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2016-10-23 今更ですが、消費税増税は何のため? このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

 今更ながらの話にはなるのですが、消費税増税されたのは一体何のためだったでしょう。

政府財務省マスコミ、そして国民の大多数も「消費税増税分の使途は社会保障財源に決まってます。」というのでしょうね。 確かに自民公明民主の三党合意、正しくは税と社会保障の一体改革に関する三党合意では社会保障の安定財源と明記されています。

問題はお金には色がついていないことです。 本当に消費税増税分が社会保障費に充てられているのかは、自分の頭で一度整理してみる必要があります。

 私たち個人の立場で考えてみると、消費税は8%に増税されて確実にサイフから多く出ていくことになりました。 ところが安倍内閣では、社会保障の「自然増」を1.3兆円削減、公的年金もこの間3.4%削減されました。

不思議な話ですよね。社会保障費に回されるはずの税が増えたのに、国民に戻ってくる社会保障費は確実に減額されているのですから。 

 f:id:shavetail1:20161023165706j:image:w200:right では、増税された消費税は実際のところ、何に使われているのでしょうか。 右の図は実際の消費税の使途を政府広報の説明通りに図示したものです。*1

消費税増税で増加した5兆円のうち、1割に相当する0.5兆円こそ、子育て支援など文字通りの社会保障充実に充てられるわけですが、残りの9割方は「基礎年金国庫負担」「安定財源確保」が使途になっています。これら、基礎年金国庫負担、安定財源確保という部分は国民に新たに分配されるものではありません。 これまで国債で賄われていたものを消費税で置き換えたわけです。

国債で賄われていたものを、税で置き換える。
これは何を意味するのでしょうか。

ある消費により支払われた消費税は、それを預かり支払い義務が生じた企業の銀行預金から政府預金に振り替えられます。
その政府預金が、国債の代わりに使われる、ということは、要するに、国債は家計の預金量とは無関係に発行可能 - シェイブテイル日記 国債は家計の預金量とは無関係に発行可能 - シェイブテイル日記 でご紹介した、市中消化した国債による財政出動逆回転ということになります。 

ということは、消費税増税分の使途とは、1割が社会保障の充実、9割は負の財政出動ということですね。

そうすると、安倍内閣が主導する「失われた30年」 - シェイブテイル日記 安倍内閣が主導する「失われた30年」 - シェイブテイル日記 でみましたように、日本は元々世界の先進国で最も財政出動をせず、その結果、最も名目GDP成長率が伸びない国だったのに、消費税増税はこれに追い打ちをかけるように、名目GDPの抑制策というだけであり、「社会保障の充実」のための消費税増税というのは絵に描いた餅、もっとはっきりいえばウソ、ということです。

アベノミクスデフレ脱却を掲げ、第一の矢では総額400兆円を超すほどのマネタリーベース(殆どは日銀と金融機関の間を行き来するおカネ)を積み上げながら、最近ではコアコアCPIもマイナス圏に転じ、黒田日銀総裁も自分自身の任期一杯までのデフレ脱却を曖昧にするところまで見解が後退しています。

ではなぜ、財務省は日本経済潰しにしかならない消費税増税を、こうした国民に対するダマシ打ちで強行しているのでしょうか。
ここが私もよく理解しかねる点でしたが、元財務省出身の高橋洋一氏はこの点に明確に答えを出しています。

”歳出権は予算上の歳入がポイント、これが増えれば予算編成がら楽になりかつZは各省からありがたがられる。予算上の歳入を増やすには増税が手っ取り早い。経済成長で増えるのは決算上の歳入だが、これでは歳出権は大きくならない。*2

財務省の役人に本音を語ってもらえば、
「歳出権という省益増大のためというが消費税存在意義であり、その消費税により日本経済が半潰れになろうが知ったことではない。社会保障のための消費税などという虚構に騙される国民が悪い。」
ということになるのでしょうか。

DYODYO 2016/10/24 20:24 いわゆるただの官僚制の逆機能でしょうねw
官僚制が硬直的で同じ間違いを何度も繰り返すというのは社会学的には語り尽くされたのではw

こ↑こ↓こ↑こ↓ 2016/10/29 17:38 始めまして、あなたのブログを少し覗いて興味を持ったのでコメントさせていただきます。此度の28兆円の財政出動に関してはどういう意見を持たれていますか?また1月に与党が解散するというニュースがありますが、その際にどういった政策を持って解散に踏み切ると思われていますか?

