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2017-08-05 アベノミクスの本質とは何か このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

無茶苦茶ご無沙汰しています。 個人的に色々と忙しいことと、アベノミクスへの期待が失望に変わっていったことからブログの更新を怠っておりました。

さて、久々にブログを更新しようと思ったのは、アベノミクスの現状を端的に示す2枚のグラフをお見せしたかったからです。

言うまでもなく、アベノミクスとは(1)大胆な金融政策金融緩和)、(2)機動的な財政政策 (財政出動)、(3)民間投資喚起する成長戦略 の3本の矢であったはずです。

大胆な金融政策については、GDP比でみたとき、世界金融史上にも例をみないほどのマネタリーベース拡大などがいまも続いています。
また成長戦略についても、有効性はともかくとして、経済特区や働き方改革などなど各種の施策が矢継ぎ早に打ち出されています。

しかし、財政政策についてはどうでしょうか。

図1のグラフは、財務省ウェブサイトに掲げられた一般会計の歳出状況のグラフを分かりやすく改変したものです。 *1

f:id:shavetail1:20170805203545j:image:w800
     図1 一般会計歳出の状況
      出所 財務省ウェブサイト
     歳入・歳出のグラフから歳出部分のみを示した。
     グラフ上部の西暦では、アベノミクス期('13年−)を強調表示している。

アベノミクス初年度の2013年こそ歳出規模で100.2兆円と、民主党政権時代の前年度比で増加となりましたが、その後は一進一退、今年度に至っては97.5兆円と、消費税を上げる前の民主党時代と同等あるいはそれ以下の緊縮財政となっています。
安倍政権になってから、消費税増税社会保障関係の事実上の大幅増税を断行したにもかかわらずです。

差し引きでいえば、アベノミクスとは、民主党時代よりも一層、緊縮財政指向の経済政策だということです。

85年ほど前の高橋財政ではわずか1年でデフレ脱却しました。
物価は、高橋財政前年にはGDPデフレータでマイナス10%近かったものが、翌年はゼロ%更に翌々年には3%と、それ以上上げる必要がないレベルとなりました。

その高橋財政初年には財政規模を前年比でなんと23%ほど拡大しました。*2
一方、アベノミクスでは初年こそ前年比で1.5%ほど拡大したものの、あとは一進一退です(図2)。

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図2 アベノミクスと高橋財政 財政規模前年比推移
アベノミクス期の財政規模は対GDP比、高橋財政期は対GNP比それぞれの前年比。
アベノミクスは近年の経済統計から、高橋財政期については「昭和恐慌の研究」(p252)から算出した。
高橋財政では、4年目以後は過剰インフレ気味から財政抑制策に転じて軍拡を求める軍部の恨みを買い、
1936年の2・26事件につながった。

私としましては、金融政策が多少の為替への効果を通じての製造業支援になっていることなどは否定しませんが、円安は輸入業者から輸出業者への所得移転政策とも考えられます。
日本経済には再配分は更に必要とは思いますが、必要なのははごく一部の儲け過ぎの人から大多数の低所得者へであって、本質的には輸入業者から輸出業者への所得移転が求められている訳ではないでしょう。

また成長戦略はサプライサイドを拡大しようとするものですから、デフレを脱却してはじめて重要性を持つものではないでしょうか。

安倍首相をはじめとするアベノミクス推進者たちが、なぜ85年前の鮮やかなデフレ脱却成功事例を省みることなく、人気絶頂の政権奪取後から支持率が無残に下がった今に至るまで、無為に時間を費やしているのか首をひねるばかりです。

【関連記事】 2014-08-15 アベノミクスと高橋財政を比較してみた

*1:引用先のp4グラフ

*2:対GNP

りょうりょう 2017/08/06 00:33 >成長戦略はデマンドサイドを拡大しようとするものですから

サプライサイドの間違いではないですか?

shavetail1shavetail1 2017/08/06 09:21 ご指摘ありがとうございます。その通りですね。
文中訂正しました。

こ↑こ↓こ↑こ↓ 2017/08/06 13:22 まぁここまで露骨に緊縮&規制緩和等を行っているところを見ていると安倍さん的には財政出動&金融政策の組み合わせなんてどうでもよくて、規制緩和と構造改革がメインだったっていうことなんでしょうね・・・
加計の件にしても獣医師の待遇が悪いから成りてがいないのに、それをさらに規制緩和するとか正気じゃないこと言ってますからぶっちゃけもう終わった人として見ていいんじゃないかと思っています
ポスト安倍として名前の挙がってる岸田さんが所得の再分配を気にしていたようですが、民進党みたいな消費税で所得の再分配()みたいなアホ言わずにマシな政策掲げてくれることを切に祈っています

amaterasu-rakiamaterasu-raki 2017/08/06 16:34 そんなに心配しなくても大丈夫だと思いますよ。求人倍率等をみてもデフレは過去のものになると思いますわ。

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玉簾玉簾 2017/08/07 17:10 初めまして シェイブティルさん

最近のエントリー読んでの感想ですが、シェイブさんの立場としては安倍政権は最初の1、2年は公共事業で財政支出出してうまくいってたんだからここからでもどかっと大々的なインフラ整備でもやればうまく行くだろうと考えですか? 最初数年でうまくいったのだから
いわゆる公共事業供給制約仮設は怪しいんじゃないかと個人的に考えてます。あとやっぱり大本命の政策はいわゆる「財政ファイナンス」云わば高橋財政をもう一回やれですかね?

苫戸法師苫戸法師 2017/08/07 19:20  金融緩和に従い利益を上げた輸出関連企業は次のビジネスチャンスを生かす投資もせずに内部留保を増やすだけでだったのですから、消費増税はもちろん大失敗ですが、それに隠れて引き下げた法人税減税も失敗も良いとこでしたね。それを報じるメディアがないのも大問題だと思いますが。

shavetail1shavetail1 2017/08/07 21:13 こ↑こ↓さま
安倍さんは支持率浮上のため内閣改造をしましたが、あれも自分の可愛がっている稲田氏をひとりクビにするのに忍びなくて改造という形にしているだけのようにみえますね。
ポスト安倍さんが良い政策を打ち出すことを祈りたいのですが、とにかくカードが少ないですw

amaterasu-rakiさま
>求人倍率等をみてもデフレは過去のものになると思いますわ。
う〜ん。どうなんでしょう。

今の求人倍率向上の原因は何かという点について、需要が向上して高賃金でも人を雇いたいという企業が増えたのであればおっしゃる通りの結果、デフレ脱却となるかと思うのですが、現状はどちらかといえば、低賃金企業が人を取りたいが、労働者としてはそんなていちんぎんでは暮らしていけないから応募もしない、というパターンのような気がするんですよね。総務省統計なんかみたイメージで、論拠というほどのことはないのですが。

