Hatena::ブログ(Diary)

シェイブテイル日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2012-02-25 かなり株高円安となる理由(2)

かなり株高円安となる理由(2)

|  かなり株高円安となる理由(2) - シェイブテイル日記 を含むブックマーク  かなり株高円安となる理由(2) - シェイブテイル日記 のブックマークコメント

(前回エントリーかなり株高円安となる理由(1)からつづく)

前回エントリーの続きです。 なぜ2009年の菅直人副首相(当時)によるデフレ宣言、そして日銀による臨時政策決定会合での金融緩和よりも、今回は更に株高円安が強まる可能性があると考えられるのか。 
筆者のゲスの勘繰りも交えて考察します。

1)税金上げたい財務省
財務省は言うまでもなく増税したくてしょうがありません。消費税増税、これで日本経済が潰れようが知ったことではないという態度です。 それは次の恒等不等式が成立していることを意味します。

増税による財務省の権限拡張>日本経済…(1)


2)デフレで痛痒感じない日銀
 この30年来の日銀金融政策を振り返ってみましょう。
1985年プラザ合意後、日本政府米国に言われるがままに意図的に円高としました。その後、円高不況が亢進すると、その影響を緩和するためとして、必要以上の長期に亘って超低金利政策を打ち出し、バブル経済を引き起こしました(澄田総裁時代)。 そのバブル経済が批判の的となると、今度は一転して過剰かつ長期に亘って高金利政策を採りバブルを潰すどころか、日本経済を不況のどん底に叩きこみました(三重総裁時代)。つづく松下総裁は更なる不良債権の累増と、デフレ経済への突入を許しまい、その挙句、大蔵省(当時)・日本銀行のスキャンダルに見舞われました。その次の速水総裁頑固一徹な性格でデフレ不況を良いデフレであるという認識の下、極めて消極的に金融政策を運営し、デフレ不況の長期化・深刻化を招きました。
 速水総裁時代後半では、民間出身の中原政策審議会委員(当時)が金融緩和を主張したものの、速水総裁他他の政策審議会委員は全員がこれに反対していました。しかし、世論がデフレ放置の日銀に対し風当たりが強まるとついに金融緩和政策を始めています。*1
 更にその次の福井総裁金融緩和政策を引き継いだものの、わずかに景気が上向き、デフレ脱却ができそうになると金融緩和を止め再び日本経済デフレに導きました。 そして白川総裁もまたデフレ目標を踏襲しています。
 実質的にはバリバリの公務員である日銀幹部は、日本経済乖離した高給を人事院勧告で保障され、デフレで何ら痛痒を感じていません。 日本の経済を浮揚させる義務もなければ、日銀改悪以前のように財務省からの直接の影響も受けない状態となりました。 
そしてそれよりも何よりも、日銀には面子があります。 日銀は呆れるほどの失政を重ねていますが、その失政を失政とは認めず、正しい政策として、次の失政を屋上屋に重ねています。
ここに次の恒等不等式が成立しています。 

失政した歴代日銀首脳の面子>日本経済…(2)


3)日銀の誤算
 さて、この状況に最近大きな変化が訪れました。 
今年1月25日、米国FRBが長期的に個人消費支出(PCE)価格指数を2%とするインフレ目標政策を導入すると発表しました。 これは白川総裁にとって困った事態です。白川氏は「先進国インフレ目標政策を採っているのはイギリス位で、欧州(大陸)でも米国でもインフレ目標は採っていない」と国会で答弁したことがあります。 実際には欧州ではECBがEU圏の物価水準を2%とするインフレ目標を採っていましたし、米国FRBも明示的ではないものの、2%のインフレ目標を置いていると見られる行動を採っていました。
ここでFRBが明示的に2%のインフレ目標を掲げるとなると「先進国インフレ目標を採っていないのは日本ぐらい」という批判が巻き起こるのは眼に見えています。 2月14日、ついに日銀は実質1%のインフレ目標政策の導入に追い込まれました。
こうなってくると、速水総裁が良いデフレ論をぶっていたり、上方バイアスがあるCPI消費者物価指数)で0%を狙っている(=デフレ目標)とHP上でも公言したり、デフレの真っ最中に金融緩和をこっそり止めたりといった歴代日銀首脳のトンデモ金融政策を擁護している余裕はなくなります。
あと数ヶ月待てば、日銀がいよいよ1%のインフレ目標に舵を切ったのか、なおかつしぶとく0%の物価を狙ったままかははっきりし、その時点でもデフレ目標に邁進しているようなら、白川総裁らに対する風当たりは今以上に厳しくなるでしょう。
そこで次の不等式が新たに現れます。

現役日銀首脳の面子>失政した歴代日銀首脳の面子…(3)


4) 財務省の誤算
 増税一本槍だった財務省にも微妙な環境変化が訪れています。 子飼いの民主党政権が、「働きすぎる」ようになってきたのです。
 民主党前原誠司政調会長は22日、大阪市内で講演し、国家公務員給与を12年度から2年間、平均7.8%削減することについて「これだけひどい財政状況を考えれば、2年間でまた元に戻すことができるはずがない。国民が許さない」と述べました。 わずか2年間だけ、国家公務員給与を削減するだけでお茶を濁す予定だったのが、民主党政権が「増税路線を進めるためには国家公務員給与削減も止むなし」とまで突っ走るとは想定外だったのかもしれません。 民主党政権増税に邁進することは財務省としてありがたいことですが、財務官僚給与まで下げられるとなれば話は別です。
財務省でも新たな不等式が現れそうです。

財務官僚給与維持>財務省の権限拡張…(4)

5)素早い財務省の対応
野田佳彦首相は23日、衆議院予算委員会での経済問題(円高・デフレ第一次産業等)集中審議で、先般の日銀の決定会合を評価しているとし、引き続き適時果断な金融政策をお願いしていきたいと語りました。最近では野田首相は白川総裁とふたりだけで会合を重ねるようになっているとか。

 今更まさか「公務員給与を恒久的に下げられる位なら増税は止めましょう」とは言い出せないでしょうから、増税は進めるとして、インフレも止めて税収増を図り、民間給与水準も上がれば、国家公務員給与高止まり批判も多少緩和されるでしょう。 それで財務省幹部は首相を介して日銀に働きかけ、インフレ目標政策を多少は本気で採るように進言しているのではないかと思われます。
 上記(1)〜(4)の4つの不等式を考えると、財務省日銀はこれまでの「増税デフレ目標」の組み合わせから、「増税緩和・微妙なインフレ目標」の組み合わせに舵を切る可能性が高まったのではないでしょうか。 これがデフレ脱却のフリに終わった2009年よりも本気で財務省日銀デフレ脱却に向けた政策を採るインセンティブになるだろうと筆者は踏んでおり、中期的に株高・円安が続くと予想する理由です。 

【オマケ】
さて、めでたく株高・円安政策が当分続くとして、海外要因からこの構図が崩れるかどうかは検証する必要があります。

1)欧州問題
これはもう決着しかかっていると見て良いのではないでしょうか。 結論はギリシャの秩序ある破綻、もしくはギリシャの無秩序な破綻とギリシャEU追放。どちらも一過性のマイナスの後、世界経済には好影響があるでしょう。

2)米国経済大統領選挙
アメリカ民主党の景気浮揚策に対し足を引っ張ってきた議会共和党ですが、大統領選挙の年には毎回景気浮揚策が採られています。今年だけその例外とはなりにくいのではないでしょうか。

3)イランイスラエル問題
これは日本経済にとってはかなりの脅威です。 顕在化すれば、原油LNGなどの多くをホルムズ海峡経由で入手している日本経済への打撃は計り知れません。 ただ、問題が顕在化した場合でも株高は一時的に終息したとしても、日銀インフレ目標を掲げていればこれも中期的には一過性の問題に終わるでしょう。 そもそもイランホルムズ海峡を封鎖する事態となれば、イラン自身がイラクの二の舞となりかねないことからイランイスラエル間ではチキンレース冷戦が続くというのがメインシナリオではないでしょうか(自信はないですが)。

シントシント 2012/02/27 01:35 自分もこれからは株高円安とインフレになっていくだろうと思います。もうデフレは許容できませんからね。

しかし、政治で経済が動きましたね。議員さんが日銀や財務省に言って、頑張ったのも事実ですが、国民が理論武装したのも大きいですね。
やはり国民が動いて、日銀や財務省を動かさないといけませんね。

shavetail1shavetail1 2012/02/28 15:58 シントさま
>もうデフレは許容できませんからね。
おっしゃるとおりです。
政府・日銀の不作為(作為?w)これ以上自殺者が出たり、婚姻率を下げられたりというようでは日本は文字通り滅びますよ。
わずか1%のCPIさえ達成しないとなれば、日銀は国賊モノですね。

シントシント 2012/02/28 19:48 しかし日銀の、「1%の物価目標を目指します」、と言うアナウンスメントと、「10兆の金融緩和」、というだけでいきなり株価が9500円、日本円が対ドル80円にとは・・・。

安達誠司氏のこの本によると、あと約20兆円ぐらいの金融緩和で対ドル95円になるとか・・・。

円高の正体 (光文社新書) [新書]
http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334036621

shavetail1shavetail1 2012/02/28 20:24 日銀は、その誕生に遡ってもインフレ嫌いな組織で、1%の物価目標でさえ、目指させられているんですね。
隙あらば0%に戻したいということでわずか10兆円のやったふり金融緩和でお茶を濁しています。ただ、今回はお茶を濁すだけでは済まないんじゃないかなーと思います。
2009年はやったふり金融緩和で終わったので一過性の円安株高でしたが、野田政権(財務省)はどうしても増税する環境を整えて欲しいわけですから、日銀に圧力を掛けるとおもいます。
2%の物価目標、とでも打ち出せば「あぁ、ついに日銀も正気になったか!」と世界の投資家が思って、1ドル100円、株価18000円(今の2倍)も普通にありそうですがw

2012-02-24 かなり株高円安となる理由(1)

かなり株高円安となる理由(1)

|  かなり株高円安となる理由(1)  - シェイブテイル日記 を含むブックマーク  かなり株高円安となる理由(1)  - シェイブテイル日記 のブックマークコメント


