基礎固め基礎固め 2013/10/01 20:19 ここに書いておかなければならないことがあります。

一体何を根拠に決定したかの追及です。
指標だけでなく、消費税が影響無い根拠はどの学者の意見を参考にしたか、どのモデルを参考にしたか、です。

日銀短観を指標にしたというなら、言わせて頂きます。、、 え!?
日銀短観は大企業ばかりです。しかも簡単なアンケート。しかも事前に日付を決めたらバイアス掛かるのはわかっていたはず。日経の社長100人アンケートとほぼ同じなんですが…。

shavetail1shavetail1 2013/10/01 20:27  安倍首相は1997年の増税の結果もあり、増税には反対だったが、増税延期には新たな法律を成立させる必要があり、ただでさえ短い臨時国会会期では無理だったと首相周辺が漏らしているそうです。(President最新号の記事)

安倍さんは第一次安倍政権の時にはいいカッコして(?)自分の病気のことを口外せず、政権を放り出した首相として支持率がダダ下がりでした。

安倍首相は、今回も増税の悪影響を重々承知の上での苦渋の判断だと自分の口で語っておかないと、今後支持率は再びダダ下がりになりそうです。

jojujoju 2013/10/02 00:37  ↑↑↑
 うーん、それは言い訳にしか聞こえない(−−;
なぜなら、、、
1) 増税は名目3%成長が実施条件だったはず。たった一四半期のデータでは安定的に3%成長実現とは言えない等々、伸ばす根拠はあるはずなのに、あっさり増税実施を決めてる

2)増税法案は政権前にあったのだから、増税延期法案も政権樹立後に速やかに準備すべきだった。 それをした形跡は全くない

3)衆院選大勝後、直後に官僚人事に口を出さないと発言。人事に口を出さないで、増税延期を指示できるのか?(部長人事に口を出さない社長なんていないでしょ?)

、、、、今の流れははじめから決まってたと思いますよ。

 それよりも増税+財政出動は、景気面から見て矛盾に満ちたポリシーミックスですが、再増税目的で見ると、非常に合理的なポリシーミックスです。
 これに金融緩和不足が加わるとさらに完璧な再増税ポリシーミックスになる。
 実際、長期金利、期待インフレ率、日経平均の動きを見ると、緩和不足を見込む向きが多数のようです。
 増税実施までは緩和ガンガン、実施見込み後は再増税のために緩和控えめ、、、既にこの方向が見えているようですね。

2013-09-29 欠陥消費税は大量殺人税制 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

消費税を上げてはならないのはデフレだからだけではありません。
日本の消費税は欠陥税制だからです。欠陥を直さない限り増税は不幸の原因となります。


 昨夜21時からは、リフレ派の田中秀臣氏・上念司氏らとともにTwitterで#消費税増税反対をアピールしました。

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税務署国税庁から消費税の取りはぐれだけはないように強く指示をされているとか。
その結果、消費税の欠陥と相まって多数の国民が死に追いやられています。(本文と画像は直接関係ありません)

私が消費増税に強く反対するのはひとつにはデフレでの増税デフレ脱却を困難にするからですが、もうひとつ大きな理由があります。

それは日本の消費税が欠陥だらけ税制だということです。


まず、医療費などでは日本では「非課税」、欧州では原則「ゼロ税率」を採用しています。両者は一見そっくりです。 
ただ日本では最終消費者は非課税ですが、そのひとつ前の医療機関では仕入には消費税がかかるにも関わらず、その還付が受けられません。 欧州ゼロ税率なら、どの段階でも消費税立はゼロです。

一方、輸出企業では海外の付加価値税との二重課税を避けるという名目から消費税は全額輸出企業に還付される結果、例えば豊田税務署ではトヨタに支払う消費税が税収を上回って赤字です。*1 トヨタ自動車は、消費税創設以来、毎年払った以上の額の消費税を還付を受け、消費税としては1円も払っていないともいわれます。


日本の消費税はその名前とは異なり、納税責任は消費者ではなく事業者にあり、税制の欠陥から、消費税が払うに払えず滞納する人たちが出てきます。(図表2)

消費税は払うに払えない企業が多い税
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図表2 新規納税滞納額での消費税比率推移
出所:国税庁 納税滞納状況 
5%への消費税増税後、消費税の滞納比率が高まり、現在は新規滞納額の約5割が消費税

納税を滞納するのに、特にどの税を滞納する方が得、ということはありませんし、延滞税14.6%が付加されてどんどん苦しくなるのですから、払える消費税なら誰しも払いたいでしょう。

滞納が発生する大きな理由としては、バイイングパワーの強い購買者により消費増税分の値引きを余儀なくされ、期末には自腹で消費税を払わざるをえない企業が少なくないことが挙げられます。(図表3)

今の消費税でも転嫁できていない事業所が多いが、増税で更に増える
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図表3 資本金消費税が価格転嫁できているか
出所:日本共産党塩川鉄也議員資料;一次資料日本商工会議所アンケート結果
横軸:資本金規模、縦軸:現在または消費税増税後、完全に価格転嫁ができるかどうかの比率
資本金が小さい事業所ほど消費税価格転嫁ができず自腹を切って払わざるをえないと回答。
消費税消費税後には、資本金規模によらず、価格転嫁は困難という比率が高くなっている。

この話をすると、「消費税を受け取らないのが悪い」といった、まるで国税庁の回し者のような意見だの、どこの国でも似たようものだといった話をする人がいます。ただ、それは歪みのある消費税を上げて、問題のない法人税を引き下げる理由にはまったくなっていません。 

1997年消費税増税の翌年、最初の納税義務が発生した1998年には、経済的理由での自殺が対前年比で7割増えました(図表4)。
言うまでもありませんが、1999年以降も増減率が0%近傍ということは、自殺者数は高止まりしたまま推移したということです。
経済的理由による自殺者数は 3556名(97年)→6058名(98年)と跳ね上がった後も、8897名(03年)と増えました。

1998年の経済的理由での自殺者数は対前年比で7割増だった。
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図表4 原因別自殺者数の対前年比増減率
出所:内閣府自殺統計(csv)
から、対前年比グラフを筆者作成
98年には経済的理由での自殺者が7割増えた。その他の理由による自殺者も概ね98年に増加している。
これらも経済的理由が遠因としてある可能性がある。

災害であった東日本大震災での死者・行方不明者数が19,000余人とされています。 これに対し98年以降2012年までの「超過」自殺者数は115,000余名*2

1998年以降、実に東日本大震災の6倍もの人々が自殺に追いやられているのです。

わずか2%の消費税増税後でこの惨状です。
そもそも、このブログでここひと月ほど再三訴えてきたように、デフレの今増税する必要はまったくありません。それどころか増税しないほうが税収が増えるのです。

 安倍内閣が来年3%、合計5%もの消費税増税を決断すればどれだけ多数の人々が無駄死にするのでしょう。 消費税増税の強行は政府官僚による無差別大量殺人と言っても過言ではないでしょう。

*1大企業上位10社で1兆円超の消費税環付金 トヨタ 2869億円 全国商工新聞 第2809

*2:97年自殺者数をベースとして超過自殺者数を累計した。

shavetail1shavetail1 2013/09/29 20:15 日本の消費税の最大の欠陥は、インボイス制度になっていないため、中間業者への搾取が可能となっている点でしょう。

ただ、デフレ日本では増税そのものが間違っている政策選択ですので、ここではインボイス制度に関する議論はしていません。

jojujoju 2013/09/29 23:37  そのうち、物々交換で暮らすコミュとかが増えてくるんじゃないですか。 床屋さんが歯医者さんに歯の治療をタダでしてもらう代わりに散髪をタダでやってあげるとか。
 こうなると、消費税はかからないし、所得税もかからない。
 都市部は、税金を取られるばかりで、バラマキは少ないですが、色んな職業のヒトがいるから、助け合いによる節税効果は大きい。
 こうしたことは米国経済停滞時代にカリフォルニアでもありましたよね(今もある?)

 それと投資資金も国内でなく海外に向かうと思います。

 重税、役所肥大化、、、官僚支配(=社会主義化)の戦術が完璧であればあるほで、その崩壊も早いでしょうね。
 官僚支配が強化されるほど経済低落となり、国民の自己防衛も強くなるから。

世の中はなるようにしかならない。 市場原理から逃れて甘い汁を吸い続けられる組織はなく、官僚機構とて例外ではないです。

shavetail1shavetail1 2013/09/30 11:30 jojuさま
鋭い指摘ですねw

実際の話、近年の先進国のようにインフレ率が高くもない状況下では緊縮財政なんていうものは殆ど成功したためしもないし、やって意味がある局面なんて殆どないと思えます。

それでも緊縮財政をやるとご指摘のように自然発生的に部分的にでも数千年前の物々交換社会に戻るということになり、経済破壊が進むことがあるかもしれませんね。

俊平太俊平太 2013/10/03 11:59 インボイスがないから中間業者への搾取が可能になるとか何のことやら?

自由主義者自由主義者 2013/10/03 18:12 どこの世界でも同じだろ。
そもそも輸出戻し税制ってのは大きな政府派が大好きなフランスで考案され、ほぼ全世界に伝播したものです
日本の消費税だけが悪という根拠とは言えません

リフレ派(笑)とやらは軽税で大きな政府にしろという馬鹿集団ですね


今さら言うのもなんですが >日本共産党 の資料とか使って恥ずかしくないんですか? 極左テロ集団じゃん…

高所得者をバッシングするよりも低所得者を含めて一人ひとり一生懸命働き、フラットな消費税を公平に払っていく社会って絆で支え合ってていいじゃないですか

それとも大きな政府派のなかでは がんばろう日本の意味は大企業や金持ちだけが頑張れって意味なんですか?


直間比率是正は世界の潮流です、日本だけ最高税率70%にしたら勤労意欲低下と人材流出で経済破綻する。ソ連と同じ。

まあ共産党の資料を使ってる極左に何言っても無駄だと思うけど…


最後に…零細企業が苦しいと言いますが苦しいのはみんな同じです
自殺と言いますが日本の貧乏人より貧しく苦しい人間は何億人もいます 甘えではないでしょうか。

弱者を助けるために強者から毟り取りますか? だれも働かなくなって結局困るのは弱者、貧民です。

お金持ちを引き摺り下ろしたからと言って貧乏人が金持ちになれるわけではありません 努力しましょう

自由主義者自由主義者 2013/10/03 19:55 でも増税するのが所得税か法人税だったら喜ぶ左翼であった

どんだけ労働者が憎いんだよw


働いたら罰金(累進課税)
怠けたら賞金(生活保護)

共産党は労働者の敵ですね

shavetail1shavetail1 2013/10/03 20:44 おたくの幼稚園児の教育に良くないですよ。 
子どもは親の背中をみて育つというでしょう。

自由主義者自由主義者 2013/10/03 21:53 >shavetail1さん

子供には自立・自己責任・努力・勤勉を学ばせる教育をやってます

高所得者を妬むとか(まあ我が家はいちおう高所得者に入りますけど)弱者を過度に甘やかすとかは教育に良くないです。

怠け者や嫉妬深い親を見て育ったガキは将来ナマポになります。

高所得者から重税を搾取しろといい、自分は一銭の納税をも拒否するようなダメ人間は出て行って結構。

自由主義者自由主義者 2013/10/03 21:55 共産党の資料を使う方が、教育を語るんですか?

経済破綻と一億総貧困を目指す党ですよ

shavetail1shavetail1 2013/10/03 22:00 ググったらたまたまそのデータが最初に来ていただけのこと。
使えるものなら何でも使う。
そうでしょう?

共産党が使ったものを絶対に使わないなら、あなた、空気も吸えなきゃ、水も飲めませんぜ。

2013-09-28 日本国債は暴落するか、させられるのか このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

日本国債が破綻(返済不能)になることはないと書いてきました。
では破綻まではせずとも、日本国債暴落することはあるのでしょうか。


日本国債の破綻があり得ないことはこれまで何回か書いてきました。

  消費税増税肯定論の6つのウソ - シェイブテイル日記 消費税増税肯定論の6つのウソ - シェイブテイル日記

  財務省は財政健全性をどう捉えているか - シェイブテイル日記 財務省は財政健全性をどう捉えているか - シェイブテイル日記

   NHKスペシャル「日本国債」の本当の問題 - シェイブテイル日記 NHKスペシャル「日本国債」の本当の問題 - シェイブテイル日記

ただ、破綻までには至らずとも、国債が大暴落することはないのでしょうか。

小笠原誠治氏というコラムニストの方がいらっしゃいます。

この方が、BLOGOSに投稿した話で、麻生大臣が6月17日横浜市での講演で、「国の借金?お金を刷って返せばいい。簡単だろ?」と発言したのを批判し日本国債デフォルト暴落を憂えたコラムを出発点に、この問題を考えてみたいと思います。

 小笠原氏は日本国債のような内国債ギリシャのような実質外国債は別だというスタンスですので荒唐無稽な内容ではありません。(文中、ボールド体はシェイブテイルによる)

 …。
 日本のお金持ち層が、直接的にしろ間接的にしろ偶々今のところは国債資産を運用することに何の疑問も感じないとしても‥これから先も国の借金が増え、その結果、例えば他国で資産を運用することに益々魅力を感じるようにでもなれば、日本の国債の人気が落ちてしまう可能性もあるからです。
 今国債投資している全員が一斉に国債を手放すようなことがなくても、例えば、一部がそのような動きをするだけで、大変な影響を与える可能性があるのです。そして、そうした波紋が広がると‥それが怖いのです。

 もちろん、麻生大臣が言うように、日本政府には徴税権もあり、いざとなったらお札を刷ることもできる。それはそのとおり。

 しかし、仮に、国民の多くが国債に対する信用を失うような事態になったときに、幾ら増税で財源を確保しようとしても、今でさえ増税に反対する声が大きいのに、そんなこと実現できる訳がないではないですか。もし、どうしても増税するとなれば、そのような政治家選挙で落選してしまうでしょうから。

 それに、そのような場合に政府が幾らお札を刷ったとしても、そのような金欠病になった政府が止むに止まれずに発行したお札など、誰が喜んで受け取るというのでしょうか?
 そうではないですか?

 つまり、理屈の上では政府には徴税権があり、そして、造幣権を復活することがあり得るとしても、それによって常にデフォルトの事態を回避することができるとは保証できないのです。

 それに、経済や財政の仕組みについて詳しい人なら、麻生大臣が言っているようなことは言われなくても十分分かっているのです。

 もちろん、政治家のパーティーに参加するような人々の多くががそのような知識を有しているとは思えないので、その意味で、麻生大臣のような話をすれば、意外性があり、聴く人を引き付けるかもしれません。

 しかし、繰り返しになりますが、財政に責任を有する立場にある人が、そのようなことを口にすること自体に、国債の保有者は危うさを感じてしまうのです。

 それに、国債が幾ら自国通貨建てであっても、その国債のかなりの部分を海外の投資家が保有するような事態になれば、大変由々しき事態になってしまうのです。

 だって、債権者が自国の人々でない訳ですから、急に国債を大量の売り払らわないとも限らない。そして、そのことを一番よく認識しているのが、基軸通貨国債を発行している米国自身であるのです。

 自国通貨建ての国債だから安心だと麻生大臣が言うのであれば、基軸通貨建ての自国通貨国債を発行している米国は、何も心配する必要はないという理屈になりませんか?

 しかし、実はアメリカは安穏としている訳にはいかないのです。

 何故ならば、仮のどこかの国が一気に米国債を手放すことにでもなれば、それこそ米国経済を大混乱に巻き込むことが可能であるからです。

 今のところ、日本の国債の保有する海外勢の割合は、比較的小さなものにとどまっているからいいようなものですが‥でも、そうは言っても少しずつ海外の投資家が保有する割合が大きくなっているのです。

 だから、決して安心はできないのです。

 それにも拘わらず、貸借対照表に借り方と貸し方があり、誰かがお金を借りているということは、誰かが貸しているということであり‥なんて話を得意そうにされると、専門家は絶句 してしまうのです。

 散髪屋でする話としてならいいかもしれないのですが‥

    「借金はお金を刷って返せる」と言う麻生財務相が気が付いていないこと 
   小笠原誠治 BLOGOS 2013年06月21日 17:09

文中、ボールド体で示したところがポイントですので順番に見てみましょう。

国債投資している全員が一斉に国債を手放すようなことがなくても、例えば、一部がそのような動きをするだけで、大変な影響を与える可能性がある
 これは、内国債の売り崩しが可能か、というお話で、大変興味深いし、簡単でもない話ですので、最後に回しましょう。

>国民の多くが国債に対する信用を失うような事態になったときに、幾ら増税で財源を確保しようとしても(増税できない)
 小笠原氏は、歳入=税収+国債通貨発行益という財政の基本が分かって書いているのでしょうか。 
 国債の信用云々以前の話として、歳入を増やしたいのであれば、増税は単に一手段に過ぎず経済成長による歳入増がもっとも健全です。 また歳入源は、債務の借り換えでもよいし、財政危機となってそれさえ困難だとしても、政府紙幣中央銀行による国債直接引受けによる通貨発行益によって歳入は得られます。 

通貨発行益に頼ると怖い場合とは、インフレがすでに進んでいる場合で、この場合には通貨発行益は最善手とはなり得ないでしょう。 しかし、日本は長期デフレ。歳入を通貨発行益から得ることが最善手である可能性は十分あります。

政府が幾らお札を刷ったとしても、そのような金欠病になった政府が止むに止まれずに発行したお札など、誰が喜んで受け取るというのでしょうか?
この質問をしている小笠原氏に逆に聞きたいことがあります。小笠原氏は「日本の財政は相当に危ない」という立場のようですね。そうなると、江戸幕府末期に軍資金目的で製造された、「チャラ金」と呼ばれた低品位の万延二分金のように*1、現在の1万円も額面では通用しなくなる、とでもいうのでしょうか。 

 金貨とは異なり不換紙幣には元来根源的価値などはなく、交換価値だけしかありませんから、政府が金欠病であろうがなかろうが普通に国民は受取り、使うでしょう。 

 極端なことを言えば、年率100%のインフレ状態でさえ、日本国内で円の受取りを拒絶する人はわずかしかいないのではないでしょうか。もし小笠原氏が日本円は信用出来ないというので捨てるつもりなら、いつでもシェイブテイル宛に送金してください。

>理屈の上では政府には徴税権があり、そして、造幣権を復活することがあり得るとしても、それによって常にデフォルトの事態を回避することができるとは保証できない
冒頭触れた過去のエントリーでも再三書いたように、自国債デフォルトするケースは1)内戦などによる政情不安、2)ドルペッグ国やユーロ圏のように自国債に見えて実質外貨建て 3)高インフレ の三種以外には知られていません。 小笠原氏は日本がこれらうちのいずれかの状況にあるというのでしょうか。それとも過去800年の世界金融史にも見られなかった新たなデフォルトの危機に日本国債が直面しているとでもいうのでしょうか。

国債が幾ら自国通貨建てであっても、その国債のかなりの部分を海外の投資家が保有するような事態になれば、大変由々しき事態になってしまうのです。だって、債権者が自国の人々でない訳ですから、急に国債を大量の売り払らわないとも限らない。

現在、円建て国債の保有者の1割弱は海外投資家になっています。仮にこの比率が今よりも高いとした場合を含め、円建て国債が売られて海外投資家の手元に残る円貨はどうなるのでしょうか。

円は海外では土産物店など一部を除いて殆ど通用しません。海外に円貨を持って行った海外投資家にしても、その資産を運用するとなれば、日本国内で運用するか、その円貨を売って外貨に替えざるを得ません。結局、日本国債が売られた結果の円貨は日本国内で運用する以外にはないのです。 1兆円だけでも容積120㎥にもなり、タンス預金リスクがあるだけで無意味ですから、いずれ預金などに回ってしまい、結局は日本国債を買う原資となるだけです。

基軸通貨建ての自国通貨国債を発行している米国は、何も心配する必要はないという理屈
 基軸通貨建ての自国通貨建て国債を発行する米国は何の心配もいらないでしょう。

 実際、伝説の債券投資家といわれたビル・グロス氏は2011年3月に米国債を売りに回ったのに、同年8月には売りの失敗を認めています。*2 

日本でもカイル・バス氏が日本国債の売りを仕掛けましたが、現在ではおそらく自分のファンドの7割程度の損失が出ているでしょう。

ただ、ジョージ・ソロス氏が1992年にかつて基軸通貨であったポンドを売り浴びせ、ポンド危機を引き起こした事例はあります。 

これはポンドが既に基軸通貨ではなくなっていて、かつ当時のポンドが、現在のユーロの前駆的制度だったERM(欧州為替相場メカニズム)に連動する固定制度になっていたため、割高とみたソロス氏に売り浴びせを仕掛けられたことによるもので、その後ポンドは変動相場に移行しています。*3

◇日本国債の売り浴びせは成功し得るのか
小笠原氏のコラムの最初の問題提起、
国債投資している全員が一斉に国債を手放すようなことがなくても、例えば、一部がそのような動きをするだけで、大変な影響を与える可能性があるのです。
にも関係しますが、もし資金力がある投資家が日本国債を売り浴びせした場合に成功するチャンスがあるかどうかについても考えてみたいと思います。

上述のポンド危機の場合にはポンドを売り浴びせられた英国では手持ちの外貨を売ってポンドを固定相場レンジに維持する必要がありました。
日本国債の場合には、必要があれば無限に円貨を発行できる日銀が買えばどこまでも買い支えることができます。ただ、ここでは日銀による国債買い支えはしないものとして考察してみましょう。

国債現物売り
これは先ほど述べた通りで、邦人だろうが外国人だろうが、円貨が日本でしか通用しない以上、売却による円貨は日本に留まります。デフレ日本で円貨が滞留する一方、国債価格が下落(利率は上昇)すれば、国債の魅力は高まり、一時的な下落以上に売り込むのは困難でしょう。

国債先物売り
想定すべきシナリオは

先物の売り崩国債価格の大暴落→国内金融機関国債評価損で大赤字→金融危機貸し剥がし金融機関による国債の新規購入が不可能に→金利高騰+税収減→日本政府地方自治体デフォルト

といったところでしょうか。
先物を大規模に売る主体があれば、先物主導である程度の国債現物価格下落はあり得るでしょう。
ただ、国債先物市場は差金決済ですので、現物市場とは違い、ゼロサムゲームです。日本国内の円貨や国債の総量に影響を与えるものではなく、決済限月前後でみれば、国債先物はかく乱要因となっているに過ぎないと考えられます。 *4

結論として、デフレ日本における日本国債暴落させたままにすることも、ましてやデフォルトさせることも、やりたくてもできないということです。 日本国債デフォルトを避けるための増税などという話は、妄想を根拠にした日本経済潰しとしか言えません。

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自国通貨建て債の売りで失敗したビル・グロス氏(米国債)とカイル・バス氏(日本国債

*1江戸末期から明治初年にかけて発行された江戸時代を通じて品位がもっとも劣悪な二分金。銀台に金メッキや銅台に金メッキの贋金も横行した。

*2米国債売却『大失敗』と認めた債券王ビルグロス氏

*3:実質外貨建て通貨の危機

*4株式市場の場合、株価は適正理論値を算出する方法が何種類もあり、誰にも今の株価が真に適正か判断することはできません。従って、株式先物ゼロサムゲームであっても、そのかく乱要因が、日本の株価時価総額に悪影響を与えることは可能でしょう。

shavetail1shavetail1 2013/09/28 17:30 hylomさま
>国債はリスク無しでいくらでもお金を生める魔法のアイテムなのか。それならしばらく税金は0にして国債と通貨発行益だけで歳入をまかなえばよいよね、そしたら経済成長するんじゃないの

国債には一定のリスクはあります。国内のどの資産よりも償還リスクは小さく、安全とされているだけの話です。ただ、ご意見の後半はまったくその通りです。あなたもどこにも誤りは見いだせず、そう思うでしょう?

jojujoju 2013/09/28 23:35 ブログ主さまの意見に全く同感です。

 さらに言えば、国債危機も財政危機も増税促進のための作られた危機(デマ)と思います。
 なぜなら、政府債務の大きさばかり論じて、莫大な政府資産は無視してるし、国債の買い手にも、利払いにも困る状況ではないと思うからです。
 金融政策を引締め気味や緩和不足にして税収低迷を招きつつ、人口減による景気低迷と誤魔化したり、財政危機と言いつつ財政出動をガンガンやったり、歳出削減を禁じ手みたいにしたり、やってることが支離滅裂ですよね。 しかし、増税促進という点で見ると、これらは全て整合的です。

 (政治家や官庁の)利権増大=>政府支出増大=>政府債務増大=>財政危機演出=>増税促進=>利権(増大した政府支出)の固定化・永続化、、、という流れだと思います。
 このサイクルで難しいのは政府債務増大で政府支出を増大させることですが、それをスムーズに行うためには景気対策、弱者救済(社会保障拡大)という錦の御旗が有効で、そのためには金融緩和不足で景気低迷させることが必要です。 だからこそ、史上まれな異常な金融政策が取られ続けたのでは?
 もちろん日銀の異常なインフレ恐怖症、通貨高指向もありますが、それだけで異常な金融政策を続けられるわけもなく、やはり政治家・官僚(財務官僚)の強い意向も働いていたのでしょう。

 政府支出増大、増税、金融緩和不足は、利権の拡大・固定化のための三位一体の政策と思う次第。

shavetail1shavetail1 2013/09/29 06:46 jojuさま
コメントありがとうございます。
>、国債危機も財政危機も増税促進のための作られた危機(デマ)と思います。

まったく仰るとおりです。 大蔵省・財務省の150年史が綴られた倉山満著「検証財務省の近現代史」によれば、以前は増税によらぬ経済成長を省の方針としていた大蔵省だったようですが、昭和63年当時の吉野大蔵省次官が竹下登に消費税5%を直訴し、「均衡財政」を主張したあたりから大蔵(財務)省といえば増税一本槍になってしまったようですね。それから四半世紀以上経つのに、財務省は嘘で固めた財政危機を煽って増税に走りますが、走る個々の官僚は、25年前の吉野次官への忠誠という「空気」なんですから、まったくバカさ加減が話にならないです。

shavetail1shavetail1 2013/09/29 06:58 最近の米国政府と議会のバトルを眺めると、
「基軸通貨だろうが、内国債だろうが政争の具として破綻はさせられる」という見方もできますね。

ただ、同じ現象を説明するのに上の説明よりも「米野党がバカ過ぎる」という方が話がシンプルですが。

shavetail1shavetail1 2013/09/29 08:29 BIFFさま(ブコメ)

>価値が希薄化すれば円貨は下がり続けるので、国債の利率が上がったからといってその魅力が高まるわけはないと思う。ガイジンは円と日本国債を買わなきゃいいだけだけど、円から逃れられない日本人は不幸。

リフレ政策を実施すれば、ガイジンからみて円貨の魅力が減るのは確かでしょうね。従って円安になる。

一方、ここで述べたような財政ファイナンスを実施する、とは政府が通貨発行益を原資にして国民にマネーを配ることとほぼ同じですから、損をする国民はいません。利益を受ける形は、直接的な給付の他に雇用増大、売上増など、デフレの害の裏返しとなるわけでどこにも「かわいそうな日本人」が出るわけではありません。

強いて言えば、民間より給料増加が遅れるとかんがえられる公務員は多少かわいそうかもしれませんが、それでも給料は増えるでしょう。 何人かの論者が言っていますがもし日本がデフレに陥っていなければ名目GDPは500兆たらずではなく1000兆近かったという推定もある位です。

shavetail1shavetail1 2013/09/29 10:32 ブコメで、ハイパー・インフレ後のやジンバブエや中南米の一部(エクアドル・エルサルバドル・パナマ)に見られる自国通貨を放棄したドル化が日本でもあり得るような意見を書いてドヤ顔の人もいるようですが、自国通貨が意味をなさなくなったジンバブエは言うまでもないですし、中南米3国は国内対立の結果としてドル化が生じていて、現代日本との共通点は皆無です。

http://www.jsmeweb.org/kinyu/pdf/09s/09s132matsui.pdf

jojujoju 2013/09/29 12:28 ブログ主さま

 バブルとその後の金融緩和不足がなければ、名目GDPは今頃750兆円(円高不況の80−85年程度のペースで伸びるとしても)。 つまり、今の実態より+250兆円にもなる。

 一方、特別会計(利権の固まり)がその頃と同程度の対名目GDPシェアだったとしても、その額は今頃300兆円で、現在の実態の400兆円に対しー100兆円に過ぎない。

 つまり、特別会計全てを利権とみても、名目GDP拡大路線(成長路線)は、特会拡大路線(利権拡大路線)よりも差し引き150兆円ものプラスになる。
 利権の受益者たちにとっても、利権拡大に突っ走るより、それを抑え経済成長を優先させたほうがプラスだったのです。

 ところが、彼ら(自民主流派、官僚)は目先の利権拡大しか見てないから、金融緩和不足をやって、それをテコに財政出動(景気対策)ガンガンの利権拡大路線(特会膨張路線、政府債務増大路線)に走った。 社会保障の自然増よりもずっと大きな伸びで政府支出を拡大させまくった。
 金融緩和不足では、通貨価値過大化=物価・資産価値・労働価値(サービス価値、賃金)過小化、、となるので、金回りが良くなるわけはなく、景気も上がりようもなく、幾らでも景気対策名目の財政出動を増やせるのです。

 つまり、金融緩和不足を打ち出の小槌にして、利権拡大を図った。 そして、それをやりすぎて不良債権累増を招き、その処理、憎まれ役の仕事は竹中平蔵らに押し付けた、、、90年代はそういう図式でしょうね。 

 この手法は、先に借金でガンガン無駄使いしておいて、後で国民に増税を迫れる、それにより拡大した利権を永続化・固定化できるのでダブルでおいしい。

 財務省にとっては、増税(税率アップ)、政府支出増大で、GDPに占める政府経由資金シェアを高められ、効率的に支配力を高められる路線でもあります。 実際、政府資金のGDPシェア(対GDPで見た国民負担率)はすでにスウェーデン並みに高くなっている。 ところが、財務省はなぜか国民負担率は国民所得比で過小に見せている(もっと増税するためでしょう、たぶん)。

 この路線は、市場原理が働かない非効率な政府経由資金フローのシェアを増やすので、潜在成長率を低落させ、最終的に破たん必至です。
 しかし、財務省内の出世争いは激しく、増税推進(省益拡大)が出世の要件になっていれば、先のことなど考えず、今もそっち方向へまい進しています。
 民間企業も役所でも勤め人は出世第一で行動するものですが、民間企業のそれは会社の利益増大=良い製品・サービスの増大、、になり社会にプラスになる。 一方、役所の省益拡大は、役所の支配力拡大なので社会にマイナスになる必然がありますね。

 だから、役所は政治家がしっかり指導しないといけない。 国民益拡大で働くように常に政治家が監視しないといけない。 そうした政治家を国民が選び続けねばいけない。 役所に政治家本業の政策立案を丸投げするような政治家は選んではいけない、、、そういうことかと。

 ま、それが無くても国民・企業の重税回避行動、経済低迷で、拡大した政府支出(利権)を維持できなくなっていくでしょうが、、

jojujoju 2013/09/29 12:53  ブログ主さま

 上記の補足です。

 スウェーデンは国民負担率が高くても、ガンガンの市場原理を働かす政策を取っている。
 たとえば、首切りを容易にする等です(首切り容易=雇い入れ容易=再就職容易、、なので、国民生活的にはそれほど問題はなく、かつ社会全体に人材配分の最適化が進むので経済成長にはプラスになってるようです、、実際、経済成長率はそこそこで、失業率変動は大きいが時系列平均では諸外国並み)

 スウェーデンは国民負担率の高さから低迷が続いたので、上記のような改革を進めざるを得なくなった。 だったら初めから国民負担率を上げるなよ、増税しまくるなよ、ってことですが、そういう紆余曲折を辿り、今は一息ついてます。

 日本の場合、スウェーデンのようにEUのシェルターがなく、粗暴な隣接大国と向き合わねばならないので、スウェーデンのような中途半端な路線でやっていけるかは疑問です。 
 やはり、国民負担率の低減=今よりも小さい政府化=政府規模の最適化、、が必要かつ避けられないと思います。

 ちなみに当方のネット書き込みは著作権全て放棄なので、ご自由にご利用ください。

数学数学 2013/10/02 23:34 国債暴落をこの世の終わりのように言う人がいるけど、国債暴落すれば国の債務を大幅に減らすチャンスになる。額面100円の国債の市場価格が10円になれば、日銀から100兆円借りて額面1000兆円の国債を市場から買い入れることで、1000兆円の国の債務は消えて100兆円の日銀への債務だけが残る。差額の900兆円は債務償還益。国債暴落と言うのは、起きても何の問題もない。むしろ、こうなるから暴落は起きない。

数学数学 2013/10/02 23:46 舌足らずでした。日銀から100兆円借りて市場から国債を買い入れる主体は政府です。しかし、ここでも「民間純貯蓄=政府純債務」という恒等式は生きている訳で、国の債務が「減りすぎる」ことが逆に問題になる可能性がある。まあ、「国の債務が多すぎる」というのは正しくないということですね。

2013-09-26 新井白石の失敗もリフレ政策の失敗? このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

昨日の日経に続き、リフレ政策を実行した荻原重秀をdisっている久保田さん。
歴史の改ざんはいけませんぜ。


昨日、日経新聞が荻原重秀をdisる内容の記事を載せていたので、日経新聞の近世史には「元禄景気」はない? - シェイブテイル日記 日経新聞の近世史には「元禄景気」はない? - シェイブテイル日記 で、日本経済史に残る、荻原重秀のリフレ政策での最大の功績、「元禄景気」を日経記事が全く評価していないことを述べました。

 たまたまウェブを流れていた久保田博幸氏の「牛さん熊さんブログ」を見たところ、また別の意味で荻原重秀リフレ政策の否定論が載っていました。

将軍綱吉勘定吟味役の荻原重秀に幕府の財政の立直しを命じ、荻原重秀はそれまで流通していた慶長小判(金の含有率84-87%)から、大きさこそ変わらないものの金の含有率を約57%に引き下げた元禄小判を発行したのである。銀貨の品位も80%から64%に引き下げた。

 金銀貨の品位引き下げが均衡を欠いていたことから、銀貨の対金貨相場が高騰し、一般物価も上昇した。このため1706年以降、銀貨が4回に渡り改鋳され、1711年の改鋳により銀貨の品位は20%と元禄銀貨の3分の1にまで引き下げられたのである。金貨については1710年以降、品位を84%に引き上げたものの量目を約2分の1にとどめ、純金含有量が元禄小判をさらに下回る宝永小判を発行した。

 これらの改鋳により幕府の財政は潤ったものの、これにより通貨の混乱とともに物価の急騰を招き、庶民の生活にも影響が出た。荻原重秀の政策に関してはデフレ経済の脱却を成功させ元禄時代の好景気を迎えたとの見方もある一方、インフレを引き起こしたといった批判も強い。

 荻原重秀は著作を残していないが「貨幣は国家が造る所、瓦礫を以てこれに代えるといえども、まさに行うべし」と述べたとも伝えられている。現在の管理通貨制度の本質を当時すでに見抜いていた人物でもあったと言える。

 荻原重秀は、結果的に通貨価値を引下げ信用度を低下させ、インフレを招くことによるデフレ対策を行った。

 荻原重秀の財政金融政策はその後、新井白石などにより修正を余儀なくされる。しかし、幕府の財政はむしろ危機的状況に陥ることになる。一度信用を失ったものを立て直すことが難しいことはその後の歴史を見ると確認できる。

 高橋是清による高橋財政も金輸出禁止が政策の柱にあった。金本位制から脱することにより、金の流出を防ぐための円高政策や、金融引き締め、緊縮財政等を無理に行う必要がなくなった。このため円安政策・金融緩和政策・財政政策が可能となったのである。財政政策のために必要な国債発行は日銀引受方式で行った。その政策が結果として何を招いたのか。