玉簾さま
初めまして。 公共投資については過去20年自民党も民主党もなりふり構わず切り捨てて来ましたね。それで産業として壊滅状態になってしまいました。 その間オリンピックは脇に置くとしても、インフラ劣化が進行して、是非とも公共投資増加に反転しないといけない効き的状況となりましたが、建設業では労働者数は横ばいのまま。業界では次にまた公共投資削減があるかも、と思えば新人を採ったりコストを掛けて教育訓練したりといった人的投資に消極的になっているのかもしれません。 公共投資がそうした状況ならば、有効な財政政策としては消費税減税・廃止が浮かびますね。
(国土強靭化、10年で200兆には期待してたんですが)

苫戸法師さま
おっしゃる通りですね。 法人税減税の財源としての消費税増税なんて亡国政策としかいいようがありませんよ。 最近では前面には掲げていませんが、経済同友会の機関誌では法人税財源として消費税を17%まで上げよなど頭がおかしいような主張が載っていました。
http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20150306

@@ 2017/08/09 21:26 まあお気持ちはわかりますが、日本は曲がりなりにも民主主義国家ですから。身内の与党、野党、官僚、学者、エコノミスト、マスコミの殆どが日本は財政危機と考えていて、彼らは積極財政に批判的です。

↓主権者である国民もこんな感じで完全に洗脳されてます。
改憲論議「急ぐな」が過半数=赤字国債、8割強が否定的−時事世論調査
https://web.archive.org/web/20160723163205/http://www.jiji.com/jc/article?k=2016072200542&g=pol

こんな状況で、首相の独断で国債を増発できたら、日本は制御システムが無い独裁国家ということになってしまいます。肩書がNo1だからって、全ては総理大臣の思うがままというわけにはいきません。中途半端なアベノミクスは、日本が民主主義国家である証左と考えます。

田中角栄も言ってましたが政治は数じゃないですかね。どんなに正論を主張しても、彼らが少数派なら数の力で潰されるのがオチです。海の向こうでも、トランプは威勢よくオバマケア廃止を主張してましたが、実行するのに悪戦苦闘してます。オバマ政権も財政拡大で庶民の生活の下支えを目指してましたが、緊縮派の茶会派に振り回され、思うように行かず「米国の分断」を招いてしまいました。

私は安倍総理が需要管理を軽視してるとは思えません。国会中継を見ても「PB黒字化に固執して景気が悪化したら元も子も無い」と言ってますし、この記事(幻の歳出上限59兆円 攻防・財政健全化/http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS26H44_W5A620C1SHA000/)を読んでも、歳出を絞ると景気に悪影響があるくらい理解してると思います。教育国債にも積極的です。消費増税もそもそも本当にやりたかったのか疑問です。反財務省で知られる産経の田村記者によると、安倍総理はせめてショックを和らげようと3%ではなく2%の引き上げを提案してたようですが、自民党内から「こんな景気が良いときにそんな弱腰でどうするんだ?」と猛反発を受けたようです。

@ 2017/08/09 21:51 ちなみに公共事業については、私が国内のエコノミストで一番信頼してる会田卓司氏によると供給制約がやはり存在するようですね。この20年、先進国で公共事業を一番多く削ってきた国なので仕方ないですが。

https://zuuonline.com/archives/99984
「短期間で優良なプロジェクトをともなう政府支出を決めることは困難であり、公共投資に依存してきたことが、景気対策が「ばら撒き」と批判を浴びる原因となった。そして、ばら撒きという批判を政府が浴びることを恐れるので、大胆な景気対策を実施できなくなってしまう。現在は、建設労働者や機材の不足という新たな公共投資の制約要因がある。」

あと、URL忘れてしまいましたが、同じく会田氏によると減税による需要喚起も難しいらしいですね。というのも、「税制中立」の原則で動いている自民党税制調査会を丸め込むのは物凄い政治的エネルギーが必要らしいです。

shavetail1shavetail1 2017/08/11 12:01 @さま
ご意見ありがとうございます。
おっしゃっていることは全てその通りと思いますよ。

会田卓司氏の見識には私も敬意を払っています。

玉簾玉簾 2017/08/11 18:56 >shavetail1さん、@さん

情報ありがとうございます。供給制約説のためになかなか難しいところありますか...
昔、富田克也監督「サウダーヂ」って映画が在りまして、公共事業を減らしまくった結果、荒廃してる山梨が舞台なんでよ。その映画見た後だと地方では公共事業が最後の砦になってるので、短期的にはやっぱり公共事業しなきゃと個人的には思いましたね。長期的には地方の公共事業依存の経済構造を変える必要はあるかなと思いますが、今はデフレ傾向ですからねえ...

asdasd 2017/08/12 10:09 こんにちは。

供給制約があるから追加需要は難しいと考えるか、
供給制約の解決方法は結局、追加需要すること、と考えるかですね。

別にこれは公共投資に限ったことではなく、デフレ容認を続ければ全ての産業が陥る話と思います。

2016-11-05 日銀首脳と巷間リフレ派はドングリの(以下自粛) このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

一月ほど前ですが、週刊文春日銀岩田規久男総裁の本音(?)を日銀関係者が語ったという記事が載っていました。

THIS WEEK週刊文春
量から金利へ回帰 リフレ派終焉で岩田副総裁の変節 2016.10.01 07:02

辞任も覚悟と公言していた岩田氏だが…
 日本銀行は9月21日の金融政策決定会合で、2013年4月から続く異次元緩和の戦略を修正した。市場に流すお金の量を年80兆円ずつ増やす目標をなくし、長期金利を「0%程度」とする目標に置き換えたのだ。

「そもそも日銀異次元緩和は、デフレからの脱却をめざし、お金の『量』さえ増やせば物価が上がると唱えた『リフレ派』の考えを採り入れてスタートしたもの。今度の修正策はそうしたリフレ派の主張を否定して追いやり、伝統的な金利政策に回帰する色彩が強い」(経済部記者)

この文春経済部記者の見方は鋭いですね。 
「これからは、イールドカーブコントロール(YCC)だ」
と新金融政策を打ち出したかにみえましたが、内実は量から金利への回帰ということになります。

