2012-11-23 次の衆議院選で参考になること
デフレによる悪影響
◯デフレ経済では、いろいろなものが安く買えて悪くなさそうです。 でもなぜか給料が上がりませんね。
… サルでもわかるあなたの賃金が上がらない理由
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◯今世紀に入って、自殺者はずっと3万人以上です。
… サルでも分かる、増える自殺と財務省日銀の関係
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2012-05-13 消費税・世論調査と税収の推移

2012年5月8日から消費増税関連法案の国会審議が始まりました。これにちなみ、2年前の参議院選で当時の菅直人首相がマニフェストにはない消費税増税を掲げて以降の消費税に対する世論調査の結果を図1にまとめてみました。
図1 消費税増税に対する世論調査結果の推移
2010年6月、2011年3月、2012年1月が読売調査、2010年7月が時事、
2011年7月がJNN、2011年11月が日経、2012年3月が産経調査。
読売新聞の世論調査では、消費税増税に寛容な意見の比率が高いことが知られていますが、その読売でも最近は消費税反対が賛成を上回るようになって来ました。 消費税を増やせば将来の年金が安定する、という説をマスコミが流し、それを見た視聴者が消費税増税を渋々受容する、という形が崩れてきています。
読売新聞など財務省の手が入ったマスコミ*1 が盛んに増税キャンペーンを流しても、ネット情報などで増税で年金の安定というロジックに疑問を持つ有権者が増えてきているのでしょうか。
図2は財務省ウェブサイトに載っている税収推移のグラフですが、消費税率を上げると、当然消費税収は増えています。ただし、法人税と所得税は、消費税という民間から政府への所得移転により景気が冷え込むため共に減少しています。
図2 主要税(消費税・法人税・所得税)税収推移(財務省ウェブサイトより)
平成9年にデフレ下で消費税を上げたところ、消費税収は増えたが、他の二税
からの税収は減った。
図3は図2を集計したグラフです。消費税率を上げると消費税は増えましたが、他の二税が減り、トータルでは税収が減っていることが分かります。 特に所得税収がほぼ単調減少しているのは、消費税増税によりデフレが加速し、個人の所得が年々減少していることに対応しています。
図3 主要税収推移の集計(図2より作成)
平成9年にデフレ下での消費税増税をしたのち、消費税収は増えたが、所得税と法人税は共に減っている。
法人税は景気が回復すれば一時的に持ち直しているが、所得税はデフレで個人所得が年々減っているため、
ほぼ単調減少傾向が続いている。
菅直人前首相は元来は脱官僚派でしたが、財務省事務次官の勝栄二郎氏については、「痒いところに手が届くように配慮してくれるし、難解なことを分かりやすく説明してもらえる」と心酔し、2010年の参議院選でマニフェストにない消費税増税を打ち出したとのことです。*2
勝栄二郎氏は、「デフレで消費税を増税すると、年金原資の税収は減りますよ。」という肝心なことは財務省ウェブサイトには載せたのに、菅直人氏にも野田首相にも伝えなかったんでしょうか。*3
(つづきの記事)
消費税アップで税収が減ったのは減税のせい?
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デフレ下での消費税アップ効果
2012-05-12 デフレ財源論ではなく「デフレが財源」論
日本では税収が歳出の半分にも満たない中、消費税増税議論が盛んになってきました。
財務省HPにも消費税増税したら税収総額が減るというグラフが出ている *1など、消費税増税には疑問は尽きませんがこの点は今日は置いておき、財源はデフレ自身にあるのでは、という「奇説」を述べ、皆様のご批判を仰ぎたいと思います。
1.不換紙幣で、「紙幣負債説」は正しいのか
紙幣の価値とは何か、と考えてみたことはありますか。
日銀券には価値があり、それを精巧に真似た贋札は無価値ですがそれはなぜでしょう。
また真券の場合でも、日銀が国立印刷局に日銀券を発注するのですが、まだその段階では1万円の日銀券もその価値はなく、印刷コストである国立印刷局への代金は日銀の利益(保有資産の利子収入)から支払わなくてはなりません。
日銀券が価値をもつのは、日本政府が通用を保証しているからですね。
紙幣が額面で表示された価値で決済の最終手段として認められる効力は強制通用力と呼ばれています。
では紙幣が強制通用力を持って通用する価値の源泉は一体何でしょうか。
ひとつの説明(日銀のとる解釈)では、日銀券は借用証であり、その借用証の担保は、国債などの日銀資産、という考え方です。
では日銀券の担保資産となる国債の価値は、日銀券に価値がなくても根源的に存在するものでしょうか。
日銀券が無価値の場合、国債も無価値になるのであれば、これは循環論法です。
昔の兌換紙幣であれば、紙幣の裏付けは中央銀行が保有する金(キン)ですから、必要に応じて、海外を含めて価値を認める金(キン)と交換可能でした。今の日銀に日銀券を持ち込んでも、国債自身はペーパーレス化されて、紙(証券)もないので、日銀にいって手持ちの日銀券と交換に渡してもらえるとしたら、日銀券のピン札位でしょうか。だからこそ文字通り不換紙幣と言えるのです。つまり、日銀が奉じる、「日銀券の価値の源泉は日銀資産」説には実際兌換を求められても不可能故に、資産は絵に描いた餅であり、相当無理がある理屈、といえるでしょう。 なお、この日銀券債務説を巡る議論は、本論から外れますので、最下段のコラムに続きは記載しました。
2.貨幣の根源価値とは何か