 リフレ政策は一時的なユーフォリアを招く。だからこそ出口政策を困難にさせる。その政策は結果として政府の信用を毀損させることになる。現在の金融システム上では、政府とともに中央銀行に対する信認も失うことになる。つまり通貨国債への信認低下を招く。ここに大きな問題が存在することを歴史は示しているのである。


      牛さん熊さんブログ  荻原重秀の政策への評価 

赤字はシェイブテイルによるもの)

荻原重秀は元禄の改鋳で、小判の品位を落とすことにより、幕府に500万両もの出目(通貨発行益)をもたらしました。
この元禄の改鋳では、それまでのデフレ経済を適度なインフレに転換させたため、大変な好景気となり、元禄文化が開花しました。

新井白石といえば今で言う緊縮財政派であり、経済政策の実績とは無関係に荻原重秀を憎悪していました。*1

ただ、その後元禄地震(1704)、宝永地震富士山宝永噴火(1705)と天変地異が続き、幕府の出費がかさんだため荻原重秀が二度目の改鋳、宝永の改鋳に踏み切ります。 結果は二度目の500万両の出目と高いインフレです。幕府は助かりましたが、民衆の暮らしは厳しくなりました。

荻原重秀を重用していた徳川綱吉が死去した宝永6年(1709年)以降、新井白石と荻原重秀の政治的対立が先鋭化しました。

その後新井白石の工作が奏効して、正徳2年(1712年)、荻原重秀は勘定奉行罷免され、翌年失意のまま死去します。

新井白石綱吉の次代、家宣の側近として「正徳の治」と呼ばれる政治改革を断行しました。

正徳小判は新井の建言で発行されたもので、新井は貨幣の含有率を元に戻すしました(1両あたり10g→15g)。
市中に流通する通貨量は減ったため、経済は冷え込み、デフレーションが発生しました。

しかし死人に口なし。新井白石は自分の政策失敗には口をつぐみ、「折たく柴の記」で荻原重秀を悪徳腐敗役人に仕立てあげました。

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図 江戸期の小判の金含有量推移
出所:日本銀行 貨幣博物館資料

時代はずっと下って、80年前の昭和恐慌を巧みな金融財政政策で乗り切った高橋是清
高橋は、デフレにはリフレ政策、インフレ高進気味だと財政政策の抑制をおこないました。
ただ、軍事費をも聖域化せずに切り込んだため、軍部の一部の恨みを買って2・26事件で斃れます。

その後を受けた馬場0貘∩蠅蓮軍部に迎合して国債を増発、高インフレを招きました。
日銀史観では、馬場0譴亮最圓盍泙瓩董高橋財政の影響といわれて来ましたが、リフレ政策に対するポジティブ評価が高まった近年は日銀による高橋財政批判は影を潜めたようです。

デフレ脱却に成功した同じリフレ政策でも荻原重秀の後は新井白石デフレ経済高橋是清の後は馬場0譴砲茲觜インフレ経済と、後任者によりまるで逆方向に失敗しています。

牛熊ブログではこれらを十把一からげで、リフレ政策の失敗としていますが、後の結果がまるで逆なのに、荻原重秀・高橋是清の死後の失敗経済政策までリフレ政策のせい、というのでは歴史の改ざんと呼ばれても仕方がないのではないでしょうか。

*1勘定奉行 荻原重秀の生涯 ―新井白石が嫉妬した天才経済官僚 (勘定奉行 荻原重秀の生涯 ―新井白石が嫉妬した天才経済官僚 (村井淳志著・集英社新書)などに記述あり

基礎固め基礎固め 2013/09/26 21:29 政府や日銀がちゃんとリフレ経路を説明出来ていれば、信用 と言う計りづらい指標で議論が錯綜することもなかった気がするこの頃です。記録用に私個人の知識をまとめておきます。
1、リフレにはディマンドプルとコストプッシュ
前者はインタゲで、将来インフレになると思わせて、貨幣の流動性需要を減らして現物資本を買わせるやり方。それで景気向上、後賃金向上。
やり方は別に今の日銀や政府の金融緩和量で無くてもできる可能性あり。量が少なくても日銀のブレナイ姿勢を説得力有るやり方で表現すればいい。その意味で黒田さんは消費税に言及する必要は無いかと。財政についても破綻しないことを言及したほうが説得力あるかと。
この場合の財政政策の追加は人々に短期間に景気向上やインフレ向上を感じてもらうための栄養材。
後者のインフレの場合はセーフティネット的役割になっていくかと。

後者、コストプッシュや輸入インフレは 省略 。時間があれば…

基礎固め基礎固め 2013/09/26 22:31 2、後者は日本の場合は国土面積に対しての人口比が多いことにより、不動産価格の上昇と円安による材料コスト上昇によるインフレになるかと。
此方も不動産資産増加により設備投資が上がれば余り問題は無いが、、。また、円安により国内需要が増して国内での消費や設備投資が増えれば問題は少なくなりそう。
しかし前者がリフレが始まる同時期に景気向上、または産業変換の準備ができるのに対して、後者は費用等のコストが上がることによる物価上昇そして後に現物資本への投資、つまり産業構造変化の為の設備投資等があり後に景気向上、後賃金向上。その為、賃金向上迄に前者より間隔があく可能性が高く、資金の少ない主体が耐えられかが問題。
そこで、セーフティネット的に財政政策を組み合わせて行うと。事前に予測して適切な産業にいいやり方でやればいいのか勉強します…。
または政府の早めの物価上昇指標アナウンスによりなるべくディマンドプルによる移行にし、被害を減らすかですかね!?
現状内部留保を使っていないため、不動産資産増加による設備投資が増してくれるかは不明。法人税減税なんてその意味で余りいい政策ではないでしょう。
なら国内需要の刺激またそれを企業にアナウンスする事に寄り国内の設備投資を増やすという手がありますが、消費税の発表で、逆のアナウンスをしています。しかも実質的に消費税で消費減退も起こる可能性が出てきています。

何故政府は自ら自分の選択肢を無くそうとするのか理解に苦しみます。最終的に経路が一番はっきりしない株式市場上昇だのみという博打だけになりそうで笑えません。

2013-09-25 日経新聞の近世史には「元禄景気」はない? このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

今朝の日経新聞で、江戸時代でのリフレ政策にあたる、元禄の改鋳について記事が載っています。 ただ、その内容・結論がかなり怪しいようです

今朝(9月25日)の日経新聞に、江戸時代リフレ政策と呼べる元禄の改鋳について載っています。

 東京日本橋日銀本店で、江戸時代経済政策をテーマにした勉強会が開かれたのは6月下旬だった。

■「瓦礫貨幣に」
 「江戸貨幣改鋳は物価にどう影響を与えたか」。講師の阪大名誉教授、宮本又郎に質問する約20人の日銀職員。話題は、ちょうど300年前に没した元禄時代の経済官僚、荻原重秀の脱デフレ策だった。

 金(ゴールド)などの材料価値と連動する金属貨幣が当たり前だった江戸時代徳川綱吉将軍下の元禄8年(1695年)、勘定吟味役だった荻原は金の含有量を3割減らす新小判造りを主導した。マネーの供給を増やしお金の価値を下げることで、モノの値段を上げるリフレ政策。元禄リフレで市中に出回るマネーは最大8割程度増え、デフレの重圧は解消した。

 改鋳は貨幣の改悪だ。こう批判された荻原の反論の弁が残っている。「貨幣は国家が造るもの。たとえ瓦礫(がれき)でも行うべし」。金属の産出量に経済成長が制約される金属貨幣金本位制を「野蛮な遺物」と英経済学者ケインズが批判する約200年前。紙切れにすぎない「紙幣」を政府中央銀行が発行・管理する現代通貨制度に似た発想が日本で生まれていた。

 もっとも、元禄リフレの結末は明るくない。金銀の含有量を減らした結果、幕府は歳出の3年半分の500万両の貨幣発行益を得た。味をしめた幕府と荻原は改鋳を度々繰り返し、インフレが高進。荻原は1712年に失脚した。

 脱デフレを狙う金融政策が、財政難にあえぐ政府の規律を緩ませる危うさは、いつの時代も変わらない。その危うさを身にしみて知っているのは、4月に異次元緩和を始めた日銀総裁黒田東彦だろう。(以下略)

  日経新聞 コラム 物価
  江戸のケインズ マネー拡張、財政が鬼門 眠れるヒント(2)

   2013/9/25 2:00  (文中ボールド体はシェイブテイルによる)


荻原重秀といえば、旗本荻原十助種重(200俵)の次男として江戸にうまれ、徳川綱吉の世で若いころからその才能を見出されて、29歳で勘定吟味役、37歳で勘定奉行となっています。

そしてこの記事にもあるように、デフレ気味だった元禄8年、元禄の改鋳と呼ばれる貨幣改鋳を実施します。

図表1は、元禄の改鋳を推めた頃の経済状況と荻原重秀の評価(石高)を示したものです。

荻原重秀の政策への幕府の評価は常に高かった
f:id:shavetail1:20130925121136j:image:w360
図表1 徳川綱吉時代の経済と荻原重秀の禄高
出所:江戸時代における改鋳の歴史とその評価 大塚秀樹 日本銀行金融研究所/金融研究/1999. 9、 Wikipedia荻原重秀
青線=荻原重秀の石高。荻原重秀は正徳2年(1712年)、政敵新井白石に破れ失脚、翌年死去。1712年以降の「700石」は嫡男の石高

図表1のように、荻原重秀は、デフレ気味だった元禄8年(1695年)に、元禄の改鋳を実施しました。この改鋳で、小判の金の量はほぼ2/3となり、幕府に500万両の出目(通貨発行益)をもたらします。この改鋳により市中におカネがまわり、いわゆる「元禄文化」が花開きます。

ところが、元禄16年、元禄地震が発生、元禄文化は終焉を迎えました。さらに翌宝永元年にも、宝永地震富士山の宝永噴火が発生し、その対応のため、幕府財政が厳しくなりました。

この財源不足に対処するため、宝永7年、荻原重秀はやむなく再び改鋳(宝永の改鋳)を実施しました。
宝永の改鋳では品位は下げず逆に上げました。ただ、量目を元禄小判の半分にしたため、1両あたりの金は元禄小判よりも更に減りました。

宝永の改鋳は日本の生産力が落ちたところでの通貨量増でしたので、米価は8割増と高いインフレを招いています。
ただ、幕府から見れば宝永の改鋳でも500万両を超える出目をもたらした荻原重秀の功績は大きく、更に加増されています。

ところが、政敵新井白石の執拗な政治運動の結果、荻原重秀は正徳2年(1712年)権力の座を追われ、翌年失意のままに死去します。*1

財政の中心に位置した新井白石は、正徳4年(1714年)小判の品位を徳川家康時代の慶長小判なみに引き上げる正徳の改鋳を断行します。 ただその結果は「白石デフレ」とでも呼ぶべきデフレ経済となりました。

なお、新井白石の荻原重秀観で書かれた「折たく柴の記」で、死人に口なしとばかり、「荻原は26万両の賄賂を受けていた」などと根拠のない悪宣伝を繰り返し、一方的な悪評が広まってしまいましたが、現実には元禄景気をもたらした元禄の改鋳、天変地異のなか幕府財源をもたらした宝永の改鋳に比べ、「貨幣の品位を上げることこそ幕府の威光を高めるもの」というイデオロギーだけからの正徳の改鋳はデフレ経済を招いただけです。

デフレ日本が倣うとしたら、荻原重秀が実行した貨幣価値を下げる元禄の改鋳か、それとも新井白石が実行した貨幣価値を上げる正徳の改鋳か。あえて言うまでもないでしょう。

これらの史実と比べて見ると、冒頭の日経記事での荻原重秀評はいかがでしょう。
元禄景気に関する記述がひとこともあるわけではなし、日経さんまたやっちまいましたね、という気がするのはシェイブテイルひとりではないでしょう。

*1:自害したともいわれているようです。

ロバの耳ロバの耳 2013/09/25 15:25 shavetail1 様
質問なのですが、引用している日経のコラムでは「市中に出回るマネーは最大8割程度増え、デフレの重圧は解消した。」とありますが、貨幣の流通量が1.8倍にならなけれ解消できないデフレとは一体どんなものだったのでしょう。ちょっと想像がつきません。
日経のコラムではデフレの重圧と簡単に流していますが。

shavetail1shavetail1 2013/09/25 15:50 ロバの耳様
過去のブログ
http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20130127
のグラフを見ると、今の日本とそう変わらない程度のデフレだったようですね。佐渡の金山から金が枯渇し始めるなどから生じたようです。 

ただ、元禄の改鋳でできた出目(通貨発行益)500万両は今の政府と違い、一旦幕府の資産としてストックされて徐々に使われたようです。
実際民間に渡されたプレミアムは1%程度であり、幕府の台所から徐々に民間に出て行ったんでしょう。

これに対し、元文の改鋳では旧小判1両=新小判1.65両というかたちでの増歩(ましぶ)交換をですから、元禄の改鋳よりもっと物価上昇は急激だったでしょうね。

ロバの耳ロバの耳 2013/09/25 19:56 shavetail1 様
過去のブログ、興味深く読みました。
特に興味深かったのが、「諸色高の米価安」という言葉です。
現代の状況は「物価安の公務員給料高」。なぜなんだろう。
役人、及びそれに類する人間が真剣にデフレを脱却しようとしないのは、ある意味当然かと思います。
彼らの給料を全て無利子の国債か政府紙幣(この2つの差がよく分からない)で支払えばもう少し真剣に考えるのではないかと思ってしまいます。日銀券と両方流通させても日本なら大丈夫。江戸時代は金、銀、銭、米と相当複雑な貨幣(?)制度でも、何とかなっていたのだから。
江戸時代の武士のように役人にも集中的にデフレが直撃するリスクの中で生きて欲しい。
強力な労組もあるし無理か。

shavetail1shavetail1 2013/09/25 20:09 今の物価安の公務員給料高は、人事院勧告の影響ですね。
民間ではリストラして、正社員と非正規雇用で大きな賃金格差がついているのに、「人事院の公正な判断」ではなぜか規模50名以上の会社の正社員だけで集計した給料で、「同格」と人事院が考えた民間給与に準じて給料を決めていますが、いまや非正規雇用が4割に近づいていますから、民間と役人の給料に差がつくのは当然ですね。
ただ、ここに安倍政権のメスが入りかけていて、「内閣人事局」制度が今度の国会で俎上に上る準備が進んでいるようです。そこでは人事院は無用の長物化しますが、人事院は「我々は公平な第三者」という立場から抵抗しているとか。 人事院なんて止めて公務員給与はサラリーマン平均給与にしてしまえば、いきなり半額で、役人もちょっとはまじめにデフレ脱却を考えるでしょうね。 

一方の江戸期での諸式高の米価安は、大変面白い現象ですが、その原因は今の私にはまだちょっと分かりません。
また勉強して解明したいですね。

2013-09-24 経済コント:千円札と500円玉の両替 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

今日はいつもと違い、ぐっとくだけて、新ジャンル、考え落ち系経済コントをひとつ。
登場人物は、分厚い牛乳底メガネの某大学経済学部8年生、西武輝夫くんとその母親です。


西武輝夫(以下輝) :ただいま〜。
母親: お帰り。大学の勉強、大変だねぇ。
輝: ま、ぼちぼちやっているよ。

母親:ところで、今日ヘンな人が訪ねてきたんだよ。
輝:え、どんな?
母親:1000円札を出して、これを500円玉に両替して欲しいって。
輝:え?
母親:ま、どっちでも一緒だから千円札を500円玉ふたつと替えてあげたけれど。

輝:かあちゃん、それ詐欺だよ。
母親:ええっ?でも千円札はまともだったよ。
輝:そうじゃないんだよ。千円札ってあれ、借用証なんだよ。
母親:どゆこと?
輝:今日大学のセンセが言うには千円札って借用証らしいよ。500円玉はそうじゃないって。
母親:じゃ、私は500円玉ふたつを借用証と替えさせられたってことかい。
輝:そうなるなー。

母親:でも変じゃないかい?世の中普通に千円札を喜んで受け取っているけれど。
輝:でもうちの大学のセンセはそう言っていたよ。
母親:不思議なことを言う先生だねぇ。じゃ、500円玉も借用証かい?
輝: ううん、違うよ。あれは借用証じゃないらしい。

母親: …。バカだねぇ、この子は。大学でろくでもないことを聞いてきたんだねぇ。 借用証だかなんだか知らないけれど、千円札だって一万円札だってみんな欲しがるんだよっ!

輝:うーん、そう言われればそうかも知れない…。
  でもオレがヘンなら、政府だってヘンだよ。だって千円札でも500円玉でも自由に作れるのに、1000兆円借金ガーとか言ってるし。あれ、ぜ〜んぶ500円玉なら借金ちゃらじゃね?

ちゃんちゃん。

ちょっとヘンな会話でしたね。
でも西武輝夫くんの言い分、途中はともかくとして、結論はどこかオカシイでしょうか?

f:id:shavetail1:20130924124826j:image:w360
千円札は日銀負債で、500円玉は資産だそうで。

2013-09-23 デフレ脱却の果実は大きいが問題は単純ではない このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

1997年にもしデフレに突入しなければ、10数年後の今、国民の所得は5割ほど伸びていたでしょう。
デフレ脱却もしていない今、更に消費税を上げるのは正気の沙汰ではありません。
ただ、消費増税を巡る現状を考えるとデフレ脱却公務員制度改革なしには達成できないのかも知れません。


昨日の記事で、日本は世界で数少ないデフレ国であると同時に世界で唯一の名目GDP減少国だという事実を書きました。
   自ら名目GDPを減らす不思議の国・日本 - シェイブテイル日記 自ら名目GDPを減らす不思議の国・日本 - シェイブテイル日記

デフレを脱却できたとしたら、名目GDP、ひいては国民の所得はどうなるのでしょうか。
これを考える上で、デフレが顕在化した1997年、もし消費増税しなかった等の理由で、日本がデフレに陥らなかった場合のシミュレーションが参考になります。

1997年以降日本経済デフレ経済という異次元に突入
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図表1 日本の物価と名目GDP推移
出所:物価(GDPデフレーター)、名目GDPとも、IMF WEO
1991年バブルが崩壊したが、まだ物価は維持・回復しつつあった。
1997年増税により完全にデフレ経済に突入し今もまっただ中。

デフレ経済が15年以上続くなどというのは現代世界全体のみならず、世界金融史上にも殆どない事例です。

もしも、1991-97年の低いながらもプラスの物価上昇・名目GDP成長が現在も続いていたら、一体どうなっていたでしょうか。

デフレになっていなければ、名目GDPは現在の5割増し
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図表2 日本がデフレでなかった場合のシミュレーション
作図(赤丸):図表1の1991-97年の年平均物価上昇率、名目GDP伸び率
を2013年まで外挿したもの。

図表2の簡単なシミュレーションから、1997年の消費増税をせずに日本がデフレではなかった場合、現在では名目GDPは現状の480兆円ではなく、700兆円足らずにまで増えていただろうと思われます。この間の増加率は1.3倍です。これでも日本(0.9倍)につぐ世界第二に名目GDP伸び率が低かったドイツ(同1.4倍)と同等以下です。

この状態であれば、雑駁な話、年収が480万円の人は700万円、240万円の人なら350万円もらえているはずです。いかに消費増税の負のインパクトが大きかったか分かります。

なお、この場合の年収増は正味の年収増に近い感覚でしょう。なぜならば、増税がなく、通貨が民間に留まり今よりも需要が大きければ、失業者や遊休設備も生産活動に従事できます。そして数量増よりもむしろ質(付加価値)が増加する方向で名目GDPが増加するでしょうから*1

◇どうすれば消費税増税が回避できるのか
もし、国民が消費税反対を叫び、首相官邸にデモをかければそれで消費税増税が回避できるのなら、これほどたやすいことはありません。

現実の政治の世界をみますと、あれほど消費税増税に反対をしていたリフレ派の山本幸三議員や、西田昌司議員でさえ今は増税派に堕ちています。

国会周辺のみならず、首相官邸内までも官僚が入り込んで、消費増税画策を続けていますから、ここを何とかしないと消費増税は止まらないかも知れません。

ここで一つの朗報は、首相官邸では以前放棄された「内閣人事局」制度を復活させようとして、10月の国会で制度化を図ろうという動きがあることです。

 人事院は先月8日、平成25年度の国家公務員の月給とボーナスを前年度から据え置くよう国会政府に「報告」した。「勧告」を見送った異例の対応が注目されたが、人事院はその際に公務員制度改革に関する報告も提出し、内閣人事局に激しくかみついた。
…。
稲田朋美公務員制度改革担当相は先月6日、自民党行政改革推進本部の総会で、内閣人事局の設置について「安倍首相が第1次政権で目指した改革の再チャレンジだ。議論は尽くされており、政治を前に進めるべきだ」と述べ、改革を「後退」させない考えを表明した。
 稲田氏は、内閣人事局が管理する公務員の対象を、審議官級以上の約600人にする方針だ。与党側は、労働基本権が国家公務員に付与されていないことから官邸の人事権が強大化すると警戒する声があり、600人よりも減らすことで調整している。
  「内閣人事局」−公務員制度改革の柱、人事院は徹底抗戦 産経ニュース2013.9.17

記事によれば、現在は内閣人事局制度に対し、「政権VS人事院」と「稲田氏VS与党」というふたつの抵抗勢力が戦いを挑んでいるようです。

人事院や、官僚の息のかかった「与党」は、公務員制度は決していじってほしくないようですね。

ただ、今の、誰がやった不始末なのか、まったくわからない「空気で進める」官僚主導政治はもう長くは続けられないのではないかと私は思います。

例えば今後の官僚提出資料には日時だけでなく、作者・承認者の名前を入れ、後日良い政策につながれば、1年昇進を早め、逆にダメな政策を打ち出したら、1年昇進を遅らせるなど、インセンティブをつけることで、官僚たち自身のやる気が出る制度にもできるのではないでしょうか。

先日、大蔵省出身の御年82歳の元官僚氏が国の借金1000兆というのは誇大だと、当事者としてカミングアウトされていました。ちょっと長いですが、衝撃的な内容ですので全文を引用します。

 安倍晋三首相が来年4月に消費税率を予定通り8%に引き上げる方針を固めたと相次いで報じられた。財政再建社会保障のために増税やむなしとのムードが強まっているが、これに待ったをかける元大蔵官僚がいる。財務省が旧大蔵省時代に始めた増税キャンペーンの内幕を暴露し、「国の借金が1000兆円というのは過大な表現だ」と訴える。

 消費税をめぐっては国際通貨基金(IMF)も13日に20カ国・地域(G20)首脳会合に提出した報告書で、消費税増税など財政健全化の取り組みを加速するよう訴えた。

 IMFは日本の財政問題増税の必要性について言及することが多いが、その裏側を告発するのは、大蔵官僚から衆院議員を務め、現在は東北福祉大特任教授の宮本一三(いちぞう)氏(82)。

 1966年から6年間、大蔵省からIMFに出向した宮本氏は「当時の対日勧告文は私が作成していた」と語る。その内容について「大蔵省の局長から直接命じられることはなかったが、意向は配慮していた」。現状についても「財務省の意見はIMFにも反映されているだろう」とみる。

 財務省ウェブサイト上で「国の財政は大赤字」「日本は厳しい財政状況」と強調するが、宮本氏は渡辺美智雄蔵相の大臣官房審議官当時、「財政危機」キャンペーンの基本政策を作った張本人でもあるという。

 当時のキャンペーンでは財政の健全性を最重要の政策目標とする方向で議論を展開したというが、宮本氏は「当時は景気も良く、インフレだった。デフレの現在も同じ路線を続けているのはおかしい」と批判する。

 「国の借金が1000兆円というのは実態より過大すぎる。為替介入に利用される借入金や、財政投融資特別会計借入金なども含まれているし、普通国債の発行残高705兆円についても、100兆円分程度は年金基金など国の機関から借りたものが入っている。正味の借金は500兆〜600兆円程度」と宮本氏は分析する。

 宮本氏が財務省のデータなどを元に作成した日本政府貸借対照表(バランスシート)=別表=をみると、国の負債は1000兆円を超えるものの、600兆円超の資産を差し引くと、実質的な赤字(純債務)は459兆円となっている。

 「米国の純債務は14兆7850億ドル(約1467兆円)もあり、日本の方が健全といえる」と指摘する宮本氏。それでも増税は必要なのだろうか。

   借金1000兆円は誇大表現! 元大蔵官僚の増税キャンペーン担当者が内幕を暴露  ZAKZAK2013.09.20


財政破綻キャンペーンの旗振りをした官僚氏本人だって、嫌なことをしたと思い、今のうちに身ぎれいにしたいと思われたのでしょう。やりたくもない財政破綻キャンペーンややりたくもない増税キャンペーンを省内の空気にやらされている面もあるのでしょう。こうした省内組織の力学にも配慮できないと、デフレ脱却机上の空論に終わるのかもしれません。

*1デフレの今は、その逆で数量はそう減らず、価格コンシャスで付加価値が減って質の低い製品が人気ですね。

通りすがり通りすがり 2013/09/28 12:32 > 世界金融史上にも殆どない事例

とありますが、過去に事例があったのでしょうか?

shavetail1shavetail1 2013/09/28 16:14 英国の大不況でデフレがが24年間続いたという話もあります。
ただ、現在に比べると当時は良くも悪くも物価をコントロールする
技術がなかったこともあり、最長4年の物価下落が断続しています。
http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20120408

これに対し、日本のデフレは-1%程度のデフレがコントロールされつつ、16年(1998-2013)続いています。 おそらくこの現代日本の長期デフレを超える記録はないのではないでしょうか。

2013-09-22 自ら名目GDPを減らす不思議の国・日本 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

デフレ日本が景気回復すると国債金利急騰(価格暴落)して大変なことに、という説があります。
でも決してそうはなりません。
こうした不毛な議論を続けて、デフレを目標としたり、インフレになりすぎるのを恐れたりしているうちに、いつの間にか日本経済だけ一目瞭然のとんでもない状態となっています。


ここ数回、消費税肯定論についていかに欺瞞に満ちているか、また消費税が必要という根拠とされる日本の政府債務は歴史的・国際的にみてまったく問題とすべき水準ではないことについて述べてきました。

消費税増税肯定論の6つのウソ - シェイブテイル日記 消費税増税肯定論の6つのウソ - シェイブテイル日記

現代日本の政府債務膨張は異常か - シェイブテイル日記 現代日本の政府債務膨張は異常か - シェイブテイル日記

「いかにして政府債務を減らすか」という問いが間違い - シェイブテイル日記 「いかにして政府債務を減らすか」という問いが間違い - シェイブテイル日記


 実際にはまったく問題のない政府債務残高やあり得ない国債暴落リスクに怯えて、歴代政権日銀が間違った財政金融政策をとり続けた結果、日本経済がどうなったかを一目瞭然でご覧にいれましょう。

日本以外の全ての国で名目GDPが飛躍的に増えた
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図1物価と名目GDP 
1997年と比較した、現在の物価・名目GDP倍率
出所:IMF WEO (世界173カ国)
赤点が日本、青点はその他172カ国 物価指標はGDPデフレーター
物価をコントロールできない国では驚異的に名目GDPが増えている。
日本だけが物価上昇率が最低かつ名目GDP増加率は唯一のマイナス

更に日本を含む部分を拡大してみましょう。(図表2)

名目GDPが減った国は世界中で日本だけ
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図表2 図表1円内の拡大図
台湾香港は現在デフレではないが2000年代にはデフレだった。

日本は1997年以降物価GDPデフレーター)は一度もプラスになっていません。
これは19世紀の「大不況」時代を抜いて数百年の世界金融史上最長の可能性さえあります。

物価と強く相関する名目GDPは、その間日本以外の低インフレ国でさえ、1.4倍(ドイツ)以上には増えています。日本は0.9倍。日本だけが世界で唯一名目GDPが減り続けているのです。

世界中の各国の賃金統計にはアクセスできませんが、名目GDP賃金と強く相関しますから、他国が15年間賃金賃金が最低でも4割ほどは増える中、日本のみは賃金が下がっています。

日本以外では欧州欧州危機があり、中東アフリカでは内戦など多様な国があります。内戦で無政府状態の国でも名目GDPは増えます。むしろ無政府状態の方が名目GDPの増え方が大きい位です。 それでも日本だけは名目GDPが減り続けています。

日本の財務大臣日銀総裁物価が上がらぬよう、上がらぬよう、振る舞ってきた結果、こんな悲惨な状態となりました。

財務大臣ならば歳入増を目指すべきですが、実際にやっているのは世界唯一の名目GDP減少を通じた歳入減政策です。

今また財務大臣日銀総裁が「消費税を上げよ」と言っています。ここ数回のブログを読んで頂いた皆様は、消費税を上げても物価を下げる、名目GDPを更に下げるなど、何のメリットもないことはご理解いただいたでしょう。

もし更に消費税を上げれば、この日本経済の名目GDPが世界で唯一減るという不思議な状況は、更に悪化するでしょう。

日本以外の周辺国は、日本を敵視する国々を含め、円高で日本から雇用を譲ってもらい、低金利で自国への投資資金をまかなってもらって、デフレ投資を日本から譲ってもらい、日本がデフレ・低名目GDP政策を続けることで大変大きなメリットを享受し続けています。

しかし日本では前回書いたように名目GDPを減らすことで政府債務加速度的に積み上がるだけ。
日本というは政府債務を積み上げて国民を苦しめ、周辺国に貢献する不思議の国というわけです。

こう書いてきてもなお、デフレを脱却しようとすると国債価格暴落金利急騰)が起きるといったご意見をいただきます。
少し考えれば分かりますが、そんなことは起きえません。

仮に、近い将来ある金融機関国債は危ない、円は危ないと思い込んで国債を全て投げ売った、としましょう。

しかし円貨は日本でしか通用しません。

海外例えばタイに円として持って行っても、使えるのは一部円建取引と土産物店位でしょうか。それらにしても、円貨の通用しない普段の生活では、円をタイバーツに両替せざるを得なくなります。 その円は必ず円貨が使える日本国内に戻ってきます。

では国内に残った円はどうなるでしょう。1兆円でも120㎥ほどあるらしいですから、タンス預金にも限界があるでしょう。 土地・株といった国内の資産を買うか、国内で貯金するかになりますね。
国内資産を買うのであれば、多少リスクのある国債を売ってよりリスクのある資産に買い換えているのですから、アベノミクスでもなかなか達成されていないデフレ脱却に一金融機関が献身的に貢献していることになります。ではリスクを避けて預金をすればどうか。銀行がマネーを預けられてそのまま放置し、金利だけ払えば逆ざやですから、金利を稼ぐため銀行は再び国債を買わざるを得ません。

要するに慌てて国債を売って得た円貨の使いみちは国内のリスクの大きな資産を買うか、預金するしかなく、預金となれば国債を再び買うしかないでしょう。万一、大規模に売られて金利急騰・価格暴落ともなれば、ますます高金利を求めて買いが入るでしょう。 このようにどうやっても一時的価格下落以上の国債暴落はあり得ません。

こうした有りもしないリスクに怯えていたのは麻生氏を含む歴代の財務大臣たちです。速水・福井・白川ら旧日銀総裁もそうでした。黒田氏だってそのケがあります。

1997年をピークに名目GDPが減り始めた直接の原因はこの年の消費税増税です。

安倍首相。 2%の消費増税でも日本はデフレ経済に突入しました。
既にデフレの中、3%の消費増税を強行すれば、経済恐慌を引き起こし更なる名目GDP減少に拍車をかけることだけは理解して下さい。

kamisankamisan 2013/09/22 13:53 同じ事を何度も質問して申し訳ありません。(これが最後です)徴税権を使って圧力をかけるとか、山本議員、西田議員を翻意せざるを得ない状況に追い込むとか、安倍首相を妥協させるとか、それが省益だけのためとはどうしても思えないのですが、国民生活が悪化することがわかっててやる意味は省益だけでしょうか?

通りすがり通りすがり 2013/09/22 15:02 確実にいますね。

「経済の理論そのものは正しい」けれど、現状の間違った経済政策について「国内の財界や官公庁だけの問題」と言ったり、「中韓は甘い汁を吸っている」と言ったりして、肝心の「欧米の資本家が裏で画策している問題は総スルーする」勢力。

shavetail1shavetail1 2013/09/22 16:04 kamisanさま
通りすがりさま

日本が名目GDPを自ら縮める不思議の国に陥っていることは確実です。 ただ、その動機、となるとよくわかりませんね。

kamisanさまがおっしゃるように、単に省益のためだけにしてはコストが大きすぎるでしょうし。
ただ、通りすがりさまがご指摘のように、欧米投資家としても、日本がデフレである限りは金利がゼロに張り付いて、マネーゲームの財布として使えるという事実もありますね。

山本・西田議員の変心が何によるのかは、本人達に問い質したいところです。

ロバの耳ロバの耳 2013/09/22 19:04 shavetail1 様
約1/3が増税やむなし。こういっている人は借りたものは必ず返さなければならない
と考えているのでしょう。これは至極当然といえばそうです。
根拠はないのですが、消費は3%以上減少するでしょう。国の借金を返すためには更なる消費増税があることは理解しているようですし、消費税が10%程度で収まる訳はないとも思っています。
こういった場合、個々人はどういった行動をとるのか興味あります。
「欲しがりません、返すまでは」とどんどん節約してゆけば、どんどん税収が減少し、更に借金が積み上がってゆくと、どう考えるのか、見てみたい気もします。
いよいよ最後は「本土決戦」か。
「本土決戦」が終わり「総懺悔」しますので、それからです。shavetail1様の出番は。

一体、来年の今頃は誰が総理をしているのだろう。
消費増税より日替わり総理をやめることの方が大事なような気が。

shavetail1shavetail1 2013/09/22 19:21 ロバの耳さま
日本のGDP統計をみた世界中の国で、日本を馬鹿なことやっているなぁと嘲笑されているんでしょうね。
8%増税後の2015年春から、多くの人々が無駄に死に追いやられるのでしょうか。

ここ数回書き連ねたことは、経済学をまったく知らなくても理解はできると思うので、ちょっとした本かパンフレットかにして政治家たちに配りたいと思っています。

shavetail1shavetail1 2013/09/22 20:26 ブコメで国債の先物売りで現物が追随して破綻というシナリオを考えた人がいるようですね。 色々考えますね。 ちょっと感心。

でも、先物取り引きは現物とは異なり、ゼロサムゲームですよね。
ってことは、ストックベースでは結局国債の現物の動きしか実質意味がないということでしょう。

現物が一時的に下げても、長期的に下げ得ないのは本文に書いた理由によります。 このシナリオなり別のシナリオで国債破綻の可能性というのががあれば、また教えてください。

たかなくんたかなくん 2013/09/22 20:40 非採算部門なんやから、社会保障が増える以上全体の税率が上がるのはしょうがなくね。あなたの理論で言えば税率0でいいわけやん。無駄使いとかは行革の話やからね。やるべきは絶妙の駆け引きでの金融、カンフルとしての一時的財政も含んでいいけど健全な財政。

shavetail1shavetail1 2013/09/22 20:49 短期的には税率ゼロでOKだと思いますね。
いつまでかと言えば、デフレを脱却して成長軌道に乗るまで。
デフレギャップがどれだけかという問題と関係しますが、おカネを刷ってもそれで発生する分の供給が新たに生まれる限り、物価が大きく騰がることはないでしょうから。

通りすがり通りすがり 2013/09/23 00:51 名目GDPや名目の賃金が下がると、何が問題なのでしょうか?