その上、日銀が直接コントロールできる短期金利以外に、市場が決めるはずの長期金利までもコントロールすると宣言したことにより、速水総裁時代の日銀内でリフレ政策を孤軍奮闘唱えた中原伸之からさえ、「イールドカーブを国家管理の下に置くのは戦時下と同じ発想」と斬って捨てられる始末です。*1

さて、先の文春記事に戻ってみましょう。

 長らく異端扱いだったリフレ派が台頭したのは、2012年12月。政権奪回を果たした安倍晋三首相が「大胆な金融緩和」を日銀に迫ったのが始まりだ。リフレ派に近い元財務官黒田東彦氏が総裁リフレ派の筆頭だった学習院大教授の岩田規久男氏が副総裁に送り込まれ、日銀リフレ派の占領下におかれた。

 だが、リフレ派に従った金融緩和策の成果は出なかった。初期こそ円安誘導で輸入品は値上がりしたが、景気は回復せず、円安が一服すると物価も前年比で下落に転じる。金融緩和頼みの限界が見え、黒田総裁は豹変する。

「今年1月のマイナス金利導入でいち早く宗旨替えした黒田総裁はダメとわかれば固執しないタイプ。一方、岩田副総裁はこだわりが強いと見られていたが、最近は『巷のリフレ派は分かってない』などと言い始めて主張を転換。共通するのは自分の責任は認めないこと」(日銀関係者)

岩田副総裁のいう、『巷のリフレ派』とは、誰の、どのような言説を指すのかが不明ですが、リフレ派の理論的支柱であるはずの岩田規久男氏が自らの信者を切り捨てたのだとしたら、リフレ派もおしまいではないでしょうか。 

ちなみに、量的緩和は無意味と主張しているこの私も、「リフレ派」をデフレ脱却が必要だとする人々とする緩い定義ならば、いまもって私もまた岩田規久男氏にdisられている広義『巷リフレ派』()なのかもしれません。

それはともかく、文春記事ではさらに。

 かくしてリフレ派は敗北を喫し、日本経済を使った「壮大な実験」と呼ばれた異次元緩和は、「量」から「金利」重視へ回帰したのだ。しかし、安倍首相を後ろ盾とする前内閣官房参与本田悦朗・駐スイス大使日銀外のリフレ派は怒り心頭だ。

日銀の政策修正には『緩和はもう十分。あとは政府構造改革規制緩和の問題』とのメッセージも含まれる。『もっとお金の量を増やせ』『まだまだ増やせる』が持論のリフレ派にとっては面白いはずがなく、このまま引き下がるとは思えない」(前出・経済部記者)

 今後も政府日銀は蜜月を続けられるのか。残り1年半の黒田総裁の任期はそこが焦点になる。


この文春記事は、リフレ批判に終始し、結局実際にどうやったらデフレ脱却が可能かには触れられずに終わっています。

また、記事中登場する岩田規久男氏といい、本田悦朗氏といい、第一の矢・金融政策と第三の矢・構造改革には関心があっても、第二の矢・財政政策には言及されていません。

ただ実際の消費者物価の動きをみれば(図表1;引用元楽天証券)、消費税という負の財政政策を実施した途端に物価が下がり始めたことは誰の目にも明らかでしょう。

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図表1 アベノミクス期の物価推移
[出所]総務省物価指数より楽天証券作成

負の財政政策が物価に直ちに効く(ただしマイナス方向に)、となれば消費税廃止を含む正の財政出動デフレに効かない理由はないでしょう。

ところが、デフレ脱却の責任を負う当の黒田・日銀総裁は、消費税を上げるかどうかの分岐点となった13年8月の消費増税の集中点検会合の席上、次のように強く主張しました

黒田総裁消費税先送りは「どえらいリスク」 点検会合で発言 2013/9/7付 日経電子版
 内閣府は6日、8月30日に開いた消費増税の集中点検会合の議事要旨を公表した。日銀黒田東彦総裁が、増税を先送りして金利が急騰するリスクについて「万が一そういうことが起こった場合の対応は限られる」と発言し、予定通りの税率引き上げを求めていた。

 ただ内閣府が内部でまとめた詳しい議事録によると、黒田総裁金利急騰の危険性に触れ「確率は低いかもしれないが、起こったらどえらいことになって対応できないというリスクを冒すのか」と、政府側に予定通りの増税を強く迫った。

 黒田総裁国内総生産(GDP)に対する債務残高の比率について現在の約220%から「250%でも大丈夫かもしれない。(しかし)300%でも、500%でも、1000%でも(大丈夫か)といったら、それはあり得ない。どこかでぼきっと折れる。折れたときは政府日銀も対応できない」と発言。「中央銀行として脅かすつもりは全くないが、リスクを考えておかないと大変だ」と述べた。

 内閣府が公表した議事要旨ではこうした発言を修正・削除している。

この発言により、安倍政権消費税増税に導いておきながら、実際消費税を上げた結果のデフレ逆戻りにも、消費低迷にも無視し、更には14年11月と今年6月に増税延期されても金利急騰どころかマイナス金利が定着していることにもホッカムリを通しています。 

現在の日銀黒田東彦岩田規久男体制になって早くも3年半。 その間物価消費税増税までは多少上がり、その後は右肩下がりで現在に至っています。 日銀では先日、もう何度目かも判然としないインフレ率2%達成時期の先送りを発表しました。 その間皆が忘れている間も日銀国債買い入れは続いており、効果不明の長短金利調節も始まりました。

もうそろそろ、日銀の中も巷間リフレ派も、この3年半で結果的に効果がはっきりしてきた第ように「二の矢、正の財政政策でデフレ脱却」という簡単な結論に到達しても良い頃ではないでしょうか。

こ↑こ↓こ↑こ↓ 2016/11/06 13:53 いい加減さっさと減税して財政出動してほしいですね・・・。
安倍首相は今度3選して政権を9年握ってもぎりぎりデフレ脱却できるぐらいの時間しかなさそうですね。出生率1.8やら待機児童介護離職ゼロも政府支出増やせば達成できそうなのにやらないのが本当に問題だと思いますよ

hat_24ckghat_24ckg 2016/11/06 20:33 財政再建派はつける薬がないとして、社会保障を強化したい勢力は財務省お決まりの「財源がない」に対して「国債増発で賄え」と迫るべきです。なぜ大人しく引き下がってしまうのか。