2月にはいって、日記の更新が滞ってしまいました。 実は最近、投資環境が大幅に変化したと感じてそちらの分析をいろいろしておりました。 
周知のように、今年1月25日にFRBは長期インフレ目標値を公表する方針を示しました。これに刺激されたのか、我が日銀も2月14日に事実上のインフレ目標導入に加え、資産買い入れ基金の10兆円増額などの追加の金融緩和を決めました。 最近では日本の株価は上昇し、為替は円安に反転しています。これと似た状態が2009年にも生じています。
f:id:shavetail1:20120224210914p:image:w360
図1 2009年-2010年の日経平均株価
f:id:shavetail1:20120224221752p:image:w360
図2 2009年11月-12月の株価推移 
図1は2009年-2010年の日経平均株価です。円内を図2に拡大表示しています。
この年の11月20日、菅直人副首相(国家戦略担当;いずれも当時)が日本経済デフレであることを宣言しました。その背景にはリフレ派の勝間和代氏が菅直人氏に直訴し、菅直人氏の脱デフレ宣言を引き出したという経緯もありました。*1 さて、その菅直人氏自身は特にデフレの害を憂えていた形跡もありませんでしたが、この政府要人によるデフレ宣言により「外圧」を感じた組織がありました。それが日銀です。日銀はそれまでデフレ状態の日本経済に無頓着でしたが、わずか12日後の12月1日には臨時政策決定会合を開催し、10 兆円規模となる新しい資金供給手段の導入を決定しました。 GDPギャップの大きさからみればわずか10兆円の資金供給であったにもかかわらず、その後株価は反転急騰し、為替も大きく円安に転じたのでした。
f:id:shavetail1:20120224215758p:image:w360
図3 2009年-2010年のドル円チャート


そしておそらく今回は2009年の状況に比べ、より一層株高・円安が期待できるのではないかと考えています。 その理由は、日銀財務省自身の利害にあるようなw
 → (続く)

2012-01-30

そこまで言って委員会 増税止むなし派はなんと主張したか

| 20:03 | そこまで言って委員会 増税止むなし派はなんと主張したか - シェイブテイル日記 を含むブックマーク そこまで言って委員会 増税止むなし派はなんと主張したか - シェイブテイル日記 のブックマークコメント

昨日のそこまで言って委員会で、リフレ派の上念司氏が増税不可避派の辛坊氏を論破した、というエントリーを書いたところ、増税不可避派の意見も公平に書いて欲しい、というコメントを複数いただきましたので、今日は増税不可避派の三宅久之氏と辛坊治郎氏の意見をできるだけ詳細に書き写したいと思います。

三宅久之 「国際化した社会では一国だけ特異な税制を採ることは難しい」
EUには消費税率が15%以上でなければ入れない」
アメリカ社会保障の面倒を政府が見ないという国だから、税収に占める社会保障費の割合が低いんだけれど」
「日本の消費税消費税(や付加価値税)を課している国では税率が異例に低い」
「'97年に景気が悪くなったのは、消費税を5%に上げたから、というのはウソですから」
「あれはちょうどアジア危機があったから」
「景気がよくならなければ消費税はあげちゃイカン、というがこの15年景気が良かったことがあるのか」
「いつになったら景気が良くなるんだ?」
「ずーっと上げられない。百年河清を待つというやつだよ」
「その間財政赤字は悪くなっていくんだよ」
「だから、皆野田さんのことをボロクソに言うが、私は民主党の中では鳩・菅などと比べて問題にならない(ほど優れた)政治家だと思っていますよ」
増税が不人気なのは分かり切っている。だがやらなければいけない時にはやらなければいけない」
「竹下さんに、消費税を上げたら、内閣は飛びますよ、といったら、竹下さんは『いつかは誰かが上げなくてはならないんです。私の内閣の時に巡り来た、そう思っています』っていった」
租税社会保障負担率でいえば日本は38%なんですよ。すごく安い。だけども、日本では公平に医療保険に入れる」
「野田さんがこの間施政方針演説をした時に、私は久しぶりに感動して聞いていました『消費税増税が必要だ、というのは福田さん、麻生さんも言ったんですよ。それを民主党が潰した。大変申し訳なかった』と」

宮崎「野田さんなんて、2008年の選挙の際にはyoutubeでもう何十万回も見られていますが、『消費税を上げるにしても、それを喰い潰すシロアリが山のように居る*1。このシロアリを退治しないと消費税増税なんてあり得ません』って言ってるんですよ」

三宅 「まぁ、だからねー、選挙の時には誰だって嘘八百言うんですよ(笑)」

*1官僚のいる各省の外郭団体のこと?

shavetail1shavetail1 2012/01/30 21:46 まぁ、こうして、増税止むなし派の意見を採録してみても、リフレで景気を良くしてはいけないという話ではなく、(デフレの)この15年間景気対策がいっこうに効果がなかったではないか、というような話(それはデフレだから)に終始し、議論がぐるぐる回るというパターンに陥るようですw
増税止むなし派も一生懸命日本のことを考えているような気もしないではないですが、まぁ、もう少しだけ、経済を勉強してから議論して欲しいところです。 増税すれば景気は悪くなる、とかね。三宅先生は無視してますが、そんなこと、高校生でも知ってますから。
辛坊・三宅両氏とも、日本が世界唯一の長期デフレ国、世界最悪のデフレ国って認識はないようですし。

シントシント 2012/01/30 23:16 >辛坊 「よくそこで議論になるのは、インフレ率が2%になって、名目成長率が4%になった時に、金利の水準はどうなって、その時の国債残高はどうなるのか、という議論は常にありますね。」

デフレ脱却していけば、1〜3年後は国債の金利が上がるようです。
ただし、その後は順調に下がっていくとか・・・。

別冊宝島1803 日銀の大罪
http://tkj.jp/book/?cd=20180301

この本の中で、高橋洋一氏が言われてましたね。

シントシント 2012/01/31 00:54 すいません・・・間違えました・・・上記の本の中での高橋洋一氏では、経済成長して金利が高くなった場合の税収と国債の利払い費のことでした・・・。

お騒がせいたしました・・・。

shavetail1shavetail1 2012/01/31 05:32 シント さま
私もその本は持っていたと思いますので、ちょっと確認しますね。
いずれにしましても情報ありがとうございます。

2012-01-29

そこまで言って委員会で上念司氏が増税推進・日本破綻不可避論者の辛坊氏を論破

| 18:01 | そこまで言って委員会で上念司氏が増税推進・日本破綻不可避論者の辛坊氏を論破 - シェイブテイル日記 を含むブックマーク そこまで言って委員会で上念司氏が増税推進・日本破綻不可避論者の辛坊氏を論破 - シェイブテイル日記 のブックマークコメント

今日の「そこまで言って委員会」はリフレ派の論客、上念司氏がゲスト出演し、大変面白い議論を展開してくれました。
司会者としては著しく偏った増税推進・日本破綻不可避論者の辛坊氏とのやり取りも大変見ものでした。


(ナレーション)
リフレ派、高橋洋一岩田規久男田中秀臣・上念司各氏らは、「政府日銀の『日本は破産する』の情報は嘘だ!」、
「とにかく増税したい財務省がワザと財政危機を演出している」、と主張します。
税収を上げるためには増税、ではなくて、日銀が大胆な金融緩和策を採ることで、緩やかなインフレにするつまりリフレを実現せよとしています。
 歴史上、増税だけで財政再建した国はない、そもそも増税しなくても景気回復はできる、日本は破産しないという主張をしています。
そこで質問です。 「野田政権が唱えるように、消費税増税しなければ、日本は財政破綻する」というのはウソ? ホント? 
(すると、「ホント」は三宅久之氏だけの1票。他の、宮崎哲弥勝谷誠彦筆坂秀世山口もえ鴻池祥肇花田紀凱桂ざこばの各氏は「ウソ」で計7票。)

宮崎哲弥  私は上念氏とは多少立場が違います。 いつかは増税も必要になるだろうと(言う立場です)。 
ただ、増税さえすれば経済状況が良くなるといった論調ばかりが目立つのはオカシイと。

上念氏登場
私はまぁ、「リフレ派」と呼ばれていますけれども、経済学の知見と、歴史から学んで、日本の経済政策を考えて行きましょうということを言っているわけでして。
なにか、最初から決めつけで「もう日本は破綻する」とか言うところから出発するんじゃなくて。

上念  もし増税してすぐに税収が増える、というんなら私はやってもいいと思うんですよ。
ところがデフレの中で増税すると、税収は減ってしまうリスクがあるんですよ。 この点をよく考えてまずデフレ脱却を確実にしてから「増税権」は別に担保しておき、日本国債が売られるような状況を防ごう、というのが我々の考え方です。

たかじん   じゃぁ、そのデフレというものからどうしたら脱却できると?

上念    デフレというのは貨幣現象です。 お金の量とモノの量はバランスしているんですが、日銀バブルを潰したあたりから、ずーっとお金が足りない状況を作っていて、モノの方はどんどんいいものが出てくるからバランスが取れなくなっているんですよ。
この状態を放置すると、お金のほうが希少価値が高まってモノの値段が下がるという状態になる。これがデフレなんですね。
それがなんで分かるかといえば、消費者物価指数GDPデフレータといった指標をみればわかります。
このGDPデフレータは’98年からずーっとマイナスで、先進国では(デフレは)日本一国だけです。 
人口が減ったからデフレ、なんてバカなことをいう人がいますが、人口が減っている国の中でもデフレは日本だけです。
これらから見ても日銀のお金の刷り方が足りない、ということが明らかです。 
現状日銀は百2,30兆円のお金を刷っていますが、大体2百兆円位刷っても大丈夫と言われています。
その刷ったお金は復興財源にでも使って、いやー景気が良くなり過ぎてこれは大変だぁーとなったら、増税すればいいんです。

三宅 そう言うんだったら、私は全く賛成だね。

上念    でしょ!

宮崎 先週の金曜日の新聞一面で「米国、2%のインフレ目標政策導入」って出てます。 
 高い消費税率の欧州各国でもインフレ目標というのは導入されています。 
もし日本でも2%のインフレを維持した上でリーマン・ショック以前のように実質2%成長すれば、名目4%の成長であり、そうなれば財政はものすごく良くなるんです。
然る後に消費税を必要なだけ上げる、というのならいいんです。

勝谷   だから、自転車の二人乗りも、勢いがついてから二人乗りすればいいんです(笑)。 
そうしないと初めからだったら倒れてしまうでしょ? 
もし政府がお金を撒いたらどうなるかを知りたかったら(復興特需状態の)仙台に行ってみたらいいんです。

辛坊    (ピントがずれたリフレ反対論を展開した上で) じゃぁ、悪いのはすべて日銀で、政治家がやることはないんですか?