初心者なので教えていただければ幸いです。

ひでひで 2013/09/23 04:00 税率を上げる。と 税収を上げる。正しいのはどちらでしょう。猿でも分かる質問で申し訳ないのですが、もちろん税収を上げる事です。では なぜ 税収が下がるとわかってて、消費増税に突入しようとするのか。
消費増税して一番ダメージを受けるのは誰か。日本国民はもちろんのこと、一番ダメージを受けるのは 阿倍総理です。景気が悪くなるのはわかっていますので、それをアベノミクス失敗と理由付けて阿倍下ろしが始まります。この増税は反阿倍勢力 財務相増税派 親中 親韓 そして親米派 オールスターズで阿倍下ろしをしてると見るのが正しいでしょう。

shavetail1shavetail1 2013/09/23 08:30 通りすがりさま

名目GDPが、他国は100→140とあがる間に100→90に下がる、ということは同じ仕事をしていて皆の給料が5割違う、ということです。
これはインフレで薄まったというのは殆ど当たらず、実収入の差に近い話です。 日本ではデフレで雇用されていない人、遊休設備が多数あり、これらが生産に参加出来る状態になればより高い付加価値を求めて需要が動いていきます。つまり数は一緒でもより質の高いものが売買されるようになるでしょう。そして名目GDPが上がることで税収も増え、財政健全性指標の政府債務/名目GDPは分母が大きく、分子は小さくなって、指標は改善するので財政健全化が話題に上ることも少なくなっていくでしょう。

通りすがり2人目通りすがり2人目 2013/09/23 14:06 >名目GDPが、他国は100→140とあがる間に100→90に下がる、ということは同じ仕事をしていて皆の給料が5割違う、ということです。

日本はデフレで他国はインフレなんだから、それは流石に盛り過ぎやろ。実質購買力はそこまで違わないよ。
上のグラフでも日本の名目GDPはちょっと下がってるけど、物価は2割近く下がってる。だから実質購買力は2割近く上がってるわけなんだけど。

shavetail1shavetail1 2013/09/23 14:24 賃金は物価以上に下がっていますが?

通りすがり2人目通りすがり2人目 2013/09/23 16:15 名目GDPは賃金と強く相関するって自分で書いておいて、ソースも出さずに賃金は物価以上に下がってるって説得力無いんだけど。
http://lidai.asia/node/760?language=ja
どう見ても物価以上に賃金は下がってないけどな。

shavetail1shavetail1 2013/09/23 17:08 つ デフレになったら消費者物価指数はあまり下がらないのに、単位労働コストはひどく下がる - シェイブテイル日記 (id:shavetail1 / @shavetail) http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20110703/1309704830

通りすがり2人目通りすがり2人目 2013/09/23 18:18 単位労働コストは労働者の時給を意味する指標じゃ無いんだけど…
だから、単位労働コストが上がっても賃金が上がってるわけじゃないし、賃金が下がっても単位労働コストは下がらない場合もあるんだけど…

bakadesubakadesu 2013/09/24 07:03 「単位労働コスト」は何故、雇用者報酬の総額を実質GDPで割るのでしょうか?何故名目GDPで割らないのでしょうか?教えていただけないでしょうか?

shavetail1shavetail1 2013/09/24 22:19 通りすがり2人目さん

>単位労働コストが上がっても賃金が上がってるわけじゃないし、賃金が下がっても単位労働コストは下がらない場合もある

なかなか興味深いことを言いますね。
是非、その実例を教えて下さい。日本でも他国でも結構です。

ちなみに、今手元のデータで、単位労働コストとサラリーマン平均給与というかなり算出方法が異なる賃金指標同士を1997-2007年で比較するとR^2=0.96でした。

通りすがり2人目 通りすがり2人目 2013/09/25 01:53 だから、そういう指標じゃないからとしか答えようがない。
上の人も書いてるが、雇用者報酬の総額を実質GDPで割るのだから、賃金に影響を受けるのは確かだが、それだけで決まる指標ではない。
で、賃金はそこまで下がってないというのは上に示したデータの通りだけど。

tt 2013/09/25 11:45 shavetail1さん 日本の法人企業統計調査等から単位労働コスト (以下ULC)をみずほが試算したデータによる と、例えば製造業ULCは98~99で上昇していま すが、これは賃金の上昇ではなく、生産性の上 昇によるものです。また、00~01ではULCは下 落していますが、賃金はわずかに上昇していて 、それを上回る生産性の下落があったためです 。同様のことがサービス業ULCでも00年のQ1や Q3で起きています。

参照(http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/r esearch/pdf/report/report04-0824.pdf)

通りすがり2人目さんやbakadesuさんの投稿に もあるように、ULCは人件費を実質GDPで除す るので、ULCの上昇=人件費の上昇ないしは生 産性の下落/ULCの下落=人件費の下落ないし は生産性の上昇になります。単純にULCと賃金 は結びつきません。とりわけ日本は、労働分配 率が好景気時に下落し不景気時に上昇する上に 、その変動幅も比較的大きいことからわかるよ うに、業績がそこまでダイレクトに給与に結び つくような構造になっていないため、顕著です (これは日本の企業が社会のセーフティネット の役割を果たすことを求められているため)。

shavetail1shavetail1 2013/09/25 14:05 tさま
情報どうもありがとうございます。

官僚官僚 2013/09/26 10:47 アベノミクス始動半年くらいで消費税増税の決断は早すぎると考えている田舎の商人です。都会と比べてまだまだ景気の良い話は聞こえてきません。そんななかでshavetail様の記事を読む機会があり、現在、消費税増税反対の気持ちは益々強くなっております。ただ、コメント1番目のkamisan様が書いていらっしゃるように、官僚は本当に「省益→天下り先の確保」などの利己的な考えだけで、消費増税の推進をしているのでしょうか? 自分たちだけの利益と引き換えに、国民生活を危機に晒すことに罪悪感はないのでしょうか? 性善説ではないけど、感情論的に腑に落ちない・・・・のです。個々人ではなく、そこには、組織としての正義が存在しているのでしょうか?
もしお時間があれば、彼らの崇める神について、お考えを聞かせていただければと存じます。

shavetail1shavetail1 2013/09/26 12:20 >省益
実際、省益→天下り先確保、と明確に考えている官僚がごくわずかでしょうね。
残りの人達はなにか、といえば「空気」で動かされているんだろうと思います。
どこの会社にも「空気」」があって、別の会社から来た人がそれを体感すると、「え、これちょっとヘンじゃない?」と思う空気というのがありますでしょう。

結果的に国民経済<<省益で動いている人たちはそれに気がついてはいるでしょうけれど、その空気で動くことで脱落せずに出世レースの先頭を走っていられる、とかそもそもオレだけが悪いわけじゃないとか思っているだけだろうと推測しています。

言い方を変えれば、霞ヶ関の人間は皆世間知らず、とも言えるでしょうね。

2013-09-21 現代日本の政府債務膨張は異常か このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

日本の政府債務の危機的状況が言われるようになって久しくなります。
しかし歴史的あるいは国際的に見て、日本の債務膨張が異常とは言えません。
もし努力して政府債務を減らそうとすれば、思わぬ結果が待っているでしょう


最近の日本政府の粗債務残高は対GDP比で200%超とされています。


図表1は日本政府債務の超長期推移です。これを見ますと、1970年頃から政府債務が急増したようです。実際1965年から、戦後初の国債発行が始まっています。

日本政府債務は近年危機的に増えた?
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図表1 日本政府債務超長期推移
出所:太線=内閣府統計局(1880-2002)、細線=IMF(1980-2012)
政府債務の定義の差から、同じ年でも両者は一致していない。
枠囲い部分は図表2に再表示。

ただ、1929年に遡り、浜口雄幸首相が国民に危機的財政状態を訴え、デフレ下の緊縮財政政策を決断した当時は政府債務の長期推移はどのようだったでしょうか。

1929年当時でも、政府債務増加は危機的にみえる
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図表2 1929年時点での日本政府超長期推移
出所:図表1(太線)の枠囲い部分を1929年を終年に再描画したもの。
図表1ではまったくのフラットに見えるが拡大すると急増している。

当時のGDPは1996年ドルベースで一人当たり2000ドルとされています。これから算出すると、1929年当時のGDPは70億円。*1 当時の政府債務は対GDP比で丁度100%位だったのでしょう。

財政規律を重んじる浜口首相としては、日露戦争あたりから止めどもなく激増しているようなこのグラフを見れば、緊縮財政不可避と思えたのでしょう。
  ただ、その緊縮財政の結果は、といえば悲惨なものでした。
     昭和恐慌は「一人当り90円の借金」を返済しようとして発生した - シェイブテイル日記 昭和恐慌は「一人当り90円の借金」を返済しようとして発生した - シェイブテイル日記

さて、図表1を縦軸対数で再描画してみましょう(図表3)。

政府債務は指数関数的に増加してきた
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図表3 日本政府超長期債務推移
図表1の縦軸対数表示。

対数表示で見れば、日本政府債務も単なる単調増加であり、超長期の増加トレンド(破線)との比較では、1980年代後半以降はむしろ増加率が小さい位であることも分かります。 

図表4、図表5は、米国政府債務の通常表示と対数軸表示です。

米国政府債務も指数関数的に増えている
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図表4(上) 米国政府債務推移 図表5(下) 同対数表示
出所:Wikipedia(History_of_the_United_States_public_debt)Tab7.1より筆者作成
第二次世界大戦前後での政府債務増加突出はあるが、
全体的には米国債務も指数関数的に増えている

資源国のように、政府債務が全くない国も多少ありますので、どこの国でも成り立つ法則とまでは言えませんが、日米だけでなく多くの国の政府債務は指数関数的に増えています。(図表6)

多くの先進国でも政府債務は指数関数的に増えている
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図表6 先進国政府債務推移
出所:IMF 縦軸:政府債務(自国通貨建)、1990年=1、対数表示。
先進国19カ国。赤線=日本、18カ国は緑濃淡線。
先進国の中で、日本の政府債務増加が突出しているわけではない。

ではどうして多くの政府債務は指数関数的に増加するのでしょうか。

これは数学的な話ではなく社会科学的な話ですので、単純な回答はないでしょう。
ただ、まず名目GDPが年率数%つまり、(1.0X)^Nといった具合に、指数関数的に増えます。

すると、同時に税収などの政府歳入と政府歳出も並行して指数関数的に増えざるを得ません。
もしも指数関数的に増えなければ、長期的にはその部門の比率は限りなく0に近づいてしまいます。

別の言い方をすれば、政府支出に係わる、社会保障費や政府職員給与が一国経済の中で0に向かうことになり、持続可能ではないでしょう。

政府支出の一部が国債など政府債務で賄われる場合(つまり普通の場合)、政府支出の増加が指数関数的であれば、政府債務(単年度)も指数関数的に増えます。そしてその累積値、政府債務残高には金利がつくことでやはり指数関数的に増える、ということになります。

裏返してみれば、これら政府債務にはマネーの貸し手がいて、貸したマネーには金利がつくことが当然とされていて、政府債務は(1+0X)^Nといった具合に、債権者からは無意識に指数関数的に増えることが元来期待されています。 

従って、指数関数的に増えることが多くの政府債務の性質である以上、多くの政府ではいつの時点でも「政府債務は過去最悪で危機的状況」と言えば言えるわけです。

政府債務の危機的状況を救うには
 財政健全性の一般的指標が政府債務の対GDP比率であることを考えれば、財政の健全性を保つには、分母の名目GDPを増やすことがひとつの解でしょう。

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図表7 日本国の純資産・純負債ベースバランスシート
出所:日銀資金循環統計。 一旦日本全体のバランスシートを作成し、
資産・純負債だけをのこしたもの。(2013年6月末時点、単位兆円)

図表7は、日本国全体の純資産・純負債バランスシートです。
家計資産政府・企業・海外の債務を支えている様子が分かります。
ただ、見方を変えれば、政府・企業・海外が債務を負うことで家計に資産があるとも言えます。
バランスシートですから片側の資産だけ残し、債務を消すなどということは原理的に不可能です。

また図表7から分かることとしては、政府債務肩代わりをせずに済むよう、企業が借り入れを増やせるように、インフレ転換して実質金利を引き下げる、円安誘導して輸出を増加させ、海外の債務、つまり対外純資産を増やすなどの方策も有効と考えられます。

アベノミクス第一の矢・金融緩和や第二の矢・財政出動はこれらの方策に合致しています。

一方、消費税増税といった、直接に政府の純債務を減らす努力をした場合、その努力とはつまり左側の家計純資産を減らす努力にほかならないことが分かります。 マネーは債務とともに生じ、債務が消えればマネーも消えるのです(図表8)。

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図表8 資産負債
家計・企業・政府日銀・海外の資産負債の模式図。
これら四者のうち誰かが資産を持つためには同じだけ他の誰かが負債を負う必要がある。
また誰かの負債を削減すれば他の誰かから同額の資産が消える。

*1:日本の人口を7000万人、当時のドル円レートを2.32として算出。

shimizushimizu 2013/09/21 15:54 マネーと債務は同時に生まれ、同時に消えるって重要ですね。
私は0=1−1って考えてます。
積もり積もって0=1200兆円−1200兆円。

どりあんどりあん 2013/09/21 16:16 shavtail1さんは仮に実質成長が止まる或いはマイナスになる世界が来たとしたらこの問題をどう考えますか?
長期的に見るなら地球は有限ですから指数関数的な成長が不可能なのは自明ですから。

kamisankamisan 2013/09/21 16:17 ということは、財政再建の為はただの口実で自分達が使える税金を増やしているだけということですか?

shavetail1shavetail1 2013/09/21 18:48 どりあんさま
私がここで書いたのは名目の世界です。名目ベースでは、資産の貸し手(日本では家計)は、貸したお金にプラスの金利がつくと期待していますでしょう? フローベースでは実質が縮もうが、金利がプラスである以上、ストック(資産)が増えますから、それに対応して債務も増えざるを得ません。

kamisanさま
>財政再建の為はただの口実
仰る通りです。さすがに財務省はわかってやっているでしょうね。
日本政府のバランスシートが両建てで拡大すると、財務省の利権は拡大します。例えば、消費税減税のための審査をする協会だとか、そこに案件を持ち込む業界側の団体だとか。1000兆円の負債を持ちながら120兆円の資産を有する年金管理団体GPIFも利権ですし。

財政再建話は、日本経済には大変悪影響があるが、自分たちの利権拡大にとっては必要だと。

shavetail1shavetail1 2013/09/21 18:52 shimizuさま

リプが前後してすみません。
>マネーと債務は同時に生まれ、同時に消えるって重要ですね。

マネーが債務と同時に生まれる、というのは少ないながらも書籍に記載があるので、知っている人がまだ少なくないのですが、同じことの裏返しに当たる、債務が消失すればマネーが消失する、の方は記載されている書籍が極端に少ないように思います。 同じことの裏表という気もしますけれどね。

以前このブログでも、マネタリーベースが完全消失しても銀行が信用創造できるかといった議論がありました。それができるようなら、中央銀行は市中銀行を介した金融調節は不可能でしょうけれど。

shavetail1shavetail1 2013/09/21 23:13 ブコメでちょっとアレなことを書いている方へ。

財務省・マスコミ・御用などが粗債務1000兆円を問題にしているので、それがいかに空疎かを書いている記事だということはまずご理解ください。 彼らが政府債務対GDP比を前面に出して問題としているならそれを記事にしますよ。

2013-09-20 緊縮財政のギリシャがデフレ化 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

2013年版IMFの予測によれば、国際社会から緊縮財政を強いられているギリシャが、15年デフレの日本に続いて、今年からは世界で二番目のデフレ国となりそうです。 

昨日の報道によれば、これまで国際社会に緊縮財政を説き続けてきたIMFが方針を転換した模様です。

ワシントン 17日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は17日に公表した世界的な金融危機から得られた教訓をまとめた報告書で、財政健全化を目指す国は性急に歳出を削減するべきではないが、自国の国債に対する投資家信頼感も考慮する必要があるとの見解を示した。
  IMFが性急な歳出削減警告、財政健全化への具体策示さず

そして、そのIMF統計によれば、ギリシャも今年からデフレ化する予測となっています。*1

緊縮財政のギリシャデフレ転落
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日本とギリシャ物価推移
縦軸、物価指標(GDPデフレータ、%)
出所:IMF WEO Apr 2013
IMFでの定義では2年続けての物価下落をデフレとしている。

IMFの言うとおりに無理な緊縮財政を続けてきたギリシャデフレ転落では、更に緊縮を続けよ、とはさすがのIMFも言えなかったようですね。

日本はすでにデフレ安倍首相、8%への消費増税他の緊縮財政政策により更にデフレを強化する愚だけは避けましょう。

【追記】
今年春のFinancial Times によれば、ギリシャ2011年ころからデフレ化していたのに、緊縮財政による度重なる付加価値税増税のために数値上はデフレが顕在化していなかったようです。
(FT一部抜粋)

“The real question is, why didn’t Greece enter deflation earlier?” Ms Xafa said, citing forecasts by international lenders that inflation would turn negative in 2011.

One reason was that value added tax was raised several times along with excise taxes on fuel, alcohol and cigarettes to make up for shortfalls in revenues from direct taxation.

Deflation takes hold in Greece FT April 9, 2013 5:29 pm

アベノミクスや、黒田日銀異次元緩和で目指すインフレ転換が、度重なる消費増税によるものでないことを祈ります。

*1IMF予測によれば日本、ギリシャの他物価が安定していないコンゴ共和国カタールブルネイも昨年・今年と、GDPデフレータがマイナスに陥る。

kamisankamisan 2013/09/20 10:50 私のような素人にも解るように手を変え,品を変えして解説頂き助かります。消費税増税の支離滅裂な理論の推移、以前シェイブテイル氏がいわれたように財務省の権益拡大狙いにほかならないとのこと、腹が立ちます。ところで一つ質問ですが、日経平均株価がダウの影響もあるでしょうが、持ち直してきています。日柄整理など理由はいくつかあるのでしょうが、今期は業績好調でも、株価の先見性という意味で、デフレになり業績の落ち込みが考えられる来期以降をどのようにみているとお考えでしょうか?

shavetail1shavetail1 2013/09/20 11:08 kamisan さま
そこは正直全く分かりません。
村山内閣が消費増税を決定した1994年11月当時、株価は一旦天井をつけますが、その後消費増税を経て、本格的に株価が中期下落に陥るのは、2000年5月の森内閣からですので、市場関係者はどれだけ日本経済を理解しているのか甚だ疑問です。
http://baseviews.com/chart/nk225-j.html

2013-09-19 消費税増税肯定論の6つのウソ このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

安倍首相消費税増税の是非を判断するまであと10日ほど。
アンケートでも約1/3の方々は「増税やむなし」と判断しているようです。
ただ増税が必要だとする話はことごとくウソで固められていることはご存知でしょうか。


1.国民一人当たり800万円の借金
これは、9月15日に放送されたNHKスペシャル「シリーズ日本新生決断間近!どうする?消費増税
でも騙られたウソです。これに引っかかるようでは、オレオレ詐欺にも相当用心したほうがいいでしょう。 1000兆円の債務を抱えているのは日本政府です。その債権者の大半が日本国民ですから、「どうする政府、国民一人あたり800万円の返済を。」が問題提起としてはまだ正しいですね。

2.若い人たちのための消費税
財政破綻を避けるため、もうすぐ死にゆく老人のためではなく若い人たちのためにこそ消費税を引き上げるのだ」という話も聞きますね。
仮に消費税率引上げが必要だとしても、消費税は生活者の消費活動の大半にかかってきます。しかも消費税は8%増税で打ち止めとは政府関係者の誰一人いっていませんから、老い先短い老人よりも先が長い若い人たちこそ多額の消費税を支払わさせられる羽目になります。

考えるべき問題は、財政破綻が迫っているのかどうかということですね。これは後で触れましょう。

3.しっかりと社会保証財源をして使うから景気中立
この詐欺手口に引っかかる人が経済学者にさえ多数いるのは首をひねらざるを得ません。

分かりやすく考えるため、ここではある貧乏な日本国民Aさんを考えてみましょう。
シナリオ1:増税なしの場合 
Aさんは 今までどおりの納税に対し、今までどおりの社会保障給付を受けます。
シナリオ2:消費増税ありの場合
Aさんは、納税額が増えます。一方で政府関係者の誰一人として、消費増税を財源として、これまでより社会保障給付を手厚くするとは約束していません。つまり貧乏Aさんの社会保障給付は増税後も増えません。

シナリオ2からシナリオ1との差を見れば、納税は増えたのに、社会保障給付は一緒ですから、単純に国民からおカネを吸い上げるだけということが分かります。 もう少し正確に言えば、消費税のかなりの部分は輸出戻し税として輸出企業に補助金として給付されますから、貧乏人Aさんは政府と輸出企業に、なけなしのおカネを、何の見返りもなく、これまで以上に召し上げられることになります。

4.日本の財政状況は世界最悪
政府債務残高は、粗債務残高が1000兆円超です。また粗債務残高の対GDP比でも世界最高、純債務残高の対GDP比でも世界最高ですから、この話には納得してしまいそうですね。 このウソには、大半の方々が騙されてしまうでしょう。

ウソを見破る糸口は、日本政府は世界最高の借金を国民(とわずかな外国人)に負っているのに、日本は世界最大の債権国、つまり世界一外国人におカネを貸している国だ、ということです。 

世界一海外におカネを貸している日本国民は、世界一政府にもおカネを貸しているわけですね。
その日本国民に対して、借金を返せとどの口から言えるのでしょう?

世界一の金持ち国日本
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図表1 主要国の対外純資産
出所:財務省資料
2010年または2011年時点での円換算値。

ではなぜ世界一の金持ち国日本で、政府だけが債務を膨らませざるを得なかったのでしょうか。
それについては説明が長くなりますのでこちらを御覧ください。
    NHKスペシャル「日本国債」の本当の問題 - シェイブテイル日記 NHKスペシャル「日本国債」の本当の問題 - シェイブテイル日記

5.日本には財政破綻が近づいている
デビットアッシャーという人は、1999年には早々と日本経済が2004年には破綻すると予言しました。
また現在維新の会に所属する国会議員藤巻健史氏は、2002年に2012年日本破綻を予言するなど、過去何度となく日本経済破綻を唱え、当然ながらことごとく外しています。カイル・バスという投機家は日本国債の売りにかけてファンドの大半を吹き飛ばしました。

 日本国債金利は過去数百年の世界金融史上でもまれに見る低金利です。どれほどまれか、といえば、少し前まで世界金融史上最低金利とされてきたのは1619年イタリアジェノバで記録した1.125%でした。*1
 日本国債金利はこれを400年ぶりに更新しています。 国債の返済が危ういと市場関係者が判断すれば、数年前のギリシャのように、国債金利は上がります。 それが世界金融史上最低金利という事実は、世界中の投資家の中では(カイル・バスのような◯ータリンを除けば)日本国債を危ないと思っている人は殆どいないことを証明しています。日本国債に対する保険料CDSもまた低水準です。

 これは、先ほど紹介したNHKスペシャル「日本国債」の本当の問題 - シェイブテイル日記 NHKスペシャル「日本国債」の本当の問題 - シェイブテイル日記にも書きましたように、日本政府債務は確かに増えていますが、その理由はデフレで個人や企業がおカネを借りず貯蓄したままか、負債の返済に回すため、世の中に必要なおカネが回っておらず、政府日本国民からおカネを借りて支出にまわしているためであり、支払先は円貨が通用する地域、つまり日本国内に限られ、円は政府と民間をぐるぐる回っているにすぎないのです。 

ではなぜ債務が単調増加するのか。明治初年には3000万円程度だった政府債務は今や1000兆円。3000万倍にも膨張しています。 物価水準はこの内数万倍しか説明できません。*2 しかし破綻の予兆は実際には何もありません。これは米国など他国でも同様です。資源国などの例外を除けば、政府債務は単調に増えていくものなのです。
 これは面白い問題ですので、皆さんにも考えていただいて、次回に回しましょう。

6.財政は黒字だと健全だ
せめてこれくらいは正しいと思いたいですよね。
しかし、これも相当に怪しい話なのです。 詳しくは次回に回しますが、これを考える糸口として、次のお話だけ紹介しておきます。
    財政黒字は危機の予兆? - シェイブテイル日記 財政黒字は危機の予兆? - シェイブテイル日記

実を言えば、、外債ではない殆ど日本国民から借り入れている政府債務を減らす必要があるのかどうかもかなり疑わしい話なのです。
     昭和恐慌は「一人当り90円の借金」を返済しようとして発生した - シェイブテイル日記 昭和恐慌は「一人当り90円の借金」を返済しようとして発生した - シェイブテイル日記
     「いかにして政府債務を減らすか」という問いが間違い - シェイブテイル日記 「いかにして政府債務を減らすか」という問いが間違い - シェイブテイル日記

更に言えば、日本政府はやろうと思えば日銀と協力して、国民経済に何の悪影響もなく、政府債務を100兆円単位で純減させる手段さえも持っています。
    債務を100兆円単位で純減させる方法 - シェイブテイル日記 債務を100兆円単位で純減させる方法 - シェイブテイル日記

いかがでしたか。これらの6つのウソを全て見破ることができれば、政府マスコミ総がかりでの増税詐欺への耐性はかなりのものですね。
でも4つ以上も騙されているようだと、普段から詐欺には用心されたほうがいいかも知れません。

*1http://www.econo.chukyo-u.ac.jp/academicInfo/cerPdf/cer24_05.pdf

*2:米価で見ると、明治初年と今の物価は2万倍の差。

とまととまと 2013/09/19 17:23 すっきりまとまっていて助かります。
できればでいいのですがリクエストがあります。
最近、西田昌司参議院議員が一問一答という番組で増税賛成派になってしまいました。
その番組で言っていたのですが、昭和60年のGDPと税収と現在のGDPと税収を比べると、GDPから見た税収の負担率が下がっていると。
なのでもっと負担しなくちゃいけないんじゃないかという事をいっていました。
なんとなくGDPの中身と経済成長の問題じゃと思うのですが明確な反論が出来ません。
図々しいですがお時間のあるときに一度考えてみてください。
よろしくお願いします。

基礎固め基礎固め 2013/09/19 20:17 個人的には、2、3は社会保障政策の問題で、支出整理特に高齢者応能分担等の公平の確保それと別の支出に使われないようにするための法律上の財源の確保かつ税の中でももっとも滞納が多い消費税の問題解決、そしていかなる政府規模を望むかの議論と其れによるどういうインセンティブ政策をやるかの議論必要かと思います。他の番号は財政破綻がどうかの問題かと。
あとそれに加えて、時間軸の問題提起があります。
つまり、流動性の罠の今増税をやる必要があるのか、デフレ脱却後で何故いけないのか!?
そして社会保障が整備されていないのに何故今やる必要があるのか、延期を批判するなら何故社会保障議論の延期は批判される対象にならないのか、財政確保後や来年の消費税上げ迄に有意義な議論が出来ること、政府がその場をその期間に作れることの説明をする必要があるかと思います。
もしかしたら、政治力学的に財源の確保が議論をすすめる力にしたい、なると思っているかたがいるかもしれませんが、それを説明するのに政府の信用度は使えません。信用度が有るなら消費税を延期しても、デフレ脱却後でも議論出来るとなるからです。
では信用度が無いからか、、 さてそうすると、、省略
政府力学的な説明は説得力が無いかと。

shavetail1shavetail1 2013/09/19 21:20 とまとさま

いい質問ですね(って、池上彰かっw)
国民経済計算でその理由を…、と調べるのは結構手間です。
で、手抜きですが検索すると木走氏のブログにその理由がでていました。

http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20120406/1333699453

要するに、消費税を上げる→景気が大きく落ち込む→個人所得が減る→財政対策として、法人税と所得税を減税する→消費税は確保したが、法人税・所得税は減り、全体の税収も減る

といったスパイラルが回っているのでしょうね。
従って、変心した西田議員の主張とは逆に、消費税を上げればさらに同じスパイラルをたどって税収が減るでしょうね。

名無しの投資家名無しの投資家 2013/09/19 21:39 日本政府が財政破綻すると考えている人は、是非とも以下の実験を行ってほしい。

1.用意するもの
  ・封筒2袋
  ・現金(大きな金額が良いが、紛失・盗難などは自己責任です。私は責任を持ちません。)
  ・ペン
  ・メモ用紙2枚

2.実験手順
 (1)封筒にそれぞれ、「A」、「B」と記入する。(以下、「封筒A」「封筒B」と言う。)
 (2)メモ用紙にそれぞれ「A」、「B」と記入する。(以下、「メモ用紙A」「メモ用紙B」と言う。)
 (3)封筒Aに現金を入れる。(封筒の上に置くだけでも可。)
 (4)封筒Bに現金を入れる。(封筒の上に置くだけでも可。)
 (5)メモ用紙Aに「封筒Bへ貸出○○円」記入する。
 (6)メモ用紙Bに「封筒Aから借入○○円」と記入する。
 (7)封筒Bから封筒Aへ現金を移す。
 (8)メモ用紙Bに「封筒Aへ支出○○万円」と記入する。
 (9)メモ用紙Aに「封筒Bから収入○○万円」と記入する。
 (10)手順(3)へ戻る。
 (11)上記2の実験を任意の回数繰り返す。
 (12)メモ用紙Bに記入された借入金額を合計する。

3.実験結果
  ・メモ用紙Bに記入された借入金の合計額が実験者の借金である。
 
4.追加実験
  ・この実験で記入したメモ用紙Bを持って裁判所に行き、自己破産続きを行う。
  ・もし、自己破産が認められれば日本政府も財政破綻する事が証明される。

【実験例】
 現金1万円を用意し、実験を1万回繰り返す。その後裁判所で自己破産手続きを行う。

実験者「すいません・・・・・・・。1億円の借金を返済できないので自己破産手続きをしたいんです。」
裁判所「1億円!?、また、どうして?」
実験者「実は、この封筒Aから封筒Bが1億円借りてしまったんです。ほら、この通りです。」
    メモ用紙Bを見せる。
裁判所「??封筒Bは誰の封筒?」
実験者「私です。」
裁判所「封筒Aは?」
実験者「私です。」
裁判所「両方の封筒とも貴方の物なんですよね?それでどうして自己破産なの?」
実験者「だって、ここに借入金1億円と書いてあるじゃないですか。1億円も返済できません!!」
裁判所「・・・・?」(大丈夫か、こいつ??)「仮に1億円返すとして、封筒Aも貴方の物なんですよね?貴方が貴方に返すの?
    貴方が貴方に返済するのに、貴方が自己破産するの?」
実験者「そうです。だって借金が1億円ありますから。」

とまととまと 2013/09/20 09:12 shavetail1様
いい記事を紹介していただきありがとうございました。
非常に分かりやすかったです。
基本的には大企業、高額所得者への減税を逆進性の高い消費税で補ってるのが一目瞭然になってますね。明らかにその方向に進めてきていて、今も消費税の増税と法人税の減税がセットで語られてるのを考えると、確信犯的な感じがして少し涙目ですww

tt 2013/09/20 12:03 名無しの投資家さんの話は全くの的外れですね 。 債務を負っているのは政府であり、債権を所持 しているのは民間です。保有している主体は同 じではありません。 政府の債務と民間の債権を同一主体のものと見 なして相殺を認めることは、共産主義国家か、 ギリシャのように債務交換という名の実質デフ ォルトをしない限りありえません。

あなたの例に倣うなら、マンションの管理会社 が、マンションの住民から1億円の借金をして いるような状況です。裁判所は民事再生を認め ますよ。 まぁ国家には民事再生は適用できないので、長 期的な債務コントロールしか方法がないわけで すが。

shavetail1さん 消費税増税派には「経済対策が必要な増税」の 意味を聞いてみたいですね。検討中らしい低所 得に1万ばらまくなんてしないで、いっそ増税 の経済対策として消費税減税をすればいいんじ ゃないんですかね?

shavetail1shavetail1 2013/09/20 12:25 tさま
>増税 の経済対策として消費税減税をすれば
まさに仰る通りです。
デフレで増税だけでも筋悪なのに、ビルトインスタビライザー機能のある法人税を減税し、その機能がない消費税を増税するのは狂気の沙汰ですね。
従って、安倍さんに経済学的な能力があるのなら、5%の消費税を期間限定で△5%などとすれば、デフレなんか数ヶ月で脱却でき、大幅税収増も同時に達成できると思いますよ。
ただ、経済ブレインが余りに層が薄いので、それは画餅でしょうね。せめて5%維持でお願いしたいところです。

名無しの投資家名無しの投資家 2013/09/22 00:57 tさま

残念ながら、的外れではございません。

>債務を負っているのは政府であり、債権を所持 しているのは民間です。保有している主体は同 じではありません。

確かに違いますが・・・。

>政府の債務と民間の債権を同一主体のものと見 なして相殺を認めることは、共産主義国家か、 ギリシャのように債務交換という名の実質デフ ォルトをしない限りありえません。

論点がずれています。おまけにマクロ経済モデルを全く理解していません。0点です。債務の裏には必ず債権があり、債権の裏には必ず債務があるのです。

いいですか?政府の債務は結局国民が返済しかないのです。同様に企業の債務もです。問題は、その返済先なのです。相手が同じ国民ならその国の中でお金が循環しているだけ(今の日本)ですが、相手が外国(特に外貨建ての場合)の場合は、国外へお金が出て行くことになります。(ギリシャ)

ここに一つ、経済学の重要な原則があります。
「組織は費用を1円たりとも負担できない。」
例えトヨタ自動車であろうとも、イオンであろうとも、日本政府であっても、組織は費用を1円も負担できないのです。費用を最終的に負担できるのは「自然人」、つまり生きている人だけなのです。

加納加納 2013/09/22 16:16 あー、一部「嘘」が間違っているので、その「嘘」間違い部分だけは
反論しておくかな。

以下のように明らかに「嘘」なのは2だけで、他は本当のことです。

1.国民一人当たり800万円の借金 ->「本当」
2.若い人たちのための消費税 ->「嘘」(書いてあるとおり)
3.しっかりと社会保証財源をして使うから景気中立 ->半分「本当」
4.日本の財政状況は世界最悪 ->「本当」
5.日本には財政破綻が近づいている ->半分「本当」
6.財政は黒字だと健全だ ->(意味内容が)「本当」

以下で詳細を説明しておきましょう。

1.国民一人当たり800万円の借金 ->「本当」

記事を書いた人は「政府」と「国民」をすこしでも同一視できる幸せな人なようです。
が、「政府」と「国民」は全く違う主体です。

「政府」が持っている債務は、まず間違いなく「政府」が「国民」に取り立てに
行くに決まってます。

なので、むしろ非常に正しい言い方です。

>、「どうする政府、国民一人あたり800万円の返済を。」

それらのほうが不正確ですね。政府が債務自体を返す方法を国民が決めることが
出来ると幻想を抱いているなら別なのでしょうが。

わたしは、そのような幻想を抱けないタイプですので。

そして、なくなった債務は、まず間違いなく、「政府」が「政府」のために
使うでしょう。
国民に帰ってくることなど、あったためしもありません。

つい先日(苦笑)太平洋戦争後に、政府が預金封鎖をして、国債を紙切れにしたことを
知らないのでしょうな。。。

「普通の」「国民」はそれでずいぶんと貧乏になりました。

なんせ債務の「約束」主体がすべてをひっくり返すのですから、債権者(国債を持っているのは主に「国民」ですが)に返す必要などありはしません。

なので「国民一人当たり800万円の借金」というほうが正確です。

3.しっかりと社会保証財源をして使うから景気中立 ->半分「本当」

>分かりやすく考えるため、ここではある貧乏な日本国民Aさんを考えてみましょう。
>シナリオ1:増税なしの場合 
>Aさんは 今までどおりの納税に対し、今までどおりの社会保障給付を受けます。

「シナリオ1」は、そのかわり社会保障自身が崩壊する可能性が「シナリオ2」
より高くなります。これからの社会保障システムの問題なので、
なんともいえませんが、社会保障財源として 使えないからと言って、
景気中立が「嘘」だと言える根拠にはなっていません。

社会保障自身が崩壊した場合の影響は、なかなかのものです。

いまの老人がしている預金は、実際には、「社会保障」といえます。
うちの親もそうですが、医者にかかったときのことを考えて積み立てています
(もういい年なんだが。。。)

なので消費税を上げて、社会保障を充実するならば、老人が今まで以上に
預金を積み上げることもなく消費に向かう可能性もあるとは、いえるでしょう。

ただ、税が景気中立といえるのは、ちゃんと再分配を行ってからいう台詞なので
景気中立というのは半分嘘なのは確かです。

4.日本の財政状況は世界最悪 ->本当

こっちは、ばかばかしい言説です。少なくとも、日本(政府)の財政状況(自体)
はほぼ終了ですね。

理由は、「政府」の「国債」と「日本にいる主体(銀行等)」が持つ、国外の
「債権」(対外純資産)は「意味」がまるで違うからです。対外純資産を
考慮に入れる意味などありません。

「政府」の消費税(==「国債」)の話なのですから、「日本にいる
主体(銀行等)」をすべて計算した対外純資産と、比較する意味はありません。

この対外純資産の対象は、要するに日本国内から購入した「外債」、「トルコ・リラ建て債券」のようなものの購入額を足したものです。

それと日本国政府の「国債」と何の関係もありません。

それとも、日本国政府は、それらの「外債」も収奪できるという話ですか?