2016-05-29 貨幣と財政からみた経済学派分類 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

安倍首相は昨晩(5月28日)、現在はリーマン・ショック級の経済危機という認識から、10%への消費税増税を2019年10月まで2年半先送りする方針を麻生副総理らに伝えたとのことです。 会合後の報道ではその方針に異論も出たとのことで最終的な落とし所はまだわかりません。

ただ、コンセンサスが得られてきたことは、どうやら金融政策中心のアベノミクスでは限界があり、デフレ脱却・景気好転のためには財政出動も必要だろうということです。

このブログを読んでいただいている方々からみれば、なるべくしてなった結果ということかも知れません。

それにしても、デフレ脱却・景気好転を願う目的は同じでもこれほどのアプローチに対する選好がことなるのでしょう。 今日はこの点を改めて考えてみたいと思います。

下の図は、貨幣(細かく言えば民間を巡るマネーストック)の生まれ方に対する認識(横軸)と財政政策の役割に対する認識(縦軸)の二軸で、マクロ経済に対する認識をグルーピングしたものです。*1


f:id:shavetail1:20160529134248j:image:w600

現代の主流派とよばれる経済学派は、全て貨幣外生説側、つまり図の左側にグルーピングされます。 左側のグループには新古典派系の経済学、ヒックス以後の新古典派総合、あるいはアメリカンケインジアンとよばれる新古典派の土台にケインズのトッピングを載せたような経済学もこちらに入るでしょう。

中央銀行マネタリーベースを増やせば、民間のインフレ期待が高まり、民間を巡るおカネ、マネーストックも増えるという考え方は、中央銀行がコントロールするおカネマネタリーベースにより民間のおカネマネーストックが操作可能と考えていることになりますから、これまでの金融政策中心のアベノミクスを理論的に支えた岩田規久男日銀総裁らのいわゆるリフレ派もこのグループになります。

ただこれらの主流派に属する経済観でも財政政策の重要性についてはかなりの幅があるようです。
財政破綻不可避であり、増税をすべきで財政出動はあり得ないという左下のグループ(財政破綻派としましょう)も現在の日本の学者では相当数いるでしょう。

一方、20年ほど前のアメリカンケインジアンは金融政策が主体であるべき(それに倣ったのが現在のリフレ派本体)ですが、クルーグマンなど現代のアメリカンケインジアンは、財金併用に大きく居場所を変えています。*2

さて、今後の安倍政権経済政策と関わりが深いのは図の右側です。
こちらは主流派ではないので、画一的なグループ名は思いつかないのですが、仮に「貨幣非中立系」としましょう。

民間を巡る貨幣(≒マネーストック)は、民間銀行で負債と同時に生成し、中央銀行が生み出すマネタリーベースではコントロールはできないという貨幣観が共通しています。

ここには、例えば、旧日銀派例えば白川前総裁以前の日銀)、あるいはポストケインジアン系、現代金融理論(MMT: Modern Monetary Theorists)、そして日銀の実務を知った上で昭和初期にデフレ脱却を果たした高橋是清など、幅広い考え方がありますが、全て「貨幣非中立系」グループに一緒くたに属しています。

とはいえ、財政政策に対する選好性は大差があり、旧日銀派は財政政策にはネガティブもしくは無関心であり、今も欧州にいる現代のポストケインジアンは貨幣の内生性には関心が強そうですが、財政政策について統一的な見解は私が知る限りはありません。

さて、ケインズ経済学に名を残しているケインズですが、著書は難解で比較的早世したこともあり、位置づけが明確ではありません。
ただ、ケインズ経済学をモデル化したとされるヒックスは、新古典派の考え方をベースにモデル化したため、ケインズ自身の考えとはかなり距離がある「ヒックス経済学」とでもよぶべきものになっており、貨幣に対する考え方はいわゆる主流派のそれと考えて良さそうです。

ケインズ自身は貨幣の内生性にも気がついていたようですが、それをモデル化するには至らずこの世を去りました。ということでケインズは財政政策重視の、左右にまたがる広い帯で示しました。

前フリ?が非常に長かったのですが、シェイブテイルとしましては、デフレ脱却を目指し財政政策を打ち出そうという安倍政権が最も参考にすべきなのは右上に赤い◯で示した高橋是清の経済政策ではないだろうかと考えています。

以前も示しましたように、高橋是清は財金併用、特に単年で財政規模を急増させて、わずか1年以内にデフレ脱却を果たし、その翌年には早くも財政規模の縮小に舵を切っています。

アベノミクスと高橋財政を比較してみた - シェイブテイル日記 アベノミクスと高橋財政を比較してみた - シェイブテイル日記

高橋是清がいち早くデフレを脱却できたのも、是清が貨幣とは流動性をもった負債だということを実務経験から知っていたからでは、とシェイブテイルは思っています。 そういう私は、自称高橋是清派ということですね。

*1:もちろん経済学派の分類がこの二軸に限るなどということは全くなく、便宜的な分類です。

*2経済学が専門ではない筆者は、主流派経済学には殆ど関心がないので記載が間違っている部分があるかもしれません。 その点はご指摘いただければありがたいです。

2015-10-31 信用創造の仕組みからみたQQEの帰結 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

日銀は昨日30日に開催された金融政策決定会合で、2%の物価目標達成時期を先送りしました。
2013年4月、量的質的緩和(QQE)に着手した黒田総裁は「マネタリーベースおよび長期国債・ETFの保有額を2年間で2倍に拡大し、長期国債買入れの平均残存期間を2倍以上」にし、2年以内つまり2015年3月末までの物価目標2%達成を宣言しました。

その後、昨年10月にも量的質的緩和の拡大として、マネタリーベース買い入れ増額などの俗に「黒田日銀バズーカ2」と呼ばれる追加緩和も実施しましたが、今回更に物価目標達成時期が送らされ、当初予定より二倍ないしそれ以上の時間がかかることを追認する形となっています。

f:id:shavetail1:20151031100156j:image:w180:rightこれは一体どういうことなのでしょうか。
筆者は、不遜ながら、黒田日銀の信用創造に対する理解がおかしいのではないかと感じています。

1.通常いわれている信用創造の説明*1
右はある大学経済学部の先生のサイトから引用した信用創造の説明図です。 
これは教科書などに記載される標準的な理解です。このサイトを運営されている先生をdisる意図は毛頭ありません。

これを単一の銀行の信用創造の連鎖として図を眺めるとそれほど違和感はありませんが、マクロで銀行と非金融部門との相互作用の図としてみるとかなり違和感があります。 

2.ここがヘンだよ、信用創造の説明
図表1は右上の信用創造の説明図をマクロの主体間の取引として眺めるためのものです。
f:id:shavetail1:20151031101504j:image:w480
図表1 簡略化した金融システムのモデル 