上念    まず日銀法の改正でしょう。 現在は日銀財務省よりも力を持っています。 
現在は総理大臣でも彼らをクビにできないんです。
彼らは一応物価目標を1%といっているんですが、全く守られていません。

辛坊     日銀政府から独立する、というのは世界のトレンドであるのは間違いない。

上念    独立といっても中身が問題です。 手段が独立するのか、目的まで独立するのか。

鴻池   今の時代なら財政出動は100兆するべき。 ちまちまやっていても何も良くはならない。 デフレの時代にデフレ政策をやったらイカン。

辛坊   (再びピントが外れた、財政出動の使い道批判)

勝谷 持続可能な社会の実現にお金を使わなきゃダメなんです。

辛坊    …。(汗)私もリフレ派の仰っていることは大体正しいと思うんですよ(!) ただ、現在の税収は40兆円。 バブルj時代で税収は60兆円、小泉・竹中時代に最高51兆円。 これに対し歳出は100兆円ですよ(だから増税は避けられない)。

上念    税収=名目GDP×税率×税収弾性値なんですよ。 デフレの時に税率だけをあげようとすると、名目GDPはもっと下がって税収が下がってしまう懸念があるんですよ。だから名目GDPが減らないように金融緩和をしながら、それで増税というのならあると思いますけれど。
上念    名目GDP(成長率)が3−4%になってから増税すればいいんですよ。 名目GDPが4%成長を20年続ければ、借金は半減するんですね。

辛坊  インフレになれば、それよりも先に金利が上がるでしょう。

上念    1930年代デフレの時に高橋大蔵大臣が(リフレ政策を取った時)、金利が上がる前に株価や商品価格があがり景気が良くなったんですよ。 そして税収がどんどん多くなる。

宮崎 今後5年間が勝負ですよ。

三宅 そうはいっても、消費税が5%なんていうのは日本だけだろう(税率が低すぎる)。

鴻池 税金を上げるのは、景気が回復してからですよ。

三宅 過去の自民党はずーっと景気回復といって実現できていないではないか。

宮崎 日本は15年間もデフレで、そんな国は世界で日本だけですよ。
自民党は、景気対策を続けたのにその間、日銀デフレを放置したので、景気回復はなかったの意か)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ついに増税一本槍の辛坊氏さえ、「リフレ派の主張は根本的に間違い!」という主張を取り下げたようですw
増税不可避論者の辛坊氏が、議論の最後には「歳入・歳出には大きな格差があるから、リフレ政策だけではダメだろう」、という消極的反対にまで押し込められた、大変面白い展開でした。
上念氏、グッジョブでした!!

【関連記事】
上念司氏国会でデフレ脱却を訴える
そこまで言って委員会 増税止むなし派はなんと主張したか

shavetail1shavetail1 2012/01/29 18:55 上念氏のクールな理路整然とした論理展開を聞いていて、辛坊治郎氏の顔色が次第に真っ赤になっていったのは大笑いでしたw

名無し名無し 2012/01/29 20:59 辛坊は銀行の頭取が無理やり国債を買わせるから国債価格が高いと思ってるんだな
それってどんな理論だよw

カーれーカーれー 2012/01/29 21:00 仮に自分の主張が正しいと思うなら反対派の主張を中略で済ますのはかえって印象が悪いですよ。

shavetail1shavetail1 2012/01/29 21:19 カーれー さま
辛坊氏の論点の多くは書いてもしょうがないものが多かったですよ。 例えば奥尻島で景気対策しても景気は持続しなかった、とか。 デフレ政策が続いているんだから当たり前だろう、と。
ただ、先程追記した、インフレ転換時(あるいはその直前)の長期金利がどうなるかは私も気になります。 80年前の高橋財政の際には、金利は一旦下がった後、好景気になってから上がったようですけれどね。

ssss 2012/01/29 21:20 これ、関東のゴールデンでも流すべきですよ。

shavetail1shavetail1 2012/01/29 21:22 SSさま
そのとおり!なんですけれど、
「関東でこれを流すと、(当局の)邪魔が入んねん!」
ということだそうです。
「記者クラブ」だとか、大政翼賛体制の維持が首都圏テイストかとw

e_hitsujie_hitsuji 2012/01/30 00:46 どうしようもなくなったらJALみたいに一旦破綻させて産業再生したほうがうまくいったりとかないのかな?
政治だと違うのかな・・・。
基本的にはでっかい企業と同じだと思っているけど

武良武良 2012/01/30 02:17 e_hitsuji様
一旦破綻したのがお隣の韓国ですね。IMFに好き勝手されて、一部企業や外資は儲かるが、韓国国民は損をする酷い国へと変えられてしまいました。

また、政府には通貨発行権がありますが、企業にはありませんので、根本的にこれらは違った存在です。

インフルエンザ患者インフルエンザ患者 2012/01/30 12:08 武良さま
企業には株式発行による増資という手段が有りますね。
ただ国債と同じで収益力への信用が無ければ誰も買わないし、そうなると破綻するかもしれません。
物価安定を担保しないのなら通貨発行はいくらでもできますが、貨幣経済は崩壊します。

インフルエンザ患者インフルエンザ患者 2012/01/30 12:18 >追記

現在の日本円はドル、ユーロと比べて信用され過ぎているし、その信用に見合った通貨供給(投資)がされていないと思います。

shavetail1shavetail1 2012/01/30 12:41 辛坊氏や三宅氏の反論をきちんと書かないのはいただけないというご批判をいただいておりますので、今日か明日の夜にでも両氏の主張された論点を写し書きしたいと思います。 と、一応予告です。

shavetail1shavetail1 2012/01/30 21:09 と、言うことで、今日1月30日のエントリーでは、そこまで言って委員会での増税止むなし派、三宅久之氏と辛坊治郎氏の意見を中心に採録してみました。

http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20120130

nakanaka 2012/01/31 13:00 辛坊に対する批判は一方的過ぎだと思います。彼を知らない人は誤解しますよ。

shavetail1shavetail1 2012/01/31 13:07 nakaさま
>辛坊に対する批判は一方的過ぎだと思います。彼を知らない人は誤解しますよ。
辛坊氏は、安倍元首相の顔先に人差し指を突き出し、リフレ的発言を喋らせないようにするなど、
ちょっとオカしいと思っている人は多いでしょう。
そもそも経済学がわかっていないことを岩田規久男先生に批判されているのにまだ同じ主張を続けるなど、ちょっとヘンな人がヘンな主張で電波を専有していると思いますよ。

MojaMoja 2012/01/31 22:09 シェイブテイル様
勝手ながら私のブログでもこのエントリーを紹介させていただきました。

辛坊氏や三宅氏の反論など、本当にどうでもいいような内容なのに、
文字起こししなきゃいけないとは大変ですね。ご苦労お察しします。
あと、ブログへのコメントありがとうございました。

shavetail1shavetail1 2012/01/31 22:21 Mojaさま
三宅先生、以前は私も嫌いじゃなかったんですけどねー
政治家が嫌いな増税を言うのが勇気のある政治家、みたいな
増税はバンジージャンプかよ、って突っ込み入れたくなるようなレベルになっちゃってますw

typeXRtypeXR 2012/06/03 22:59 事後報告ですが、こちらの記事が素晴らしかったので、記事を引用させてもらいました。SNSのmy日本とFreeJapanです。(もしまずければ消しますので連絡ださい。)
日本を悪くするよう誘導する辛坊氏は要らないというか邪魔です。
上念氏GJです。

shavetail1shavetail1 2012/06/04 20:23 typeXR さま
この記事でよければどうぞ引用ください。
辛坊氏もこの上念氏とのバトルあたりを境に、狂信的反リフレ発言は影を潜めたようで、結構なことです。

2012-01-18

国会議員定数削減の意義

| 22:33 | 国会議員定数削減の意義 - シェイブテイル日記 を含むブックマーク 国会議員定数削減の意義 - シェイブテイル日記 のブックマークコメント

現在国会では国会議員80名削減問題が熱く議論されています。
削減すれば、55億円の年間予算が削減されるとか。 

それは、大事な話だ。

なんて思っている人は算数能力に問題あり、です。
なぜか。

今の国の長期債務は1000兆円に近い額で、毎年30兆円以上純増しています。
それに対し55億円削減とは?
1億分の一にして考えると
1000万円の借金がある人が、毎年30万円利子が増える中、年間55円の経費削減できるかどうかで寄ってたかって何日も議論しているようなものです。55円の経費削減って、この1000万円の借金ではわずか2時間分の金利分にしかならないんです。

そんな議論している暇があったら、「経済学の基礎」という教科書を読むか、このブログでデフレの項目を読むほうがずっと生産的でしょう。 
自分が考えている問題の「桁」が分からない人は、大きな意思決定には参加しない方が国民と本人のためです。



    では数の多い公務員ではどうでしょうか?
   

公務員などの人件費削減の意義
上で指摘しました55億円規模の国会議員人件費削減とは異なり、公務員は、それに準じて人件費が決まる人々が750万人います。 公的資金から人件費が払われる人も(非正規雇用含め)900万人とか。
これらのうち、年収700万円を超える人々に対し、20−30%程度人件費削減すれば10兆円単位で毎年予算が浮きます。
これは国会議員数削減と異なり長期債務1000兆円に対し、純増を止める程度のインパクトはあります。
国民が待ち望む政策です。
橋下さんが次期総理に期待される理由でしょう。 

ただし。
本格的に公務員人件費を毎年30兆円程度削減したとすれば、これは直接GDPの引き下げ要因となります。
国債は維持されるかもしれませんが、景気は悪くなる。 
国民からみれば、消費税アップは悪、公務員人件費削減は善、のようにみえますが、
デフレで実施する政策としては筆者はどちらも似たようなもの(悪)と思いますが如何でしょう。


もし消費税アップや公務員人件費削減で、民間に流れるマネーの量を減らす政策を採るのであれば、それをやや上回る量のマネーを民間に流す政策、例えば国債日銀直接買い入れまたは政府紙幣の日銀券への両替を原資とした財政政策、あるいは減価する地域マネーを実施しないとデフレがひどくなるでしょう。 要するに、流通するマネーの量は物価で測定し、CPI=2-4%のマイルドインフレを達成しつづければ、国民生活に支障が生じることはないでしょう

【関連記事】 国会議員定数削減の意義

shavetail1shavetail1 2012/01/19 05:11 このような「正論」を唱えるブログもあるようです。

>議員定数を削減すると、議員の当選に必要な票の数はそれだけ増える。逆に有権者から見ると、一票あたりの値打ちが減る。
一人の議員が当選するのに100万票必要な場合と、1万票で当選できる場合と、どちらのほうが我々の「選挙権」が議員にとって重みがあるか、比べてみよう。
当選に100万票必要な場合、我々の選挙権の価値は、100万分の1票である。
当選に1万票必要な場合、我々の選挙権の価値は、1万分の1票である。
100万分の1と、1万分の1で、数字の大きいほう、つまり我々の票の価値が高い方はどちらか? 1万分の1の方が100倍大きい。

つまり、議員定数削減とは、我々の選挙権の一票あたりの価値を削減することを意味する。
さらに言うと、日本の国会議員の数が減ると、相対的に、日本の官僚の力は強くなり、同様に外圧は今までよりスムースに通りやすくなる。
議員は減るが国家公務員・地方公務員削減には言及なし。
公務員こそ給与を減らせば750万人〜900万人の給与が減るのに。
これも霞が関の陰謀?