こ↑こ↓こ↑こ↓ 2016/10/29 17:53 この際私はもう減税を選挙の公約として推してもらいたいのですが、それは不可能に近いと思っているのでどのように動きそうですかね・・・
累進課税の強化、や格差是正の資産課税を行ってもらいたいのですが・・・。

shavetail1shavetail1 2016/10/29 17:58 初めまして、こ↑こ↓さま

財政出動28兆円の評価はなかなか自分で解釈するのは難しいですね。 私が財政政策の分析で自分より信頼を置いている「経済を良くするってどうすれば」氏は、 ”28兆円の経済対策が決定されたが、確実なのは、補正予算が前年度より0.7兆円増えるということだけで、あとは、前年度との比較で、本当に需要を増加させるものなのかは不透明である。”としています。 
http://blog.goo.ne.jp/keisai-dousureba/e/4fd9883eb07b6e72104b2497bf83173f

日本の財政は本当に財務省の玩具にされているといっても過言ではなく、一般会計と特別会計、更に日銀まで巻き込んで一般人どころか、予算を審議する国会議員にも分かりにくい構造にしています。

それから、解散の話については、野党第一党から緊縮財政を訴えて自爆しようとしていて、他党もこれに選挙協力するとなれば、普通に戦えば、さらなる与党躍進は初めから決っているようなものではないでしょうか。

ただ、政策の自由度が高いので調子に乗って、改憲にまで踏み込めばさすがに大敗する可能性が出てくるでしょうか。
そうなれば、まともな選択肢を封じられた国民は悲惨な洗濯を迫られることになるかもしれません。

それから、累進課税は消費懲罰税である消費税よりははるかにマシですね。 ただ累進課税を与党が掲げても財務省は既得権益の消費税8%を手放すとも思えません。 となると、国民全体からみれば、さらなる緊縮策ということになる可能性もありますね。

こ↑こ↓こ↑こ↓ 2016/10/29 18:58 蓮舫の二重国籍問題というカードがあるとはいえ、小泉内閣と国民が支持したように今度もまた国民が野党の緊縮財政に乗る失態を起こさないとも取れないのが怖い所ですね あと国土強靭化計画についてはどう思っていらっしゃるのでしょうか?

こ↑こ↓こ↑こ↓ 2016/10/29 22:12 小泉内閣を支持したように今度もまた国民が与野党の緊縮財政の賛同する失態を起こさないとも取れないのが怖い所ですねでした 訂正します

shavetail1shavetail1 2016/10/29 23:16 結論からいえば、強靭化計画賛成派です。
財政出動が公共投資に偏っているという点では諸手を挙げて賛成とまでは言えませんけれど、緊縮派が多い安倍政権の周辺では藤井先生の主張が一番まともです。また、二階氏という自民党有力者の理論的支柱にもなっていますし、近い将来に日本が緊縮財政から拡張財政に転換することがあるとしたら、国土強靭化が突破口になる可能性が一番大きいんじゃないでしょうか。

こ↑こ↓こ↑こ↓ 2016/10/30 13:05 ご返答ありがとうございます。
私も予算が偏っているとは思っていますが老朽化したインフラを建て直すことと需要を生むためにはいい計画だと思っています。
話は変わりますが昨日紹介してもらったブログを見ていると28兆円の経済政策は実体はあまり財政出動させているわけではない上に、需要が増えるのか疑問な部分に金を流していると書かれてましたね。 勝手な財政規律のために補正予算の後出しで国民を混乱させることなくもっと最初の予算から緊縮しすぎないように予算を組んでもらいたいですね。 もう50兆円ぐらい国債刷って投げてくれてもいいと思います。(無責任)

こ↑こ↓こ↑こ↓ 2016/10/30 13:09 あともう一つすみませんが本気で野党は10パーセントの増税を推進するみたいですね・・・与党も暴走気味だけど野党がもっと暴走するとか予想外ですわ・・・

shavetail1shavetail1 2016/10/30 18:58 野党は国民に選択肢を無くすことで、自民党一党独裁を支援していますね。存在意義ゼロです。

国債はもっと刷るべきでしょうね。懇意にさせていただいている富山大学の桂木健次先生からは、「日銀による直接引き受けの余地が10兆円以上あるのでこの通貨発行益も活用すべき」という卓見をいただきました。

こ↑こ↓こ↑こ↓ 2016/10/30 19:15 増税推進を公約に上げて支援団体の連合はあきれ果ててるでしょうね・・・経団連は増税を推進してるという話を見ましたがあっちは何を考えているんでしょうね・・・