金融システムを金融界(=マネタリーベース界)と非金融界(=マネーサプライ界)に分けて表示。
二つの世界は金融システムという壁によって隔てられ、市中銀行部分から現金を介して連絡しているのみ。
現代の通貨制度では少額取引以外は預金形態のお金で回っている。
なお今回、政府(左)は説明には関係していない。

1)預金だけのモデル
最初、ある人が銀行に預けたお金が現金ではなく、預金であった場合図表1でb−dのやり取り(と、aで日銀当座預金口座の振替え)が起きているだけで、お金が新たに生まれたわけではないことは理解が容易でしょう。

2)現金が持ち込まれたモデル
最初ある人が銀行に預けたお金が現金の場合、日銀からここに記載されていないルート−例えば日銀の職員が現金で給与を貰ったなどのケース−があれば現金がマネーサプライ界に現れ、それが銀行に預けられ…という「信用創造の図解」に描かれたようなシーンも考えられます。

その場合にはそのマネーサプライ界で現れた現金が恒常的にマネタリーベース界に流入しないことには「信用創造の図解」のようなスキームは成立しません。

ところが、現実の世界をみれば、日本ではマネーサプライも増えていますが、それと並行して日銀券が恒常的に日銀に向かって流れこみ、総量が減少するということは観察されていません。(図表2)

日銀券発行高は伸びている

f:id:shavetail1:20151031123938j:image:w360
図表2 日銀券発行高とマネーストック(M3)残高推移
出所日銀資金循環統計
経済学の教科書に載っているモデルでは、マネーストックと並行して
日銀券発行高が伸びていることが説明できない。

3.現実の預金は債務と同時に発生
 実際の信用創造はどうなっているのかといえば、図表1のb、銀行と企業間取引で、新たな貸出がおこなわれると、貸し出された預金が貸出企業の預金として銀行のバランスシートに出現します。

この信用創造で生まれたお金は、銀行員のペン先からお金(預金)が生まれたことを意味する"fountain pen money"という言葉でよばれることもあるようです。*2

4.リフレ派とデフレ派が共に陥りやすい落とし穴
現実の信用創造は市中銀行が企業にお金を貸すことで生まれるわけですから、日銀がaで市中銀行の国債を懸命にマネタリーベースに変換したところで、企業に資金需要があり、同時に銀行がお金を貸すリスクが取れなければマネーストックは創造されません。
また、銀行員のペン先から民間が使うお金、マネーストックはマネタリーベースの量とは無関係に生まれるのですから日銀が一生懸命マネタリーベースを積み上げることに実質的な意味はありません。 従って日銀による市場からの国債購入を主体とする量的質的緩和で物価が上がらないのも無理はない話でしょう。

黒田日銀のパフォーマンスの悪さを嘲るデフレ派も同じ落とし穴に陥りやすいことも事実です。
デフレ派はしばしば「近い将来、政府負債残高が家計純債務残高を上回りそうで、財政破綻が予測される。だから消費税増税はやむを得ない。」といった発言をします。

しかし現実には以前ブログで書いたように、政府預金というお金もまた政府債務という負債と同時に生まれていて、政府預金は家計や企業の資産に姿を変えて家計資産が増える構造となっていますから、政府債務だけ返すこともできないしプラスの意味もないことになります。*3

国債は家計の預金量とは無関係に発行可能 - シェイブテイル日記 国債は家計の預金量とは無関係に発行可能 - シェイブテイル日記


それにしても、なぜ現実とかけ離れた信用創造のモデルがいまだに経済学の教科書に書かれているかは一種のナゾです。

これは筆者の想像ですが、現代は管理通貨制度という不換紙幣を中心とする経済であるのに、経済学はあったかどうか相当怪しい物々交換から議論を出発させ、また殆ど経済とつながりを持っていない商品貨幣をいまだに議論の中心に持ってきています。

従って管理通貨制度を正しく認識し、議論の中心に持ってくると、経済学の体系が崩れるから、現実(債務を裏付けとする貨幣システム)を教科書に記述することができないのではないでしょうか。(この辺の事情をご存知の方がいらっしゃれば是非お知らせ下さい。)

それにしても、現代主流派経済学のお金への認識が間違っていることから、効果不明の量的質的緩和や、明らかに悪影響しかないデフレ下の消費税増税が行われていることを考えると、そろそろ管理通貨制度をきちんと記述した経済学の教科書が現れてもいい頃ではないかと思います。

*1出所熊本学園大学笹山ゼミ資料

*2:イングランド銀行の信用創造の説明p3

*3:日本がインフレなら政府債務を抑制することにはプラスの意味があります。

投資家投資家 2015/10/31 21:54 貨幣経済(金融)については、単純に金融論の教科書を読めば良いと思います。また現代金融は、間接金融より直接金融中心のため証券論の理解も必要でしょう。

わろすわろす 2015/11/16 18:25 http://www.mag2.com/p/money/6246

2015-10-24 中年フリーター問題を解消するための1枚の図 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

最近中年フリーターという言葉が検索ワードに急上昇しているようです。 

 「1億総活躍」と言うからには、まずこの問題に取り組むべきではないか。中年フリーターの増加だ。『週刊東洋経済』(10月17日号)が<絶望の非正規 データが物語る 中年フリーター273万人の実態>で、その切羽詰まった現状と老後破綻(はたん)が懸念される将来を報告している。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの尾畠未輝研究員が中年フリーターと定義する「35〜54歳の非正規職員・従業員(女性は既婚者を除く)」は、2000年ごろは150万人を少し超える程度だったが、直近では2倍近い273万人に急増している。平均月収は20万円前後、3人に1人が貧困状態にあるという。
(以下略)
Asahi Shimbun Digital 正社員として働きたくても働けない中年フリーターの実態 関口一喜

今朝のNHK週刊ニュース深読みでも中年フリーター問題が取り上げられ、短期利益に振り回され、人件費をコストとして切り捨て、中年フリーターを量産する企業の姿勢にも疑問の声が上がっていました。

曰く、昨今のアベノミクスによる景気回復で新卒者の就職は増えているのに、その多くが非正規雇用によるもので、新卒の非正規雇用者は将来の中年フリーター源であり、彼らの低賃金により、将来の日本の消費低迷まで決まってしまうというのに、企業はそんな簡単なことも予測できないのかと。