shavetail1shavetail1 2012/01/19 14:41 nminoru さま

上記ブログのURLは以下のとおりです。

http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20120117/1326807155

筆者としては賛成の部分とそうでない部分がありました。

2012-01-12

減価する地域通貨に関する参考文献

| 21:38 | 減価する地域通貨に関する参考文献 - シェイブテイル日記 を含むブックマーク 減価する地域通貨に関する参考文献 - シェイブテイル日記 のブックマークコメント

 先日書いた減価する地域通貨についてのエントリーに対し、減価する通貨に関する情報が欲しいとのお話がありましたので、参考文献を記します。


減価通貨について論じた書籍は少ないですが、有名なところでは「エンデの遺言」NHK出版 (2000)・ 「エンデの警告」NHK出版 (2002)があります。
もっと専門性が高い本では「エコマネーの新世紀」勁草書房(2001)あたりでしょうか。
WEB上には沢山情報があります。
・「ヴェルグルの奇跡」でググッて出るサイト(「労働価値紙幣」関連)
・私のサイトに2、3件、
・オーストリア散策・エピソードNo158  Pomfi (2010)
http://www.onyx.dti.ne.jp/sissi/episode-index.htm
日本語で、内容充実性から言えば、このPomfi氏のサイトが現在一番かもしれません。
ドイツ語のサイトまでカバーされた参考文献があります。

時間が許せば、筆者のサイトでもデフレ脱却のための「減価通貨研究」でもアップしようかと思っています。
この件は、制度設計がカギを握りそうで、アイディア勝負のデフレ脱却策かも知れません。
(前、予告編を書いて本編書かなかったことがありましたので、話半分でw)

もしこれらのご参考になったなら、コメント・リクエスト・ブックマークなどをお願いしますw

エンデの遺言「根源からお金を問うこと」

エンデの遺言「根源からお金を問うこと」

エンデの警告は、エンデの遺言よりも内容が濃いんですが、市販されているところが少ないです。

エコマネーの新世紀―“進化”する21世紀の経済と社会

エコマネーの新世紀―“進化”する21世紀の経済と社会

結構参考になりました。

ただ、デフレ脱却策に焦点を当てた和書はまだ知りません。
面白いのは世界的にデフレだった1930年代に盛り上がり、デフレから世界が抜けだすと減価通貨は廃れました。
減価通貨がインフレを加速することがこれからも分かります。

ある長期債務モデルに関するabz2010氏とのディベート

| 05:31 | ある長期債務モデルに関するabz2010氏とのディベート - シェイブテイル日記 を含むブックマーク ある長期債務モデルに関するabz2010氏とのディベート - シェイブテイル日記 のブックマークコメント

筆者は、2011-12-10付けエントリーで次のような長期債務に関する経済モデルについて考察しました。
図1は日本の現状を非常に単純化し、
・日本の長期債務は全て国債の形をとっている
国債は、全て国内で消化されており、その原資は国民(非金融部門)の預金だけから成る
・長期債務残高は預金残高と拮抗している
としました。 勿論現代日本に近いのですがそのままではありません。

f:id:shavetail1:20111210185409p:image:w240:left 
図1単純化した国の長期債務モデル
ここで、国の長期債務の永続性を考えるための非常に単純化したモデルを考えてみます。 このモデルでは、
・日本の長期債務は全て国債の形をとっている
国債は、全て国内で消化されており、その原資は国民(非金融部門)の預金だけから成る
・長期債務残高は預金残高と拮抗している
 としましょう。
 この単純化したモデルは図1のように表すことができます。 *1
図1の左1/3は家計が自らの資産を市中銀行に預金している状態を示し、真ん中は市中銀行が預金を原資に国債を買い入れている状態、そして右1/3は政府国債を市中銀行に売って、歳入に充てている状態を示しています。
さてこの状態で、仮に消費税増税といった形で税収を増やそうとしたとしましょう。


f:id:shavetail1:20111210184426p:image:w240:left 図2 長期債務が預金と拮抗した時に増税したときの消費税増税効果 
国が、家計や企業などに増税を求めた時、経済成長などで新たなマネーサプライが増えているのでない限り、現在すでにある家計や企業などの預金から支払う必要があります。 ところが、この単純化したモデルではこの預金が既に全て国債に姿を変えていますので、民間金融機関では、その引き出し要求分だけ、国債を売却する必要が生じてしまいます。 *2
結局、デフレGDP総額が増えない中で増税した場合には、民間から政府への所得移転は発生するものの、新たに財源が生まれるわけではないんですね。
 もっと言えば、民間から政府へ発生した所得移転が、更に民間の別の人に移転するならば、これは民間の人々の間での所得再配分になり、景気中立的ですが、野田政権が意図しているように、単に年金原資にするか、国債償還原資に使うだけでは、現状と比較して新たに民間に資金を還流させることはならず、増税した分だけ民間の資金を吸い上げる分、景気を冷やすに過ぎないことも指摘できます。






abz2010氏は、「まあ増税派というかどうかはともかく、いわゆる上げ潮派ではないですね。」と自称される方です。
abz2010 氏
>なにやらフローとストックがごっちゃになっているような気がします。

ごっちゃにはしていません。図2の上半分がストック、下半分がフローです。企業会計同様、ストックとフローは当然完全につながっています。

abz2010 氏
資産税で累積債務を解消しようとすれば確かにご指摘のようなこともおこらないこともないような気もしますが、消費税が上がってもGDP(フロー)の分配が変わるだけで、貯蓄が取り崩されて消費税が払われるわけではないのでは? 

GDPの配分が変わるだけ、の意味するところは何でしょうか? 民間非金融部門からは確実にGDPが吸い上げられ、減少します。 一方、吸い上げた消費税を100%政府部門が消費するか、国内の民間に返してくれれば、GDPは所有権が移動しただけになります。 ただ、一部でも債務削減に使えば純減になりますでしょう。

abz2010 氏
>また、仮に貯蓄が取り崩されて国債償却に使われ、一方でその分金融機関国債を売却するとすれば、結果として国民の貯金が減る分だけ累積債務は減るわけなので、国民にとってはありがたいことではないものの、少なくとも国の財政は改善し、金利上昇等に対する耐性も上がるはずです。

国の立場からまた超短期で見ればそうでしょうね。 一瞬国の財政は改善します。 ただ、上述の通り民間のGDPは、累積債務を減らしたぶんだけ縮小します。 これに伴い、法人税も所得税も減り、増税したのにトータルでの税収は増えません。 中長期には、国(実は財務省)栄えて国滅ぶ状態ですね。 国債削減でも消費税でも同じだと思いますが、国が吸い上げて民間に戻さない分を、中央銀行が創造したマネーで補わないと、デフレ下での増税デフレを加速するだけでしょう。

abz2010 氏
>確かに財政再建をすれば政府が借金で経済を下支えしていた部分がなくなるわけで景気の下押し要因となるのは間違いないでしょうし、消費税が消費を抑制する効果も確かにあるかもしれません。 ですが、そもそも現在の国の財政は支出が税収の2倍という長期的に持続不可能な状態であり、手遅れになる前に財政再建に舵を切る必要があることは間違いないんじゃないでしょうか?

いえいえw 97年の橋本増税の効果を検証すると、民間は経済大幅失速、失業増加、自殺増加、サラリーマン給与この年を頂点に以下右肩下がりに転換。貧乏国への大転換ですw 日本の債務が持続不可能と言われて20年ほどは経ちましたでしょうか? 大平首相が最初でしたっけ? 日本にはまだ国債を買っていないセクターとして海外と中央銀行があります。 逆に民間が95%と持ちすぎです。 中央銀行がもっと持てば単純に健全化します。 中央銀行は無限に流動性を供給できます。マネーを中央銀行が供給し続ければ、その間に日本は必ずデフレを脱却「せざるを得ません」。 すると、景気は回復せざるをえません。 すると税収は増えざるを得ません。
実質長期金利は、上がるかも知れないし下がるかも知れないですが、少なくとも高橋財政ではインフレ転換した上に、国債金利が下がったようですね。
白川総裁が主張するような、不連続に変化するなんてことは、デフレ脱却景気回復、税収増局面では起こりようがないでしょう。
これは野田総理や財務省にも一番聞きたい疑問ですけれど、立場が近いabz2010さんは「預貯金が全て国債に姿を変えた経済モデル」の場合、新たな増税の財源は海外・中央銀行以外ならいったいどこに求められると考えていらしゃるのでしょう。 

欧州はマイルドインフレですから中央銀行がマネーを供給するのは慎重でなければなりません。 蛇足で言えば、欧州は国際金融のトリレンマという鎖を断ち切る以外欧州危機脱出法はないでしょう。詳しくは過去の筆者ブログ内を検索ください。

 最近の私はバカで固めたような政府日銀には余り期待しなくなってきており、(それを止める力がないリフレ政治家にも)自分が属する政治環境、つまり地方政府だけでも減価通貨でデフレ脱却できないか、と案を練っているところです。

*1:資金循環統計(2011年第2四半期速報)によれば、実際の国債保有者のうち、金融機関は66%の保有高であり、残りは中央銀行政府が21%、海外が7%、直接家計・その他が6%の保有となっています。 

*2:分かりやすく、このように表現しましたが、実際には銀行内での納税者から、政府への預金口座名義付け替えになります。

ななみのゆうななみのゆう 2012/01/13 21:17 Shavetail1さま

こんにちは。ベルグルの減価する貨幣チロル地方、拝見いたしました。2004年ごろに紹介されて呼んでいるはずだったのですが、改めて読みますと新鮮でかつこんなに鮮明であったかとの思いが沸きました。
しかしそれとは別に、やはり現代においては、減価する貨幣は不適切であろうとの結論に至ります。
その理由のひとつは、チロル地方の例と違い、現代の決済は、税金支払いを含めてほとんど全てが銀行を介した決済であるという点、当時の公共事業に支払う代金はおそらくほとんどが人件費に違いないという点、現代では公共事業をするためには人件費への支払いより原材料を他県から購入しなくてはならずその原資まで減価する貨幣で行うことは出来ないという点などでしょうか。

つまり、チロルの例では仕事がいっぱいあるから人的資源の活用を考えればよかったし、それで得た所得が全てその地方の人的生産物の消費に回せばよかったということではないのかと。

それに現代日本の問題の本質は、デフレ不況の状況なのではない、という思いがあります。本質は国内マネーの総量がバブル崩壊によって大幅に減少してしまったことだと私は確信しています。
だから単純に、現代日本の問題を解決する処方箋は、
1)お金の総量を増やすこと
2)増やしたお金を出来るだけ偏在させないこと
3)資源消費をできるだけ増やさない税制を敷くこと
、と思っています。