しかも、対外純資産が重要なのは、国内投資と対外純資産の「バランス」
自体の量です。

日本が対外純資産が多いのは、単純に日本国への投資が少ないというだけに
過ぎません。しかも日本国への投資量が少ないということは日本国の魅力が
それだけ少ないということに他ならないですね。

対外純資産が多いことはむしろ良いこととはいえません。
大して良いことでもないのに「日本は世界最悪ではない」というのはおかしいと
思います。

5.日本には財政破綻が近づいている -> 半分「本当」

「近づいている」というのは、今のところ良く分からないところです。
なので「半分」本当だと記述しました。

すくなくとも、いまのような「ばら撒き」を続けることは間違っています。
いまのように、何も考えずに政府の金を(収入の当てもないのに)
使うのは間違っています。

最低限でも、プライマリバランスを保つことぐらいは目指すべきでしょう。

6.財政は黒字だと健全だ -> 半分「本当」

「財政の黒字」と健全であるかは、ほぼ無関係です。のでそういう意味では
「嘘」なのは間違っていません。

政府というものの主体を考えたときに、黒字にする意味がないのは
確かです。黒字化するのであれば、民間がやればいいからです。

ですが、普通で言われている「財政の健全化」とはプライマリバランスを保つことも
含まれているはずです。

なのでそういう意味では「本当」ではあります。なので「半分本当」です。

このまま収入の見込みなしに、支出することは間違っているのは政府も同じです。

shavetail1shavetail1 2013/09/22 23:28 加納さま

ご意見ありがとうございます。
ただ、日本は明治以来130年間政府債務を持ち、一度も完済することなく殆ど単調増加で現在に至っています。
その間勿論デフォルトは1回しかありません。その時には本土空襲により極端な供給不足でした(現代とは逆ですね)

政府債務は基本は借り換えで無限に先送りするものです。
これは大半の国でそうです。完済することは基本的にないですし、
借り換えが普通に出来る状況で、国民から銀行封鎖などの手段を取ってデフォルトさせることはあり得ません。

政府債務が増えっぱなしであることはこちらに、
http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20130921

内債のデフォルトは、内戦などの社会不安・インフレ・実質は外貨建ての三種しか知られていないことはこちらに書いています。

http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20121011

タンナルタンナル 2013/09/24 00:08 名無しの投資家さま
横から口出し失礼します。
トヨタ自動車もイオンも紙幣は刷れませんが、政府は刷れます。

名無しの投資家名無しの投資家 2013/09/25 23:40 タンナルさま

政府が紙幣を増刷したとしても結局はインフレ率の上昇という形で国民が負担するんです。たとえデフレであってもです。

「経済学的思考のすすめ」p100(岩田規久男)
「費用は個人が負担するものであって、会社や国といった組織は費用を負担する事はできない、という厳しい経済原理」

同上p103
「組織は費用や税金を負担することはできないのであり、費用も税金も自然人が負担するしかないのである。」

tt 2013/09/26 12:03 名無しの投資家さん

あなたの例示が間違っていることの反論になっ ていないのですが…

企業、個人、政府はそれぞれ独立した別の主体 です。債務の裏には債権があるなんて当たり前 のことです。ただし、ある債権の債務者と当該 債権の債権者が同じことはありえません。

例えばトヨタの社債の債務者はトヨタであり、 債権者は個人や企業です。トヨタは企業活動の 過程でその債務を返さなくてはなりません。

国債の債務者は政府です。債権者は個人や企業 です。政府は行政執行の過程でその債務を返さ なくてはなりません。

あなたの例示は、本来別である債務者と債権者 を同一視している点で0点どころかマイナスな のです。企業でいえば債務の踏み倒しであり、 政府でいえば個人資産の収奪(=私有財産の否 定)です。国債が外貨建てであろうが自国通貨 建てであろうが、債務者と債権者を同一のもと みなすことは間違いなのです。

※なお私は共産主義者ではないので、政府債務 の削減においては、「国家のバランスシート」 で見た家計資産で政府債務を一気に相殺!なん てことは考えておらず、年々のフローの中で主 に経済成長と政府支出削減によって債務/GDP をコントロールしていくべきと考えています。

名無しの投資家名無しの投資家 2013/09/27 20:27 tさま

>国債の債務者は政府です。債権者は個人や企業 です。政府は行政執行の過程でその債務を返さ なくてはなりません

では、どうやって政府は債務を返済するのですか?その返済資金はどこから調達するのでしょうか?

>あなたの例示は、本来別である債務者と債権者 を同一視している点で0点どころかマイナスな のです。企業でいえば債務の踏み倒しであり、 政府でいえば個人資産の収奪(=私有財産の否 定)です。国債が外貨建てであろうが自国通貨 建てであろうが、債務者と債権者を同一のもと みなすことは間違いなのです。

お話になりません。もう一度「マクロ経済」と「経済原理」を良く勉強しましょう。

(ヒントは既に申しています。)

名無しの投資家名無しの投資家 2013/09/27 20:31 念のため、申し上げておきますが、私は「日本経済」をモデル化しているのであって、経済主体間の債権や債務を同一視していませんよ。ちょっと考えれば直ぐに分かる事です。ですが、これが理解出来ない人が実に多い。

ますは、マクロ経済について勉強しましょう。話はそれからです。
(ヒント、国富)

tt 2013/09/30 12:02 名無しの投資家さん

国債の返済原資は民間のフローへの課税でしょ う。

フローへの課税(所得税・消費税等)では、過 度な税率(ストックのとり崩しが起きるような )でない限り、ストック(資産)は毀損しませ ん。

歳出削減と経済成長と適正税率の組み合わせに よって、中長期的に国家債務を削減する場合に 、民間の資産は減りません。

今ある国家債務を一気に削減するために、スー パー高税率(10%超えの一律消費税とか)にし たり、民間資産を収奪したり、高インフレによ るインフレ課税を継続したりすれば、民間資産 は減少しますが、こんな極端な例を仮定して話 をしていません(前回投稿でもこのような例は 否定しています)。

フローとストックの関係を理解してから、反論 があるなら具体的にお願いします。

国民A国民A 2013/09/30 21:34 よくわからないことが一つ。
僕らは日本人で日本は僕らの国ですよね?日本に尽くして、日本に守られて生活している訳だと思うんですが。
日本の借金なのだから単純に僕らの借金なのでは?日本の金は僕らからストックされているんだから、結局僕らの借金だと言うことにはならないんでしょうか。

shavetail1shavetail1 2013/09/30 21:53 国民Aさま
>結局僕らの借金?

善意からの疑問をお持ちですね。
ただ、自分が800万円誰かから借金をした、という記憶はないでしょう。なぜならば、我々国民が作った借金ではないからです。

マクロ経済では、経済主体を大きく、家計・企業・一般政府・金融機関・海外と分けていて、1000兆円の借金をしているのは一般政府です。 
ただ、政府には徴税権があるので、1000兆円、国民が肩代わりしろ、と言えばそう言える面はあります。

しかし、現代日本の政府債務膨張は異常か
http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20130921
でも書いたように、政府債務というものは、基本的には単調に増えるものなんですね。 個人債務とは異なり、返す必要がないというか、返すと経済が危なくなる政府債務を、敢えて返そうとすることはないのです。

名無しの投資家名無しの投資家 2013/09/30 23:14 さま

>国債の返済原資は民間のフローへの課税でしょう。

つまり、民間が負担するわけですね。債権者である民間が。

>フローへの課税(所得税・消費税等)では、過 度な税率(ストックのとり崩しが起きるような )でない限り、ストック(資産)は毀損しませ ん。

債務削減を行わなければ当然ですが、債務は減らず、債務と対になっている資産も減りませんね。

>歳出削減と経済成長と適正税率の組み合わせに よって、中長期的に国家債務を削減する場合に 、民間の資産は減りません。

「債務の裏には債権があるなんて当たり前 のことです。」貴方の言葉ですが、矛盾していますね。債務を削減しているのに資産は減らないのですか?

>今ある国家債務を一気に削減するために、スー パー高税率(10%超えの一律消費税とか)にし たり、民間資産を収奪したり、高インフレによ るインフレ課税を継続したりすれば、民間資産 は減少しますが、こんな極端な例を仮定して話 をしていません(前回投稿でもこのような例は 否定しています)。

藁人形叩きですか。それにしても「収奪」に拘られますね?なぜそんなに「収奪」に拘るのですか?
債務を返済すれば対になっている債権(資産)は消滅するのですよ。

>フローとストックの関係を理解してから、反論 があるなら具体的にお願いします。

よく経済を勉強されてから反論をしてください。


shavetail1さま

残念ながら、
「1.国民一人当たり800万円の借金」
というのは事実です。ここまでの議論で示したとおり、政府は1円も負担できないので、政府の債務を負担するのは国民でしかないのです。

その一方で、「国民一人当たり800万円の債権」を持っていると言うことも事実です。

「日本経済」における国内の債務・債権はお互いに相殺しあうのです。<<ここ重要。
国富とは
「貸借対照表では、金融資産については、国内居住者の金融資産(借方)は同時に他の国内居住者の負債(貸方)となる。
したがって、国全体としてみればすべて相殺されて国富には計上されない(つまり、国内居住者の金融資産は国富には含まれないことになる)。」
http://kanjokamoku.k-solution.info/2011/11/_1_1250.htmlより引用。

実際の金額
非金融資産 2730.3兆円
金融資産   265.4兆円=対外純資産
合計     2995.7兆円
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kakuhou/files/h23/sankou/pdf/point20130118.pdf
となるわけです。きっちり国内の資産・債務は相殺されていますね。

注意)対外純資産を増やせば国は豊かになれるのでしょうか?答えはNOです。詳しくは重商主義で検索。

shavetail1shavetail1 2013/10/01 05:37 名無しの投資家さま
>政府は1円も負担できないので、政府の債務を負担するのは国民でしかない

そうでもないでしょう。なぜならば、借換債はかなりの程度で日銀の直接引受けで賄われているでしょう。 これは財源は通貨発行益です。 本来借換債といえども民間に利子を支払う必要がありますが、日銀が引き受けることで政府に「国庫納付金」という形で数千億円の支払いが生じています。これが通貨発行益の一形態です。

また、これほど政府の負担が増えている直接の原因はデフレで、自然人ではない、いわゆる法人からの税収が減っているからで、デフレを脱却して、実質金利を下げて投資機会を増やせばここからの税収も当然見込めますし。

tt 2013/10/01 11:49 名無しの投資家さん

わざと誤解しているようにしか思えませんが。

債務の裏に債権があり、債務者の裏には債権者 がいます。そして両者は同一ではありません。

繰り返しになりますが、民間のフローへの課税 で政府債務を削減する場合には、民間の資産は 減少しません。

具体的に言えば、所得税や法人税等(揮発油税 等の物品税も)と歳出削減によって、PBの改善 による政府債務の削減を行った場合、政府のBS 上の負債の部にある国債が減少し、民間(家計 ・企業)のBS上の資産の部にある国債が現金に 変換されるだけです。

民間の新規資産の形成は、利潤や所得を源泉と して行われます。過度の重税(預貯金の取り崩 しや資産売却等が発生するレベルの)にならな い限り、所得税や法人税で新規の資産形成のペ ースが緩やかになる効果があっても、既存資産 は毀損しません。

・国債を△円分償還した場合、政府のBS上の負 債の部にある国債が△円分減少し、民間(家計 ・企業)のBS上の資産の部にある国債が△円分 だけ現金に変換される。

・所得税や法人税等のフローの課税は、重税に ならない限りストックにおける既存の資産を毀 損しない。

以上の2点が理解できないならば、これ以上の 返信は必要ありません。

ちなみに、国民にかかる税金は、有形無形の行 政サービスの対価として徴収されるものです。 国債は、行政サービスの先取りの結果であるの で、税金で国債の償還を行うことは、国債の債 務者と債権者が同じことを意味しません。

名無しの投資家名無しの投資家 2013/10/02 20:50 tさま

>債務の裏に債権があり、債務者の裏には債権者 がいます。そして両者は同一ではありません。
>繰り返しになりますが、民間のフローへの課税 で政府債務を削減する場合には、民間の資産は 減少しません。

矛盾しているんですが。債務を削減するのに債権(資産)は減らないのですね。

>・国債を△円分償還した場合、政府のBS上の負 債の部にある国債が△円分減少し、民間(家計 ・企業)のBS上の資産の部にある国債が△円分 だけ現金に変換される。

政府が国債を発行し、支出しました。
民間              政府     
資産      資本     資産   資本
現金1万円   0円     0円   国債1万円
国債1万円

この状態で民間に1円課税すると、
民間               政府  
資産        資本    資産       資本     
現金 9999円  0円    現金  1円   国債1万円
国債  1万円

1円分、国債を償還すると、
民間                政府  
資産         資本    資産    資本     
現金 1万円     0円    0円    国債9999円
国債 9999円

となり、民間の資産が1円減少します。「債務の裏に債権があり、債務者の裏には債権者 がいます。」
という貴方の言葉の通りです。貴方は自己矛盾しているんですよ。

>・所得税や法人税等のフローの課税は、重税に ならない限りストックにおける既存の資産を毀 損しない。

全くもって意味不明です。貴方の誤った思い込みに過ぎません。何の経済学的根拠もありません。もしあればばここに示してください。

私は、国富の概念に基づいてお話をしています。国富は政府の正式な統計です。つまり、貴方は政府統計に対し間違っていると言っているわけです。だから、一度、内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部に問い合わせてください。


shavetail1 さま

>そうでもないでしょう。なぜならば、借換債はかなりの程度で日銀の直接引受けで賄われているでしょう。

借り換えでは無く、「償還」のお話ですので、日銀は関係ないのです。

政府が日銀直接引き受けで1万円発行し、支出したとします。
民間              政府             日銀
資産      資本     資産  資本        資産        資本
現金1万円  0円      0円  国債1万円    国債1万円    現金1万円

政府が1万円課税します。
民間            政府             日銀
資産    資本     資産  資本        資産        資本
現金0円  0円     1万円  国債1万円   国債1万円    現金1万円

政府が1万円国債を償還します。
民間            政府            日銀
資産    資本     資産  資本       資産      資本
現金0円  0円     0円   0万円     現金1万円   現金1万円

>また、これほど政府の負担が増えている直接の原因はデフレで、自然人ではない、いわゆる法人からの税収が減っているからで、

法人も税を負担できないのです。結局は商品価格に転嫁するか、人件費を削減するしかないのです。そしてそのどちらも自然人が負担するしかないのです。因みに所得税も大きく減少していますね。

因みにshavetail1 さまも矛盾されていることにお気づきですか?もし、政府債務が国民の負担で無いなら、さっさと全額償還してしまえば良いのです。なぜ、そうしないか?それは政府債務の償還には国民の負担が必要だからです。
(もし、納得できないのであれば、岩田規久男日銀副総裁におたずね下さい。副総裁の著書に基づきお話しています。)

だから、「早急な財政再建」に反対するのです。

shavetail1shavetail1 2013/10/02 21:37 名無しの投資家さま
>「もし、政府債務が国民の負担で無いなら、さっさと全額償還してしまえば良いのです。

政府債務は個人債務とはまったく性質を異にしています。
その性質については以下のブログ記事に書きました。

・国の債務は返済の必要がないという本質
・「いかにして政府債務を減らすか」という問いが間違い

政府債務は普通は返してはいけないものですよ。
なぜなら、企業や海外の債務とともに、家計の資産の裏付けになっているんですから。

名無しの投資家名無しの投資家 2013/10/02 21:51 shavetail1 さま

>政府債務は普通は返してはいけないものですよ。
なぜなら、企業や海外の債務とともに、家計の資産の裏付けになっているんですから。

そういうお話を私もしているんですが・・・・・。
政府債務の削減は国民の負担(=家計の資産の減少)になるから、永遠に繰り越せば良い、と言う事です。

shavetail1shavetail1 2013/10/02 22:09 どこか上の方でしたっけ、

>ここに一つ、経済学の重要な原則があります。
「組織は費用を1円たりとも負担できない。」
例えトヨタ自動車であろうとも、イオンであろうとも、日本政府であっても、組織は費用を1円も負担できないのです。費用を最終的に負担できるのは「自然人」、つまり生きている人だけなのです。

ここがどうなんでしょう。国家は永続可能で、負債も持続可能ですよね。

自然人しか費用を最終負担できない、という御説と
>政府債務が国民の負担で無いなら、さっさと全額償還してしまえば良いのです。

という御説をつなげれば、(自然人しか債務返済できないという主張は横に置いておいて、)残る主張は「政府債務は返済すべき」になってしまうのでは? 違いますかね。

名無しの投資家名無しの投資家 2013/10/02 22:23 >ここがどうなんでしょう。国家は永続可能で、負債も持続可能ですよね。

その通りです。

>自然人しか費用を最終負担できない、という御説と
>>政府債務が国民の負担で無いなら、さっさと全額償還してしまえば良いのです。
>という御説をつなげれば、残る主張は「政府債務は返済すべき」になってしまうのでは? 違いますかね。

違います。なぜなら「政府債務が国民の負担で無いなら、」と言う条件が有るからです。裏を返せば、

・政府債務が国民の負担であるから、全額を償還してはいけない

と言うことになる訳です。

その根拠が、「自然人しか債務返済できないという経済学の原理」なのです。

今更ですが、いつもコメント欄をお貸し頂きましてありがとうございます。長いからいい加減やめれ!と思いでした、いつでもその旨、ご指摘下さいませ。以後、その記事に対しては発言致しません。

shavetail1shavetail1 2013/10/03 05:27 名無しの投資家 さま

いつも投稿いただきありがとうございます。
そういう考え方もあるかも、という気がしてきましたw
もう一度コメントを通読してみます。

tt 2013/10/15 11:39 名無しの投資家さん

勝手に人の意見を改変しないように。

私は、国債を返済すると、民間の持つ「債権」 が無くならないとは私の投稿において一言も言 っていません。民間の持つ「資産」が無くなら ないと言っているのです。

個人が資産として現金を1万円、国債を1万円を 所有していたとします。国が国債を返済した場 合、個人の所有する国債が償還されます。この 時点で、債権として所有していた国債は消滅し ますが、個人の資産は現金が2万円、国債が0 になっただけで、資産の額の増減は起きていま せん。

課税の話でも、私が言っているのはフローへの 課税(所得税・消費税等)の話です。

どうしていきなりストックである民間のBS上 の資産にある現金が減少するのですか?それは 課税ではなく私有資産の接収ですよ。

ストックとフローの違いをもう一度よく勉強し ましょう。

shavetail1様

一ヶ月も前の記事に投稿して申し訳ありません 。以後、過去記事への投稿は慎みます。

名無しの投資家名無しの投資家 2013/10/15 19:00 tさま

>は、国債を返済すると、民間の持つ「債権」 が無くならないとは私の投稿において一言も言 っていません。民間の持つ「資産」が無くなら ないと言っているのです。

債権は資産ではないのですか?一体どういうルールですか?

>個人が資産として現金を1万円、国債を1万円を 所有していたとします。国が国債を返済した場 合、個人の所有する国債が償還されます。この 時点で、債権として所有していた国債は消滅し ますが、個人の資産は現金が2万円、国債が0 になっただけで、資産の額の増減は起きていま せん。

>どうしていきなりストックである民間のBS上 の資産にある現金が減少するのですか?それは 課税ではなく私有資産の接収ですよ。

一度、手元でバランスシートを書いて考えてください。

国が国債を返済する場合、民間の資金を吸収します。フローの中であっても現金は常に誰かの所有物です。誰の物のでもない資産・現金が存在しますか?(落し物などは除きます。)貴方が現金を使用して物を買った場合、その瞬間に現金は販売者の所有物に変わります。給料も会社から貴方に支払われた瞬間に貴方の現金と、源泉徴収された政府等の現金に変わります。だから、たとえフローへの課税であっても民間の現金が減るんですよ。

>ストックとフローの違いをもう一度よく勉強し ましょう。

貴方の話を身近な会計の理解できる人に聞いてみて下さい。

政府が国債を発行し、支出しました。←これがフローです。
民間              政府     
資産      資本     資産   資本
現金1万円   0円     0円   国債1万円
国債1万円

この状態で民間に1円課税すると、←これがフローです。
民間               政府  
資産        資本    資産       資本     
現金 9999円  0円    現金  1円   国債1万円
国債  1万円

1円分、国債を償還すると、←これがフローです。
民間                政府  
資産         資本    資産    資本     
現金 1万円     0円    0円    国債9999円
国債 9999円

貴方のたとえでは、現金1万円の出所が不明です。国は誰の現金に課税して国債を返済したのですか?

名無しの投資家名無しの投資家 2013/10/15 19:39 tさま

一応、付け加えておきます。

貴方は現金1万円と国債1万円を持っているとします。
貴方はお店で本体100円、消費税5円の物を買いました。
貴方の現金は幾らですか?
9895円ですね。
政府はその消費税5円で貴方の持っている国債を返済しました。
貴方の国債は幾らですか?
9995円ですね。
貴方の現金は幾らですか?
9895円+5円=9900円ですね。
貴方の資産は現金9900円、国債9995円になりました。合計19,895円ですね。
貴方に物を売った人の現金100円と合わせると19995円です。5円減りました。

貴方の理屈であれあ、貴方は消費税を払わずに100円で税込み105円の物を買う必要がありますが、買う事ができると思いますか?
(厳密には日本国内全ての人が同じ事をする必要があります。)

まずは、貴方が経済活動を正しく理解しましょう。

tt 2013/10/16 12:00 名無しの投資家さん

本気書いていますか?

あなたは債権を保有したことがないのですか? 資産として保有していた債券が償還されれば、 額面金額が支払われます。 債権の償還によって起きるのは、投資家の資産 の内容の変化であって、資産の減少ではありま せん。

ストックをフローの違いがわかっていないよう なのでもう一度丁寧に書きます。

所得Xの個人Aの場合。可処分所得はX、限界消 費性向bとする。

t期末の個人Aの資産(ストック)

現金1万円 国債1万円

t+1期のフロー 個人AはXbを消費し、X(1−b)を貯蓄に回 す。貯蓄はすべて現金保有とする。 ※同期間に、以前の投稿に書いたような債務削 減を実行し、国債を償還。

t+1期末の個人Aの資産(ストック)

現金2万円+X(1−b) 国債0万円

※消費税の支払いは、Xbに含まれています。

毎期の消費も貯蓄も、その期間所得に
よって賄 うのです(大型消費はその限りではないことも ありますが)。日々の消費活動を資産の取り崩 しで行いません。
そして毎期の貯蓄の積み重ね が資産になるのです。

以前の投稿で書いたように、フローへの課税は 、極度の重税にならない限り(可処分所得によ って期間中の消費を賄えないほどの重税)、資 産形成のペースを低下させることはあっても、 既存資産を毀損しません。

普通に働いて所得を得ている人なら、当然理解 していることだと思いますが。

名無しの投資家名無しの投資家 2013/10/16 20:11 tさま

マクロとミクロの混同ですね。一個人の話をしている訳ではないんですが。貴方があくまで一個人の話をされているならば、ここでやめましょう。そうでないならば、とりあえず以前の質問にお答え下さい。

「債権は資産ではないのですか?一体どういうルールですか?」

>ストックをフローの違いがわかっていないよう なのでもう一度丁寧に書きます。

フローはもともと誰かのストックですね。フローへ課税すると、Aさんのストックからフロー>フローからBさんのストック
になって両者を合わせた資産は必ず減るんですが。単純な算数の問題です。

>現金1万円 国債1万円
t+1期のフロー 個人AはXbを消費し、X(1−b)を貯蓄に回 す。貯蓄はすべて現金保有とする。 ※同期間に、以前の投稿に書いたような債務削 減を実行し、国債を償還。
t+1期末の個人Aの資産(ストック)
現金2万円+X(1−b) 国債0万円
※消費税の支払いは、Xbに含まれています。

細かい指摘(可処分所得は税引き後でしょ)は置いておいて、可処分所得10万、消費性向60%として、その式に代入しましょうか。

現金2万円+10万(1−0.6)=現金2万+現金4万 国債0円(国債を1万円償還)

確かに個人Aのもともとの資産は減りませんね。ところが、この式には重大な欠陥があって、
個人Aの収入源と個人Aの支出先が入っていないのですね。ここで、会社B(個人Aの雇用主) 商店C(個人Aの支出先)に登場してもらいましょう。

t期
会社B:現金100万
個人A:現金1万、国債1万
商店C:現金0
合計:102万

t+1期
会社B:現金100万ー10万=現金90万
個人A:現金2万円+10万(1−0.6)=現金2万+現金4万 国債0円(国債を1万円償還)
商店C:現金0+(6−課税1万)=現金5万
合計 :101万
※会社Bからの支払いに源泉徴収を入れても結果は同じです。

と国債を償還した額だけ、民間全体の資産は減るのです。どこかに間違いがありますか?債権=債務であるのですから、債務を削減した額だけ債権=資産が減るのは当たり前です。現金は常に誰かの持ち物です。その現金に課税するのですから、民間の現金=資産が減少するのは当たり前です。

tt 2013/10/18 11:39 名無しの投資家さん

あなたの例では、民間が経済活動で一切利益を 生み出していないということになっています。

会社Bで個人Aさんは期間中に何らかの利益を生 み出していないのですか?それなのに雇用し、 現金(給与)を支払っているのですか? 会社が被雇用者に給与を支払う場合、基本的に 当期の利益から支払います。個人の消費活動と 同様に、会社の資産を切り売りして報酬を払う ことなどしません。

t期末(ストック) 会社B現金100万 雇用者A現金1万、国債1万 商店C現金0万

t+1期のフロー(Y>10万、消費税のみ、法 人税及び所得税省略) 会社BはYの利益(粗利) 雇用者Aは10万の所得及び6万の支出、4万の貯 蓄 商店Cは6万の収入、1万の課税 (税収1万円を用いて同額を国債償還)

t+1期末(ストック) 会社Bは現金100万+(Yー10万) 雇用者Aは現金2万+4万、国債0万 商店Cは現金5万

民間ストックの合計は t期末102万 t+1期末100万+(Y-10万)+6万+5万

でストックはY-1万増加。

要するにt+1期の民間の経済活動で生まれた 利益(Y)から課税額(1万)を引いた分だけ、 期末のストックが増加したということ。 フローへの課税が既存ストックを毀損せず、ス トックの増加のペースを低下させるというのは 、こういう意味。

名無しの投資家名無しの投資家 2013/10/18 20:00 tさま

まだ、答えて頂けてないようですが、
>私は、国債を返済すると、民間の持つ「債権」 が無くならないとは私の投稿において一言も言 っていません。民間の持つ「資産」が無くなら ないと言っているのです。

「債権は資産ではないのですか?一体どういうルールですか?」

>あなたの例では、民間が経済活動で一切利益を 生み出していないということになっています。

今お話している話題に関係ないからです。民間経済と政府との関係なので、民間経済内のフローは相殺されて無くなるのです。
(誰かの収入は誰かの支出であるため。)

>t+1期のフロー(Y>10万、消費税のみ、法 人税及び所得税省略)

そのYはどこから出てくるのですか?誰の支出ですか?こういう事を幾ら繰り返しても答えは出てきません。だからそういう無意味な思考をマクロ経済的思考では省略するのです。
(実際には、商店Cなり個人Bなり政府が個人Aから借金をして会社Bの財・サービスを購入するしか方法は無いのです。)

お金が未知の空間より湧き出てて来る、というなら話は別ですが。ただし、そういう思考をお持ち方とは、これ以上お話ししても無意味かと思います。

tt 2013/10/24 11:34 名無しの投資家さん

>債権は資産では~

前々回の投稿を読んでください。

債権は資産。現金も資産。所有債権の償還は、 債権が現金に変化するだけなので、資産の内容 が債権から現金に変わるのみ。

資産を債権で所有している者の資産総額は、債 権の償還が起きても変化しません(取得価格と の差、クーポン等は無視)。

あなたも質問に答えましょう。利益を生み出し ていない個人に、なぜ給与を支払うのか?賃金 の源泉が労働であることは、経済学の基本です 。会社が自社の資産から、利益を生まない個人 に金を支払うような社会であれば、数年で全て の企業は倒産ですよ。

誰かの収入が誰かの所得であることと、社会が 全体としてフローにおいて利益を生み出すこと は関係ありません。

>民間経済内のフローは相殺されて無くなる~ マクロ経済的思考では無視する。

利潤最大化の1階条件等よく勉強しましょう。

名無しの投資家さんは、GDPがなんであるのか 、付加価値の源泉は何かご存じですか?

名無しの投資家名無しの投資家 2013/10/24 16:36 tさま

>資産を債権で所有している者の資産総額は、債 権の償還が起きても変化しません(取得価格と の差、クーポン等は無視)。

一家計、一企業としてはその通りです。しかし、マクロ経済ではそうではありません。貴方はミクロ経済とマクロ経済の区別が出来ないようです。

>あなたも質問に答えましょう。利益を生み出し ていない個人に、なぜ給与を支払うのか?賃金 の源泉が労働であることは、経済学の基本です 。会社が自社の資産から、利益を生まない個人 に金を支払うような社会であれば、数年で全て の企業は倒産ですよ。

だから、誰かが債務を負う必要があるのです。誰かが貯蓄する限り、(貯蓄とは消費に使用されなかったもの全てですから、マクロ経済では債務返済も貯蓄の一種です。)誰かがその貯蓄を借りて投資(消費)する必要があるのです。そうすれば企業が利益を出せるのです。あと、基本的にマクロ経済では一企業の利益など考慮しません。因みに先の私のモデルで企業が黒字を出そうとすると今度は家計が窮乏するだけでマクロ的には同じ事です。

貴方の仰っておられる事はミクロ経済の話であり、話題のすり替えです。

>利潤最大化の1階条件等よく勉強しましょう。

だから、それはミクロ経済の考え方であって、今の話題とは関係ないのです。

>名無しの投資家さんは、GDPがなんであるのか 、付加価値の源泉は何かご存じですか?

tさまはご存知ですか?まさか、企業の純利益だけ、などと仰らないとは思いますが。企業の営業利益が赤字でも、その企業が生み出すマクロ経済で言う付加価値は存在しているんですよ。分かりますか?