それにしても、この四半世紀、中年フリーターが量産される問題は、企業と中年フリーターになってしまう個人(家計)との間で解決可能な問題なのでしょうか。

これを考えるために一枚の簡単なスキームを描いてみました。(図1)

f:id:shavetail1:20151024172020p:image:w360
図1 マネタリーベースとマネーサプライの世界
民間銀行・日銀政府だけから成るマネタリーベースの世界と、
我々がお金を使って暮らしているマネーサプライの世界の模式図。
このスキームは単純化のため、紙幣・コイン、海外は無視している。
両世界は民間銀行という一点だけでつながっている。

我々が使うお金は主に預金の形になっていて、補助的にお札やコインがつかわれていますが、説明を簡単にするために、お札・コインは図1のモデルでは考えません。 同じく説明を簡単にするために、外貨とのやり取りも無視します。

すると、我々のお金の動き(とモノ・サービスの動き)の大半は図の右側、マネーサプライ界に限定されています。 

我々は企業にサービスを提供し、企業はその対価の給料を銀行に振り込んで我々はそれを消費か貯蓄に回しています。

ところが、フリーターが増え始めたこの四半世紀とは、バブル崩壊とそれに続く橋本政権以後の緊縮財政の時期に重なっていています。

消費税が5%、8%とあがる過程で、このお金の動きに、新たにマネーサプライ界から政府に向けての左向き一方通行、つまり反対給付のない消費税増税が加わりました。*1

図1のスキームをみて、政府が家計や企業から税金を吸い上げるのに、市中銀行や日銀が関係するのか、という疑問も生まれるかもしれません。

政府は「政府口座」という財布を、日銀にしか持ちません。
そして日銀政府口座と日銀当座預金という銀行の口座しか開設させていないので、政府が民間から税を吸い上げるには、民間→市中銀行(徴収代行)→日銀(口座振替)→政府口座 というルートでお金を吸い上げることになります。

それはともかく、このお金の流れは徴税ということで国民の義務とされています。
この徴税は、本来、政府が同時並行で、逆向きの流れに(ただし別の銀行口座)お金を流していわゆる再分配をおこなうことが目的だったはずです。

ところが、安倍内閣を含むこの20年ほどの政権の大半では、「財政再建」の名の下に再分配抜きの増税が常態化しています。*2

その結果、民間ではお金という名の椅子を巡って椅子取りゲームが繰り広げられ、弱者が椅子(お金)を取り上げられてフリーター、中年フリーターとなってしまうのです。 

ところが彼らは消費も弱いため、日本の経済活動をお金で測定した名目GDPはこの20年来500兆円前後をウロウロするだけであり、内需が拡大しないため、賃金を抑制して利益を確保したはずの企業は海外市場に目を向けざるを得なくなっています。

それにしても、中年フリーター問題の発端が、政府のマネー椅子取りゲームなのであれば、それを止めさせれば済む話ではないでしょうか。

政府がお金を吸い上げるのが徴税で、逆にお金を民間に撒くのが財政政策です。

財政政策の財源は税(図1で、マネーサプライ界から政府への流れ)だけではありません。 その他に政府債務、通貨発行益もあります。

政府債務は、政府が国債を発行して、市中銀行に買ってもらう流れ、お金は、(a)→(e)で政府口座に渡り、これを民間の誰かの口座に振り替えて財政政策が行われます。 その反対に、政府債務が数字としては大きくなりますが、その多くの部分が好景気による税収増として政府口座に戻っていきます。

通貨発行益の場合には、単に(e)で、中央銀行が財源になりますが、このスキームでみる通り、財政政策の財源として政府債務も通貨発行益も大差はないといえるでしょう。

税財源以外の政府債務や通貨発行益を財源とする財政政策を忌み嫌う向きも少なくありませんが、デフレ・ギャップがある日本では、インフレ転換が起きるまで何の副作用もない話です。

実際財政政策により、フリーターを正社員にする方法としては、NHKの番組で東京都が都の財源で実施しているように、中年フリーターに的を絞って、フリーターを正社員化するための補助金として使うのもいいでしょうし、低所得者に一律に配って消費先行で日本経済を拡大して正社員比率の拡大を目指すのも良いでしょう。 単に消費税を減税あるいは廃止しても良いでしょう。

要するに、大雑把に言えば、この20年の悪政の逆をすればいいだけです。

最近、リフレ派の方たちなどはアベノミクスにより新卒者の就職率向上などに胸を張るようですが、株価上昇などで一時的に雇用が改善しても、中年フリーター問題がアベノミクスで好転したとは思えません。

継続的に財政政策実施して、中年フリーター問題を解決すると同時に需要拡大によるインフレ転換をすれば、日本は今よりももっと住みやすい国になると思います。


*1:「反対給付はないというが、社会保障費として使われ、増えているではないか」と疑問の声が上がりそうですが、消費税増税に合わせて、給付水準が上がったわけではなく、高齢化による年金・医療費が自然に増えただけであり、年金支払いについていえば支払年齢の上昇のように、一個人としては支払い総額を抑制される一方です。こうした観点からみれば、戦後の高成長期、安定成長期という時代とは、定量化は難しいのですが、お金が政府から恒常的に民間に補填されている時代だったといえるのかもしれません。それにもかかわらず政府債務問題は全く問題にはなっていませんでした。 これは政府債務の絶対額が小さかったからというのはデータからみて怪しい見解であり、政府債務の伸びよりも名目GDPの伸びが大きければ政府債務の絶対額増は何ら問題ではないということでしょう。

*2:なぜか儲かっている企業への法人税は減税していますね。本当に政府債務を問題視しているのなら、法人税減税はあり得ない話でしょう。

田中リンクス田中リンクス 2015/10/25 02:17 実にごもっともな主張ですね。さらにここに供給至上主義のサプライサイド経済学と外需獲得、国際競争力信仰も加わって日本経済があらぬ方向に進んでいっているのでしょう。
そして「非正規雇用が増えたのは正規社員という既得権益が存在するせいであり、日本型の雇用システムが弊害の元であり、雇用の流動化を進めることで正規と非正規の格差は改善される」と竹中辺りが宣うわけです。
緊縮財政により不景気を持続させながら労働者の権利や立場を弱体化させるような政策を二十年近くも続けていれば、そりゃ中年貧困層も増えるに決まってますよ。