なお、前回投稿では失礼を申しましたが、2012-1-12のエントリーでの「ある長期債務モデルに関するabz2010氏とのディベート」に使われた図とその解説を見る限りでは、民間金融機関による信用創造機能について、ご理解なさっておられると考えを改めました。改めて失礼を申したことお詫び申します。
ただ、マネタリーベースについてのご見識については、相変わらず、疑問符が付いております。ご堪忍のほどをごめんください。

shavetail1shavetail1 2012/01/13 22:36 ななみのゆうさま
>その理由のひとつは、チロル地方の例と違い、現代の決済は、税金支払いを含めてほとんど全てが銀行を介した決済であるという点、当時の公共事業に支払う代金はおそらくほとんどが人件費に違いないという点、現代では公共事業をするためには人件費への支払いより原材料を他県から購入しなくてはならずその原資まで減価する貨幣で行うことは出来ないという点などでしょうか。

鋭いですねw 
では、その点「ななみのゆう氏とのディベート」ということで、次のエントリーで考えてみましょう!

shavetail1shavetail1 2012/01/14 12:40 「減価する地域通貨に関するななみのゆう氏とのディベート」
http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20120113

abz2010abz2010 2012/01/17 23:21 あ、エントリーを書いていただいてたのですね。 折角ですのでご質問いただいた点も含めてコメントさせていただきます。

>>なにやらフローとストックがごっちゃになっているような気がします。

>ごっちゃにはしていません。図2の上半分がストック、下半分がフローです。企業会計同様、ストックとフローは当然完全につながっています。

たとえば

>国が、家計や企業などに増税を求めた時、経済成長などで新たなマネーサプライが増えているのでない限り、現在すでにある家計や企業などの預金から支払う必要があります。 

と書かれていますが、本当に「現在すでにある家計や企業などの預金」から支払う必要があるでしょうか? 基本的にはその年のフローの一部を税金として納め、残った部分で生活するなり、配当するなりするようになるだけだと思いますが?

>「預貯金が全て国債に姿を変えた経済モデル」の場合、新たな増税の財源は海外・中央銀行以外ならいったいどこに求められると考えていらしゃるのでしょう。 

そりゃ国内で消化できなきゃ海外でしょうね。 だから「国債は、全て国内で消化されており、その原資は国民(非金融部門)の預金だけから成る」というような仮定は話をおかしくするのではって話なんですが? ちなみに物理的に国内で消化できないとなれば金利は上がるでしょう。 累積債務が積みあがっている中でそういう状況になればリスクは高まります。 だから可能な限り早急に財政再建への道筋を示さないといけないって話で、別に特殊なことを主張しているわけでもないはずです。


>国の立場からまた超短期で見ればそうでしょうね。 一瞬国の財政は改善します。 ただ、上述の通り民間のGDPは、累積債務を減らしたぶんだけ縮小します。 これに伴い、法人税も所得税も減り、増税したのにトータルでの税収は増えません。 中長期には、国(実は財務省)栄えて国滅ぶ状態ですね。 国債削減でも消費税でも同じだと思いますが、国が吸い上げて民間に戻さない分を、中央銀行が創造したマネーで補わないと、デフレ下での増税はデフレを加速するだけでしょう。

なぜ「超短期」で「一瞬」なのでしょうか?? 逆に一度の消費税増税がずーーーっと消費を減らし続けるということってあるんでしょうか? 例えば3年前に消費税を上げたことの影響で来年の消費が今年より減るはずだっていうのはどういう状況なのでしょうか?? 今年と来年の消費税が同じだったら数年前の消費税増税なんて今年と来年の消費活動の変化に影響しないように思いますが?

ついでに言えば「増税すれば税金が減る」というのがもし正しいとしても、なぜ税収がへって財務省が喜ぶのかもよくわかりません。  税収が増えれば財務省の権限が高まるから彼らが喜ぶってのなら、まあそういう考え方もあるかと思いますが、税収が減って彼らが得することってあるんでしょうか?

shavetail1shavetail1 2012/01/17 23:30 abz2010さま
>基本的にはその年のフローの一部を税金として納め、残った部分で生活するなり、配当するなりするようになるだけだと思いますが?
そのフローというのが、普通は預貯金の形になっているのでは?
つまりある企業から企業への支払いにしても企業から従業員への支払いにしてもどちらも預貯金の形をとっているのであれば、銀行内で観察すれば、ある口座の数字を別口座に書き換えているだけでしょう。 その預貯金のBSの相手が全て日本国債になってしまっているというのが元の単純化モデルなわけです。
>逆に一度の消費税増税がずーーーっと消費を減らし続けるということってあるんでしょうか
'97年以降の日本がそれでしょう。国民の経済活動から5%上納させ、これを国民経済に還流してません。せめてCPIをプラス圏にすれば、これほどずーーっと消費が低迷することもないでしょうけれど。 
最後の税収が減ると財務省が喜ぶ、というより増税そのものが財務省の喜びだということでしょう。増税すれば、税収が減ろうが主計局では権限が増えますから。ただ主税局は嫌でしょうけれどね。

2012-01-09

消費税の輸出戻し税はダブルスタンダード税制?

| 18:15 | 消費税の輸出戻し税はダブルスタンダード税制? - シェイブテイル日記 を含むブックマーク 消費税の輸出戻し税はダブルスタンダード税制? - シェイブテイル日記 のブックマークコメント

【要約】
昨日8日に書いたエントリーと同じく消費税の輸出戻し税についてです。*1
少々わかりにくいこの話を2つのアプローチに切り口を整理して考えてみましたが、どちらから考えてもヘンでした。


昨日取り上げました消費税の輸出戻し税について結局結論は同じになりますが、考え方としては違う2つのアプローチがあります。

1)取引全体を海外販売とみる 
 海外でVAT(付加価値税)を取られるのだから、二重課税にならないよう、関係各社の付加価値(売上−仕入控除額)分を戻入れよう、というものです。ただし戻し入れるのは最終製品を輸出する企業に全額、です。現実に戻し税が最終企業だけになされていることを見ると、これが国税庁の見解でしょう。
 であれば、途中の取引では日本の消費税はナシ(海外売上高分戻入れ)にすべきですが、海外取引に係る下請け企業の海外輸出された製品(部品)にも税務署は消費税を取りに来ますので、矛盾しています。 

2)輸出企業以外の取引は国内取引とみる
 下請け企業からみれば、(また税務署から見ても)下請け企業製品が輸出に使われたかどうか、捕捉できるわけがないのでこちらが実際的な考え方でしょう。
 この場合、下請け企業が消費税を国に納めるのは国内取引だから当然と考えられます。 
 ところがその消費税が、税務署(国)を経て何に使われるか、といえば最終輸出企業に戻し税として全額が払い出されて、国→国民には流れません。というか、「戻し」というが、最終輸出企業は全く払ってないから「戻し」ではありません。
 となれば、下請け企業が国内取引として払った消費税は専ら輸出企業の輸出補助金となってしまっています。 この考え方に則れば、輸出企業に払い戻すべき税額はあくまでも最終輸出企業自身の付加価値に対する部分だけでいいはずなのに、上流の下請け企業の付加価値に対する払い戻しまで受ける権利はないはずです。

以上のアプローチを踏まえ、分かりやすいように極論をいえば、国内の税が全て消費税で、輸出企業の輸出比率が100%であれば、下請け企業が税務署にどれだけ消費税を支払ってもその全額が輸出企業に支払われ(払い戻しではなく)、国に残る歳入は0となるでしょう。
 それであっても、消費税増税賛成、その代わり(?)法人税減税要求する経団連の方たちや、国税庁・一部学者などから聞こえる「海外でVATなどを払うんだから仕方がない」という見解は果たして正しいのでしょうか?

wikipediaにもこうあります。*2

消費税の輸出戻し税(Wikipedia)
日本の消費税には、日本企業の海外への商品輸出に際してその生産にかかった消費税額を還付する制度があり、税務署から輸出企業にまとめて還付され、輸出品製造にかかる下請企業には還付しない。
それは、輸出品製造にかかる下請企業が最終完成商品輸出企業に対して消費税を商品売上価格(輸出企業から見たら仕入価格)に負担税額を上乗せして輸出企業に負担が転嫁出来ているという前提の下で考えられた制度であり、その前提が実際に行われていなければこの輸出戻し税制度の下請企業と輸出企業との間の税負担の公平性は成り立たない。
実際には、この下請いじめが利用されることでこの税負担の公平性は崩れており、輸出企業は価格決定力の大きい大企業で、下請企業は価格引下げの圧力を受ける中小企業の関係にあることが殆んどであり、その力関係で下請中小企業は消費税を転嫁できないケースが殆んどで、売上価格に消費税額を転嫁出来ないに等しいため、輸出大企業はその仕入価格が消費税で上乗せされた税額負担を受けていないにもかかわらず戻し税を受け取っているという構図がある。そこから、実態は輸出がメインの大企業に対する「輸出助成(補助)金」と同じであり、消費税の税率アップを経団連などが主張するのもうなずける。という見方がある。

デフレの国日本で、自社商品につけた値段に対し消費税が5%だから、といってきちんと105%の価格で買ってくれるバイヤーが何社あるんでしょう。
国際競争の中で考えても、消費税が5%から10%にあがったからって、最終製品を5%上げているようでは他国企業に市場を取られることは民間では常識です。 消費税法とはこうした非常識な前提にしか立脚していない法律です。 こうした点を国会で指摘された際には、国税庁担当者は、「消費税は消費者から預かるものだから、預からない業者が悪い」と答えます。

 このように消費税というから消費者が払う義務があるかといえば、実際の納税義務は(消費税分払ってもらえたかどうかによらず)事業者にあったり、中間業者の支払った消費税を最終輸出者が吸い上げる過程を「戻し」と表現したり、印象操作(?)が多い消費税問題ですが、消費税のことをある程度知った人たちの間で、これだけ輸出戻し税問題がこんがらがるのは、上記の2つの考え方が、最終輸出者にはアプローチ1(有利)を、中間業者にはアプローチ2(不利)を、と国税庁が使い分けるからわけがわからないんだろうと思います。 
輸出戻し税問題は、「消費税法に潜むダブルスタンダード問題」とでも呼べばいいのでしょうか?  輸出企業以外の国民はもっと怒るべきではないでしょうか。
f:id:shavetail1:20120108213420p:image:w360
輸出戻し税の本来と実際
国内下請けメーカーの製造した部品に対する消費税は全額輸出企業に還付するのではなく、
税目的に照らせば、国が国民のために使うべきでは?