これ以上ミクロ経済のみの話をされるようであれば、もうやめましょう。私はマクロ経済の話をしているので、話が噛み合いません。

2013-09-18 日本では本当は自殺は増えていないというウソ このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

昨日1997年消費税増税以降自殺者が増えた、と書いたところ、「年齢構造をOECDにならって標準化すれば自殺率は増えていない」というご指摘を受けました。

具体的には図表1、2のようになっています。

日本の自殺者数は1997年を境に増えたが、標準化自殺率では以前に戻っただけに見える
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日本の自殺者数推移(図1)と年齢構造を標準化した自殺率(図2)
出所:社会実情データ図録
同じ図は、富高辰一郎氏著の「うつ病の常識はほんとうか」(2011、日本評論社p29)にも記載がある。

この図はある意味で興味深い考察ですね。ただ、1996年までバブル景気だったかどうかには異論がありそうですが。

図表3は内閣府が発表している原因別自殺者数です。

1997年以降各原因での自殺者が増えた
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図表3 原因別自殺者数推移
出所:内閣府警察庁資料を元に作成した資料から筆者作成。
縦線は1997年

原因別自殺者数推移を見れば、1991年頃のバブル崩壊自殺者が増えた、というよりもやはり1997年の出来事、消費税増税が原因となっている可能性が高いと考えられます。

増加が著しい経済生活問題は因果関係が分かりやすいですし、家庭問題・勤務問題も同様でしょう。
「健康問題」とされている部分にしても、警察庁の「平成 21年中における自殺の概要」によれば、健康問題とする自殺者の4割以上にはうつ病があったことから、健康問題として自殺した人たちの背景にも経済問題があったことが推定されます。(うつ病は1999年ころから急増)


ではなぜ、標準化自殺率では、単に元に戻っただけのように見えるのでしょうか。

これは推測になりますが、日本では少子高齢化と世帯当たり人員数減少が続いています。
そうなると、世帯の家計や企業業績の責任を担う人の比率は、子どもがたくさんいた高度成長期の日本や、現在のインドなどに比べて現代の方が当然高いでしょう。 こうした、責任ある世代層が増えた、という人口構成自身が日本での1997年以降の自殺多発の背景となっているのに、これを「標準化」してしまえば、当然自殺率は圧縮されてしまって、自殺多発の現実(図表1,3)は覆い隠されてしまいます。

色々なデータで水平比較する場合に標準化は多用される手法ですので、それ自身は否定すべきものではありませんが、だからといって、1997年以降の日本で自殺は大きな社会問題ではない、と考えるのは間違いでしょう。

【追記2013.09.20】
意外に、消費税自殺増加が無関係という方がいらっしゃるようなので、もう一段詳細な分析をしました。
図表4は図表3で用いた自殺率の年変化率のグラフです。

f:id:shavetail1:20130920163152j:image:w480
図表4 バブル崩壊後の原因別自殺率の変化率
出所:図表3データより筆者作成

素直に見れば、橋本増税後の消費税の最初の支払が必要になった年(1998年)に自殺が急増しているのが分かるでしょう。

1998年に経済問題による自殺で前年比7割増もの人の命が奪われました。また、勤務問題、家庭問題、学校問題、更には健康問題での自殺も、1998年に大幅に増加しました。
経済問題以外の自殺も、少し考えれば1998年から急に発生した経済問題につながっていると思いますがいかがでしょうか。

qwerty86qwerty86 2013/09/19 02:45 後半の論旨がよく分からない。
自殺率標準化の根拠は「年齢によってそもそも自殺率は違うので、年齢構造の変化を差っ引こう」ってことでしょう。
例えば、責任ある年齢層ってのがあり、その年齢だと自殺率が高いとして、そういう年齢の人が増加したので自殺率が増えたとしたら、その効果を打ち消すために標準化してるんです。
自殺率の増加っていうのは、例えばその「責任ある世代層」について、同じ年齢なのにそう責任が増した、経済悪化で負担が増した、だから自殺率が「同年齢で」増えた、という話でしょう。それはないというのが標準化自殺率を見た上での結論になる。

qwerty86qwerty86 2013/09/19 03:03 あと、「バブル崩壊は自殺増の主要な原因ではない」もちょっと気になります。
バブル崩壊による自殺増って、例えば借金の問題なわけで、次の年から増えなかったから要因ではない、ってのは違うと思う。
例えば債権回収で追い込まれて社長が自殺なんて聞く話だけど
バブルの不良債権回収が活発になったのって1997以降の話でしょう。(例えば「債権管理回収業に関する特別措置法」は1998/10/12 に制定)
経済自殺って、借金回収を苦に自殺ってのが主なんじゃないですかね。家計が苦しくなったからっていきなり死ぬ人少ないでしょ。カード枠使い果たしてサラ金に手を出し、その後追い詰められ…ってパターンが主かと。
だから何を原因だとするにせよ、原因と自殺者増のタイムラグを考えないと妙な結論にたどりついてしまうのでは。

shavetail1shavetail1 2013/09/19 05:37 qwerty86 さま
端的に言えば、「標準化したら日本もインドも人口構成に差がなかった。だから日本では少子高齢化はない」といえば誰でもそれは変だと思うのでは。 元の社会実情データ図録はそうした主張だと思いますよ。 

>タイムラグ
ではqwerty86 さんは1998年以降自殺がなぜ急増したと思うのですか? 自殺には丁度7年のタイムラグがある、というということですか。

単にタイムラグというものがあるのであれば、自殺などの行動は片月で平準化して前年比はなだらかになりそうなものですが、なぜ1998年(消費税の支払が必要となった年)になって皆揃って死を選び始めるのでしょう。

tt 2013/09/19 11:38 少子高齢化は年齢構造そのものの問題なので、 国際比較にあたって年齢構造の標準化をする人 はいないと思います。する意味がないから。 自殺率については、国際比較の際に年齢構造が ノイズになるために標準化を行うのであって、 問題が根本的に違うでしょう。

qerty86さんの言ってることは、1997年の山一 や拓銀の破綻を契機に日本でもクレジットクラ ンチが起きたこともそうだし、1997年以降、大 型倒産が急増したことからある程度納得感はあ ると思います。(倒産企業の負債総額は平成8 年が訳8兆、平成9年が約14兆、平成10年が約13 .7兆) バブル崩壊直後以降は、何故か個人消費や住宅 投資も元気だったんですよね。経済統計的にも 1992年とかはさすがに落ち込みはしたものの、 わりとすぐに回復したりして。実際は、金融機 関が必死こいて損失を隠していたので表面化し なかっただけで、それが結果的にタイムラグに なり、傷を深くしたってことなんでしょう。

個人的には平成13年以降平成15年を山(史上最 悪)にして、経済生活問題を原因とする自殺だ けが急増した理由の方がどっちかというと気に なりますがね。そういや日本が初めてデフレ認 定したのは平成13年だっけ…

shavetail1shavetail1 2013/09/19 12:03 元々、時間的に垂直方向で日本国内の自殺率の増加の有無を問題にしているのに、国際比較という水平化のための標準化を持ちだしてだから日本の自殺は無問題、という主張が変と言っています。
時間的な流れでの比較が無意味と思うのならその主張は理解はしますが個人的にはそれが大して意味があるとも思いません。

tt 2013/09/19 12:31 年齢構造による標準化をすると、近年上昇した と言われる自殺率は、実は高度経済成長終了後 のレベルと相違はない。この事実を認めるなら ば、近年の自殺率が高レベルになっている要因 が、年齢構造の変化によるものであるという結 論になるかと思いますが、論旨と異なるのでは ないでしょうか?個人的には少子化の原因は非 正規の若者の増加によって結婚率が下がったこ とにあると考えているので、間接的に消費税の 影響を否定するものではありませんが。

タイムラグについては、何か反論等がおありで しょうか?消費税増税に反対するあまり、なん でもかんでも消費税に結びつけるのはよろしく ないと思います。

shavetail1shavetail1 2013/09/19 12:38 tさま
日本で、年齢構造を標準化した自殺率が長期的に低下している傾向はありますね。
その原因は今の私は把握しておりません。ただ、そうした長期的な話とは別に、1997年を境に標準化してもしなくても自殺が増加し、その理由が経済的な理由であることが問題だ、という主旨です。
仮に、1991年のバブル崩壊が原因?で1997年の死者急増があるとすれば、6年もの時間を経て、ある時から突然経済的理由で2倍も死なねばならない(図表3)、タイムラグを生じる合理的経路をお聞かせ願いたいところです。

tt 2013/09/19 13:44 最初の投稿で書いたと思います。 バブル崩壊直後こそ種々のデータは落ち込んだ ものの、1993年以降は回復し、企業倒産も安定 していたが、1997年の大型倒産(山一と拓銀) 以降のクレジットクランチが起きて悪化し、そ のせいで企業倒産も個人破産も増加した。(倒 産企業の負債総額は最初の投稿及び東京商工リ サーチ参照。個人破産については司法統計年報 参照)。その結果97年以降の自殺者が増加した ということ。 タイムラグは、金融機関の損失隠しが表面化す るまでのそれだけかかってこと。

qwerty86qwerty86 2013/09/19 15:17 shavetail1さん、まずどうも「年齢構造標準化」について理解されてないような気がするんですが。
「経済等の環境がまったく同じであっても、年齢が違うと自殺率はそもそも違うであろう」というのがまずある。これは仮説ですが大体の人が認めるところです。10才までに自殺する人間なんてそうそういない。
「ゆえに、少子高齢化社会では、環境の自殺に与える影響が変わっていなくても、自殺率が高くなっている可能性がある」これも仮説ですが、標準化によって検証可能です。
「経済的・社会的要因が自殺に与える影響を調べたいので、年齢構造変化分をないものとした自殺率をだそう」というのが標準化です。
それをやった結果、自殺率が増えていないのであれば、経済・社会の自殺に与える影響は変わらず、単に年齢構造の変化が原因であったという結論が出ます。長期トレンドでみればそういうことになってるというのが「自殺率は増えてない」という人の論拠でしょう。

そして、1997から1998あたりには標準化後も大きな変動が見えますが、その主要因はバブル後にできた債権の回収の本格化ではないかというのは妥当な考えだと思います。tさんも書かれていますが、大手銀行の破綻も1997ぐらいからでしょう。バブル崩壊が1991ごろっていうのは株価やら地価から算出した話だと思いますが、地価下がったから次の日自殺するって話でもないでしょう。経済自殺の原因は「破産」「倒産に伴う失業」がかなりの割合では?
個人的には前述の「債権管理回収業に関する特別措置法」(いわゆるサービサー法)ができてしまったおかげで、いわゆる「追い込み」が激しくなったのはかなり大きいと思っています。

まあ無論、消費増税などの財政緊縮もこのタイミングでやったおかげで景気の冷え込みにかなり貢献しちゃってますから、要因のひとつではあると思いますけど
主要因といわれると首を傾げざるを得ない。

shavetail1shavetail1 2013/09/20 16:39 お二人のために、図表4を追加しました。自殺者数の変化率です。
1997年に拓銀、山一證券が破綻したわけですが、その年にはまだ自殺急増はありません。そして消費税の支払を求められるのは翌1998年からです。お二人は1998年だけの自殺率急増をどう説明しますか?

我輩は下戸である。名前はまだない我輩は下戸である。名前はまだない 2013/09/20 16:53 shavetailさま。
下記の資料もご参考に。何かの役に立てて頂ければ。

平成24年度租税滞納状況について(出典:国税庁ホームページ)

http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2013/sozei_taino/index.htm

特に目に付くのが『滞納整理中のものの額の推移(消費税)』でしょうか。平成10年(98年)に急上昇している様が顕著に現れております。消費税増税で急増した滞納金の回収に追い込まれて、というストーリーの蓋然性が高い疑義が極めて濃厚ではあります。

shavetail1shavetail1 2013/09/20 16:59 タイムリーな情報、ありがとうございます。
近いうちに必ず使わせていただきます。

tt 2013/09/20 18:13 shavetail1さま お見苦しい投稿しまして申し 訳ありません。直前の投稿は削除していただき たいと思います。

1997年4月1日に村山内閣が実行した消費税の5 %への引き上げについては、企業が増税後の消 費税を納税するのは1998年の3月末ですが、そ もそも消費税は、利益に連動する法人税等と異 なり、預かり金的ものであるため、納税期に一 気に認識されるものではありません。むしろ増 税による需要減退や価格転嫁の阻害等があるた め、消費税増税の影響は個人・企業の区別無く 増税直後から発生します。

山一の廃業や拓銀の経営破綻は1997年の11月の イベントです。

shavetail1さんの引用しているデータは暦年( 1~12月)のデータですので、1997年11月の大 型倒産を引き金にクレジットクランチが深刻化 して、倒産・破産が増えた結果平成10年(1998 年1~12月)の自殺者数が増えたというのは どこもおかしくないと思いますが。

むしろ1997年4月に消費税増税が起きているの に、平成9年(1997年1~12月)の自殺者数がそ こまで増えていないことは、消費税が自殺者数 増加の直接的な主要因ではないことの証拠にな っているのでは?

我が輩(以下略)さんの提示したグラフは年度 なので、増税後の納税は平成9年度から始まっ ています。消費税増税の影響が直に滞納額の増 加につながるのならば、平成9年度の滞納額が 増加していない理由が不明です。

また、会計検査院の平成10年度決算検査報告に よれば、滞納企業は資金繰りに問題が生じてい た企業が大半であり、消費税を使い込んで運転 資金にあてていたとの報告がなされています。 クレジットクランチによって金融機関からの資 金調達が困難になった結果であると言えると思 いますが。

(参考:http://report.jbaudit.go.jp/org/h10/199 8-h10-0087-0.htm)

サービサー法については私が回答するのもおか しい気がしますが、あれは1998年10月成立で19 99年2月施行の法律なので、クレジットクラン チによって起きた商工ローン問題を深刻化させ て自殺者の高止まりさせた可能性はありますが 、急増の原因ではないと思っています。

shavetail1shavetail1 2013/09/20 19:59 tさま
確かに、会計上いつ消費税を認識するかといえば、イベント発生時点かと思いますが、現実の納税は、基本的にはその会計年が終わってからかと。(特例で3ヶ月または1ヶ月に短縮することもできるようですが)
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6137.htm

また、消費税を使い込むというのは国税庁などの言い分ですが、「消費税のカラクリ」(斉藤貴男著)などを読むと、中小零細企業はバイイングパワーに優る顧客に消費税分の値切りをされて、預かってもいない消費税を払わされることで首が回らなくなるといった話が出ています。また例えば駄菓子屋があって、これまで税込30円(本体価格29円)で売っていたチョコがあったとして 消費税が8%に上がっても、子どもから31円取るといった転嫁ができず、1円(売上の約3%)は持ち出しになるという話もあります。 国税庁に言わせれば、こうした場合「取らないほうが悪い」と言ってはばかりませんが。

abu1500abu1500 2013/09/21 18:41 ”職業別の自殺者数を見ると、もっとも多いのは、失業者と高齢退職者を含む「無職者」であり、「被雇用者」、「自営者」がこれに続いている。”


http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2740-2.html

2013-09-17 デフレ推進派に堕ちた山本幸三議員へ このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

自民党でも数少ないリフレ論客のひとり、山本幸三議員が自身のブログで、消費税増税を肯定する主張を展開しています。
  混乱している有識者会議の議論2013.9.12衆議院議員 山本幸三

ブログを見た時我が目を疑いましたが、山本幸三議員リフレ政策を支持しつつ、消費税増税も肯定されているようです。

ここで山本議員の主張を追ってみましょう。

1.消費税増税に絡んで有識者会議なるものが行われたが、そこでの議論を見ると、経済理論的には少し混乱しているように思われる。

増税慎重派の主張のポイントは「消費税増税によって個人消費が落ち込み、需給ギャップが拡大して、デフレ脱却が遠のいてしまう。」という点にあるが、本当にそうだろうか。こうした主張を、これまで日銀に積極的な金融緩和政策を求めてきたリフレ派と呼ばれる経済学者達までが唱え始めていることに私は違和感を覚えるのである。

私の結論は、「デフレ脱却消費税増税は全く関係ない。」ということである。その理由は、「デフレ貨幣現象であるので、金融政策がしっかりしてさえいれば、必ず脱却できる。」という点にある。リフレ派の主張は、正にそこにあったのではないか。それが突然金融政策のことを忘れた議論を始めるのは首尾一貫性に欠けるというものだ。

山本先生の主張にはいきなり度肝を抜かれます。

>税慎重派の主張のポイントは「消費税増税によって個人消費が落ち込み、需給ギャップが拡大して、デフレ脱却が遠のいてしまう。」という点にあるが、本当にそうだろうか。

山本先生、まずしっかりと現実を見ましょう。「本当にそうだろうか」もなにも、1997年消費税増税を境に、雇用者報酬は減少に転じ、民間消費支出も著減しました(図表1)。雇用者報酬の減少はいまだに止まっていません。(図表2) 

消費増税は雇用者報酬・民間消費にダメージを与えた
f:id:shavetail1:20130917213806j:image:w360
図表1 1997年消費増税後の雇用者報酬・民間消費支出
出所:内閣府国民経済計算(2000年基準)

雇用者報酬は1997年をピークにいまだに減少を続けている
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図表2 雇用者報酬総額
出所:内閣府国民経済計算

これら日本経済の転換点となった1997年について、単なる財政再建派と同様に、「それはアジア通貨危機があったから。」といった意味不明の主張はされないでしょうね。万一そう主張されるのなら、なぜその後、危機当事国でさえデフレの時期がないのに、日本だけが15年以上にわたってデフレなのかについても説明をお聞かせ下さい。

2.消費税増税は、財政健全化や社会保障財源確保の視点から考えればよい話で、しかも増えた税収はいずれ社会保障費として支出されるので中長期的にはGDPに対し中立的だと考えるべきだろう。ただ、一時的にはショックを与えるかもしれないので、補正予算などでその対応を考えればよい。つまり消費税の議論は、本来デフレ脱却の議論と混同すべき筋のものではない。しかし、慎重派が主張するように、万一実質GDPの減少が起こったらどうなるか。その時、黒田日銀総裁のお蔭でお金の量が増えているのだから、実質GDPの減少はむしろインフレ要因である。従って、慎重派の主張とは逆に、デフレ脱却は返って早まるというものではないか。

 消費増税により、政府支出を同額増やすのであれば、消費増税が中長期的にGDPに対し中立的、という考え方は成り立ちます。しかし、今議論されているのは、消費増税の有無によらず一定額の社会保障費に充てるか、あるいは財政再建のための国債費に充てるかという話ですから、消費増税GDPあるいは景気に中立的な訳がありません。増税により、国民は単に取られるだけです。

補正を組めば消費税の悪影響が消えるかのような話をされていますが、恒久的な消費税の悪影響がなぜ一度限りの補正で打ち消せるのか、首を傾げざるを得ません。

更には実質GDPの減少さえ肯定的に書かれるとなると、もはや何を目的としたリフレ政策なのかわけが分かりません。 

もし、山本先生が単に財政再建を目指しておられるのなら、それはそれである意味納得ができます。

 ただ、デフレの今、国民経済を犠牲にしてまで、完済の必要がない政府債務削減を急ごうという理由は正直理解しかねます。そもそも、1997年デフレ下の緊縮財政では、政府債務増加にはずみがつくだけ、というのが教訓でした(図表3)

1997年消費税増税などの緊縮財政では却って政府債務の増え方が大きくなった
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図表3 政府債務GDP比の推移
出所:世界経済のネタ帳のデータから筆者作成
縦軸:パーセント。財政再建を狙った消費税増税、緊縮財政の1997年頃から債務指標の増加が加速し、景気が良かった2006、7年頃には逆に債務指標は減少に転じている。

3.いずれにしても、私が「消費税増税をしても、金融政策がしっかりしていればデフレ脱却は全く心配がない。」と考える理論的根拠は、「ワルラス法則」と呼ばれるものにある。「ワルラス法則」というのは、経済というものは実物財だけ分離して議論していては駄目で、貨幣も入れた全体で考えなければならないというものである。

簡単に言えば、実物財(=実質GDP)の世界で超過供給(需要不足)が生じているということは、貨幣の世界では超過需要(供給不足)が生じているということを意味する。つまり、それで全体の均衡が成立しているのである。従って、実物財の世界でデフレが生じているのは、貨幣の世界でお金の量が足りないからなのだということが言える。これが、「デフレ貨幣現象である。」という根本理由なのである。

この「ワルラス法則」を理解するには、経済学の高等レベルの知識が必要なので、一般の方々には無理に近いのかもしれないが、経済学者と呼ばれる方々でも理解していない人が多いのは困ったことである。

山本先生、ワルラス法則も結構ですし、デフレ貨幣現象と捉えることも間違いとは思いません。
ただ、だからといって1997年増税の悪影響をもはや忘れ果てたかのような議論は意味を持ちません。 

デフレリストラに遭ったり、賃金を減らされたり、更には自ら命を絶ったりしたデフレの被害者が国民には多数いることを忘れないでください。
1997年以降3万人台で高止まりした自殺者(図表4)が昨年ようやく2万人台に減少してきました。

ここでまた消費税を上げた結果、再び自殺者が増えた時、山本先生は彼らを死に追いやった責任が取れるのですか?
それとも「ワルラスの法則からは自殺増大は導かれないので、そんな死は自分とは関係がない。」で済ませますか?

消費増税1997年を境に自殺者は3万人の大台に乗った。
f:id:shavetail1:20130917220613g:image:w480
図表4 自殺者数推移
出所:平成23年版 自殺対策白書
自殺者は1997年以来高止まりしている。

山本先生。いい加減、デフレ経済を続けるのはもう止めましょう。誰の得にもなりません。
また、安倍首相を消費増税に誘うのも止めて下さい。お願いします。

【参考】日本再生 政策アピール NO.7 (2011.9.15) −復興増税がなぜ駄目なのか−
山本先生。この主張と、現在の主張。合理的につながってますか? 

高井高井 2013/09/17 22:53 山本幸三さんがこうも豹変されてしまったのにはおどろく限りです

shavetail1shavetail1 2013/09/17 22:58 高井さま
山本幸三議員が、リフレ政策が分かっていなかった安倍首相にデフレ脱却の重要性を悟らせた功績は今も消えることはないと思いますが、今回の議員のブログを読むとその功績の8割方が吹き飛んだ感がありますね。

とまととまと 2013/09/18 00:13 しかし、今議論されているのは、消費増税の有無によらず一定額の社会保障費に充てるか、あるいは財政再建のための国債費に充てるかという話ですから、消費増税がGDPあるいは景気に中立的な訳がありません。増税により、国民は単に取られるだけです。

すごく自分的にタイムリーな記事でありがたいです。
すみませんが上記がよく分からないので解説してもらえればありがたいです。
財政再建のは取られるだけってのは分かります。
社会保障だったら中長期的に中立もそうなんだろうとおもいます。中長期の中立に意味があるかは別ですが。

増税の有無によらずが分かりません。

基礎固め基礎固め 2013/09/18 00:37 日銀の政策目標もそうだけど、インフレさえすればいいになってそうですね。雇用政策や持続的成長力、、
貨幣需要にたいする期待戦略は黒田さんの財政縮小や消費税発言で頓挫した感があるけど、そりゃ、貨幣供給側増やしていけばリフレするんですよね、山本さん!?。スタグフレーション大丈夫なのか心配。

田中田中 2013/09/18 00:48 日銀には勝った山本先生も財務省にはかなわなかったというこ
とでしょう、財務省は国家権力そのものですから妥協したのでは?

中田中田 2013/09/18 01:34 >山本先生、ワルラス法則も結構ですし、デフレが貨幣現象と捉えることも間違いとは思いません。

どこかの需要不足は、どこかの超過需要を生み、均衡するってありえないでしょ。
マクロでは、超過需要も、需要不足もないというわけだから。

リフレ派の理論は間違いだと思います。
リフレ派の理論だと金刷れば解決するという帰結になります。
そして、消費税推進派の根拠になりそうな理論だとずっと思っていました。
案の定なりました。

デフレがデフレギャップが原因とすれば、シェブテイルさんが今日の記事で示してくれた
データは役に立ちますが、

貨幣的現象なら、日銀のスタンスが変わった今、
山本幸三氏にとってはステージが変わっているわけですから、
今日の記事は説得材料になりません。

リフレ派は山本幸三氏を叩いてる場合じゃない。

このブログの読者として、シェブテイルさんのことではないですよ。

typexrtypexr 2013/09/18 06:01 山本幸三氏が以前言っていたことと完全に矛盾してます。

超人大陸 2011(平成23)年 10月17日号
http://www.youtube.com/watch?v=eSysdhVnUzw
2:34〜 書き起こし
「税金というのは単に税の金額の負担だけではなく、労働意欲とか生産性や消費者の貯蓄行動そういうものに歪みをもたらします。したがって、安易に短期に税率をすぐ高くするというのは最もやってはいけないことであります。この歪みを税の超過負担と言いまして、それは税率の自乗、二乗に比例して社会的な損失が生じてまいります。したがって、今の世代に10年間という短期にすべてやろうとすると税率を上げざるを得ませんから、その税率の自乗に比例して社会的損失が起こるわけで、これは馬鹿げた政策であります。そしてまた、今デフレで円高という非常な困難に陥っている日本経済にとっては、これに加えて増税をやればいよいよ財布の紐が締まってですね、いっそう経済は停滞してしまう。その結果名目GDPが下がって、デフレは進んで円高も進んで、税収はかえって下がってしまうという馬鹿げた事にもなります。ちょうど1997年橋本政権のときに消費税を上げまして、とたんに経済が悪くなって、税収がむしろそれから下がり続けていることからわかるように、デフレの時にこんな増税するというのは馬鹿げたことであります。」

この山本幸三氏まで洗脳するとは・・・、敵は恐るべしです。
海外の投機家のポジショントークにすっかり洗脳されてしまったのでしょうか??
何か弱みを握られたのでしょうか?

何で増税派になってしまったんだ幸三!!!

shavetail1shavetail1 2013/09/18 07:58 とまとさま
コメントありがとうございます。

国債費につかうか、社会保障費財源とするかでは大違いに思えますよね。私も以前そう思っていたことがありました。

ただ、政策の費用対効果を考える時、「差分」で考えてはじめてその政策の効果が見えてくるのです。一言でいえば、社会保障と税の一体改革は、歳入の構造は変えますが、

詳しくはこちらに書きました。疑問・ご意見があればぜひまたお聞かせください。
社会保障と税の一体改革の正体は「負の財政政策」
http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20130423

shavetail1shavetail1 2013/09/18 08:04 デフレが貨幣的現象だから貨幣を刷ればデフレは脱却できる。
私もこれには反対はしません。
ただ、その貨幣が死に金でなければ、という条件付ですが。

山本幸三氏も同意見でしょうけれど、日銀は日銀当座預金に付利までして積み上げることには熱心です。しかし、実質金利が高止まりするデフレ日本でその日銀当座預金は何かに役立つでしょうか。まさにブタ積みでしょう。デフレの今だからこそ、実質金利とは無関係にマネーを借り入れられる政府が日銀から潤沢な資金を借り入れ、デフレを脱却すべきなのに、今なされようとする政策は、金融政策は見せ金だけ、財政政策は緊縮増税ですから、デフレ脱却は容易ではないでしょう。

読者読者 2013/09/18 09:00 >>中田
とりあえず、日本語でおk。
もうちょい経済勉強してから書き込もうな、恥ずかしいから。

田中秀臣さんの言うとおり「生粋リフレVS財務省リフレ」の争いの中で、山本先生はそっち側だったということですね。
経済理論が完璧なら経済危機は起こらないし、マインドの重要性を理解されていないのではないか。
日銀の緩和ペースも鈍っているし、BEIも昨年末レベルまで落ちてきています。
デフレも変わらず、雇用者報酬も伸びない中で増税して理論どおりにいくわけがない!
リフレ派が心配していた「政治家のばら撒きにリフレが利用される」懸念が現実化してきました。
書いててすっげー腹が立ってきました(笑)
自分も戦います。

とまととまと 2013/09/19 16:44 shavetail1様
ありがとうございます。
最新記事でも触れられていましたが理解できました。
でも、もやもやはあります。結局このもやもやは何故現実は違う方向にすすむんだろうって事です。
消費増税に反対してまだ諦めていませんが、現実は今朝の産経にしても増税の方向がかなり力を持っているように思います。
自分の正しいと思うものと現実の乖離の原因が分からないのがもやもやとして残ります。
最新の記事もリンクを含め興味深く読ませていただきました。
予告されてる記事も楽しみにしてます。

pp 2014/09/06 14:00 「日本の地価と株価を半分にしてやる」
「いい加減、デフレ経済を続けるのはもう止めましょう。誰の得にもなりません。」
「インフレは悪魔だ。せっかく逆転した官民給与がまた元通りになってしまうではないか」
財務官僚に期待するのが間違いでは

2013-09-16 アベノミクスの方法論は再考が必要 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

デフレ脱却に向けたアベノミクスの主軸は日銀による長期国債大量買い入れを中心とする金融政策です。 ただ、これまでのパフォーマンスを考えると、デフレ脱却の方法論は再考した方が良いかもしれません。

現在の消費者物価指数(CPI)は、日銀が強調するようにコアCPI(生鮮食品除く)で0%後半ですが、コアコアCPI(生鮮食品エネルギー除く)はほぼ0%。寄与度をみても公共料金上昇が牽引する、いわば質の伴わない物価上昇に留まっています。景気回復が実感できる財については、ようやく7月に08年以来の上昇に転じたばかりです。
    物価:異次元緩和に黄信号点灯? - シェイブテイル日記 物価:異次元緩和に黄信号点灯? - シェイブテイル日記

また、消費税の影響を除いたブレイクイーブンインフレ率(BEI)の検討結果によれば、現在のBEIは消費税により0.5%程度のゲタを履いているようです(図表1)。それを踏まえれば現在のBEI約1.2%は消費税抜きなら0.7%程度でしかなく、市場関係者も現在のアベノミクスによる短期での2%インフレ率達成には懐疑的ということでしょう。

消費税の影響を除いた現在のBEIは1%を下回る。
f:id:shavetail1:20130916203010j:image:w360
図表1 BEIに対する消費税の影響
出所:消費税の引き上げと市場のインフレ予想
消費税の影響を除いたブレーク・イーブン・インフレ率の算出 ― 日本総研 2013年8月13日 No2013-021
現在のBEIは更に下がって、1.2%程度。

消費税増税がなかったとしても市場では短期でのインフレ率2%達成が困難視されているわけです。 

このBEIにどこまでの政策が織り込まれているかも問題となりますが、現在進行中の異次元緩和について言えば、黒田日銀では月平均7兆円の国債買い入れ額や、2年後までに190兆円といった国債買い入れ額まで開示し、5月以降の決定会合ではそれを追認しているだけですから、毎月の決定会合後の記者会見で示される日銀の自信とは裏腹に、消費税抜きBEI0.7%には日銀の相当先までの緩和策まで織り込み済と見ざるを得ないのではないでしょうか。

来年4月に実施される可能性がある5→8%への消費増税は見た目はインフレを起こすように見えますが、実際はデフレ要因ですから、安倍首相が消費増税にゴーサインを出しでもすれば更にデフレ脱却は遠のくと考えられます。

そもそも、アベノミクスでのデフレ脱却経路は明確ではありません。
ひとつには円安・株などの資産高を通じた経路はありそうです。ただ、この円安資産高経路もその駆動力となると、安倍首相や黒田日銀総裁の「やる気」がメインエンジンなのかもしれません。

「今日銀が着々と積み上げつつあるマネタリーベースが円安資産高の駆動力だろう。」という方もいらっしゃるかもしれませんが、現実には日銀当座預金に積み上がったマネーの量と株価が直接相関しているわけではありません。 また、日銀当座預金には0.1%もの付利がなされていますから、銀行は安心して当座預金にブタ積みを続けているだけであり、株に投資をしてリスクを取ろうという銀行はありません。

なお、積み上がる日銀当座預金について「あれはブタ積みではない。日銀が買入れた国債からは巨額の通貨発行益が生じている。」という議論もありますが*1、市場から買いオペで買われた国債から生じる通貨発行益はその金利収入分だけであり、政府から日銀が直接買った国債から生じる通貨発行益(≒その額面)と「現在価値に直せばほぼ同等」と言う議論は乱暴過ぎるといえるでしょう。
    通貨発行益とは何か - シェイブテイル日記 通貨発行益とは何か - シェイブテイル日記

では、どうすれば政府日銀は高いインフレ期待を醸成してデフレ脱却ができるのでしょうか。
図表2は現在の黒田異次元緩和での物価推移と高橋財政期の物価推移を重ねたものです。

高橋財政では国債日銀直接引受けにより大幅にインフレ率を上げることに成功した。
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図表2 黒田異次元緩和と高橋財政期の物価推移
縦軸:物価(%) 出所:(高橋財政期の物価推移)東京小売物価指数、昭和恐慌の教訓:昭和恐慌前後の株価、生産指数、為替レートの推移(安達誠司・田中『平成大停滞と昭和恐慌』)
高橋財政期での国債直接引受け政策に比べると黒田異次元緩和政策での物価上昇ペースは緩慢。

高橋財政の中核政策は1932年11月に実施された日銀による国債の直接引受けです。
この政策によりマイナス域にあった物価は一挙に10%弱にまで急騰します。

同じ日銀による国債買入れでも、市場からの買入れではマネーは金融機関日銀当座預金に積み上がったままですが、政府から直接買い入れた場合、マネーは直接政府に渡り、財政政策の原資となります。

通貨発行益の大きさから見ても、市場からの国債買入れは買入れた国債金利分に留まるのに対し、政府からの国債買入れではほぼ額面が通貨発行益となります。

要するにデフレの今、マネタリーベースという死に金を積み上げても、実質金利高という壁を越えて家計・企業に出て行く経路がないのです。 一旦政府にマネーを渡し、政府が積極的にマネーを民間に渡してこそデフレ脱却が可能となります。

それに対して現在のアベノミクスでは、金融緩和ではマネーブタ積み、財政政策では前年度並、そして消費税増税という大きな負の財政政策の組合せが実態ですから、インフレ期待に強く働きかける新たな政策を打ち出さない限り、デフレ脱却は夢に終わりそうになりつつあります。

montague926montague926 2013/09/16 23:00 そういえば期待に働きかけるから財政云々はあまり関係ないというマネタリスト的意見もリフレ寄りの人たちからよく聞きましたね
4月4日にレジーム転換なる
とか言ってたリフレ派の先生方はどういうつもりなんだろ

伊勢の水源伊勢の水源 2013/09/17 05:28 株価が足踏みしている現状では、資産効果による民間の購買力の増加はこれ以上望めそうもありません。それよりも、キャリートレードによるコストプッシュインフレの心配、即ちスタグフレーションによる国民の生活難の必要がありそうな状況になってきましたね。
そもそも資産効果による購買力増加は株式市場を牛耳る外国資本の思惑に頼らざるを得なかったわけですから、この結果も予想された範囲であるといえます。

我輩は下戸である。名前はまだない我輩は下戸である。名前はまだない 2013/09/17 11:36 高橋財政の場合、金本位制をやめたということは、資本移動の自由を制限したのと同義と思うのですが、現在はなんら制限してませんよね。
そのような状態で日銀引受をやると、急激な円安(しかも制御できないような悪質な)によってスタグフレーションが発生するのではないでしょうか。
認識が違いがあったらご指摘ください。
図表2を見ると2年で2%は達成しそうなトレンドに見えますがどうでしょう。
それと昨今の政権運営やメディアの動向を見るに、「消費増税でインフレ率2%達成したよってデフレ脱却!」とゴリ押ししそうな気配が濃厚ですね。

>我輩は下戸である。>我輩は下戸である。 2013/09/17 12:26 よく考えたら、相当な円安が起こっていることから、資本移動の自由はそっくりそのままあることを意味しますね。
高橋財政では、資本の効果的な成長は促されて景気はよくなったが、別に庶民の暮らしがそんなに楽になったわけではない(最低からまだマシレベルへ復帰した)、ということかな。226や満州事変が続けざまに起きているし。
ということはいまの黒田日銀と安倍政権の保守的な異次元緩和(ビミョー)は、まあまあ妥当なレベルなのかも知れません。

shavetail1shavetail1 2013/09/17 12:36 montague926 さま
正直、仰るとおりと思わぬでもないのですが、今の日本でデフレ脱却を強く求める人達の中核に財政政策不要論者がいらっしゃるわけで、このエントリーでも、トーンを抑えて書いています。
一部には金融一本槍派から財金併用派に移られたのかなと密かに思っています。

伊勢の水源さま、吾輩は下戸さま
>スタグフレーション
現行の中途半端な金融政策では、円安が多少進んで終わり、ということで資源価格などが高止まりするのみで、国民の年収が反転して増えるまで行かない可能性がありそうですね。
そこに持ってきて、更に確実に可処分所得を減らす、消費税増税が真顔で語られる異常さに呆れます。

図表2については、日銀が前面に出しているコアCPIの動きを書いています。しかし、国民にとって望ましいのはコアCPIからエネルギー価格を控除したコアコアCPIで、これは8月にようやくプラスマイナスゼロに達したばかりで、更にこのコアコアCPIにも上方バイアスがあるため、未だにデフレ継続中です。
これが来年4月に強いデフレ政策である+3%消費税アップを実施すれば、国民の所得が増えないうちにアベノミクス終了、首相・官房長官以外の政府と日銀のみ自画自賛、という姿が予想されます。
そうなれば、安倍政権とアベノミクスへの国民支持はガタ落ちとなり、デフレ経済が更にあと10年ほど続くのではないでしょうか。

吾輩は下戸吾輩は下戸 2013/09/17 14:12 shavetail1さま。

高橋財政でも結局実質賃金は増えなかったようです。下記記事によれば。検証していないのでこれだけではなんとも言えませんが。

http://diamond.jp/articles/-/31512

ですのでリフレ政策が成功してデフレ脱却したとしても、(リフレ派が嫌う)ケインズが主張した「所得再分配政策」が必要のように思います。

>国民の所得が増えないうちにアベノミクス終了、首相・官房長官以外の政府と日銀のみ自画自賛、という姿が予想されます。

その可能性は否定できませんね。

shavetail1shavetail1 2013/09/17 15:02 吾輩は下戸さま
興味深い情報をありがとうございます。

確かに、全体として名目GDPが増える経済状態になっても、それで所得が全体として底上げされるわけではないでしょうね。
また、有効求人倍率も現在のとび職のように大変高くてすでに3,4割平均人件費が高騰している職種もあれば、デフレ脱却しても付加価値が高いとは見なされず、過当競争に晒される職種もありそうです。
ただ、言うまでもないですが、筆者加藤出氏(旧日銀派)の主張するようにだからといってリフレ政策を警戒すべき、というのは如何なものかとも思います。

2013-09-13 財政黒字は危機の予兆? このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

家計では黒字が良いに決まっています。 一方、政府の財政が黒字になれば危機の予兆だとしたらどう思われますか。

米国では19世紀以降、財政黒字期は7回ありました。特にそのうちアンドリュー・ジャクソン大統領時代の1835-37年には政府債務が完済されました。

ところが、この時を含めて7回のうち6回は財政黒字期の直後に景気後退期が続いています。(図表1) 
6回目は1920年代で、その直後に世界大恐慌が続きました。

7回目はビル・クリントン大統領時代で、この時だけは直後に大きな不況は訪れませんでした。ただ、その当時はアラン・グリーンスパンFRB議長を務めており、巧みな金融政策の結果、ITバブルサブプライムバブルバブルの乗り換えで凌いた結果、大きな景気後退期はリーマン・ショックまで先送りされたのかも知れません。

日本での財政黒字期といえば1985-1992年のバブル期が相当します。その直後にはご存知の通りバブル崩壊が訪れました。

米国での財政黒字期7回のうち、6回は直後に景気後退期が訪れた。
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図表1 財政黒字期と景気後退
出所:The Federal Budget is NOT like a Household Budget

家計での黒字は歓迎すべきことですが、政府が黒字だとなぜ引き続いて不況が発生するのでしょうか。
これは今のところ、筆者にはその理由がはっきりとは分かりません。
ただ、一部推測できるパターンはありそうです。
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図表2 日本国の純資産と純債務

図表2は前回のエントリーで触れた日本国の純資産・純債務ベースでのバランスシートです。
この図で政府債務が減るパターンとして考えられるのは、企業や家計が積極的に債務を増やし、政府債務の肩代わりをするケースです。 1920年代米国、あるいは1985-90年の日本はこのパターンでしょう。 バブルにより税収も増え、政府債務が減りますが、その後のバブル崩壊により大きな景気後退に陥っています。

逆に、政府債務削減自身を目的として緊縮財政を行った場合、1929-31年の井上財政や1997年の橋本増税のように、債務削減は実現せず、いきなり景気後退が引き起こされてしまうようです。(政府債務削減策が家計資産削減に働く)

米国では1837年以降、政府債務が170年以上連続して存在していますが、特に通貨危機が懸念される状況ではありません。
日本でも明治初期以来、140年間桁が8桁増えるほど政府債務が増えていますが、国債金利は1%以下で通貨危機財政破綻も兆候はありません。
桁が8桁増えても持続可能な家計債務は存在しないでしょう。
日本政府債務明治以来8桁も増えたが特に何も起きない
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図表3 日本の政府債務の長期推移
出所:2002年まで=総務省統計局政府債務現在高、2003年以降IMF

ここに述べたような、政府債務と家計債務の際立った違いを理解しないで、単純に「政府債務が増えたので削減せねばならない」などと考えて政策立案すれば大きな過ちの原因となることは明白です。

ヤマネヤマネ 2013/09/14 02:45 問題は債務が増えていることではなくて
名目GDPが伸びていないことだとこの国のブレーン達が気づくのは
一体いつの事になるのでしょうか

shavetail1shavetail1 2013/09/14 05:24 ヤマネさま
全くおっしゃる通りですね。
こうして、手を変え品を変え家計の債務と国の債務が異なることを書いているのも、そこが言いたいわけですからね。

しかし、現実の政治家・官僚の9割方は、なぜか名目GDPを減らす政策に熱心です() 名目GDPが、自分たちを含めた国民の国内からの所得の総和だ、位は知っているでしょうに。

通りすがり通りすがり 2013/09/15 12:14 全文並びコメント拝読させて頂きました。

記事には米国と日本のみ挙げられていますが、諸外国でも同じような事例が発生しているのでしょうか?