昔の日本型雇用システムは確かに不況期には企業経営の重しになるのは確かです。正社員はすぐに切れないし、一度上げた賃金を下げることも難しい。しかしだからこそ不況期の消費需要減退をある程度防げるという話にもなります。それに生産性の低さによるインフレ不況でもない限り、一時的な需要減退は政府の財政政策でいくらでもカバー出来る筈です。政府がいくら財政政策を打っても需要減退を止めれないというのであれば、それは通貨発行による政府債務の拡大はインフレ率に影響を及ぼさないという等式が成立し、暗に無税国家の誕生を認めることになる。だからこそ構造改革派や緊縮財政派はデフレ不況の原因を供給側に対して求めたがるのでしょう。

ま、そこまで考えずに単に財政破綻馬鹿なのか主流派経済学に洗脳されているだけという人達も多くいるでしょうが。

投資家投資家 2015/10/25 16:01 現実的には、将来ある子どもや若者支援に、より政策の力が入れられるでしょうね。これは仕方ないことだと思います。
そもそも、正規だろうが非正規だろうが、サラリーマンや官僚という生き方が一生安泰な時代はもう終わりでしょうね。

政策や組織に期待するより、スキルや資産を貯めることに注力して、起業家なり投資家なりになるべきですし、これからの時代ならざるを得なくなるでしょうね。

2015-10-04 1億円パックという名の紙束 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

日銀本店内の大口出納内の写真。
カートに無造作に積まれた札束の一段が一億円パック。
とはいえ、この段階では単なる紙切れ、印刷物。

f:id:shavetail1:20151004092049p:image:w300
写真出所: 日銀ウェブサイト

日銀がこれを発行する時に、この紙切れで日銀が銀行から何らかの資産を受け入れてその見返りで1万円の価値を持つ紙幣に変身します。
QQEで日銀が国債を買い入れれば、同額のこの印刷物が晴れて銀行に。

ただ、無金利に近づいた国債を日銀券に置き換えても、為替相場⇒株式市場という限られた世界以外では大した効果がないのも事実。

これに対し、1万円政府紙幣だったら、刷られた瞬間から1万円の価値を持つとして通用するから、確実にインフレになりますね。

黒田さん。デマンドプルインフレにしたいのなら、日銀券を当座預金口座に積み上げるより手軽な方法ありますよ。

投資家投資家 2015/10/04 20:46 国債のお得意客からも日本の財政について、不安が出されているのでそこにも配慮しないといけないですね。相場は生き物ですからね。


「足元では再び日本銀行の追加緩和観測も指摘されている一方、4-6月期の成長率がマイナスになったことに加えて、7-9月期も想定を下回る可能性を指摘する声が聞かれており、参議院選挙に向けて追加景気対策や補正予算といった政府に対する歳出拡大圧力が強まりやすい環境にあるため警戒が必要である」

「もっとも、最大の焦点は財政再建の行方である。市場では、政府が目指している成長のペースから、既に躓いているのではないかとの懸念が高まっており、長期的に日本の財政への信認をどう確保するかについて真剣に打ち出さないと、日本国債市場の行く末は厳しいのではないか。」

国債市場特別参加者会合(第62回)議事要旨http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/meeting_of_jgbsp/proceedings/outline/150911.html




政府紙幣については、須田日銀審議委員(当時)が講演で、日銀の国庫納付金の前借りに過ぎないため、あまり意味がないと発言しています。


「最近、財政政策の資金源としてのシニョレッジに期待する声が聞かれています。例えば、「政府紙幣」の議論はその一例とみることができます。「政府紙幣」の発行は、その仕組み如何によって、「国債の市中発行」か、あるいは「無利息永久国債の日銀引受け」の、いずれかと実質的に同じになります。」

「したがって、財政赤字をシニョレッジによってファイナンスするということは、結局、シニョレッジを前借りするということにほかなりません。政府が先取りしてしまう分だけ、中銀マネーの供給の見返りとして得られる、将来国庫に納付されるシニョレッジが減少することになります。」

京都府金融経済懇談会における須田審議委員挨拶要旨「日本経済の現状・先行きと金融政策」
https://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2009/ko0903a.htm/

sakesake 2015/10/08 19:02 >あまり意味がないと発言しています。

後半の書き込みは、中銀のベースマネー発行によるシニョレッジの話、
前半の書き込みは、政府紙幣発行によるシニョレッジの話ですね。

ソースとは順番が逆ですが、意図的に入れ替えてミスリードしてるんですかね?

「意味がない」と言ってるのは、中銀のベースマネー発行によるシニョレッジについての事であり、
政府紙幣については、回りくどくは有りますが、財政や為替の信任の問題上望ましくない程度の事しか言えていないと思いますが。

その辺の事情は、ソースの注釈にあるように、
http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2009/kk0902a.pdf
の9ページあたり読めば理解できるのではないかと思いますが。

GokaiGokai 2015/10/09 12:49 shavetail1さま
>これに対し、1万円政府紙幣だったら、刷られた瞬間から1万円の価値を持つとして通用するから、確実にインフレになりますね。

すられたお金を国民に直接配れば、間違いなく消費は増加します。

2015-09-19 もしインフレにならないなら徴税は不要 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

前回のエントリー 国債は家計の預金量とは無関係に発行可能 - シェイブテイル日記 国債は家計の預金量とは無関係に発行可能 - シェイブテイル日記 にlineさまからコメントをいただきました。

line  2015/09/19 13:34
(シェイブテイル)>「かなり以前から、財政学者やマスコミから「政府債務残高が家計資産を越した段階で、金利は急騰、財政は破綻する。だから消費税を30%上げる必要がある。」といった論法で、政府の財政破綻を煽る声が聞こえてきましたが、何年経っても長期金利のトレンドはさがる一方で、財政破綻の兆候はみられず、家計資産は増える一方です。 これは一体どういうことなのでしょうか。」

(lineさま1)この理由は明らかで、引用論者は日銀が国債を多量に買うことは無いという仮定のもとで議論しています。一方、日銀が国債を引き受けることに<問題がなければ>、政府は無制限に国債を発行できるでしょう。相違点はここにあるわけで。

(lineさま2)政府は国債発行を増やし公共事業等を推進すれば家計資産は増えるでしょう。国立大学授業料も無料にし、先日のギリシャのように公共交通機関も携帯電話も無料にして政府の国債で払ってもらえればと思います。その国債は日本銀行が買い上げてくれます。税金も今の半分くらいにして足りない部分は国債で賄ってもらえれば良いでしょう。日銀が買い上げてくれます。国民の人気をとるならすべて無税でも良いかもしれません。国の運営はすべて国債でまかなえば良いのです。日銀が買い上げてくれますから。