【関連記事】
消費税の輸出戻し税

*1消費税の輸出戻し税(解説)

*2:Wikipediaでは「下請けいじめ」として消費税の輸出戻し税が記載されていますが、自動車のようにコモディティ商品の海外輸出を考えると、国内消費税アップを最終製品に価格転嫁できないのは下請けいじめというよりも単に市場競争によるものが大きいと筆者は思います。

shavetail1shavetail1 2012/01/09 20:14 BUNTEN さま
>あくまで俺の憶測だが、全取引に課税したい財務省と下請けが払った戻し税を巻き上げたい輸出大企業の思惑が一致した結果今の仕組みになったのだろう。▼当初蔵出し税が有力とされていたが大メーカーが反発。

私も似たような思いを持ちましたね。
(10数年前、消費税実施前夜のこと…)
輸出「この輸出補助金、目立たない名前にしてくれない?」
国税「ええ、いつもお世話になっているから、『輸出戻し税』なんてのはいかがでしょう?」
輸出「戻しねぇ!1円も払ってないけどねw」
ってな会話でしょうかw

shavetail1shavetail1 2012/01/09 22:36 Guro さま
>よくわかってないけど、日本の消費税って徴収過程の細かい仕組みがザルな気がしてた。

頭の良い人たちがバカなことを考えて出来た、「精密に仕組まれたどんぶり勘定」ってとこでしょうか。
このブログの「記事一覧」で「消費税」を検索し、ブラウジングしていただければ嬉しいですね。

shavetail1shavetail1 2012/01/10 07:57 abz2010さま
> 下請け苛めがしやすい仕組みなのは確かに問題だが、制度自体は日本よりも前から消費税を採用している多くの国でもほぼ同じだし、名前のニュアンスも似たようなもん

貴重な情報ありがとうございます。
浅学なものでしりませんでした。
Wikipediaなどの情報を見て、消費税関係の欠陥税制は日本だけと思っていましたが、例えばどこの国あたりはVATを全額最終輸出企業にだけ回したりしてるんでしょうかね?
それと、海外のどこかでダメな付加価値税制度があったとして、それと同じものがデフレ日本でデフレを加速する法の不備なら、日本だけでも修正すればいいように思いますが?

andalusiaandalusia 2012/01/10 08:50 >デフレの国日本で、自社商品につけた値段に対し消費税が5%だから、といってきちんと105%の価格で買ってくれるバイヤーが何社あるんでしょう。

というのはどういう意味でしょうか?
B2Cならその理屈はまだわかりますが、私の知っている限りでは、B2Bの取り引き(輸出企業と下請企業の取り引きも含めて)では、ほぼ100%「税別」で取り引きがなされていると思います。


> 国際競争の中で考えても、消費税が5%から10%にあがったからって、最終製品を5%上げているようでは他国企業に市場を取られることは民間では常識です。

他国企業が日本に製品を輸出(日本から見れば輸入)する際に、輸入額に対して消費税を取ればいいと思います。
現在も基本的にそうなっていると思います。(個人輸入をしたことがある人ならご存じかと思います)


>例えばどこの国あたりはVATを全額最終輸出企業にだけ回したりしてるんでしょうかね?

VATを導入するほぼ全ての国だと思います。
海外旅行をしたことがある人ならご存じの通り、海外旅行者が国内で購入した商品で海外に持ち帰るものについて、VATを返すVAT REFUND制度が日本を含めて多くの国であると思います。VATは全額、最終国内購入者であり輸出者である旅行者個人に還付されています。商業的な輸出であってもこれと同じ考え方が適用されています。

shavetail1shavetail1 2012/01/10 10:31 andalusiaさま
コメントありがとうございます。

>B2Cならその理屈はまだわかりますが、私の知っている限りでは、B2Bの取り引き(輸出企業と下請企業の取り引きも含めて)では、ほぼ100%「税別」で取り引きがなされていると思います。

仰っているのは理屈ではそのとおりですね。
ただ、他国では、インボイス方式などで、誰にどれだけ売ったかが証明できる方式なのではと「ボンヤリ」思っていますが違うのでしょうか。
また、実際調査すると、前回の消費税上げでも半分位しか転嫁できていません。 半額は持ち出しです。
ということは、税務上は当然5%の税は別ですが、実際は一部は中間業者の持ち出しであり、これが10%になれば、そのぶんの多くは消費者ではなく、やはり中間業者が被るということですよ。

また、税務署は本体と消費税を厳然と区別しますが、民間では内税化した価格総額が問題です。 実質3%分しか載せてくれなくても、あるいは消費税分被らされても、税務署は冷酷に5%取っていき、取らないあなたが悪いといって、自営業者を自殺に追い込んでいます。

andalusiaandalusia 2012/01/10 12:58 >ただ、他国では、インボイス方式などで、誰にどれだけ売ったかが証明できる方式なのではと「ボンヤリ」思っていますが違うのでしょうか。

(タックス)インボイスを用いている国では確かに誰にどれだけ売ったかは証明できますが、それが最終的に海外に輸出されているかどうかまでのトレースはできません(実質的に不可能です)。

例えば私が山形のサクランボ農家だったとします。私が農協に出荷したサクランボの何割かは最終的に輸出されて、残りは国内で消費されるでしょうが、農協に販売するときにはまだその区別は付いていないので、タックスインボイスは1枚です。このような状態で、最終的に輸出される分だけを免税にするのは実務的に困難です。
結局、すべて課税するしかありません。


>また、実際調査すると、前回の消費税上げでも半分位しか転嫁できていません。 半額は持ち出しです。

この問題については、誰かが以前のブックマークコメントで書いていたとおり、「下請けと輸出企業の間で優越的地位の濫用で正当な価格決定がなされていないならば独占禁止法および下請法で解決されるべき。」と思います。前回消費税アップ時には下請法はなかったですしね。
また、「何か制度を変えるとそれに乗じて大企業が中小零細企業に不利な条件を押しつけるのでよくない」という話になると、じゃあ何も変えないのがいい、という話になってしまいます。

shavetail1shavetail1 2012/01/10 14:06 andalusia さま
詳しい知識をいただき有難うございます。

>(タックス)インボイスを用いている国では確かに誰にどれだけ売ったかは証明できますが、それが最終的に海外に輸出されているかどうかまでのトレースはできません(実質的に不可能です)。
ここで問題にしているのは、大企業とその下請け会社(B2B)でして、一般販売し得るビスなど(B2C含む)ではないので、最終輸出先の輸出比率をそのまま適用すれば、可能なのではないかと。さくらんぼ農家には泣いてもらうしかないのは私も同意です。

>この問題については、誰かが以前のブックマークコメントで書いていたとおり、「下請けと輸出企業の間で優越的地位の濫用で正当な価格決定がなされていないならば独占禁止法および下請法で解決されるべき。」と思います。前回消費税アップ時には下請法はなかったですしね。

これがなかなか難しい。 下請けと、一応相見積もりを取った結果、いつも同一の部品を同一のメーカーが買うのとは連続的で明確な区別がないですから。

ただ、これは机上の空論にはなりますが、消費税をインボイス方式にして中小企業下請けからの消費税は大企業輸出会社の懐には入りません、と法が変われば、おそらく経団連は消費税に反対に回るでしょうね

andalusiaandalusia 2012/01/10 16:37 > ここで問題にしているのは、大企業とその下請け会社(B2B)でして、一般販売し得るビスなど(B2C含む)ではないので、最終輸出先の輸出比率をそのまま適用すれば、可能なのではないかと。

それも難しいと思います。
ある零細業者がトヨタにネジを販売したインボイスがあったとして、それがクルマを作るために使ったものか、家(トヨタホーム)を作るために使ったものか、インボイスからだけでは区別が付きません。

全部エイヤっとトヨタ全体の輸出比率で割り戻すとすると、それはそれで、(輸出比率がほぼゼロの)国内ハウスメーカーにとってはたまったものではありません(トヨタホーム用にネジを売ると何割か免税で、タマホームにネジを売ると課税なのでは、そりゃタマホームが不利ですよね。)


あと、経団連は、インボイス導入には否定的ではないと思いますよ。
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2000/048/honbun.html

shavetail1shavetail1 2012/01/10 17:10 andalusia さま
>それも難しいと思います。
ある零細業者がトヨタにネジを販売したインボイスがあったとして、それがクルマを作るために使ったものか、家(トヨタホーム)を作るために使ったものか、インボイスからだけでは区別が付きません。

なるほど。私が想定していたのはB2Bでプリウスならプリウスに特化した部品でしたが、汎用部品を下請けするケースは多いでしょうから、逆の意味で不公平がでますね。
ただ、輸出が8割、仕入控除が7割のような費用の構造の輸出企業で、なおかつコモディティ化したものを扱っていて国際的に値上げがしにくい場合、特に円高が続く日本では、税前利益の多くを仕入先の納めた消費税に頼ることになりそうですね。
 政府・日銀が他の国同様のCPI=2,3%程度になるよう、紙幣を刷ってデフレを脱却させてくれれば、この問題も相当緩和されるんですが…。

shavetail1shavetail1 2012/01/11 00:05 いずれにしましてもリフレ派の私としてはどんな方式であってもデフレ下の消費税増税には反対なんですけどね

abz2010abz2010 2012/01/11 03:14 「仕入税額控除方式」を取っている国は制度に若干のアレンジはあってもだいたい似たような制度になっているのではないでしょうか? ヨーロッパ諸国の多くはそうだったと思いますし、韓国もそうじゃなかったかな? 

shavetailさまも他のエントリーで書かれていたようにこの方式では中間製品を作っている会社(下請け)は制度上は税金を与っているだけで負担はしていませんので、インボイス等でどれだけ正確にお金の流れを追えたとしても戻す先は間違いなく輸出した業者となるはずです。というか「仕入税額控除方式」である限り下請けに戻しをやる根拠はないはずです。 逆にそういうケースで下請けに戻し税をやっているような国をご存知ならご教授ください。

コメントでも書いたとおり消費税が上昇したときに下請けに負担がしわ寄せされがちというのは確かに問題ですが、それは別に輸出企業に納入する下請けに限る話ではないですから、戻し税の問題というよりは消費税の問題でしょう。 

どのような形を取ったとしても輸出品に関する消費税を免除するのであれば、増税によって輸出品の価格に直接影響を与えることはないと思います。むしろ輸出100%の企業の場合は単純に下請けに増税分の消費税を払い、その分戻し税を受け取るだけなので増税が輸出品価格に影響を与えることもないですから便乗して下請けに値下げを強要する根拠も乏しいでしょう。 逆に国内販売比率が高い企業は、自らが国内で売る商品に対する増税(値上げ圧力)となるので自らも身を切る必要が出てきますし、下請けに対する値下げ圧力は強くなるはずです。 

この間隙をぬって大企業が自らが国内販売分として身を切る額以上の値下げを下請けに求めて結果として儲けを拡大するようなケースは確かに問題ですが、そもそも消費税が上昇しなくても下請けへの値下げ圧力は常に存在するわけなので本質的には大企業と下請けの力関係の問題と言った方が正確かもしれません。 