また、税金から発生する所得が財政を圧迫する事を承知しているから、公共事業見直し、歳費削減等含め所得減少の方向に向かっているのではないでしょうか?

伊勢の水源伊勢の水源 2013/09/15 23:34 過去の国家の財政黒字期は、資産価格の高騰期ではありませんか?つまりバブル期は、財政が黒字化するとか?

Montague926Montague926 2013/09/16 23:20 韓国、アイスランドも破綻時は財政黒字でしたね そういえば

2013-09-12 わずかな経済対策と消費増税という、いつかきた道 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

 マスコミでは消費増税の景気への悪影響を緩和する景気対策の規模について2兆円、あるいはそれ以上などと報道されています。*1
ただ、過去の2度の消費増税の影響について詳しく見てみると、わずか2-5兆円程度の経済対策で大丈夫という見方が「いつかきた道」であることが分かります。


まず、政府債務の推移と、消費税増税の過去の経緯を見てみましょう(図表1)。

財政危機が煽られて、消費増税への道がつく、の繰り返しf:id:shavetail1:20130912092500j:image:w360
図表1 政府債務対名目GDP比と、消費税増税
出所:IMF WEO より筆者作成
1997年の消費増税では、金融危機を引き起こして58兆円もの経済対策が必要となり、
政府債務累増に弾みをつけた。

1989年の3%消費税新設は、もとを辿れば1982年鈴木善幸内閣での「財政非常事態宣言」から始まっています。 

鈴木内閣は不況で税収不足なのに景気対策に迫られる窮地に立った。大蔵省は、鈴木政権公約である1984年赤字国債からの脱却を断念した。さっそく朝日新聞は「財政、サラ金地獄に」(1982年9月2日)とこの方針転換を批難した。
      経済コラムマガジン10/1/18(599号)

今から見れば、赤字国債を発行して、政府財源に充てるという全く当たり前の政策をやらざるを得なくなったに対して、時の鈴木善幸内閣財政危機と捉えたわけです。*2

その後紆余曲折を経て、1989年に消費税3%が導入されました。ただ、5.4兆円の負担増とそれまでにあった物品税廃止(△3.5兆円)とが相殺され実質1.9兆円の増税にとどまったことと、当時がバブル期プライマリーバランス(図表2)がプラスであったことから政府債務はその後数年間減りました。*3

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図表2 日本のプライマリーバランスGNP比推移
出所:IMF WEO

一方1997年の橋本内閣での3→5%消費税増税では経済環境はより悪化した状態での増税となっています。(図表3)

消費増税前年の経済状況は、創設時→橋本増税→今回と次第に悪化。f:id:shavetail1:20130912111535j:image:w360
図表3 消費税増税前年の日本経済比較
出所: IMF WEO

図表3から前回の橋本増税、今回の消費税増税案は、デフレの中での増税という、経済原則に反したものであることが分かります。*4

この橋本増税前後で、プライマリーバランスに影響を与える要因をグラフ化すると図表4のようになります。

緊縮財政を目指した橋本内閣はすぐに方針を転換せざるを得なくなった。
f:id:shavetail1:20130912130436j:image:w420
図4 橋本増税前後のプライマリーバランスに影響する要因
出所: 定率減税の縮減とその影響 国会図書館 調査と情報第471号他から筆者作成

1997年の橋本内閣消費税増税時には、消費税で5.2兆円、特別減税廃止で2兆円、社会保険料引上げと医療費負担増で1.4兆円、計8.6兆円もの増税を行っています。これと併せて公共事業も4兆円削減した結果、拓銀山一證券と立て続けに大きな金融機関が破綻する金融危機が発生しました。

慌てた橋本内閣は総合経済対策として16兆円規模の経済対策を策定せざるを得なくなります。(1998年4月実施) 経済政策に失敗した橋本内閣は98年に退陣し、後を受けた小渕内閣でも緊急経済対策(経済規模24兆円、98/11)、経済新生対策(同18兆円、99/11)と結局三回、58兆円もの経済対策が必要となりました。増税による税収増を期待した橋本緊縮財政でしたが、これほどの増税をして、国民を経済危機に追いやり、現在まで続くデフレを顕在化させたにもかかわらず、経済危機を乗り切るための財政政策を合算すると、1997年から2001年までの5年間で殆どプライマリーバランスへの影響としては行って来いで殆どゼロでした。

なお、今回の増税を支持する向きから、橋本増税で税収減だったのは当時減税を行ったから、という理屈を聞くことがあります。
確かに村山内閣で、消費税増税前の飴玉として5.5兆円減税がありましたし、経済危機に陥った1998年にも3.3兆円の減税がありました。しかし98年減税は橋本緊縮財政が引き起こした経済危機があまりに厳しかったために実施されたものです。減税が先行したならば、当時は景気がよかったかもしれません。しかし実際のところは、減税にもかかわらず日本の名目GDP成長は1997年で折れたように止まり、デフレが顕在化しています。

さて、もう一度図表1を見てみましょう。 今から思えば、1975年1982年を「経済危機」と思う人は誰もいないでしょう。
時の政権はそれぞれ財政危機だと思ったし、1929年には一人あたり90円の政府債務でさえも十分緊縮財政の理由と思ったわけです。
  (昭和恐慌は「一人当り90円の借金」を返済しようとして発生した - シェイブテイル日記 昭和恐慌は「一人当り90円の借金」を返済しようとして発生した - シェイブテイル日記

しかし、必要と思われた緊縮財政の結果、1929年には浜口雄幸首相が昭和恐慌を引き起こしましたし、1997年にも橋本首相金融危機を引き起こしました。

そして、現在の経済状況は橋本首相が消費増税に踏み切った頃より一層悪くなっています(図表3)。 *5
それなのに、今から数年以内には多くの増税が予定されています(図表5)。 *6

では政府は本当はどうするべきなのでしょうか。

図表6は日本国全体のバランスシートです。家計・企業・政府・海外の四者の資産負債がバランスしています。
更に分かりやすいように図表6から純資産・純負債だけのバランスシートを作ってみました。(図表7)
f:id:shavetail1:20130912120520j:image:w280 f:id:shavetail1:20130912120831j:image:w280
図表7日本国全体のバランスシート、図表8同純資産と純負債で見たバランスシート
出所:日銀資金循環統計から筆者作成

図表8のように、家計の純資産が、政府と企業と海外の純負債とバランスしています。 

現代のおカネは負債を背景に発行されているのですから、家計純資産が残り三者の負債を支えているという見方の他に、「家計純資産があるのは残り三者が負債を負っているお蔭」、という考え方もできます。両者は同じことの裏表です。
緊縮財政、つまり政府負債を減らす努力とは、結局家計純資産を減らす努力に他ならないのです。

デフレ脱却のために必要なのは強力な金融政策と同時に強力な財政政策です。
経済危機を引き起こした後で数十兆円の経済対策をするくらいなら、デフレ脱却のために数十兆円の経済対策をするべきです。景気が回復するならば、名目GDPという分母を大きくして、税収を増やすので、政府債務GDP比は下がります *7 。

現在が高インフレ気味で、家計資産を犠牲にしてでも景気を冷やす必要がある時期なら増税・緊縮財政は理解できます。
ですが、今は全く逆に、デフレ不況脱却のために何でもすべき時です。そのためのアベノミクスであり、ここで増税に踏み切れば、デフレ経済でのリストラ、賃下げ、自殺多発は更に後10年覚悟せねばならないでしょう。失われた20年を失われた30年にしないためには、安倍首相はたとえ消費増税1%であっても、増税にゴーサインを出してはならないのです。

*1:消費増税対応、補正の規模が焦点 上積み求める声 政府が景気下支え策検討 日経新聞 2013/9/11,消費増税「2%」分実質還元…首相、苦肉の判断 読売新聞2013/9/11など

*2:更にその前の1975年の大平内閣でも財政危機宣言が出されています。

*3http://www.bk.mufg.jp/report/ecorevi2013/review_20130417.pdf

*4:2013年GDPデフレータIMFの予測値です。直近8月時点でののコアCPIは+0.7%、コアコアCPIは0.0%です。CPIに上方バイアスがあることから現在のGDPデフレータは実際にもマイナス圏内と考えられます。

*5橋本龍太郎内閣時代と比べた場合のプラス要因、黒田日銀異次元緩和が当初予定の成果は上がっていない点については、物価:異次元緩和に黄信号点灯? - シェイブテイル日記 物価:異次元緩和に黄信号点灯? - シェイブテイル日記を参照ください。

*6:全角度取材「家計崩壊に備えよ」次は復興増税!あなたの預金が狙われている 現代ビジネス 2012年06月27日(水)

*7:2003−2007年頃がそうでした;図表1参照

ssss 2013/09/14 22:46 お久しぶりです。
消費税増税、なんとしても阻止したいですね。
実は素人ながら2chに
「アベノミクスは消費税増税と共に終わる」
というスレを立ててかなり賑わい、今では「4」まで行きました。
引用ブログで倍々ゲームにネット上でスレがコピーされてます。
少しは消費税のとてもつもない危険性をアピール出来たかな?
と思います(笑)

2013-09-09 CPIの歪みで高止まりする医療費 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

ふたつの物価指標、消費者物価指数CPI)とGDPデフレーターに差が出る原因は統計手法の差からくる計算式の違いという総務省の説明は不完全で、デフレ状態での差のかなりの部分は下級財シフトの反映です。
デフレの実態を表す物価指標は消費者物価指数CPI)ではなく、GDPデフレーター東大日次物価指数です。
正しい物価を反映しないCPIで公定価格が決まることで医療費デフレでも高止まりしています。


9月8日の日経新聞で、ふたつの物価指標の乖離について書かれています。

 安倍晋三首相は20カ国・地域(G20)首脳会議で「日本経済デフレ状況ではなくなりつつある」と説明した。消費者物価指数(CPI)が7月まで2カ月連続で前年同月比プラスになったことが大きい。一方で経済の総合的な物価動向を示すとされる「GDPデフレーター」は4〜6月期まで15四半期連続のマイナスが続く。物価を巡る2つの指標の違いは、何を意味するのか。
…。
デフレ脱却へ向け「2年で2%上昇」の物価目標を掲げる日銀。採用する指標は、家計の実感に近い物価動向を示すCPIだ。国内の幅広い品目の価格動向を調べ変化を指数化して表す。生鮮食品を除いた総合指数で、7月には前年同月比0.7%増と2008年11月の1.0%以来の高さとなった。ガソリン価格や電気代など円安によるコスト上昇が効いている。

 これに対して、GDPデフレーターは計算方法が異なる。GDPが「内需」と「輸出」の合計金額から「輸入」金額を引いて計算するのと同様に、GDPデフレーターも「国内物価」と「輸出物価」指数の合計から「輸入物価」指数を引いて出す。

 つまり原油高など輸入物価の上昇は、CPIとは逆にGDPデフレーターの下落要因になる。輸入物価上昇に伴うデフレーターの下落は、輸入物価の上昇分を国内物価と輸出物価に全て転嫁しなければ解消しない。
   デフレ脱却探るニッポン、相反する2つの指標 消費者物価プラス、GDPデフレーターは下落
日経新聞 9月8日朝刊

総務省ではふたつの物価指標の差について次のように説明しています。

消費者物価指数GDPデフレーターの最近の動きを比較すると、GDPデフレーターの方が下落幅が大きくなっています。この乖離については、対象の違いによる要因が大きく、他に算式の違いなどの要因も考えられます。

(1)対象の違い
 消費者物価指数は家計消費に対象を限定している一方で、GDPデフレーターは家計消費の他に設備投資なども対象となっています。設備投資は品質向上が著しいIT関連財の比率が高いことから、これらの下落による影響が大きくなります。このため、GDPデフレーターの変化率の方が、CPIの変化率より低くなっています。
 また、石油製品などの輸入品価格が上昇している中では、消費者物価指数はその分上昇するのに対し、GDPデフレーターでは製品価格に全て転嫁されない限り、下落に働くため、両者の乖離幅は大きくなります。
 なお、両指数をできるだけ同じ対象範囲にして比較するため、消費者物価指数の総合とGDPデフレーターを家計最終消費支出に限定した指数の間で動きを比較すると、両者はほぼ同じ動きをしています。

(2)算式の違い
 消費者物価指数はラスパイレス算式、GDPデフレーターはパーシェ算式を採用しています。一般に比較時点の数量ウエイトで加重平均するパーシェ算式は指数が低く、基準時点の数量ウエイトで加重平均するラスパイレス算式は指数が高くなる傾向があります。また、品質向上は数量の増加とみなされるので、パー シェ算式の場合、品質向上で下落した品目のウエイトは拡大します。このため、パーシェ算式を用いているGDPデフレーターは下落率が大きくなります。
 なお、GDPデフレーターはできるだけ指数算出に伴うバイアスを軽減することができるようにウエイトを毎年更新する連鎖方式により作成されています。消費者物価指数についても参考系列として連鎖方式による指数を作成・公表しています。
  総務省統計局 消費者物価指数に関するQ&A


では、実際にこれらふたつの物価指標は日本ではどの程度差があったのでしょう。(図1)
CPIには上方バイアスがあり、それはデフレ期に拡大する
f:id:shavetail1:20130909144046j:image:w360
図1 日本のGDPデフレーターCPI推移
出所:IMF
45度線(破線)と比較すると、インフレ期(1980−1995)では
CPIGDPデフレーターを上回る上方バイアスはあるものの、それほど大きくはなく、
デフレ期(1995−2012)では上方バイアスが拡大している。

総務省が挙げたふたつの物価指標の差、いわゆるCPIの上方バイアスの原因は、インフレ期・デフレ期に関係がないはずですが、実際には明らかにデフレ期に物価指標の差が拡大しています。

要するにデフレ期にはCPIはあまり下がらないが、GDPデフレーターは大きく下がっていくのです。
その意味とは何なのでしょう。

CPI消費者物価指数では、同じ商品の組み合わせを翌年買うならいくらかかるか、という考え方で指標化しています。
一方、GDPデフレーターの場合、買われる商品の組み合わせは、経済実態の通りとして計算します。

デフレでは高級衣料品が売れず、代わりにユニクロがはやり、高い野菜の代わりにモヤシが売れます。 レストランに行く代わりに食堂で済ませ、食堂の代わりにコンビニ弁当で済ませ、更には手弁当で済ませてデフレで減った所得に応じて買われるものが変わっていきます。
パチンコ・競馬などに行く人が減り、変わってお手軽な

経済学ではデフレで買われなくなる方の商品・サービスが上級財、代わりに買われる方の商品・サービスが下級財と呼ばれています。
デフレでは下級財シフトが起きているわけですね。つまり、デフレ期のCPIの大きな上方バイアスのかなりの部分は下級財シフトで説明できることになります。

デフレ→企業売上減→給与所得減→下級財シフト→デフレ
というサイクルでデフレが進行しているわけです。

一方、勤労者の負担が重いといわれる医療費は、公定価格として国が決めています。
物価指標ふたつと、医療費、平均サラリーマン所得を並べて表示すると図2のようになります。

サラリーマン給与GDPデフレーター並に下がるが、医療費CPI以上に高止まり
f:id:shavetail1:20130909154924j:image:w320
図2 物価推移と診療報酬サラリーマン給与推移
出所:物価=IMF診療報酬= 診療報酬の推移サラリーマン給与=サラリーマン平均年収の推移(年収ラボ)
いずれも1998年を100として指数化。

サラリーマン給与デフレを正しく反映するGDPデフレーターに沿って下がっていくのに、CPIは指標の問題からデフレを正しく検出できず、高い数値となっています。 診療報酬は、医師会政治力もあってか、そのCPIより更に高止まりしてしまっています。

政府支出に対する医療費の負担が大きいと言われて久しく、その原因は単に高齢化進展と決めつけられています。
しかしデフレ日本では、政府日銀が主に指標として用いるCPIよりも、GDPデフレーター物価の歪が現れにくい東大日次物価指数*1の方がデフレの実態を表しており、政府が決める診療報酬などの公定価格では、デフレの実態を反映して大幅下方改定が必要でしょう。

munimimunimi 2013/09/09 22:03 診療報酬などの公定価格では、デフレの実態を反映して大幅下方改定が必要でしょう。
って、それではさらにデフレが進んでしまうでしょう。
誰か別の人が書いてる文章みたいです。

shavetail1shavetail1 2013/09/09 22:47 医療費削減しただけならば確かにデフレ政策ですね。

だからといって医療費が無意味に高いことを放置するよりも、物価からみて妥当な水準まで医療費を削減した上で、国民負担率を下げるべきでしょう。所得水準が低い層も負担が減れば、他の消費が旺盛になるでしょう。

今はあたかも医療費の算出に誤りはないかのように、医療費水準を押えるには給付サービスの量を下げるような議論がありますが、診療報酬の水準こそ下げるべきでしょう。

伊勢の水源伊勢の水源 2013/09/09 23:32 shavetail1さまは、医師の年間所得はどれ程が適正だと思いますか?給与所得医師ならいくら、開業医師ならいくらぐらいでしょうか?

伊勢の水源伊勢の水源 2013/09/09 23:35 時間給とした方が良いかもしれません

shavetail1shavetail1 2013/09/10 05:29 適正な時間給、というのはちょっと分かりませんが、CPI以上に高止まりする給与体系が、GDPデフレーターに沿って下がる給与体系で支えるという構図を考えた場合、前者はインフレで増加、デフレで維持ですから差は広がる一方となります。 
例えば7掛け位に下げて下げた分は社会保険料を下げると良いのでは。

伊勢の水源伊勢の水源 2013/09/10 10:09 shavetail1さま、
<例えば7掛け位に下げて下げた分は社会保険料を下げると良いのでは。>市民病院などの公的病院ではそのほとんどが赤字経営です。最近では財政援助に値を上げる県や市が、病院の統廃合を進めています。

もし診療報酬をもっと下げるとなると、地方公共団体は公的病院を維持できなくなります。なお、私が暮らす市の市民病院の病院長の年間所得は市長と同じだそうです。約2000万円ぐらい、おそらくですけど。なお、時間的な労働条件も厳しいようです。
なのでおっしゃるような医療費の削減は不可能でしょう。むしろ増加させるべきです。

shavetail1shavetail1 2013/09/10 11:06 まず開業医は貰いすぎです。
それから病院が赤字のところが多いのは確かですが、職員給与を全員7掛けにして、数を増やす方が妥当だと思いますよ。
病院赤字と過重労働は聞きますが、生活苦は聞いたことがないです。

伊勢の水源伊勢の水源 2013/09/10 12:40 shavetail1 さま
<まず開業医は貰いすぎです。>

開業医も病院も同じ点数制度です。開業医は7掛けにせよと言うことですか?
あと、職員給与は、主に地方公務員の給与だと思いますし、パートも雇われていると思います。
やはりもっと医療費に財源を入れるべきですし、入れても財政に何の問題もないのではありませんか?

shavetail1shavetail1 2013/09/10 13:15 図2を見て、正常な姿だと思いますか?
98年の保険点数水準で病院・医院の経営が回せるならば、今回せない方がオカシイくありません? 診療報酬を下げただけなら、確かに意味はないですが、その分社会保険料を減らせば、消費は増えると思いますよ。 忙しい医者なら使う暇もないわけで。

shavetail1shavetail1 2013/09/10 13:18 私立病院、私立大学も公的助成があるから高賃金でも成り立っているわけで、それらをすべて切って自由競争にすれば、賃金は相当さがりますよ。(それが日本全体としていい悪いは別にして)

伊勢の水源伊勢の水源 2013/09/10 17:14 98年当時も公立病院は赤字です。補填は地方公共団体が行っていましたが、その母体が青息吐息になっています。どこも夕張市と類似ということでしょう。
何故こうなったかがまずは問題であって、診療報酬を触ってどうこうなる問題ではないでしょう。
日本で起こっている現象はミクロ問題ではなくマクロ問題であることはshavetail1さまもご存知のことの筈ですよね??

shavetail1shavetail1 2013/09/10 17:31 病院で使用するものの多くが公定価格で高止まりしているため、売上だけでなく、費用も高いから経営が苦しいというわけですね。
医薬品企業は薬価改定がありますが、コストの方は自由競争で下げられますから高利益を享受しているのと対照的ですね。

いっそ、もっと価格に競争をいれて、売上もコストもスリム化すると却って儲かるかもしれませんよ。

伊勢の水源伊勢の水源 2013/09/10 18:02 shavetail1さま、
<ふたつの物価指標、消費者物価指数(CPI)とGDPデフレーターに差が出る原因は統計手法の差からくる計算式の違いという総務省の説明は不完全で、デフレ状態での差のかなりの部分は下級財シフトの反映です。>

このお考えには賛成です。
しかし医療費問題は、別の様々な要素がありそうです。
なのでデフレ解消に医療費減少という選択は安易過ぎるかなです。

なお、医療は教育や介護福祉と並び、資源消費の少ない産業ですから、医療への財源投入は、日本の経済成長を助けることはあっても阻害することはないと考えていただきたいと思います。

shavetail1shavetail1 2013/09/10 19:18 >デフレ解消に医療費減少
あ、それは全くないです。政府支出減少はデフレ要因ですから、それを多方面にまわしてようやくチャラですので、デフレ解消策とは全く考えていません。

基礎固め基礎固め 2013/09/11 00:00 公定価格を何らかの全体指標や個人指標で調整する事自体は反対ではないんです。
しかし、社会の厚生をあげるために市場メカニズムを使うのはこの分野はかなり難しいと思います。
なぜなら、典型的な情報の非対称に陥りやすいのと、それに加え品質管理等の費用の問題が起きそうだからです。
つまり、医者や薬局など売り主体の持っている情報が多いのに対して患者などの受ける主体の情報が少ないため、価格が下がる為の交渉が市場で起きずらく、また、弁護士やコンサルタント見たいに費用を軽減する中間主体がいない為、うまく市場は回らない、そして医療効果の質確保が難しくなると。 弁護士もタダではないですし…。
現状はそこらの費用を政府 、、というか国民が税金を提供して情報や質確保を政府にやらせているシステムメカニズムです。こちらのほうがある程度価格の降り幅を押さえられるので、こちらのほうを微調整する形が言いかと思います。

shavetail1shavetail1 2013/09/11 07:59 伊勢の水源さんと基礎固めさんに質問です。
CPIは政府が物価を判断するための唯一無二の指標ですか?
上方バイアスという明らかな欠陥があるのですから、固定方式ではなく、連鎖方式にするとか、いわゆるコアコアを中心に議論するとか、ラスパイレス指数ではなくパーシェ型の指数、例えば東大日次物価指数を使うとか工夫はあると思うのです。
私の論点はそこです。
医療費が高いかやすいかを論じているわけではないのです。

自分のブログからコピペすると、例えば下のWeinstein氏の論点についてご意見を問いたいところです。

アメリカからの眺めた日本の物価安定の定義 *4
Christian Broda, David E. Weinstein
http://www.nber.org/papers/w13255.pdf?new_window=1
要約
 日本の金融・財政政策は、物価安定のための指標として、消費者物価指数を使用している。
この指標を改良する努力はなされているものの、日本のCPI算出方法には多数の欠陥があるように思われる。日本では置換バイアスと品質のグレードアップに余り注意が払われていない。
このことは、米国は1999年にこれらのバイアスを補正して以後、米国と日本の物価測定値には重要な方法論的差異が生じていることを意味する。

米国の方法論によれば、日本のデフレは1999年以来、年平均1.2パーセントとなっている。 これは日本の国家統計によって示唆される2倍以上となる。
この日米の方法論の違いを無視することで、1999年から2006年の間のアメリカの一人あたり消費成長率は日本での値より2%高くなるという誤差が発生することになる。
逆に日米で同じ方法論を使った場合、この期間の日本の成長率はアメリカの成長率とほぼ同じになる。 さらにいえば、日本のCPIの上方バイアスは真の生計費指数(cost-of-living index)(コラム1参照)に対するバイアスは年間約2%である。

この日本のCPIの上方バイアスと、日本の低インフレ率とにより、社会保障費や債務返済に関して今後10年間で69兆円-またはGDPの14パーセント- 以上政府費用が多くなると見られる。金融政策については、インフレ率を過大に見積もっているため、日銀がインフレ目標を採用した場合にもしCPIの目標が2%未満であった場合、物価の安定は達成されないと思われる。 *5

伊勢の水源伊勢の水源 2013/09/11 08:57 shavetail1さま、
<CPIは政府が物価を判断するための唯一無二の指標ですか?>

私もGDPデフレーターを指標としてみることに賛成です。
加えて言えば、資源消費の少ないGDP寄与率の高い産業に注目という立場です。なぜなら、それは国民が質の高い生活をしている証拠であり、且つ将来世代に資源を残す賢い生活をしているという指標になると思うからです。
この視点は、
shavetail1 さまもご存知のように、
お金は、政策によって好きなだけ増やすことが可能ですが、資源は自然から与えられたもので、増やすことが不可能なものと考えられることによるものです。

繰り返しですが、
シェイブテイルさまのこのお考えには賛成です。↓
<ふたつの物価指標、消費者物価指数(CPI)とGDPデフレーターに差が出る原因は統計手法の差からくる計算式の違いという総務省の説明は不完全で、デフレ状態での差のかなりの部分は下級財シフトの反映です。>

tt 2013/09/11 12:04 shavetail1様

CPIの上方バイアスには、品目バイアス、品質 調整バイアス、新製品バイアス、店舗バイアス 等があるわけですが、その中で、かなりの部分 下級財シフトだというのは、何か研究論文があ るのでしょうか。 ご教授いただきたいところです。 個人的な感覚では、下級財シフトが起こったと 思えるのですが、この長いデフレの間、名目GD Pで見た時の家計消費がほぼ横ばいであり、一 方で高齢化率の上昇及び人口減少があった(つ まり消費の量は増えない)ことを考えれば、下 級財シフトがそれほど大規模に起こったとは考 えにくいのです。この間GDPにおける家計消費 の割合はむしろ大きくなっていますので、経済 成長の割に家計消費が増えなかったという理論 も成り立ちません。

コアコアないし連鎖で見るなり、デフレーター で見るべきというのは完全に同意です。という か世界のコアCPI=日本のコアコアCPIなんてい うガラパゴスをいつまで総務省はやってんです かね。

この前公表された8月の日銀の金融政策決定会 合の議事要旨を見ると、多くの委員が予想物価 上昇率の高まりを背景に実質金利が低下してい るなんて言ってます。おまえらは6月以降のBEI も物価変動債の利回りも見たことないのかと言 いたい。できればこの件で一つ書いていただき たいです。

shavetail1shavetail1 2013/09/11 13:34 tさま
>かなりの部分 下級財シフトだというのは、何か研究論文があ るのでしょうか

良い所を突かれますねw
正直なところ、データとして要素分析されたものは私も見たことはありません。 作業仮説にすぎないわけですね。

ただ、先進国でもCPIが2%を超える英米はCPI−GDPデフレーターに単純な正相関があるのに、ドイツ・台湾などデフレ気味の国々ではCPIが水平化が観察されています。
http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20120117
なお、このエントリーでは表示していませんが、日本同様の高齢化国イタリアでも欧米同様、CPIとGDPデフレーターの相関関係は単純な正の相関です。 人口減少国であるベラルーシ、グルジア、ロシア、ウクライナでも同様ですので、御説(老齢化・人口減少説)に合わない例が多数あります。

デフレと上方バイアスの乖離拡大をつなぐ要因としては下級財シフトが考えやすいでしょう。消去法的でアレですが、その他のバイアスでは、インフレ時に小さく、デフレ化すると拡大する乖離を説明困難ではないでしょうか。 ただ、定量化した要因分析は現在の私の手に余りそうです。

tt 2013/09/11 13:57 shavetail1様

ちょっと返信が的外れですので。 私の趣旨は、GDP統計において、家計消費が下 がらず、一方で人口減と高齢化から消費の量的 増加の可能性も限りなく低いので、下級財シフ トはそれほど起きていないというものであって 、人口減少デフレ論を説いているのではありま せん。 財の消費量が変わらずに、消費における下級財 シフトが起これば、GDP統計における家計消費 は減少します。しかし現実は家計消費が横ばい であるため、下級財シフトの影響は小さいこと がデータからわかるのではというものです。 いかがでしょうか?

基礎固め基礎固め 2013/09/11 19:00 ダブった文章は消していただいて大丈夫です。
私も政府が使うCPIは反対ですね。環境影響の降り幅が多い水産品や政治影響が大きい石油等を抜いてないはずだからです。基本はそれらを抜いたコアコアを使うべきかと思います。
厳密にやると、まずデフレであるのはどの指数からなのか見ないといけなく、それに連動している指数を調べるやり方だと思います。確か政府はGDPデフレーターをデフレであるという認識に使っていたはずですからこの場合はデフレーターを前提に話している主さんの進め方には賛成です。
tさんの疑問は前提のデフレーターのところに戻って、下がったのは下級財以外の原因もあるのではと。そこらの議論斎藤誠氏がやってかなったかなや!?輸出物価が上がらないのを付加価値が・・を問題提起してたような

shavetail1shavetail1 2013/09/11 20:53 まだ読んでいないですが、ここでの話に関係がありそうな分析がありました。取り敢えず貼っておきます。

http://www.nli-research.co.jp/report/nlri_report/2013/report130712-3.pdf

2013-09-08 物価:異次元緩和に黄信号点灯? このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

2020年オリンピック東京に決まってよかったですね。 さて本題ですが、
日銀が4月以来継続している異次元緩和ですが、日銀自身による高い自己評価とは裏腹に、2年以内のCPI=2%達成に黄信号が灯っている可能性があります。

9月5日、日銀金融政策決定会合で、国内景気の現状判断について「緩やかに回復している」とし、7月と8月の決定会合で示した「緩やかに回復しつつある」から引き上げました。4月に導入した大規模な金融緩和策については、全員一致で継続を決めています。

日銀は、現行の異次元緩和を継続することで、当初目標とした2年以内のCPI=2%達成が可能と判断しているようです。

現在の消費者物価指数(CPI)は、日銀が強調するようにコアCPI(生鮮食品除く)で0%後半です。(図1)
ただ、データを良く見ると、コアコアCPI(生鮮食品エネルギー除く)はほぼ0%。寄与度をみても公共料金上昇が牽引した、質の伴わない物価上昇に留まっていることが分かります。景気回復が実感できる財については、ようやく7月に08年以来の上昇に転じたばかりです。

日銀が成果を強調した、コアCPIは指標としてふたつの問題を抱えています。ひとつはエネルギー価格という日本にとってはデフレ要因となる要素で上振れすること、もうひとつはCPI自身の問題点で、同じ製品バスケットを買うのにいくらかかるかを計測するため、上方シフト(デフレによる下級財シフトなどが検出されないこと)があることです。

これまでの日銀緩和の「成果」はエネルギー公共料金上昇
f:id:shavetail1:20130908063420j:image
図1CPI上昇率推移
出所:日銀金融経済月報(2013年9月

上方バイアスのない東大日次物価指数は現在△0.6%で下落中、BEIは0.6−0.8%が消費税の影響
f:id:shavetail1:20130908070726j:image:w360
図2 今年の東大日次物価指数とBEI推移
赤線=東大日次物価指数、青線=総務省指数*1、緑線=BEI。
出所:東大日次物価指数=専用サイト(日次最近分)、BEI=日本相互証券

図2赤線は、スーパーなどのPOSデータから算出され、コアCPIの欠点、上方バイアスがない、東大日次物価指数とよばれる物価の推移です。現在の東大指数は今年はじめを底にゆるやかに上昇に転じました。ただ、現在もマイナス0.6%です。 従って日本経済はまだデフレによる物価下落継続していると考えられます。 

図2緑線は同時期のブレイクイーブンインフレ率(BEI)の推移です。中期的なBEIはこの3年上昇傾向で、市場の予想する物価は今年5月には日銀が目標とする物価2%近くにまで達したようです。 ところが、消費税の影響を受ける銘柄と受けない銘柄のBEI比較から判断すると、BEIのうち0.6−0.8%は消費税増税分を織り込んで上昇しているとされています。*2
BEIは最近1.3%にまでさがってきています。そのうち0.7%が消費税増税分だとすれば、真水のBEIは0.6%と、今のコアCPI並に過ぎず、市場参加者は政府日銀の2%インフレ目標達成に懐疑的だということになります。

日銀2014年末までに190兆円に及ぶ国債を市場から買入れる、いわゆる異次元緩和を継続中ですが、その政策が市場の期待に織り込まれて今のBEI、物価上昇率です。 
麻生・甘利氏らは「消費税増税が今できなければいつできるのか」とはしゃいでいますが、今の物価がまだはしゃげるような状況ではないことは明らかです。

*1東大日次物価指数算出商品で構成したCPI

*2消費税の影響を除いたブレーク・イーブン・インフレ率の算出 日本総研2013 年8月23 日

読者読者 2013/09/08 18:37 毎度勉強になります。
増税反対の次は、大胆な追加緩和を求めていきましょう。
最近の日銀の緩和ペース鈍化は異常です。

名無し名無し 2013/09/08 23:32 以前から疑問だったのですが、
>上方シフト(デフレによる下級財シフト などが検出されないこと)があることです。
これがよくわかりません。
同じ商品の価格が上下するならともかく、安い商品を買うようになったから物価が下がったというのは納得がいかないのですが・・・

shavetail1shavetail1 2013/09/09 16:03 名無しさま
CPIの上方シフト、デフレによる下級財シフトについて、医療費高止まりの原因にもなっていることを9月9日ブログで書きました。

yes-baramakiyes-baramaki 2013/09/10 12:05 検証お疲れ様です。
やはり懸念したとおり、物価上昇はエネルギー価格上昇による物でしたか。

shavetail1shavetail1 2013/09/10 12:16 そうですね。 今のところ、インフレが浸透して一般国民に恩恵を与える状況までは距離がありますね。10月に安倍首相が増税を中止し、更に国土強靭化その他の財政政策を打ち出して財金併用のバランスが取れれば一気にインフレ転換が可能でしょうけれど、逆に増税+わずか数兆円程度の財政出動という間違いを犯せば、デフレはまだまだ続くのでしょうね。

yy 2013/09/28 12:30 いつも勉強させていただいてます。
今回のCPIの動きは、GDPデフレータにはどう反映されるのでしょうか?輸入物価の上昇と、GDPデフレータの関係がよくわかりません。

shavetail1shavetail1 2013/09/28 12:50 yさま
8月現在でのコアCPI=0.7%、コアコアCPI=△0.1%(日銀)、四半期GDPデフレーター(4-6月期、前期比)が△0.0%(http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2013/qe132_2/pdf/gaiyou1322.pdf)となっています。CPIだけが突出して高くなっているのは、エネルギー原料を海外から買っても、例えばガソリン価格という形でCPIを上げる方向で働きますが、コアコアCPIはエネルギー価格を除くという定義からガソリン価格上昇は含まれません。