今日はこの論点から考えてみましょう。

まず最初の、「日銀異次元緩和で国債を無限に買おうとしている今だから、金利も上がらず家計資産は増える一方」説について。


f:id:shavetail1:20150919170913j:image:w360
図1 各主体別の純資産と純負債推移
出所日銀資金循環統計
負債を有する主な主体、企業、一般政府、海外については
負債を反転させて表示

図1で分かる通り、日本の家計純資産は企業と一般政府と海外など残りの主体全ての純債務とバランスして増えてきました。
これは、日銀量的緩和を始めた2001年以後に始まったことではなく、それ以前からずっと各主体の純資産と純負債は均衡しつつ拡大トレンドを辿ってきています。 まず政府債務をつくり、それに対応した資産が民間に生まれるという状
況が続いていたわけで、量的緩和と何らかの関係を考える根拠はデータからもうかがえません。

ふたつ目の論点、「国債で歳出がまかなえるなら税は不要では」説。
これについては半分肯定します。 それはインフレにならない範囲であれば、ご指摘の通り、税収に頼る必要はないでしょう。

一旦政府預金になってしまえば、それが国債として日銀当座預金由来であったのか、あるいは税収として日銀当座預金由来であったのかは区別のつきようがありませんので。

ただし、当然ながら、徴税を止め、国債発行だけに頼って歳出を賄えば、短期間で高インフレに陥るでしょう。

もし、黒田総裁が本気でデフレ脱却したいのなら、lineさまのご指摘どおり、徴税を一時停止して国債で政府支出を賄うように政府に進言すれば良いかと思います。

逆に、インフレにしないために徴税する。 
黒田総裁がシャカリキになって異次元緩和を続けてもいつまでたってもインフレ率2%が視野に入ってこない、今の消費税増税アベノミクス後半部分と正にダブっていますね。

ポルシェ万次郎ポルシェ万次郎 2015/09/19 22:38 >もしインフレにならないなら徴税は不要

「インフレ耐久度」が「財政余裕度」(国債発行余力)ということですね。また対外純資産の額も、海外から供給能力(付加価値)を借りてこられるということなので、これの要素に入ると思います。

参考画像
http://ameblo.jp/p-manjiro/image-12065349380-13405443454.html

上記でも軽く書きましたが、税金には「安定財源性」以外にもいくつか役割があり、「懲罰的負荷」について補足するならば、たばこ税や酒税やガソリン税や環境税のように、旺盛すぎる消費があまり歓迎されない対象への抑制効果を狙ったものになります。もっと適当で美しい分類の仕方があれば改定したいです。。。

shavetail1shavetail1 2015/09/20 18:52 ポルシェ万次郎さま
正に仰る通りで、インフレ耐久度=財政余裕度であり、デフレを続けた日本こそ、財政破綻間近どころか、もっとも財政に余裕がある国のひとつといって良いでしょうね。

最近格付け機関が日本国債の格付けを下げましたが、長期金利はピクリとも上がらなかった。 だから、市場関係者の多くも日本の財政は健全だということを肌感覚では捉えているのではないでしょうか。

shavetail1shavetail1 2015/09/20 18:54 ポルシェ万次郎さまの、本当の課税目的の分類、大変興味があります。 更に情報が加われば教えて下さい。

ポルシェ万次郎ポルシェ万次郎 2015/09/20 20:03 >インフレ耐久度=財政余裕度

「財政余裕度」というフレーズについては、廣宮孝信氏が発案したものを使わせてもらっています。「国債発行余力」「通貨発行余力」などと言い換えてもいいでしょう。

当方はかつて、「IMFはこの指標を元に、各国の財政状況を公表せよ」と提言したことがありました。その後、IMFでそうした動きがあったように記憶していますが、今はどうなっているのか分かりません。

>デフレを続けた日本こそ、財政破綻間近どころか、もっとも財政に余裕がある国のひとつ

当方もそう考えますが、基軸通貨国であるアメリカの「余裕度」をどう評価するかで、1位と2位は入れ替わるかもしれません。

>最近格付け機関が日本国債の格付けを下げましたが

http://ameblo.jp/p-manjiro/image-12070686907-13418932634.html
http://ameblo.jp/p-manjiro/image-12070686907-13418932635.html

またまた漫画の紹介で恐縮ですが、「機関」とすると行政機関のようにも聞こえますし、細かいですが「会社」とするのが適当なように思えます^^

>本当の課税目的の分類、大変興味があります

http://ameblo.jp/p-manjiro/image-12016489058-13281347312.html
http://ameblo.jp/p-manjiro/image-12022089040-13295130783.html

漫画の中で追々説明する予定ですが、「2.景気安定化」は「赤字の企業は法人税を払わなくていい」などがそうですよね。「3.所得再分配」は所得税の累進性などが該当し、応能負担や「余っている人から足りない人へ分配する」をいう概念に基づきます。

上記に照らし合わせると何の役にも立たない、世界が一丸となって撲滅すべき悪魔の税目、それが消費税(付加価値税)ほかというのが当方の理解です。

というかシェイブテイルさん、その政経漫画の第2巻を来月リリース(キンドル版)しようと思うのですが、巻末コラム(短いやつ)書いていただけないでしょうか? その時期になればお願いしようと思っていたのですが、、まずはお問い合わせ先(メアド)が分かりませぬ……。

GokaiGokai 2015/09/20 21:23 shavetail1さま

>まず最初の、「日銀が異次元緩和で国債を無限に買おうとしている今だから、金利も上がらず家計資産は増える一方」説について。

政府債務残高と家計資産残高と金利の関係は無関係で、
金利は日銀の国債買取、つまり、日銀当座預金残高と関係するということでしょうね。

GokaiGokai 2015/09/20 21:26 あっと、
政府債務残高と民間預金残高とは関係するです。

tanakatanaka 2015/09/27 18:28 デフレでも或る程度の徴税は必要だと思います。
インフレ期になれば増税しなければならない為、
再デフレ下の可能性が高まりますし、
政治家が支持率低下を恐れて増税に踏み切れない恐れもあります。
特に高額所得者は最大で給料の半分近くが税金で持っていかれる訳ですからそれが半分になったり2倍になったりするようでは社会が不安定化してしまう恐れがあります。
給料を上げたら法人税減税のような条件付き減税や、
関税やたばこ税酒税といったタイプの税も必要でしょう。
もちろん消費税なんて不公平な税は廃止すべきだとは思います。