一方で輸出企業が消費税を支持するのは、他の法人税や社会保険とちがって消費税の場合は増税されても輸出品の価格に直接響かないという読みがあることは間違いないと思います。この点で彼らが社会に対する応分の負担をしていないのではないかという批判は十分にありうると思いますし、私もそういう観点から戻し税自体が必ずしもベストな制度だとは思っていません。 例えば一つの修正案としては輸出品にも消費税を一定割合で課すことだと思いますが、この場合は増税前と比べてそのままだと国際競争力が損なわれるので下請けに対するより強い値下げ圧力が生じる可能性が高いと思います。 又、彼らの負担を増やせば空洞化が加速し、雇用が失われ、結果として税収も減ってしまうと言う意見も一理ある点が難しい所です。


ただ、他国の例を見ても産油国等を除けば消費税財源抜きで社会保障等の再分配をしっかりできているような国はなく、もし日本だけがその財源を企業に求めようとすれば、日本企業の国際競争力に影響を与えることは必至であり、現実問題として消費税を上げていくことは避けられないでしょう。 そして確かに消費税の制度には増税時に便乗的な動きを促すような面等の問題があることも事実ですが、戻し税制度自体が欠陥であるとか財務省と輸出企業の談合であるというような話は行き過ぎだろうと思うわけです。

shavetail1shavetail1 2012/01/11 03:37 abz2010 さま
今回も的確な指摘ありがとうございました。
abz2010 さま、andalusia さまのおふたりともほぼ的確な指摘であって、このエントリーを書いたときの私の誤った認識は随分と修正していただきました。現在は書かれている内容はほぼ同意できます。
あとは、昨日NHKでもやっていました日本国債のソブリンリスク問題・社会保障財源問題の中で、消費税の位置づけをどうするかの合意が宙ぶらりんなんでしょうね。
abz2010 さまは何度もこのサイトを訪問いただいているようで、私のデフレ認識、脱却法への認識も分かっていただいているかとおもっていますが改めて書けば、日本では潜在的生産力に対し、お金の量が慢性的に不足していてデフレを政府・日銀が引き起こしています。 政府紙幣でも減価する地域貨幣でも日銀国債直接引き受けでもいいのですが、適切なデフレ脱却法により1年程度でデフレを抜け、税収も回復し続けた時に果たしてどれだけの税収不足があり、ソブリンリスクは増えているのか減っているのか。そちらが先に見えてくれば、消費税を上げる選択肢も出てくると思います。
デフレの破壊力を日本は壮大な社会実験で証明しつつありますが、逆にデフレ脱却の創造力は日本では80年前の高橋是清以来封印され、生きている人は殆どだれも体感していないですからね。

abz2010abz2010 2012/01/11 21:58 一方で欧州は債務危機の破壊力を、米国は金融緩和の影響を受けたコモデティバブルの破壊力を世界に証明しつつあるわけで、そう簡単な話では無いと言うのが私の見解です。

それに丁度エントリーを書いているところだったんですが、増税に適した状況になるまで財政再建を待てるという保障はどこにもないのではないでしょうか? 最悪の場合、経済後退のさなかに急激な財政再建を迫られることになる可能性もあり、それならデフレであっても実質経済成長がプラスのうちに舵を切るほうがマシでしょう。 まあ財政再建はどっちにしろ痛みが伴うわけですが、

shavetail1shavetail1 2012/01/12 04:17 おや、abz2010 さまは増税派でしたか。それは失礼しました。
ところで、私のブログで、増税の「真の財源」について書いた「デフレ日本での消費税増税は将来の安心にはつながらない理由」('11.12.10)のロジックについてはabz2010 さまはどう捉えられますでしょうか?

abz2010abz2010 2012/01/13 01:44 まあ増税派というかどうかはともかく、いわゆる上げ潮派ではないですね。

ちなみにご紹介のエントリーを拝見しましたが、なにやらフローとストックがごっちゃになっているような気がします。 資産税で累積債務を解消しようとすれば確かにご指摘のようなこともおこらないこともないような気もしますが、消費税が上がってもGDP(フロー)の分配が変わるだけで、貯蓄が取り崩されて消費税が払われるわけではないのでは? また、仮に貯蓄が取り崩されて国債償却に使われ、一方でその分金融機関が国債を売却するとすれば、結果として国民の貯金が減る分だけ累積債務は減るわけなので、国民にとってはありがたいことではないものの、少なくとも国の財政は改善し、金利上昇等に対する耐性も上がるはずです。

確かに財政再建をすれば政府が借金で経済を下支えしていた部分がなくなるわけで景気の下押し要因となるのは間違いないでしょうし、消費税が消費を抑制する効果も確かにあるかもしれません。 ですが、そもそも現在の国の財政は支出が税収の2倍という長期的に持続不可能な状態であり、手遅れになる前に財政再建に舵を切る必要があることは間違いないんじゃないでしょうか?

shavetail1shavetail1 2012/01/13 20:24 abz2010さま
コメント欄では図表も使えないので、「ある長期債務モデルに関するabz2010氏とのディベート」をアップしました。

http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20120112/1326400315

RockyRocky 2012/03/03 22:53 消費税確定申告をすこし勉強したら理解できることです、、。

輸出企業は消費税還付で儲けはありません。そんなデタラメ勘違いが大きな輪になり、もし国政選挙に影響したらほんとに日本は愚民化したといえます。

税抜きで原価80円を100円で売れば20円の利益を得るのが当たり前であるなら、

国内販売の場合

売上 100 税5

仕入 80 税4

105−84=21
この時、企業には21残るけど
しかし
消費税確定申告は↓のように計算

5−4=1 納税

21−1=20

企業には20が残る

輸出の場合

売上 100 税 0

仕入 80 税 4

100−84=16

消費税確定申告は↓のように計算

0−4=▲4

4還付される、

16+4=20

もし消費税率以下のマージンならそのぶんは還付されるまで企業が建て替えする必要があり企業も負担額が増える。

shavetail1shavetail1 2012/03/04 04:37 Rockyさま
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%A2%BD%D0%CC%E1%A4%B7%C0%C7
に書かれた「輸出戻し税」の

『誤った主張
 消費税の受払(消費税受取額−消費税支払額−納税額=益税)の欄がいずれも0となっていることから、還付金によって輸出企業が利益を得るわけではない、と説明する向きもある。

 これは机上の論理のみに注目して実際の経済活動を考慮しない誤った認識である。』

とどう違う主張をされているのか、消費税素人の私にはわかりかねますが?

RockyRocky 2012/03/04 12:30 shavetail1様お返事ありがとうございます。

先に申しあげますが理解しようと思わなければ理解できませんね。為政者の悪政に意見するなら せめて簡単な数字は勉強しないとと思い書き込みました。

『これは机上の論理のみに注目して実際の経済活動を考慮しない誤った認識である。』

机上論ではなく 実際の確定申告計算ですから
これ以外の方法はありません。

輸出企業が一見 消費税の莫大な還付を受けているように感じるのですが それは輸出企業が仕入れ時に支払ったものが還付されるだけですから 何も得はしません。

消費税を盾に 輸出企業が下請け企業へ 消費税分値引きろとか
強要したとしても、それは値引きであり 消費税を払わないとこにはなりません。

例えば輸出企業が 下請企業に強制的に0円で納品させても
輸出企業は消費税の還付で儲からないのです。

輸出売上 100(税0)

仕入     0(税0)

利益100

確定申告
0−0=0 

輸出企業が還付で税金を盗み取っているような記述の是非は
小学生レベルの計算が出来れば 理解できます。
共産党系の機関紙やHPにそのように紹介されている様ですが
税務署も流石に足し算引き算レベルの議論はしたくないのでしょうかね?

こんな 馬鹿げたこと個人的ブログであって拡散させると
犯罪行為に近いものがあるように感じます。
流言ですね。

今後消費税増税問題が議会でも国民の中でも論議されるのでしょうが
あまりアホな流言はいただけません。

shavetail1shavetail1 2012/03/04 13:21 >>それは輸出企業が仕入れ時に支払ったものが還付されるだけですから 何も得はしません。

国税庁も国会答弁で仰るように言っています。
ただ、この15年続くデフレの中で競合しているのが現実世界です。現実世界では、仕入れ時に還付される原資となるべき消費税を全額払うような大企業はないことが問題です。 それだけのことです。
国税庁は言います。 「消費者から預かるべき消費税を取らないほうが悪い」と。
それならなぜ、消費税が上がった途端、中小業者・自営業者は自殺せざるを得なくなるのか。
大企業は払わない、国税庁はそれでも取りに来る、ということで自腹を切る中間業者が当たり前だからですよ。
デフレで増税、それも消費税という自腹を切らせる税を増やそうという発想が問題だと指摘しているだけのことです。
税法の話なら最初から国税庁の言うとおりで、私がこのブログに書く意味もありません。

RockyRocky 2012/03/04 13:31 輸出企業が消費税還付で儲けが無いことが理解頂ければすこし前進です、、。


大企業が下請け企業に
消費税ぶん、値引きしろと求めて
可能ならそうすれば良いと思います。

また市中で売っている焼き芋が500円として10パーセントに成れば600円になるかも?

しかし売れ行きが悪ければ500円に戻るかも?