また、GDPデフレーターは国内付加価値の総和、GDPから求められ、国内から見てコストとなる、原油・天然ガスなどは、輸入デフレーターという形で控除項目となっていて、これらエネルギー価格が上がってもGDPデフレーターは上がりません。

したがって、アベノミクスで重視すべき指標はコアコアCPIかGDPデフレーターになるかと思います。

2013-09-07 通貨発行益とは何か このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

f:id:shavetail1:20130907000619j:image:w180:right政府の収入、いわゆる歳入の源はどこにあるのでしょうか。
歳入=税収+国債ですか? いいえ。ちょっと違います。
歳入=税収+国債通貨発行益です。
ではその通貨発行益とは一体何なのでしょうか。
この重要な政府歳入源を知るか知らないかで、政府の財政に対する考え方は大きく異なってくるのは間違いありません。

(今回は少々難しい内容ですので、細かい点は省いています)

通貨発行益については、経済学者の間でも合意に達しているわけではありません。
(1)通貨を増やせばそれが通貨発行益だ派
 リフレ派の論客高橋洋一嘉悦大学教授(大蔵省出身)は通貨発行益は、政府貨幣でも日銀券でも通貨を増やせばその殆どが通貨発行益だという主張をしています。

金利がゼロなら貨幣国債は完全代替物となるといえるが、実際には金利はゼロでない。だからこそ、マネタリーベースのところはシニョレッジ(通貨発行益)が発生するが、国債には発生しないのだ。これをイメージしやすくしたものが、実は政府通貨のアイデアである。会計上の違いによって、シニョレッジ(通貨発行益)の計上は、日銀量的緩和では各期の利払い相当額、政府通貨発行では当期に全額となっているが、現在価値ベースでみれば両者は同じ。要するに、マネタリーベースの増加額がシニョレッジ(通貨発行益)になる。
   【シニョレッジ(通貨発行益)を見落としている量的緩和「懐疑論」の誤り

もうひとつはこちらです。
(2)通貨を増やしても通貨発行益は金利分しかない派
 一方、國枝 繁樹・一橋大学准教授(こちらも大蔵省出身)は、通貨発行益とは、日銀が増やした通貨で買い取った国債などの資産金利だけだと主張しています。 
   【「政府紙幣発行で財政再建可能」のウソ
 

 更にはもうひとつの考え方も。
(3)コインと日銀券では異なる派
 深尾光洋慶應義塾大学教授(日銀出身)は、通貨発行益とはコインの場合のように「通貨を増やせばそれが通貨発行益」という場合と、日銀券の場合のように「通貨を増やしても通貨発行益は金利分しかない」場合の両方があるとしています。
  【深尾光洋の金融経済を読み解く 9月1日 通貨発行益とは何か

大蔵省日銀出身の大学の先生でもこれほど意見が違うのは、通貨発行益というものが普段私達がほとんど見聞きしない概念だからでしょうか。

仮説として筆者が考えた定義ですが、通貨発行益について、次のように考えればスッキリするのではないでしょうか。
 通貨発行益とは、通貨を発行したことで政府がその年に得た利益」  *1
読むとこれでもまだ少々ややこしいですね。でも具体的に考えればすぐに分かります。


【1】政府がコイン(政府貨幣)1億円を発行し、通貨発行益を得た。
この場合、大変単純で 通貨発行益=額面−製造費用です。例えば500円玉(製造費用43円)を1億円発行すれば、9,140万円と、ほぼ1億円近い通貨発行益が政府に入ります。先ほどの仮説の考え方にもあっています。

【2】日銀が市中から国債を買って、紙幣(日銀券)を払った。
これが意見の別れるところです。 日銀国債を買うと、日銀券で(買った国債金利)が1年間の日銀の利益です。そしてその大半を政府に国庫納付金として納めます。
従って、通貨(日銀券)を発行したことで、政府がその年に得た利益はコインの場合とは異なり、おおよそ(買った国債金利)です。国債を1億円買って、金利が1%なら年100万円の通貨発行益となり、先ほどのコインの場合より随分発行益が小さいことがわかります。

なお、同じ通貨発行益といっても、コインと中央銀行券ではここで説明したように内容が異なるにことついては先日少し触れたカナダ銀行の一般向けパンフレットでも説明されています。*2

 高橋洋一氏の主張は、日銀券で1億円分国債を買った場合、未来永劫持つとすれば通貨発行益は合計1億円になるという主張ですが、未来永劫持つという前提や、会計の原則が1年単位なのに、無限の金利収入を先取りする、という部分に無理があります。

 逆に國枝氏の主張では、通貨発行益を高名な学者が言うから(名目金利)×(実質貨幣残高)だ、と決めつけていますが、大蔵省出身なのに、中学生でも直観で理解できるコインの通貨発行益を無視しています。

 結局、ロジックとして正しいのは3人の中では深尾説(コインと日銀券では異なる)だと言うのが私の結論です。

 ただ、深尾氏は日経新聞経済教室*3では国債とは全くことなる政府紙幣を、必ず回収せねばならない実質債務とみなす、無理な前提をおくことで、政府紙幣による通貨発行益は実際にはない、というロジックジャンプと荒唐無稽な結論を導いています。 これは2009年時点での白川日銀という古巣が言わせた妄言なのでしょう。

1.歳入=税収+国債通貨発行益 です。通貨発行益は無視できない重要な財源です。
2.通貨発行益には、コインなどから来る大きな通貨発行益と、中央銀行券から来る小さな通貨発行益があります。

取り敢えずはここまで分かっていただければまずは十分です。

さて、もう一つ例を。実はこれが最も議論が別れるケースです。
【3】日銀政府から国債を買入れ、日銀券1億円を払った。
この場合も、政府通貨発行益は(名目金利)✕(国債量)で100万円程度でしょうか。
しかし、この場合【2】とは異なり、政府が得る利益は、日銀金利収入を介して得たものではなく、コインと同じく単純に額面−製造費用ですね。1万円の製造費用が22円なら、この場合の通貨発行益は一時に9,978万円となります。
政府日銀に買入させた国債を放置するのか、買入れて消却するのか、途中で市中消化するのかはこの取引では未定のため、政府国債日銀に買入れさせると、国債と言う名前とは裏腹に、一旦債務性も消失しています。 要するに見た目とは異なり【3】は、【2】ではなく、【1】とほぼ同じ取引による通貨発行益ということです。

以上から重要な結論です。

日銀国債を市中から買い入れる場合と、政府から直接買い入れる場合では通貨発行益の大きさが全くことなります。 市中から買う場合には、小さな通貨発行益、(名目金利)✕(国債量)ですが、政府から買う場合にはコインと同じく大きな通貨発行益、(額面)-(製造費用)を得ることができるというわけです。

*1:「その年に」というのは、会計が1年単位であるため

*2http://www.bankofcanada.ca/wp-content/uploads/2010/11/seigniorage.pdf

*3日経新聞2009年(平成21年)2月10日1火曜日23面

doverdover 2013/09/07 07:23 いつも楽しく拝見しております。
一点質問なんですが、償還までを含めても市中国債の日銀による買い入れでは金利分しか通貨発行益にならないのでしょうか?それとも償還時点で発行益が生じるとお考えでしょうか?

通貨発行益があるなら通貨回収損もあって、回収時点で損が生じるのだと考えるなら高橋説が正しいと思えます。

shavetail1shavetail1 2013/09/07 07:44 dover さま
コメントありがとうございます。
まず、日本銀行✕通貨発行益でググると国庫納付金の話が出てきます。日銀では通貨発行益をどう捉えているかがここで分かります。
それは一旦置いておきます。

償還までも含めた場合、「永久年金モデル」というモデルを用いて国債からの通貨発行益の現在価値を計算すると、国債の額面に等しいという議論がありますが、これは無限大時間までを含めた価値です。
日銀が市中から国債を買入れた場合、ある年の歳入を考えれば、政府が活用できる通貨発行益とは、その年の国庫納付金としてに限られます。 本文で引用した國枝氏の記事によれば、国庫納付金の金額は、「2009年度決算では3,487億円、2010年度決算では443億円にとどまっている。2009年度の日銀納付金をGDP比で見ると0.07%にすぎず、2000年代平均で見てもGDP比で0.11%にとどまる。」とされているので、高橋氏が指摘するように、日銀に国債をブタ積みしても意義があると言われれば、確かにゼロではないものの、200兆円積み上げても通貨発行益はせいぜい2兆円程度でしょうか。
デフレで異常に金利が低いことが響き、大した効果は期待できないように思います。

一方、【1】のコインや【3】の国債直接引き受けならば、200兆円の額面から190兆円前後の通貨発行益で、財政に与えるインパクトは全く異なっていると思います。

なお、デフレを脱却すれば、もはやこうした直接引き受けといったブースターエンジンは止めて従来型のオペレーションに戻すべきでしょうね。

shavetail1shavetail1 2013/09/07 07:50 過去の通貨発行益の大きさは、日銀の国庫納付金からすぐに分かるのですから、高橋洋一氏がなぜ会計の原則にもあっていない無限大時間の価値をこの場合にだけ持ちだして「国債ブタ積みといっても通貨発行益は大きい」と主張されるのかはナゾですね。

shavetail1shavetail1 2013/09/07 10:45 chintaro3 さん
帳簿の話、ではないんですよ。本質的な話。

日銀が政府に「今100万円あげます」と「今年、金利だけ1万円あげます」の違いです。政府が100万円使えるか、1万円しか使えないかの違いは分かるでしょう?

shavetail1shavetail1 2013/09/07 13:09 tdamさま

>深尾説は買いオペに伴う名目金利低下≒利払い低下を無視。
それはどうでしょうか。買いオペでも直接引受でも、政府が日銀に支払うべき金利と、その金利から日銀が政府に支払うべき国庫納付金(=通貨発行益の大半)が相殺する状況はいつでも、金利水準によらず、ほぼ一緒でしょう。

>定義を広げれば通貨発行益は方法・発行体によらず一定に思う。
定義ですか。 政府貨幣例えば500円コインの通貨発行益は457円もあります。(額面比90%以上) これに対し、日銀が日銀券を出して国債を保有することによる通貨発行益は保有高90兆円で0.5兆円程度です。(額面比1%以下) この二つの政府収入を「考え方によっては一緒」、とくくるのは無理がありませんか。

tdamtdam 2013/09/07 15:31 shavetail1さま

いつも考え方の整理に役立つ記事をありがとうございます。ブコメでは短いですのでこちらにコメントさせていただきます。

まず、日銀国庫納付金のうち金利(利払い)分のみについてですが、既発債・新発債の区別にかかわらず国庫納付金を「利益」…真水の財源として取り扱う考え方には違和感を感じます。

記事中にありますように、国債利払い費は政府から保有者に払われる金利=国債費=「歳出」の一部ですが、日銀保有分に関しては(金利水準によらず)ほぼ同額が国庫納付金=「歳入」として帰ってくるので、「利益」=「歳入」−「歳出」ゆえ差し引きゼロです。

つまり、実態として国庫納付金は、親会社(政府)と子会社(日銀)の間で資金循環の一部に過ぎず、これをいくら増やしても「利益」は増えず政府の予算規模が大きくなるだけといえます。

当然ながら、歳入・歳出における国債費の規模が同額だけ大きくなっても「プライマリーバランス」の計算からも除外されます。


ゆえに定義の問題は実は重要で(論者同士で定義が異なる場合は議論がかみ合いませんので…)、通貨発行益の定義を歳入増ととるか、政府の利益はたまたプライマリバランスの改善ととるかで結論が異なってくると思います。

そういう意味では、定義が「歳入」増であれば深尾説もあながち間違っていないのかもしれませんね。(歳入単独計算の無意味さ、ご指摘の通貨消滅前提も含めて現実にそぐわないのでしょうけども…)

shavetail1shavetail1 2013/09/07 16:00 tdam さま
コメント欄へも記載いただき有難うございます。
>考え方の整理
そうですね。 今回の通貨発行益のように、簡単に分かったと思える直観的解釈が、何かのきっかけでどこか落とし穴があったことに気付くケースもあるわけです。私を含め人間、中々その落とし穴にすぐ気付くことはないですが、例えば今回のように異説を相互に眺めることで落とし穴に気付くきっかけになれれば結構なことかと思います。

tdamtdam 2013/09/07 16:14 「歳入単独での議論」が無意味であることを指摘した上で、次に、通貨発行益を政府の「利益」として定義する場合…これはshavetail1さんも私も一般的な定義でもそうだと思います。

そもそも、
【1】高橋氏周辺の推す政府貨幣発行でも、
【2】アベノミクスのように財政政策+買いオペでも、
【3】なぜかタブーとされる日銀直受けでも、
政府が当座手にする資金量(≒「利益」)も起きる結果も本質的には等価で、端的に言えば通貨の希釈化と引き換えに政府が「目先の財源」を手にします。


それぞれの場合に政府の「利益」がどうなるかをもう少し複雑に考えると、

【2】買いオペは短期的(債権のデュレーションではなく、時間軸の意味)には国債需給が緩み名目金利低下効果+期待インフレ率の上昇=実質金利の低下につながり景気を浮揚し生産を拡大させ、デフレ期には高い税収弾性値から税収増=政府の「利益増加」になります。

しかしながら中長期的(同)には国債新発+インフレ率の上昇から資金需要逼迫、ひいては名目金利の上昇から対日銀以外の国債利払い費の上昇から「利益減少」も引き起こします。一方で、日銀が保有し続ける国債分に関しても「既発債」の利率は変わるわけではありませんから、国庫納付金は即時に増えません。


一方、【1】や【3】はデフレ脱却部分に関しては同じですが、国債現物市場に関係しないので名目・実質金利一時低下の影響がないように見えますが、これまでの報道や通念からの乖離した手段であるため、先物市場を含めてやや動揺するかもしれません。(市場の動揺=リスク上昇=金利プレミアム発生?)

現在の日本の経済財政状況は、客観的に見て債務GDPが莫大でかつプライマリーバランスは大きくマイナス、ドーマーの条件も微妙に満たさずという状況(その原因はもちろん過去のデフレ不況と小兵力逐次投入!)であり、減り続ける人口も合わせて、坂道で滑り落ちるのを摩擦で耐えているような、永続不可能で奇妙な均衡状態にあります。

景気を浮揚させつつ財政の持続性を回復するためデフレ脱却にいたるまで国債市場を無為に刺激しないよう、徐々にガス抜きしていくのがリフレ政策に求められているのだ、という理解です。


それはさておき、いかなる発行体(政府紙幣or日銀券)がどんな方法(直受けor買いオペ)で通貨を新規発行しようとも、ファンダメンタルズ的な通貨希釈効果は一定であるが、市場に与えるインパクト・撹乱効果が違うのだと私は考えています。
(ブコメは、"定義を広げれば"→"定義が利益なら"に訂正しました。)


あと「デフレ派」の言い分のように聞こえるかもしれませんが、リフレ政策または政府貨幣発行を考える政府は通貨発行・積極財政・金融政策の結果、ターゲットを超えてインフレ率が上昇してしまい、日銀が売りオペに転じる=相当する既発債の国庫納付金さえも失われることも想定しければなりません。通貨発行益が"(額面)-(製造費用)"分だけ本当に得られるか、は確定的ではありません。

したがって、方法・発行体によらず、インフレ率上昇と引き換えの通貨発行益は等しく存在するが、「単年度での計算」だけでは果たしてどれだけの政府の「利益」の総計、どれだけプライマリーバランス改善につながったのか、ということは確定できないと思います。


もちろん、「バーナンキの背理法」を出すまでもなく、当然ながら通貨発行はフリーランチではなく、通貨と財・サービス・資源の交換比率の変動…インフレ率の上昇が起こるわけですが、長期デフレの日本ではマイルドインフレの達成が望ましいわけですから、その分に相当するだけ通貨発行余力があるということだと思います。

越権的な金融政策の範疇とも言える政府貨幣が議論されるべきは、ゼロインフレ・デフレ維持のため金融緩和に消極的かつ否定的な日銀任せではデフレ脱却が達成できない異常事態であった白い日銀の時代であり、現在のように政府と決めたインフレターゲットを守る日銀である限り、アベノミクス方式…通常の買いオペ+国債発行による財政政策が、市場関係者への理解も含めて「穏当」と思います。

shavetail1shavetail1 2013/09/07 16:41 【1】から【3】は財金併用なのであれば、効果は大差ないと思います。 ただ、現在のアベノミクスのように金融偏重でまだ財政出動が伴っていなければ、期待だけでのデフレ脱却となり、中々短期間では脱却困難かも知れません。私は必ずしも公共投資は好きではないのですが、デフレ脱却は最優先課題と思いますので、【2】の状態を早く実現させて欲しいところです。

さて、
>貨幣の希薄化  の件。

デフレギャップが大きく存在するときに、通貨を市中に流通させた場合、当面起こると予想されるのは、失業率低下や機械受注・設備稼働率の向上、そして実質GDPの拡大,つまり商品・サービスの質・量が向上するわけですから、需給が逼迫した国のような、通貨の希釈化が起こるのでしょうか。 デフレ日本で通貨を発行しても、デフレ派の人たちの主張のような、インフレ税というのは当面発生しないのでは。 そういう意味では、デフレ脱却後しばらくは、通貨発行は見た目としてはフリーランチだと思いますよ。

というか、これは97年以降の日本で日銀が通貨を出し惜しみし、財務省が無用な消費増税をしたことの裏返しに過ぎず、これまでの20年は料金だけ払ってランチは出てきていないので、大幅に遅れて出てきたランチを食べるということかも知れません。

tdamtdam 2013/09/07 17:08 shavetail1さま

返信ありがとうございます。おかげさまで理解が深まりました。

"【1】から【3】は財金併用なのであれば、効果は大差ない"、"【2】の状態を早く実現させて欲しい"はまさに同意するところで、"金融偏重でまだ財政出動が伴っていなければ"意味がないどころか、来年の消費増税で公共投資や社会保障の充実どころか「財政再建」をされてしまうと財政緊縮に他ならないわけですから、デフレ脱却が遠のいてしまいます…。

数十兆円とも言われるデフレギャップを、政府の財政政策だけでなく民間が自発的に埋め、休眠している人的資本や資本設備を用いて実質GDPを最大化、実質成長率を巡航速度である潜在成長率に戻すことがアベノミクス・リフレ政策の目標なのですから、本来あるべき姿に戻るだけであり、まさにデフレ経済からランチの代金を返してもらう過程ですね。

財政政策のために国債発行なり通貨発行なりしすぎると、あとで見込みが外れて利払い費が増加してしまうという懸念は程度の問題ですね。どの程度の財政政策が妥当かを事前に予想するのが困難なのは、長年食べ損なってきた「ランチ」の味と同じですね(笑)。

shavetail1shavetail1 2013/09/07 18:14 お金という引換証さえ十分量あれば、手弁当⇒ほか弁⇒食堂⇒レストランと言った具合に、初期投入は殆ど同じで、付加価値を高められる余地が日本には相当ありますから、これから日本国民全員で美味しいランチをいただきましょうw

2013-09-06 手紙一通で180度転換した読売の消費税への態度 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

安倍首相消費税増税判断まで後一ヶ月たらず。
そうした中、読売新聞が消費増税に対するこれまでの態度を大きく転換しました。


事の始まりは今年の夏、ひとりの老人が書いた暑中見舞いの手紙でした。
ナベツネ書簡。渡辺恒雄読売新聞グループ本社代表取締役会長が、8月上旬、政治家宛に書いたものです。 *1 
その中でこれまでの読売新聞の主張を大きく逸脱して、消費税8%アップへの反対を表明したとのことです。

これまでの読売新聞は、元財務次官丹呉泰健氏を読売新聞グループ本社監査役に招き入れ*2消費税増税プロパガンダの先頭に立っていました。

ところが、8月10日の記事では世論は予定通りの消費税引き上げに慎重だとするアンケート結果を発表しています。

読売新聞社は8〜10日に全国世論調査を実施した。
 来年4月に予定されている消費税率の8%への引き上げについて聞くと、「引き上げは必要だが、時期や引き上げ幅は柔軟に考えるべきだ」と答えた人が56%に上り、慎重な意見が多かった。「予定通り引き上げるべきだ」は17%にとどまり、「今の5%から引き上げるべきでない」は25%だった。安倍首相は今秋に税率引き上げについて最終判断する。

 消費税率引き上げに伴い、生活必需品などの税率を低くする軽減税率を「導入すべきだ」との答えは73%を占めた。安倍内閣経済政策を「評価する」との回答は57%で、「評価しない」の28%を上回った。ただ、景気の回復を実感していない人は80%に上っている。
     消費増税「時期柔軟に」56%…読売世論調査(2013年8月10日23時24分)

 同時期に実施された日経新聞世論調査では全く逆に消費税推進容認が7割との結果が発表されています。

 消費税率を今の5%から2014年4月に8%、15年10月に10%へ引き上げることについて三択で聞いたところ「予定通り引き上げるべきだ」は17%と前回より6ポイント上昇。「引き上げるべきだが、時期や引き上げ幅は柔軟に考えるべきだ」は3ポイント低下の55%、「引き上げるべきでない」は3ポイント下がり24%だった。
   内閣支持68%、消費増税容認7割 本社世論調査  日経新聞 2013/8/25

 これらのアンケート結果の興味深いところは、両新聞のタイトルではほぼ逆の印象ですが、アンケート結果自身は実殆ど差がありません。(図1)
f:id:shavetail1:20130906100900j:image:w360
図1 消費税増税に関する新聞二社直近のアンケート結果
見出しは読売が「消費増税『時期柔軟に』56%」
日経は「消費増税容認7割 本社世論調査 」となっているが、
実際のアンケート結果は酷似している。
グラフ割合は記事本文と多少差があるのは、「その他」
部分を集計から外したため。

1997年増税時点では新聞は、消費税増税に反対の論陣を張りました。 その後ある時点で、新聞業界全体が消費税増税に賛成に転じました。*3

ここでそのマスコミ増税の団結が崩壊しつつあります。

8月30日に政府主催で開催された今後の経済財政動向等についての集中点検会合には、日本新聞協会会長・読売新聞グループ本社代表取締役社長白石興二郎氏が意見を次のように述べています。

1. 税率引き上げ、各新聞社が社論を展開
社会保障・税一体改革関連法が成立した昨年8月、多くの新聞社は財政健
全化と社会保障の充実のためには消費増税やむなしと判断し、賛成の立場
を取った。
○ しかし、予定通り引き上げるべきかどうか、また引き上げの時期について
は、景気動向や地方経済の実情を十分に踏まえて判断する必要があるとの
立場から、各新聞社がそれぞれの考えに基づき、社説などの形で社論を展
開している。新聞協会としての統一した見解はまとめていない。このため、
本意見は読売新聞の社長としての見解である。
2. 8%は見送り、15年10月に10%に
読売新聞としては、来年4月に予定される消費税率の8%への引き上げは見送り、
2015年10月に10%に引き上げるべきだと考える。 
日本経済の最重要課題はデフレからの脱却であり、失敗は許されない。
デフレ脱却し、財政再建経済成長の両立を(以下項目のみ本文略)
世論調査、「引き上げ時期柔軟に」が多数
国際社会の理解得る必要

…。
ドイツ連邦銀行は8月の月例報告で、適切な成長戦略が実行されないまま
来年4月に消費税率を引き上げればアベノミクスの効果が薄れると予測し
た。
6 新聞に高い公共性、5%の軽減税率
    消費税率引き上げに関する意見 
     日本新聞協会会長・読売新聞グループ本社社長 白石興二郎 2013 年8 月30 日

読売新聞社長よりも、日本新聞協会会長の立場の方が重いはずですが、「新聞協会としての統一した見解はまとめていない。このため、本意見は読売新聞の社長としての見解」として、「来年4月に予定される消費税率の8%への引き上げは見送」るべし、という反対意見を述べるに至っています。 ドイツ銀行消費税引き上げに反対しているなどという情報も、読売新聞紙上では報道されていなかったのではないでしょうか。

そして消費税は10%に一気にあげよ、その際には新聞への軽減税率適用し、事実上新聞への消費税引き上げには反対とのこと。

日本新聞協会による消費税軽減税率の主張根拠については以下のように報道されています。

日本新聞協会は21日、シンポジウム「ニュースや知識をどう支えるか―ネット時代にメディア公共性を考える」を東京都内で開いた。パネル討論の参加者からはインターネットの普及で「従来の活字媒体が劣勢になっている」と危惧する声が出た。

 2014年4月と15年10月に予定する消費増税に関連し、新聞協会が求めている軽減税率適用についても議論。元総務相片山善博慶応大教授は「消費税が上がれば購読者が減る。新聞は民主主義を支える装置で、弱ってくると権力への監視機能が弱まる」と述べ、軽減税率適用が必要との認識を示した。

    軽減税率適用など議論 新聞協会がシンポ開催   日経新聞 2013年6月22日


財務省の意を汲み、これまで散々消費税増税を煽っていながら、代表取締役の手紙一本で180度意見を変える新聞が、本当に「民主主義を支える装置」で、「権力への監視機能」などを持っているとして、軽減税率をなどを訴える資格などあるのでしょうか。

2013-09-05 今なら電凸・メル凸で消費税を止められる このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

電凸・メル凸は、今や国民の政治参加ツールです。 政治を動かした成功例も出ています。 有害無益な消費税増税に反対と言う国民の声を直接伝えましょう。

電凸・メル凸といえば電話・メールにより企業・官庁政治家政党などに電話またはメールを送り、その活動について組織としての意見を問いただす行為のことです。

参議院選挙前の今年5月、消費増税タカ派与謝野馨氏について、突然自民党への復帰が決定したかのような報道がなされました。

自民党は15日、与謝野馨官房長官(74)を復党させる方針を固めた

与謝野氏は2010年4月、たちあがれ日本の結成に参加し、自民党は反党行為として除名した。
党内には復党に異論もあったが、与謝野氏が政界引退後、わび状と復党願を出し、今年旭日大綬章を受章したこともあって認めることにした。
  朝日新聞5月16日付朝刊(同日産経新聞でも同様の報道あり)


f:id:shavetail1:20130905130928j:image:medium:right与謝野氏といえば、リーマン・ショックの時に財務大臣をしていて「ハチに刺された程度」という認識で、白川日銀とともに手をこまねき何もしませんでした。その結果は日本経済の大惨事。 

それ以外の場面では執拗な消費税増税画策。 国民にとって有害無益な害虫政治家でした。

シェイブテイルも自民党本部にメル凸して、与謝野氏復党は自民党のためにも国民のためにもならない旨訴えました。ただ、返事はあったものの、「ご意見承りました。」といった自動メールのような返事でした。

その他にも多数電凸・メル凸された方々がいたようです。
そのうちの1人、はるはるぱぱ氏はブログでその時の様子を克明に伝えています。

<電話内容>
「はい自民党本部です。」 (女性の方)

『はい私、横浜市に住んでおります●●と申します。自民党さんに意見したいことがあるのですが。』

「はい。どのようなご意見でしょうか。」

与謝野馨さんが復党願を出して自民党が検討しているという新聞記事を見たのですが、これは本当ですか?』

「はあ、それはいつの記事ですか?」
(↑冷たく棒読みする感じ。そしてこちらが記事を探している間は完全に沈黙、自分で調べるつもりはないらしい)

『ええと、朝日新聞毎日新聞産経新聞にも出ているのですが、ええとこれですね、毎日新聞5/17に出ている。自民党与謝野氏の復党検討、と書いてる。』

「はい、与謝野さんの復党でしたらもう決まっていると思いますよ。」
(↑いきなりはっきりと言う。)

『ええ!?ちょっと待ってください。決まってるんですか?それは知らない。いつ決まったんですか?いや私、これは絶対に止めてもらいたいと伝えようと思って電話したんですけど。』

「ええ、ご意見は承りますが、もう決まってると思いますよ。」

『それは間違いないですか?正確な情報を教えてください。そちらはどういう部署ですか?あなたは?』

「あ、ええと今、朝の集会などがあって人があまりいなくて、私は受付です。ちょっと詳しいことは分からないので、担当の部署に回しますね。」

(数分待たされる)

「はい党紀委員会です」 (別の女性の方)

与謝野さんのことについて問い合わせたのですが』

「はい。与謝野さんのことについてはまだ幹事長からも指示が無く、検討しておらず、検討するかどうかも決まっていません。」

『さっき電話に出られた方、もう決まってると言ってましたよ。びっくりしましたけど?』

「はい、それは違いますね。何も決まっていません。幹事長から指示もありません。さきほど出た者は事情を知らずに言ったのだと思います。申し訳ありません。」

『そうなんですか。まあ良かった、というか与謝野さんの復党なんて絶対にダメですよね。私以前から自民党を応援していますけど、絶対に止めてもらいたいです。党紀委員会ではどの様に考えているのですか?』

「あ、いつもありがとうございます。申し訳ないのですが、私も党紀委員会の事務の者でして、どう考えているかについてはお答えする立場にありません。頂きましたご意見は谷川秀善党紀委員長にも伝えます。」

『それと新聞記事では明らかに間違った情報が伝わってますよね。それに対して抗議するとか、正式な自民党の見解を出すとかしないのですか?』

「そうですね。仰るとおりですね。それも必ず伝えます。」

与謝野さんの件は非常に関心があるので、何らかの決定がなされたら、一般にもすぐによく分かるような形で公表してもらいたいですね。』

「はい。決定事項につきましては必ずきちんと公表いたします。」
(以上、電話の内容)
     自民党本部に電話「与謝野さんの復党はもう決まってると思いますよ」 はるはるぱぱ氏ブログ


そして最終的に結果はどうだったでしょうか。

 自民党は13日、与謝野馨官房長官の復党を認めない方針を固めた。複数の党幹部が明らかにした。
 与謝野氏は平成22年、たちあがれ日本の結党に参画し、自民党を除名された。今期限りで政界引退する意向を示しているが、地盤衆院東京1区から次期衆院選出馬する自民党候補を支援したいとして、水面下で復党を求めていた。

 党東京都連は復党に前向きな姿勢を示していたが、党幹部の一人は「与謝野氏は除名後に民主党政権で閣僚を務めた人物。ここで復党を許せば、党内の節操がなくなる」と指摘。13日の党紀委員会でも復党は話題にのぼらなかった。
  自民与謝野氏の復党認めず「党内の節操なくなる」 
  -MSN産経ニュース(2013.11.13現在リンク切れ)

マスコミにとっては小さなニュースですが、国民にとっては大きな朗報です。

以前は散発的な電凸なんか、ガス抜き程度で無視されていたかもしれません。
でも今はツイッターなどで一般国民だって組織化され、圧力団体化しています。だから電凸・メル凸は効くんですね。

次は消費税増税阻止です。

デフレ日本での消費税増税は、ひとり90円の債務返済を目的として昭和恐慌を引き起こした浜口首相が犯した罪と同じです。昭和恐慌は「一人当り90円の借金」を返済しようとして発生した- シェイブテイル日記 昭和恐慌は「一人当り90円の借金」を返済しようとして発生した- シェイブテイル日記

日経新聞は自分で報道しませんが、日経NEEDSというしっかりしたマクロ経済モデルのシミュレーションでは、 消費税をあげればデフレがひどくなり、実質GDPが下がります。 となれば税収も賃金も減るでしょう。【日経新聞は消費税にはNEEDSを使いたがらない? - シェイブテイル日記 日経新聞は消費税にはNEEDSを使いたがらない? - シェイブテイル日記

それでも政府債務1000兆円が心配だというのならば、わずかの手間により、100兆円、200兆円と政府債務を純減させる方法だってあります。【政府通貨発行: 債務を100兆円単位で純減させる方法 - シェイブテイル日記 政府通貨発行: 債務を100兆円単位で純減させる方法 - シェイブテイル日記

これらのうち、どの根拠でも構いません。
10月初旬には安倍首相消費税増税の是非の判断を迫られます。 国民の消費税反対の声こそが孤独な首相への最強の応援なのです。
私と共に、自民党本部、首相官邸、あるいは知り合いの政治家電凸・メル凸をお願いします。
ちなみにメル凸の場合、ウェブ送信ですので、メアドは必要ですが本名を示す必要もありません。

◯「首相官邸ご意見募集」 ウェブサイト
◯「自民党へのご意見」ウェブサイト

とまととまと 2013/09/06 09:01 いつもそういう視点があるのかって感じで面白く記事を読ませてもらっています。与謝野氏の報道はひどかったですね。消費税もそうですが世論誘導がひどすぎます。
もしよかったらご意見を聞きたいのですが、消費税率を上げるかどうかの決断を10月まで引き伸ばす意味ってなんなんでしょう?
本当に企業短期経済観測調査(短観)の結果を見てからじゃないと判断できないと思ってのことでしょうか。
安部首相を応援してますし、我慢しなくちゃいけないと思ってもいるのですが、このどっちつかずの状態は良くないと思っています。
どっちにするにせよ、、、とは言えませんが、引っ張り過ぎでしょってのが正直な今の気持ちです。
その辺りについてのなにかそうだったのかって思える視点があれば伺いたいです。
これからも楽しく読ませていただきます。

shavetail1shavetail1 2013/09/06 11:39 とまとさま
いろいろと深謀遠慮がありそうです。
9/6のブログに書いたように、新聞協会会長を兼ねる読売新聞社長がこれまでの絶対増税から、一転して8%への消費税率引き上げ反対を表明しています。

これは新聞への軽減税率適用の法律が、来年4月の消費税アップに間に合わないからとの話があります。本当は反対を貫きたい首相としては、味方が少ない中、時間を味方につけようという意図があるのかと思います。

匿名希望匿名希望 2013/09/06 19:03 もともと附則18条に基づいて、13年秋に増税実施の是非を決定することになっていたでしょう。10月は、『秋』ですから、引き伸ばすもなにも、予定通り、法律通りです。マスコミはこれを知りながら『安倍首相は決められないぞ!わーっ!』っとやっていて、国民の多くもそれにのせられていることに腹がたちます。

shavetail1shavetail1 2013/09/06 19:13 匿名希望 さま
確かにそうですね。ただ、安倍首相も、他に道はなかったとはいえ、消費増税に賛成した立場ですし、消費増税に明確に反対する有力議員が皆無という恐ろしく不利な戦いを強いられています。
とはいえ、最近は読売新聞も(私利私欲からとはいえ)8%への増税に反対を表明して、国民の8割も消費増税には反対です。
ここから首相がどう戦うかは分かりませんが、増税なしまたは延期で首相の勝ち、1%もしくはそれ以上の増税なら負け、といったところでしょうか。

とまととまと 2013/09/07 15:10 返信ありがとうございます。
もともと秋と言っていましたが消費税の経過措置が9月末までの契約であったりとか、実際のビジネスの現場での実務やセールストークを考えれば判断は速いにこした事はないってのが実際だと思います。
まぁマスコミのわーっ!に乗せられてるといえばその通りなんですが、、、
菅官房長官の「首相はデフレ脱却の鬼」発言もあったのでちょっと安心できました。
時間を味方には、読売の反転とか鬼発言とか世論調査で良い方向に進んでいるとも思えるし、逆に間に合わない、しょうがないかって不安にもなりそうな要素です。
でも安部首相は増税なしの場合は時間が味方になるって判断しているという事なんでしょうね。

yoshiyoshi 2013/09/10 10:15 朝日新聞によると、安部さんは増税を決断したというようなことが書かれていますが、実際、どうなのでしょうか?
http://www.asahi.com/politics/update/0910/TKY201309100001.html?ref=com_top6

shavetail1shavetail1 2013/09/10 10:53 yoshiさま
その記事、ちょっと変ですね。

 安倍晋三首相は9日、来年4月に消費税率を8%に引き上げるための経済指標面での環境は整った、と判断した。
…。
首相は好調な指標に自信を深めており、経済対策の規模や中身を見極めたうえで、10月1日にも増税の可否を最終判断する方針だ。