けやきけやき 2016/11/01 20:27 はじめまして。
大平首相の登場を緊縮志向の始まりとツイートされていましたが、
その通りだと思います。
彼の持論は、「棒樫財政」と「安くつく政府」ですから。
http://www.ohira.or.jp/cd/book/zai/za_08.pdf
↑は大平氏の財政観を記したエッセイですけど、ヤバいです。
均衡財政と小さな政府を志向していたわけです。

続く鈴木善幸内閣は、大平内閣の消費税が選挙で否定されたことで、「増税なき財政再建」を標榜して行財政改革に取り組みます。
いわゆる土光臨調がこれですね。
『元総理鈴木善幸 激動の日本政治を語る』(岩手放送)を読むと、鈴木総理が総理に就いたときの赤字公債の累積は70兆だったみたいですが、これで大騒ぎしてたようです。

もともと宏池会の創始者池田勇人自身が『均衡財政』という著作を発表しているように、財政均衡に強いこだわりを持った派閥です。
宏池会の再評価もまったなしです。

財政拡張が望まれる現在、もっとも評価するべきは佐藤栄作内閣の福田赳夫蔵相による「福田財政」ではないでしょうか。
福田氏というと、田中角栄内閣の狂乱物価対策での緊縮イメージが強いですが、佐藤内閣では昭和40年不況(オリンピック不況)時には、戦後初の赤字国債発行に踏み切っています。
その後も、建設国債の発行により戦後安定成長の記録である「いざなぎ景気」をもたらしています。
福田氏本人も、
「公債発行というのは景気の調整というところに読みがあるわけで、節度を持って発行に当たれば、財政の持つ景気調整作用に偉大な効果さえ持ち得る。」
「正しく高橋是清、福田赳夫の考え方でやっていけば、国力増進に大きな役割を果たすものである。」
と『回顧九〇年』(岩波書店)で回想しています。

大蔵省出身といっても、福田赳夫と大平正芳でこれだけの差があったのですね。

shavetail1shavetail1 2016/11/01 22:13 けやきさま

大平元首相の「棒樫財政論」は知りませんでした。
勉強になります。

一方、福田赳夫氏は単なる緊縮でもなく、単なる拡張でもなく、高橋是清と同じく財政政策の機微に通じていた人物だったんですね。 

今の日本が学ぶべきは、1980年代あるいはそれ以前の日本自身かもしれません。 私も時間を作って一度「回顧九十年」を手にとってみたいですね。

けやきけやき 2016/11/03 16:10 福田氏については、先頃亡くなられた元経済企画庁長官の宮崎勇氏も、『証言 戦後日本経済 政策形成の現場から』(岩波書店)で、

「経済政策という点からいえば、福田さんは財政の弾力的活用を最も巧みに行った人だと思っています。引き締め一方ではない、緩める一方でもない。その転換が非常に早かった。ほかの人たちは政策転換がいつも遅い。締めるのも緩めるのも遅くて、犠牲が大きかったのですが、福田さんは違っていたという感じがします。立派な景気対策を実行した政治家だったと尊敬しています。」

と振り返っています。
昨今の田中角栄ブームもいいですけど、福田氏の財政政策ももっと注目されるといいですね。

通りがかり通りがかり 2017/10/02 13:55 消費税(間接税)は当時のGATT違反を回避して、グローバル企業を財政面で援助する為に導入された制度です。
国際貿易協定(WTO)では財政支出でグローバル企業を援助する行為を禁止している為に、消費税を導入することで財政援助を偽の間接税に偽装して協定違反を逃れているのです。
この仕組を世界最初に考え出した国はルノーを財政援助しようとしたフランスです。

因みに財務省や国税庁の制度資料では「納税義務者を事業者とし対価に課税」としており消費税法もこれに基づいて実施されています。
一方で間接税は課税ではなく「負担」や「予定」と表現していますので、負担する義務のない任意負担、つまり偽の税です。
過去の地裁判決でも間接税を無効としています。

要するに国内産業の付加価値(雇用所得と営業利益)に課税して、その財源を偽の間接税に偽装してグローバル企業を財政援助する仕組みです。
付加価値への課税は雇用所得を減らし、内需産業を疲弊させ中小零細を廃業に追い込みます。

福祉目的は真っ赤な嘘です。
政府はグローバル企業への財政援助を隠蔽し批判を回避する為に嘘を吐き続けているだけです。