最近の自動販売機がそうですね。

RockyRocky 2012/03/04 13:55 追伸です。

中小企業零細にとって消費税が負担なのは、顧客から預かる消費税を資金繰りに流用し使い込み、申告後に納税出来ないからです。

消費税は預り金ですから赤字でも納税する必要があり、また黒字でも還付されます。

赤字の決算例

売上 100 税5

仕入 60税3

経費 20 税1

人件費 40税0

赤字20


消費税確定申告

5−3−1=1

この企業は20の赤字で、また1納税しないとなりません。

RockyRocky 2012/03/04 15:27 スマホから見ていたので何度もすみません。

要約して書かせてもらいます。

◎国民も企業も直接税・間接税とも増税は望みません。
また行政サービスは行き届けば行き届くほど良いに決まっています。 私も増税反対ですよ。

◎輸出戻し税 なんて制度はありません。
計算式から 仮払い消費税に対して預かり消費税が少ない場合 還付されるだけで

例えば今期 売上がゼロ(税0)で 仕入経費が100(税5)でそのまま在庫になれば 5の消費税が還付されます。

その次の期で 100の在庫が200の売上に貢献すれば

200x5%= 10ですから 10の納税

前期の5の還付と当期の10の納税を差し引きすると
5になります。 これはこの企業の儲けの5%ですね。

200−100=100 100x5%=5 ですから

儲けにかかる税金=付加価値税 って外国では呼びます。



◎企業にとっての消費税

大企業でも零細でも確定申告が面倒なだけで
消費税に何もメリットもありません。 
税額が大きくなれば売上が減少する恐れがありますから喜ばしい税金ではありません。

また 税額が大きくなれば「預かり金」も大きくなり
運転資金に流用している企業は
確定申告で納付する金額も膨らみ 資金繰りに影響を及ぼすことも考えられます。

◎増税反対なら

輸出戻しがある・・・・なんて馬鹿なことを主張せず
また 消費税分負けろと 大企業は下請けに強要している なんて 単純なスーパーや魚屋さんのやり取りのレベルのお話なNGです。

例えばトヨタに鉄板や部品を納めているような下請けは
地元では有名な相当大きな会社ですよ。

私がトヨタの下請け工場なら
今回から輸出するかた 消費税分値引きしてくれ・・
もちろん国内向けとあわせて 今までの10倍注文すると
依頼を受けたら その商売から利益が生まれるのであれば
夜も寝ずに工場回してでも5%値引きしますけどね。

◎直間比率

平成元年 消費税導入前に ケンケンガクガク議論されつくしました。

直接税とは所得税や物品税ですね。
物品税を撤廃して 消費税が導入されたわけです。

物品税は 品目により税率が違い別名「贅沢税」です。
宝石や高級車に税率が高く課税されますが、その仕分けが難しいのです。

「泳げたい焼き君」は歌謡曲だから 税率が高く
「黒猫のタンゴ」は 童謡だから 税率が低いとか・・(忘れました)

不公平感を無くすため 物品税が撤廃され
今は3ナンバーの車も一般的になりましたね。

◎ 消費税と法人所得税

消費税を上げ 法人所得税を下げるよう 経団連は要望します。
別に経団連の味方はしませんが、もう彼等は日本で生産して輸出するのが限界なのでは無いでしょうか?

オートバイもとうとう 日本で生産 輸出する意味が無くなって
海外に出て行きましたね。 あと10年もすると日本で生産するオートバイは皆無でしょうね。

自動車も生産拠点が海外に移ると 派遣切り どころの騒ぎじゃなく正社員ギリが起こります。 自動車産業は裾野が広いですから
それは恐ろしいことだと思いますけど・・・
高級ブランドのBMWやベンツでもアフリカで作っていますからね。

あのケチのトヨタが良く今まで日本で生産していたと逆に感心しますよ。

◎ 増税する前に・・・
日本の国家予算って 国会で予算編成される一般会計が70兆程度 国会を通さない特別会計が200兆規模 あるらしいですね。

特別会計は官僚が握っています。
政治家にも手出しは出来ません。
それを国民の目に見えるようにするのが先決ですね。

特別会計を問題定義して 
10年くらい前になりますか?
石井議員は自称右翼に刺し殺されました。

今後日本はどうなるんでしょうね・・・

有意義なブログ 楽しみにしております。

ありがとうございました。

RockyRocky 2012/03/05 10:51 1) 取引全体を海外販売とみる 
 海外でVAT(付加価値税)を取られるのだから、二重課税にならないよう、関係各社の付加価値(売上−仕入控除額)分を戻入れよう、というものです。ただし戻し入れるのは最終製品を輸出する企業に全額、です。現実に戻し税が最終企業だけになされていることを見ると、これが国税庁の見解でしょう。


☆ 最終企業(輸出企業)に仕入れに関わった消費税を全額還付させるべきです。
そうでないと計算が合わない。

< であれば、途中の取引では日本の消費税はナシ(海外売上高分戻入れ)にすべきですが、海外取引に係る下請け企業の海外輸出された製品(部品)にも税務署は消費税を取りに来ますので、矛盾しています。 >

☆ 何も矛盾していません。 輸出企業に商品を納めた下請け企業の計算は下記
 下請け企業に輸出分の消費税が還付されるとおかしいです。

輸出企業へ売上  100 税(5)
材料仕入      60 税(3)
人件費       20 税(0)
105−63−20=22の手持ち資金
確定申告 5−3=2 納税
22−2=20の利益
60円に原価に20円の人件費を掛け100円で売ると20円の利益が残ります。
それ以外に 計算方法がありますか?

2)輸出企業以外の取引は国内取引とみる
 下請け企業からみれば、(また税務署から見ても)下請け企業製品が輸出に使われたかどうか、捕捉できるわけがないのでこちらが実際的な考え方でしょう。
 この場合、下請け企業が消費税を国に納めるのは国内取引だから当然と考えられます。 
 ところがその消費税が、税務署(国)を経て何に使われるか、といえば最終輸出企業に戻し税として全額が払い出されて、国→国民には流れません。というか、「戻し」というが、最終輸出企業は全く払ってないから「戻し」ではありません。


 となれば、下請け企業が国内取引として払った消費税は専ら輸出企業の輸出補助金となってしまっています。 この考え方に則れば、輸出企業に払い戻すべき税額はあくまでも最終輸出企業自身の付加価値に対する部分だけでいいはずなのに、上流の下請け企業の付加価値に対する払い戻しまで受ける権利はないはずです。

以上のアプローチを踏まえ、分かりやすいように極論をいえば、国内の税が全て消費税で、輸出企業の輸出比率が100%であれば、下請け企業が税務署にどれだけ消費税を支払ってもその全額が輸出企業に支払われ(払い戻しではなく)、国に残る歳入は0となるでしょう。
 それであっても、消費税増税賛成、その代わり(?)法人税減税要求する経団連の方たちや、国税庁・一部学者などから聞こえる「海外でVATなどを払うんだから仕方がない」という見解は果たして正しいのでしょうか?

☆ 消費税について大きな勘違いをされています。
全く誤解の塊だといっても過言ではありません。

(国内の税が全て消費税で、輸出企業の輸出比率が100%であれば、下請け企業が税務署にどれだけ消費税を支払ってもその全額が輸出企業に支払われ(払い戻しではなく)、国に残る歳入は0となるでしょう。)

その通りです。 消費税は国内法ですから 国内の消費に課税しています。
この部分が理解できないと 消費税を語れません。

大企業であろうが零細であろうが 輸出・国内の販売であっても 確定申告する企業は消費税を
負担しません。 預かり金と呼ぶのですが(これ基本です)
簡単な計算で理解できます。

売上 100(税5)
仕入 60  (税3)
人件費 20(税0)
利益  20
確定申告 5−3=2納税
(人件費+利益)x税率=納税
人件費+利益=付加価値 付加価値に課税されてると「基本的」に言えるのですが
企業が仕入時に間接的に納める消費税も確定申告で直接納める消費税も
原資は顧客からの売上に含まれています(赤字で販売しても そうなります)

付加価値税と消費税は同じ性格の間接税です。

付加価値税と呼べば 企業の利益に課税されているように見えますが
消費税と呼べば 顧客の消費に対して課税されてるように見えます。
実際には消費税も付加価値税も最終的な一般消費者が物品を購入するとき負担して
企業の内部を通り 納税されているだけです。

その商品が海外で消費されるなら 外国で課税され その国の国庫に入る
国内で消費されるなら日本の国の国庫に入ります。

消費税は徴税法としては 単純に上手く出来ていて 取りこぼれの無い税金です。
赤字で販売しても徴収できますからね。
消費税は最終消費者が払い それが企業の中を通り 徴収されて行く税金なのです。
税務署の負担を軽くして 企業に徴収させていると言えますね。
政府や財務省が直間比率の見直しを計り 消費税の比率を上げたいのは
その徴収システムが完璧に近いからだと 思いますよ。

a_suzuqia_suzuqi 2012/04/17 22:15 「取引全体を海外販売とみる」というのは面白いですね。
この場合輸出企業負担ゼロ、国の税収ゼロ、消費者負担100%になりますね。輸出戻し税について調べていてその成り立ちがEUのVATにあることがわかりました。大変興味深い論文でしたので、アドレスを書き残していきます。http://www.sinfonia.or.jp/~matsui/fukahonshitsu.pdf

shavetail1shavetail1 2012/12/21 17:18 a_suzuqiさま
大変面白い論文を折角ご紹介いただいていたのに、今日まで気がついておりませんでした。 申し訳ありません。
早速拝読しまして、近いうちにこのブログで紹介させていただく思います。 改めて論文のご紹介有難うございました。

通りすがり通りすがり 2017/03/04 21:15 輸出大企業による税金横領のイカサマは以下の二点。

まず、課税とは法の下で納税義務者に租税を課し、義務者に対して国家権力を行使して租税を強制徴収すること。
商取引上での代金や料金の負担とは異なる。
問題の本質は「税金と代金」の違いを混同したり履き違えたりして、両者間の力学的な「課税権力の不平等」を隠蔽していることです。
課税徴収は国家権力です。

(その1)消費税の納税義務者は事業者。
事業者の得た粗利益に一定税率分の付加価値税相当を事業者に課税する事業税です。

(その2)消費者は(商取引上での)負担者であり、消費者に課税していません。

販売価格に任意で消費料金分のコストを上乗せして、消費者は商取引上で代金支払いの一部として消費料を負担する構図です。
商取引に義務を課すものではないので消費者から税収を確保できる保証はありません。
故に間接税とは名ばかりで実際は間接料と言うべき余分な取引コストであり、課税としての本性は直接事業税です。
よって、余分な取引コストが上がるほど経済全体で商取引循環が減速し、売上の落ち込んだ事業者は事業課税で自腹を切らされて経営体力を奪われ雇用の切り下げにも繋がります。

■外国から消費税を取れない
←これは卑怯な租税逃れの言い訳です。
消費税は消費者への課税ではなく、外国人に日本の法的納税義務が及ぶことはありません。。
あくまでも消費税は国内事業課税ですので輸出事業者だけ内需事業者と差別して事業課税を逃れる正当性はありません。
例えば、新聞社の「活字文化が衰退するから消費者から税を取れない」と言い訳して自分だけ事業税課税を逃れようとする卑怯な詭弁と同じです。

■仕入れの際に消費税を払う…は嘘。
←代金払いの一部として消費チップをオマケした可能性は否定しませんが、税を払ったとは言えません。
義務を課さず払わなくても法で取り締まらないチップ紛いを税とは言えません。
下請け事業者の場合は商取引相手の輸出事業者が消費者に相当し、下請け側から輸出側に課税している訳ではありません。
課税されてもいないのに「税を払う」とは矛盾甚だしい屁理屈です。
つまり、下請けから課税されたことにして輸出へ不当に税還付されている訳です。

■以上により、国税庁は経団連に飼われた卑屈な犬に成り下がって輸出大企業の租税逃れを援助し、
輸出大企業の支配下で課税権力を不当に乱用し、下請け中小企業側から事業課税で利益を強制徴収し、輸出大企業側へ利益を還流させる税金横領に加担していると言えます。

このような嘘と詭弁と屁理屈を並べて課税権力を不公正に悪用したイカサマ税制は健全な経済活動と国民生活の為にも廃止すべきです。