すでに判断したものを10月1日に再度判断するって…。

朝日はオリンピック報道でも東京落選とガセを流しました。
あそこは報道の能力が低い上に反日だからあまり気にしないほうがいいのかも知れません。

shavetail1shavetail1 2013/09/11 21:36 朝日の記事はやはり捏造と朝日が認めたようですね。
http://www.kurayama.jp/modules/wordpress/index.php?p=1099

2013-09-04 昭和恐慌は「一人当り90円の借金」を返済しようとして発生した このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

1000兆円の政府債務が積み上がった現代とよく似た状況が84年前にもありました。
ただ、その時積み上がっていた政府債務、よくいわれる言い方では「国民一人あたりの借金」とは90円でした。


1929年(昭和4年)、浜口雄幸内閣が誕生し国民から熱狂的に迎えられました。
浜口内閣痛みを伴う改革を訴え、不況下の緊縮財政を断行します。
同年8月には、浜口首相は緊縮財政の必要性を訴えるビラを全国1300万戸に配布しました。

今日のままの不景気は底知れない不景気であります。これに反して緊縮、節約、金解禁(著者注:金本位制に復帰すること)によるところの不景気は底をついた不景気であります。 我々は国民諸君とともにこの一時の苦痛をしのんで、後日の大なる発展を遂げなければなりません。 
  「全国民に訴う」 1929年8月28日

これに対して、野党・政友会の三土忠造政府を次のように批判しました。
その中で当時大問題であった政府債務の規模にも言及されています。

一般国民は経済上の知識が乏しく、唯古来の道徳上の教訓によって、節約と言えば無条件に誠に結構なもののように考えるのは無理もないところである。 即ち自分だけ節約した場合と国民挙げて節約した場合とを混同したのである。

世間一般の人は従来通りの生活をしていて自分一人節約した場合には、その節約しただけ懐に余裕が出来ることは言うまでもないが、世間一般が挙って節約した場合には、これとは全然相反する結果を来すのである。…。国民挙って消費を節約すれば、他人の生産した物を買うことが減少すると同時に、自分の生産した物の売れ行きも減少する。 言い換えれば経済政策全体の縮小に終わる。…。

浜口首相も井上蔵相も我が国の公債総額が60億円近くに上ったことを以って、あたかも国家の存亡に関する一大事の如くに宣伝し、現内閣はこれを整理を以って重要使命とするものであると吹聴し、この60億円を一人に割ってみれば90円にして、国民は生まれながらにして90円の借金を負っている、誠に大変なこととつげた。…。

いかがでしょう。政府債務の桁こそ大きく違えども、財政再建派の言うことは時代を超えて判でついたように一緒です。
84年前の浜口首相は、野党からの正しい批判に耳を貸さず、翌昭和5年には日本を昭和恐慌に追い込みました。

ではその政府債務は、明治時代以降、一体どのように推移しているのでしょうか。

政府債務経済成長とともに桁違いに伸び、それが自然
f:id:shavetail1:20130904091004j:image
図1日本の政府債務超長期推移
出所:2002年まで=総務省統計局政府債務現在高、2003年以降IMF
1872年明治5年)以降の日本政府債務推移(対数表示)
そう遠くない将来、京(けい)の桁がわからないと経済記事が読めなくなるだろう。

政府債務を重大な問題と捉える政治家マスコミはいつの時代にもいるようですが、浜口首相が問題とした「一人90円の借金」は今では何の問題もありません。
さらに言えば、「一人90円の借金」も、正しくは当時7割が国民の資産でしたので、海外に返済すべきは一人30円でした。
その返済すべき海外債務も昭和63年にはめでたく完済し、現在では一転して、日本国民が世界におカネを貸す世界一の債権者となっています。

政府債務は累増しても国民からの借金(内債)で、インフレ(お金の刷りすぎ)でさえなければ健全であり、これを個人の債務のように返済を企てると経済は破綻します。

そもそも現在の日本国民は、政府・海外に一人あたり800万円の債権があるだけで、返済すべき債務は全くのゼロです。

安倍首相にも使い古された「1000兆円の政府債務経済破綻」「一人あたり800万円の借金」の大ウソを理解していただき、デフレ下の増税という昭和恐慌の引き金を引いたのと同じ増税緊縮政策に踏み出さないようにお願いしたいところです。

【参考】現在の日本でも消費増税が必要、という向きにはこちらも読んでいただければ目からウロコが落ちるかも知れません
国の債務は返済の必要がないという本質 - シェイブテイル日記 国の債務は返済の必要がないという本質 - シェイブテイル日記

単純労働者単純労働者 2013/09/04 10:44 資本主義国の歳出と債務は長期的に増大することがあっても減少することは決して無い。
点検が必要なのはその増大のペースと経済に与える影響の良し悪し。
一人でも多くの方がshavetail様のご主張に気付かれることを願います。

shavetail1shavetail1 2013/09/04 11:54 早速、適切なコメントを頂きありがとうございます。

(`ェ´)(`ェ´) 2013/09/04 12:38 たまにこちらのブログ記事にたどり着くのですが、前々から疑問に思っていたことがあります。
無限に国債発行できるのならなぜ全ての税率をゼロにせよと主張しないのですか?
また、年金給付開始年齢の引き上げについてはどう思いますか?

shavetail1shavetail1 2013/09/04 12:54 (`ェ´)さま
何事も手札(オプション)を多く持つことが重要なんですね。
借金(国債)も、税も、そして先日ブログ書いた通貨発行益も重要な政府財源です。

現在通貨発行益に無意味な封印をすることでデフレからの脱却が困難となっています。

デフレ不況の今だからこそ税が経済の邪魔になっていますが、インフレ転換して好景気になり、更に過熱したり、資産だけ上昇する資産バブルになった場合、税率を0として既得権化してしまうと、税(負の財政政策)に封印していますから、今度は金融政策だけでのコントロールせざるを得なくなってしまいます。 これは自らオプションを減らしたための障害です。 今のデフレ不況の間なら無税国家も成り立ちますが、未来永劫は却って大きな問題があります。

年金支給年齢に関しては、見通せる将来の間は通貨発行益を年金財源のひとつとすることで、定年退職後すぐの年金開始に何ら支障はないと考えています。 
ただそう断言するためには、マクロ経済モデルを回して、定量評価が必要でしょうね。

(`ェ´)(`ェ´) 2013/09/04 13:01 度々失礼します。
税については、インフレ転換したら増税すればいいのでは?なぜ税率ゼロがオプションの放棄と評価されるのでしょうか?
年金支給年齢に関しては定量評価が必要なのに、今回の増税の是非については無限に国債発行可能という議論で終わってしまうロジックがよくわからないのですが。

shavetail1shavetail1 2013/09/04 13:36 デフレ不況が続く現在、政府は歳入不足に悩んでいます。そう考えればゼロ税率もわるくはなさそうですね。

ところが一旦ゼロ税率が当たり前になってしまえば、これを従前のように法人税実効税率40%、所得税最高税率40%に戻しますといえば、まず政権は倒れ実現しにくいでしょう。

国債は内債である限り、最初からどこの国でも無限に発行可能でロジックは関係ありません。勿論実際多すぎる内債発行は多すぎるマネーの増発そのものですから、それが良いとは言えません。

外債の場合、外貨準備などにより、返済可能性が大きく影響を受けるため、外貨準備が殆どない国がユーロやドルペッグなどの高通貨政策をやると、ギリシャ・かつてのタイなどのように借り換えができず、デフォルトや通貨の大幅下落しか対応策がなくなります。

(`ェ´)(`ェ´) 2013/09/04 14:04 景気条項のようなインフレ条項を組み込んだ時限減税の形をとればいいと思います。初めにそういう形にしておけば、政権が倒れても実現できるでしょう。
国債云々の件ですが、年金支給開始年齢を据え置き(=財政支出維持)しても最終的な財源は国債の発行で賄えるのですから、増税反対を支持する論理と同じになるはずではないでしょうか。あるいは増税反対についても、国債の発行可能性&借金の返済要否の議論とは関係なく、マクロ経済モデルによる定量評価上問題ないから主張しているという意味でしょうか?

shavetail1shavetail1 2013/09/04 15:31 無税化も、年金支給年齢も同じ論点になりますが、どちらも「恒久化」というところが大丈夫かというところですね。
年金支給年齢を引き下げて60才の方は全体に対する影響は小さそう(年10兆円程度?)で、恒久化しても名目GDP比で大した話ではないように思いますが、これは直感で、調べて書いてはいません。

ただ、無税化は現状の税収でも年40兆円、更にはインフレ好況ともなれば、60兆円、暫く後には100兆円の景気対策を毎年実施していることになりますね。それでインフレにならないわけはないと思います。
狙うべきインフレ率を2-3%にしたいのに、最初からそれを大幅に超える狙いとなるのなら、まずいでしょう。

今後5年の100%減税程度でインフレ目標にも到達するでしょうし、それ以上未来永劫100%減税が良策かどうかは今の私には判断がつきません。
冒頭書いたように、100%減税+高金利というオプションと税制は数年間の大幅減税+低金利というオプションはどちらもありそうですが、実際やれば当然優劣はあるでしょう。それを片方最初から止める決断をすることはない。単にそれだけです。

ababaababa 2013/09/04 22:46 細かいことですが、水戸忠造→三土忠造ではないでしょうか。

shavetail1shavetail1 2013/09/05 05:26 勉強になります。
いくつかのウェブサイト・本で水戸となっていますがただしくは三土(みつち)忠造なんですね。 訂正させていただきます。f

2013-09-03 日経新聞は消費税には日経NEEDSを使いたがらない? このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

安倍首相消費税増税について判断する時まで後約1ヶ月。日経新聞の保有する日経NEEDS経済モデルを使って、消費税増税の影響を調べるとどうなるでしょうか。

日経NEEDSとは、日経新聞の子会社、日経新聞デジタルメディアが運営する経済モデルです。同社ウェブサイトによれば、NEEDSモデルでは四半期データを元に消費や投資などのGDP項目や、生産、物価、企業収益、雇用、貿易、金融為替レートなどの相互依存関係を、約200本の方程式で表しているとか。

日経新聞はこうした大規模なマクロ経済モデルを保有するのですから、消費増税の影響をシミュレーションして発表しているかと思いましたが、意外に日経には載っていないようです。

そういえば、ずっと以前にはNEEDSのマクロ経済シミュレーション日経紙上でもっと目にしていたような気がして検索してみると、NEEDSを使って消費税の影響を調べた書籍が見つかりました。

「これでいける日本経済復活論」。著者は日本経済復活の会会長の小野盛司氏です。
小野盛司氏は、日本でデフレが始まった頃、先日の消費増税集中会合でも60名の識者のひとりに選ばれた 国際大学筑波大学名誉教授宍戸駿太郎氏から、宍戸氏自身のシミュレーション論文日本国内の計量経済モデルを保有するシンクタンクをいくつか紹介されたとか。

ところが、複数のシンクタンクデフレ脱却シミュレーションを行いたいと申し出たところ、断られた上、どうやらブラックリスト入りしてしまったので、NEEDSを自ら駆使して、デフレ脱却への方策をいくつも検討したということです。

その中に、消費税を5%から増減させたシミュレーション結果も掲載されていました。
図表1,2はその結果を引用したものです*1 。

消費税を上げれば実質GDPは減少する
f:id:shavetail1:20130903205251j:image:w300
図表1実質GDPに対する消費税率の影響
出所:小野盛司著「これでいける日本経済復活論」図3・3
日経NEEDSを使い、起点を2000年として消費税率による
5年後の実質GDPに対する影響をシミュレーションしたもの。

図表1のNEEDSシミュレーション結果から、消費税率アップにより実質GDPが大幅に減少することが示されています。消費税率アップにより仮に財政再建がなされるとしても、国民経済の著しい毀損が代償となることが分かります。

日経新聞によるアンケートでは過半数が予定通りの消費増税に賛成だとか。賛成する方たちは消費増税で、自分の給料や雇用が脅かされることを分かっているのか甚だ疑問に感じます。

では、物価に対する消費税率の影響はどうでしょうか(図表2)。

消費税率を上げればデフレが深化する
f:id:shavetail1:20130903222830j:image:w300
図表2 物価に対する消費税率の影響
出所:図表1に同じ(図3.5改変)。
日経NEEDSを使い、消費税率による5年後の物価に対する
影響をシミュレーションしたもの。

1997年橋本龍太郎首相消費税率を3から5%に上げた後、日本は明確にデフレ経済に突入しました。

NEEDSモデルシミュレーションでは、消費税率を上げれば上げるほどデフレが深化することが示されています。逆に消費税率を下げれば物価下落は緩和されますが、消費税率を0%にするだけでは、インフレ転換まではいかないようです。

アベノミクス金融緩和によるデフレ脱却を主導しながら、消費税率を少しずつ上げていくことを主張する本田内閣参与らは、消費増税デフレを深化させることをご存知で主張されているのでしょうか。

日経NEEDSは商業的に公開されていて、大学やシンクタンクでのマクロ経済シミュレーションにも活用されています。
ところが、グーグルで検索してみても、NEEDSでの消費税率の影響は、大学・シンクタンクからは殆ど発表されていません。マクロ経済モデルでのシミュレーション結果を発表しているのは、小野盛司氏、宍戸駿太郎氏ら、財政政策による経済成長デフレ脱却を唱える人たち位です。

日経新聞は消費増税既定路線と言わんばかりに連日増税プロパガンダを紙面に載せています。
その一方で、今年の日経新聞でのNEEDSモデルでのシミュレーション結果報道と言えば、6月に報道された消費増税直後には経済が落ちこむという、だだそれだけです*2
日経新聞はNEEDSを用いての消費増税シミュレーションも当然やってはいるのでしょう。
日経社内では、これと毎日紙面を賑わせている盛んな増税プロパガンダとの間でどう整合性が取られているのでしょうか。

*1:同書でのシミュレーションの起点は2000年ですから現在を起点とするシミュレーション結果ではないことには注意

*2日経新聞2013/6/21  13年度実質2.7%成長、14年度0.0%

XX 2013/09/04 08:37 俊太郎→駿太郎

shavetail1shavetail1 2013/09/04 09:42 Xさま
ご教示ありがとうございます。修正させていただきました。
宍戸先生すみませんm(_ _)m

2013-09-01 政府債務を100兆円単位で純減させる方法 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

 今年8月上旬、国債などの政府債務残高が1,000兆円を超えたことが話題となりました。 増税論者からも、8%や10%への消費増税では政府債務が目に見えて減る、という話は聞こえてきません。
 ではこの政府債務を短期間に100兆円単位で減らすことができる策があるとしたらどう思われるでしょうか。


図表1は日本国債等の残高推移です。棒グラフの方は、そのうち日銀保有高の推移です。
日銀は、財政再建を目的としてではなく、デフレ脱却の手段として市中から大量に国債買入れを進めています。

f:id:shavetail1:20130901163839j:image:w300
図表1 日本国債等の残高と日銀保有高推移
出所:日銀資金循環統計 2013年以降は日銀発表資料からの推定。
政府債務の大半を占める日本国債*1は2013年に1000兆円を超えた。(破線は予測)
そのうち、日銀保有分は今年6月に128兆円に達した。
異次元緩和で、2014年末には200兆円を超えるペースで増加中。(薄い水色部分)

ただ、日銀政府債務を多量に保有することで、政府債務問題を緩和している面もあります。

というのは、中央銀行国債を買入れて日銀券を発行する場合、日銀バランスシート資産側の国債からは利子を得るのに対し、負債側の日銀券には利子支払いが発生しないため、この差額の大部分を国庫納付することが可能です。政府から見れば、中央銀行にも国債の利子を支払いますが、その大半が納付金になって政府に還流してくるため、日銀保有国債については利払費増大の問題は生じないことになります。

そこで今度は、政府が500円玉のような政府貨幣を大量に発行して、日銀保有国債を買い戻した場合を考えます。

日銀国債政府に売却する場合に、その対価として受け入れた500円玉(政府貨幣)は、日銀自身が発行した日銀券が日銀債務であるのとは対照的に、日銀からみれば資産です。 
そして、日銀バランスシートの資産側では、国債などの政府債務が減った分、政府貨幣が増加し、政府債務の一部が政府貨幣で置換されたことになります。

そしてこの政府貨幣発行益を財源に、政府が買い戻した国債を消却すれば政府債務は純減します。(図表2)

f:id:shavetail1:20130901164718j:image:w300
図表2 政府貨幣による政府債務の置換を示した政府日銀のバランスシート
日銀保有の、国債などの政府債務を、政府が500円玉のような
政府貨幣で買入た場合のバランスシート変化(左図から右図へ)
政府貨幣を発行すると、額面と発行コストの差が通貨発行益となる。
その政府貨幣政府日銀国債などを買入れた場合、
日銀のバランスシートでは、その一部が政府貨幣に置換される。
政府貨幣発行益を財源に、政府が買い戻した国債を消却すれば政府債務は純減する。

100兆円単位の政府債務を500円玉で買うのはまどろっこしいので、政府政府紙幣100兆円札1枚を発行して日銀保有の国債を買入れてもいいでしょう。そして政府が買入れた国債を消却すれば、たったこれだけの操作で、政府債務を100兆円減らすことができます 日銀が対価として受け取った政府紙幣は利子支払いの必要はなく、債務ではないので返済が必要となることもありません。

今議論のある消費税を8%や10%に上げても、本当に政府債務が減るかどうかさえ定かではありません。筆者は、デフレの現在税収弾性値が約3と大きいため、消費税増税により、1997年の橋本増税後と同様か、それ以上に税収は減るのでは、と懸念しています。

一方政府貨幣を使った、たったこれだけの操作により100兆円単位で政府債務を純減させることもできます。

政府債務と家計の債務違いについてはこのブログで何度も取り上げましたが、債務者の意思で簡単に大きく減らせるなどということは、政府債務ならではのことであり、家計の債務では想像さえできません。 

 ここまで書くと、では政府債務を全て政府貨幣で置換すればいいではないか、という方が必ず出てきます。確かに政府債務問題だけならば、それで解決しますが、金利のつかない政府紙幣が1000兆円市中に出回れば、今度は利息を求めて不動産・商品などに大規模な投資が行われ、一挙にバブル・高インフレとなる可能性が高いでしょう。過ぎたるはなお及ばざるがごとし、ということですね。

興味深いことに、Wikipedia英語版で財政(public finance)を調べると、その財源として税収・国債通貨発行益の三つが載っていますが、ウィキペディア日本版の財政では通貨発行益の話は出てきません。

カナダ中央銀行パンフレットでは通貨発行益について一般向けに説明したものがありますが *2日銀では国庫納付金の説明として通貨発行益の一部(市中発行国債の買入れに伴う利益)が説明されているだけです。

財政健全化のための消費税増税の是非という重要事について国民の判断を求めるのであれば、官僚振り付けの消費増税集中点検会合などよりも、政府財源には税収・国債以外に、通貨発行益というものもあることを周知する方がずっと有益のように思います。

【参考】 
政府貨幣の仕訳については、UFJ総合研究所(2003年当時)の村田雅志氏によるペーパーが参考になります(図表3)。

http://www.murc.jp/thinktank/economy/archives/investigativereport_2005/archive_20030512
図表3 政府貨幣仕訳について解説されたペーパー(リンク)
ペーパーへはこのサムネイル画像をクリックしてアクセスしてください。
著者はUFJ総合研究所(当時)の村田雅志氏。

shavetail1shavetail1 2013/09/01 19:38 このエントリーと類似の政府紙幣の保有について聞かれた白川日銀前総裁の言。
「政府紙幣が市中から日銀に還流してきたときにも、仮に政府がこれを解消せず、日銀に保有させ続けるという形で政府紙幣が発行されるというケースを仮想的に考えてみると、この場合、確かに政府は回収のための財源を必要としないことになる。しかし、この仕組みも日銀に無利息かつ償還期限の無い政府の債務を保有させる点で、これは無利息の永久国債を日銀に引き受けさせるということに等しく、これは大きな弊害が生じる。弊害の中味だが、日銀券の裏づけとなる日銀の資産として、無利息かつ転売不能な資産を保有することになり、円滑な金融調節が阻害されたり、日銀の財務の健全性が損なわれることへの懸念を通じて、通貨に対する信認が害される恐れがある。また政府が、日銀による国債の直接引き受けと同じ仕組みにより、恒久的な資金調達を行うことが、国の債務返済にかかる能力や意志に対する市場の懸念を惹起して、長期金利の上昇を招く恐れがある。政府紙幣の発行については政府が判断する事項ではあるが、以上言った点を踏まえると、非常に慎重な考慮を要すると考えられる」
http://p.tl/meFH

白川さん、後任の黒田さんは実質白川さんのご心配だったことに近いこと既にしてますぜ。白川さんの心配は実質無限国債、黒田さんは見通せる範囲での国債の保有。 でも、日銀券つまり円貨は今も100円以下の通貨高。白川さんの心配は杞憂だったわけです。

shavetail1shavetail1 2013/09/01 21:01 chintaro3さんのブクマコメント。
>この話がうまく行くなら、最初から500円玉で公務員の給料払えばいいんじゃね?

そうですね。私もそう思います。ただ、白銅貨の500円玉で給料を払うと、材料の銅・亜鉛・ニッケルの高騰を招くでしょう。
そうなると、1万円政府紙幣が妥当、といったことになるでしょう。
ただそうすると、同額面で日銀券と政府紙幣の2種のマネーが市中流通するというちょっとやっかいな状況になりますね。
結局、100兆円政府紙幣を1枚印刷(あるいは電子発行でもいいですが)して、日銀で日銀券に「両替」してもらう方が良さそうです。

でも考え方として、政府債務を減らす目的で、政府貨幣で政府支出を賄うという考え方は検討に値する正論でしょう。

 平時の日本で政府債務が世界的にも珍しいほど積み上がったのは日銀がデフレであっても日銀券の発行を渋ったためであり、これを解消するには債務性のない政府紙幣の活用がふさわしいと思います。

shavetail1shavetail1 2013/09/01 21:08 政府紙幣の豆知識 政府紙幣ウィキペディアより。

中華人民共和国の香港特別行政区の法定通貨である香港ドルは、香港金融管理局の監督の下で民営銀行3行が紙幣を発行しているが、10香港ドル紙幣(ポリマー紙幣)だけは香港特別行政区政府の発行する政府紙幣である。このように銀行券と政府紙幣の双方が発行される場合もある。
確かに香港では複数の同額紙幣が流通し、その中でも透明透かしの政府紙幣は印象に残ります。 
こういった実例がある以上、日銀券と政府紙幣の同額紙幣混合流通でも意外に問題は生じないのかも知れません。

wawa 2013/09/01 21:58 円天レベルの詐欺話わろた。
中央銀行なんて必要ねーじゃねーか。
まだ部分デフォルトでもしたほうがまし。そんなことしたら円自体が壊れてドルとか下手したら元で買い物せなならんわ。
金融工学は別に虚業だとは思わんがこういう馬鹿がいるから虚業だ何だといわれるんだよ。

shavetail1shavetail1 2013/09/01 22:14 border-dwellerさんのブクマ
>財政ファイナンス?
財政ファイナンスというものの、書かれた定義を見たことはありませんが、通常、中央銀行が政府の債務をマネタイズ(マネーに変える)することを指すと思います。
これに対し500円玉のような政府貨幣は元来政府が貨幣の一部を自ら発行しているもので、発行体が違いますし、また法で禁じられてもいません。ただ、100兆円といった高額政府貨幣発行は法改正が必要でしょう。

T-norfさんのブクマ
>通貨発行益にしても、国債の中銀買いにしても、額が増えると結局は通貨の信認の限界は来る。

 通貨そのものに対する信認とは、昔の金貨であれば品位という意味があったでしょうが、不換紙幣の現代では贋金に対する意味以外にはありません。 極端な話、ドイツ・ハンガリーのハイパーインフレでさえ、貨幣は信認され、放棄されなかったので、物々交換ではなく、パン一個にトランク一杯の紙幣、という逸話が生まれたわけです。
これらのハイパーインフレ事例や、ジンバブエでも分かるように、通貨価値が著しく落ちる高インフレは、通貨発行量がその通貨の通用地域での商品生産力を大きく超えて流通した場合に発生しています。
要するに、通貨に対する信認ではなく、生産力に対する信認が失われた場合に高インフレが発生します。

現在の日本はデフレ。物価上昇率はこの15年間では世界最低です。国債金利も世界金融史上稀な低金利です。
これらは日本の経済がハイパーインフレから世界で最も遠い国であることを物語っています。

名無しの投資家名無しの投資家 2013/09/01 22:32 申し訳ございません、誤字が多かったので修正再投稿します。

世界最低水準の物価上昇率(デフレ)、有事の度に買われる通貨(円)、世界最低水準の金利(国債)、

恐らく、世界で財政破綻から一番遠い国が日本です。

片方で通貨の信認が失われると叫びながら、片方で「比較的安全な資産である円が買われました。」という矛盾を垂れ流すマスコミ。

みんなが,『通貨の信認』とか言ってるのは,ありゃいったい何のことかって?答えはだねえ,残念ながら要するにそいつら,たいがいは自分が何言ってんだか,まるっきりわかっちゃいないってことよ。

いつになれば通貨の信認が崩れるのですか?

wawa 2013/09/01 22:45 金融政策は結構だし、デフレ克服しなきゃいけないし、20年デフレ放置して債務拡散させた国はあほだが、中銀の独立性は大切だってことはわかってますかね。最近日銀は政府の意向でどうにでもできる痛いな勘違い野郎が多すぎる。いま、日銀はあくまで日銀の方針としてインタゲやってるわけ。インタゲ2%を市場の様子を見ながら直球(日銀砲)と変化球(口先介入)やら駆使しながらやってくものなの。魔法の薬をつかうんじゃねーよ。

shavetail1shavetail1 2013/09/01 23:13 現代の不換紙幣の体系、管理通貨制度で、中央銀行が形式的には一般政府から独立しているのは、一般政府には財政出動拡大の動機があり、マネーを政府債務⇒中央銀行券と二段階で発行することでインフレ化を防いでいるわけです。だから政府紙幣はそれを一段階に省いてしまっていて、インフレ化が懸念されますね、インフレ国では。 しかし日本は金融史上の物笑いの種になるほどの、15年に渡るデフレ経済を自ら作り出しています。過去のインフレに苦しんだ先進国、あるいは現代の発展途上国の政府なら、インフレにする方法は誰でもしっています。 

世界の常識が日本の非常識というわけです。

tugatuga 2013/09/01 23:19 ネタとしては面白いです。金貨の類ならともかく、政府紙幣を発行した時に受け取る相手が存在するのかどうか(日銀を含め)。これはやってみないと分かりませんねー。

m-matsuokam-matsuoka 2013/09/01 23:24 tugaさん
>政府紙幣を発行した時に受け取る相手が存在するのかどうか(日銀を含め)。

法定通貨を受け取らないのは犯罪行為です。

伊勢の水源伊勢の水源 2013/09/02 06:26 shavetail1
<金利のつかない政府紙幣が1000兆円市中に出回れば、今度は利息を求めて不動産・商品などに大規模な投資が行われ、一挙にバブル・高インフレとなる可能性が高いでしょう>

この方法で、政府紙幣が市中に1000兆円といわれますが、それは間違いではありませんか?
正しくは、市中にではなく、日銀当座に1000兆円が積み増しされるということでは?

perfectspellperfectspell 2013/09/02 11:52 通貨(政府)の信認は徐々に失われていくのか? 突然失われるのか? を考えたら後者だと思われ。
だから旧日銀の量的緩和は その効果を信じられず失敗したし、
今回の円安は去年10月から今年5月まで急激に進んだ(現在も同程度量的緩和しているが、円安は進んでいない)
又は巨額の政府債務はあったものの収支はプラスだったイタリアが突然国債金利が上昇した例を思い出しても良いかも。

shavetail1shavetail1 2013/09/02 12:40 perfectspellさんのいう、「通貨の信認」って一体何を指していますか? 
終戦直後の日本・ドイツ、近年のジンバブエでは全て高インフレとなりましたが、共通しているのは、その通貨が通用する地域で、商品・サービスを提供する生産力が通貨量に見合うだけあるのか、という点でした。 通貨自身が信じられるかどうかという意味では、500円玉の代わりに重さを調整した500ウォン玉を使うような贋金については意味があり、まさに通貨の信認でしょうが、ハイパーインフレでさえ、通貨は「通用」していたでしょう。 

イタリアは、欧州危機のさなかにあります。なぜ欧州危機か、といえば、PIIGSと呼ばれた諸国から見て、ユーロは自国通貨当局がコントロールできない実質外貨だからです。日本は自国通貨円が流通していて、比較しても全く意味がありません。

蛇足ですが、イタリアの国債金利急騰を根治したいのならば、欧州中央政府が徴税権も含めた財政金融権限を、イタリアなど地方政府から委譲してもらうしかないでしょう。あるいは、逆にリラを復活させるかです。国際金融のトリレンマは欧州の問題。日本には全く関係ありません。

BoomerBoomer 2013/09/02 12:44 >インフレにする方法は誰でもしっています。 
>
>世界の常識が日本の非常識というわけです。
世界的にディスインフレといわれて久しく、また日銀は世界に先駆けて金融政策を実施してきたと高い評価を得ていると認識しておりますが、何か間違ってますでしょうか?

mhmdmhmd 2013/09/02 14:39 @1@ ((( アッラーのほかに神はなく、ムハンマドはアッラーの使者である)))


(私はアッラーのほかに崇拝に値するものがないことを証言します。)

( そして私はムハンマドがアッラーの使者であることを証言します)

イスラムの紹介

http://alslamjp.blogspot.com

okeraokera 2013/09/02 17:44 こんな馬鹿なこと許せるか!と仰っている方は感覚的にそう感じているのでしょうし、その感覚は大きくは間違っていないかと思います。

ただ、政府債務というのはこういった方法でいくらでも弄れるものであり、その絶対額の大きさに何も意味はないことの裏返しでもあるのかと。

大事なのは生産力とそれを支える技術力であって通貨の発行量ではありませんからね。それさえしっかりしていれば1京円刷ったところで大して問題になりませんよ。まぁ既存資産価値は一気に目減りするでしょうが、それこそ1億総中流の再来かと(笑い)

伊勢の水源伊勢の水源 2013/09/02 18:57 shavetail1さま、
前投稿において敬称が抜けておりました。失礼しました。

shavetail1shavetail1 2013/09/02 20:19 Boomerさま
>世界的にディスインフレといわれて久しく、また日銀は世界に先駆けて金融政策を実施してきたと高い評価を得ている

そう評価したのは白川さんらで、要するに日銀当局者の自画自賛ですね。

リーマン・ショックよりも前の速水総裁時代に日銀が量的緩和を実施したのは事実です。しかし、99年3月に量的緩和を提案したのは中原伸之委員で、速水総裁ら残りの委員は執拗に反対していました。そして景気低迷の中、2000年にはゼロ金利解除さえ実行しました。
ところが、橋本デフレが進行する中、我関せずと金融引き締め気味の日銀に批判が集まるや、一転して組織防衛のために量的緩和を全員一致で決めます。

また、2006年の段階でさえ、上方バイアスがあるCPIで、0%を狙って、達成しています。(日銀「物価の安定」についての考え方)
先進国では、上方バイアスのあるCPIならば、2-3%程度を狙うのが常識です。

こうした日銀の政策は、バーナンキFRB議長からも「extraordinary poor」と評されています。

名無しの投資家名無しの投資家 2013/09/02 23:24 はっきり申し上げて、手段と目的とが逆転している人が多いですね。

国債や日銀や円は日本国民の経済的利益を最大にするために存在するのであって、政府や国債や円の為に国民が犠牲になる事は本末転倒だと思います。

国債や日銀や円のために失業者がふえたり、賃金が低下するというのはどう考えても異常でしょう。

tugatuga 2013/09/05 23:22 > 法定通貨を受け取らないのは犯罪行為です。
決済手段としては受け取るでしょうが、金融機関が保有し続ける
メリットは無いわけで。政府貨幣は全て家計が保有するということ
だと、代わりに日銀券の流通が減るだけに思えてしまいます。
※技術的には、自動販売機で使えるか等の問題もあります。

現状はインフレを起こしたい状況なのでwelcomeなアイディアだと
思いますが、永続性という意味では疑問を感じます。まさか日本の
デフレの原因は経済成長と貨幣量のアンバランスが原因だと考えて
おられるわけじゃないですよね?

年間30兆円以上の財政赤字と比較すれば、通貨発行益なんてゴミ
のように考えてしまうのですが。

shavetail1shavetail1 2013/09/06 05:37 tuga さま
コメントありがとうございます。

政府貨幣は、デフレ脱却に大変効果的ですが、今回そこには封印して、あえて財政再建手段としての政府貨幣発行について考えてみました。

そこで、市中へは全く流通させず、民間経済に影響が「ない」ように、中央銀行保有の国債だけを政府紙幣で買入れます。
500円玉では資源量の問題と市中流出の問題があるなら、法改正で100兆円札1枚でもいいでしょう。

さて、問題の>通貨発行益なんてゴミ、ですがおっしゃる通りです。しかも、現在もそのゴミの金額の発行益は、日銀から政府に殆ど納付されて、政府が日銀に支払う金利と相殺されて、損得なしです。 つまり実際には「経済に何の影響もない」という政府紙幣の使い方を敢えて案出しています。
それなのに、名目上、政府負債残高は粗債務でも、純債務でも100兆円単位で減らせます。 

財務省・マスコミ・御用学者はこぞって、政府粗債務残高が1000兆円で財政破綻が近い、と煽りますが、債務者の政府が実はその残高を100兆や200兆、国会議決ですぐに減らせる、という点を強調し、財政再建のための消費税増税・緊縮財政の愚をお伝えしたかったのです。

通りすがり通りすがり 2014/10/01 17:54 随分以前の記事に今更ですがw
別に政府紙幣の発行自体は問題在りませんし法的にも政府の権利ですから議論の必要はないでしょう。
実際アイスランドやハンガリーでは政府紙幣の発行で財政再建してますし英国も導入の為の議論はすでに行われています。
政府紙幣を発行するにしても1000兆は要らないと思います。
そもそも政府が全ての国債を償還などする必要が無いですしした場合困るのは国民です。
誰かの借金は誰かの利益なのですから耳をそろえて返されては困るわけです。
また発行した場合日銀に政府資産として計上されるだけですしバランスシート上も同じです。
また、政府の負債ではなく政府による日銀に対する給付という形でもかまわないわけです。
後、財政再建と言いますがそもそも論として財政再建など必要がないです。
もちろんこのままで言い訳ではないですが財政均衡をするということは政府支出を減らすと言う事でGDPの拡大に繋がる分けがありません。
財政均衡の論拠としてのロゴフ論文はすでに破綻していますし意味がないでしょう。
必要なのはデフレ脱却による経済成長ですしその原資として政府による有効需要の創出は結構な事ですが、現在の様に金融緩和と財政出動と消費税増税というインフレとデフレ政策を同時にしてしまっては意味がありません。
経済規模が拡大すれば自然増収により政府財政は勝手に均衡化します。
また日本のように巨大なデフレギャップを抱える国ではインフレ懸念は軽微でしょう。
日銀が出来る以前は政府紙幣が発行され財政の95%をまかなっていましたがそれでもインフレは最大15%でした。
ところが日銀が出来て以後の最大インフレ率は20%でしたのでハイパーインフレだとか円の暴落などあり得ないでしょう。
もし起きたのならそれで論文書けばノーベル賞ものでしょうね。