不換紙幣の価値が、「日銀券は日銀にて日銀券と交換します」というトートロジーに支えられているものではない、というところまでは何となく同意いただけるのではないでしょうか。
さて次に考えてみたいのは不換紙幣も兌換紙幣も更には最初に発明された秤量貨幣も含めた、貨幣の価値とは何かを考えてみたいと思います。
そのために貨幣が最初に発明された時点に何が起きたかを見てみましょう。
紀元前3300年よりも前には、貨幣もなければ、都市もなかったようです。
紀元前3300年頃のメソポタミアの世界最古の都市テル・ブラク(現代のシリア・ハッサケ地方)の遺跡からは同じ大きさの鉢が大量に発掘されています。この中に入れた一定量の麦がお金の役割を果たしたとされています。同じ大きさの鉢により、麦が「規格化」されて、油1鉢=麦30鉢 といったように交換の価値尺度となりました。 これにより物々交換の頻度は大幅に増大し、初めてテル・ブラクという都市の人口を支えるだけの食糧が供給されるようになりました。 この秤量貨幣発明以来、世界の人口は急速に増加していきました。
紀元前3300年のテル・ブラク以前の物々交換と、麦を用いた秤量貨幣の発明では何が変化したのでしょうか。
世の中でこの秤量貨幣に似た機能のものを探すとすれば「触媒」のように思います。
触媒とは、それ自身は変化せず、(本来は起きうるはずの極めて緩慢な)ある化学変化を加速するものです。 例えばエンジンの排ガス処理には白金触媒が使われ、ヒトの体内では数千種もの酵素が、触媒として様々な化学反応を生命を維持できるまでに加速しています。
つまり、テル・ブラクで麦秤量貨幣が発明される前にも物々交換は行われていたのが、貨幣発明により、物々交換速度が数倍に促進されたということができます。それによりムラしか支えられなかった経済が都市をも支えられるように拡大進化しました。
その後貨幣が銀コイン、兌換紙幣、不換紙幣と改良発明されるにつれ、更に経済規模が拡大していきました。
逆に言えば経済規模が拡大するにもかかわらず貨幣の量が不足すると必要な財の交換速度が維持できず、新たな貨幣の発明を促してきた、とも言えるかもしれません。
筆者は、貨幣の根源価値は、財の交換触媒価値だと思います。
ということは、一見貨幣の価値に見えているものは、その向うにある交換対象の財の価値、あるいはその財を生産する、生産力の価値だと考えられます。
3.デフレが財源論
こうしてみますと、デフレ日本は不換紙幣という触媒が不足し、財の交換が不足している状態と言えるでしょう。
新たな生産力の源泉となる失業者や、休止している設備投資は豊富ですので、触媒となる不換紙幣量を増大させれば経済交流が増え、実質GDP増大が期待されます。
失業者が多く、遊休設備が稼働していき、デフレギャップが解消すれば、マイルドインフレ化し、名目GDPも増大し、税収は大幅に増えるでしょう。
日銀をはじめ、金融緩和批判を繰り返す人々は不換紙幣自身に触媒としての価値以外の何かの価値があり、金融緩和などで不換紙幣量が増大すると、その価値の毀損が起こるという論陣を張ります。
確かにインフレ状態で失業者も自然失業率状態で、遊休設備もあまりなければ、触媒を増やしてもそれ以上財の交換速度は上がらず、触媒量増加は有害でしかないでしょう。 しかし、財の交換速度が落ちているデフレで不換紙幣という触媒を増やすことは何の害もなく財の交換速度、つまりGDPを増大させられるということを理解していないように思えます。
デフレは触媒不足?
【コラム1】不換紙幣債務論批判
日銀の採るこの「不換紙幣も債務」という考え方には、建部正義、三宅義夫、浜田幸一などの経済学者が反論しています。*2
要するに不換紙幣が中央銀行のBSの右側に債務として記載されるのは、昔兌換紙幣が正貨(金)の借用証だった時代の名残に過ぎないものと思われます。 勿論中央銀行が何らかの資産を買い入れて中央銀行券を発券している限り負債の項に書いておけば見かけ上バランスはしますが、そもそも、中央銀行の不換紙幣というものは、通常の会計上の意味では資産・負債・資本のどれにも当たらない性質だと思えます。 つまり、会計学ではただ中央銀行の不換紙幣のためだけに、バランスシートに「不換紙幣」という項目を作らなかったということに過ぎないのではないでしょうか。
【コラム2】 マルクス経済学でいう「交換価値」との関係
筆者はマルクス経済学は殆ど学んだことはない者で、最近になって「交換価値」という言葉がマルクス経済学で使われているのを知りました。 このマルクス経済学でいう交換価値と、上述した貨幣の交換触媒価値とは全く別の概念です。
マルクス経済学で論じられた「交換価値」とは、例えば米1キロと布1平米が物々交換で交換可能といった場合に、(交換当事者にとって)それら両財の便益が等しいという極めて当然な観察事実を述べているものです。ところが、マルクス経済学では、この交換価値について、交換当事者にとっての主観的価値、とすべきところを、普遍的に誰でも認める絶対価値と暗黙に仮定したため、逆に言えば、1日に米1キロしか手に入れられない貧しい労働者(日給500円)と米1キロなら1分で稼ぐ年収2.5億円の経営者の労働価値を等価とする誤りを経済理論に内包しているのではないかと思っています。
*1:たとえば、以下のウェブサイトを見てみましょう。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/011.htm
H8年、消費税+法人税+所得税でみると、合計40兆円だったものが、消費税増税のH9年こそ、42兆円となりました。ただ、所得税+法人税は既に1兆円減っています。それがH14年には合計34兆円、H23年には合計32兆円とトレンドは右肩下がりとなっています。税収を司る財務省・主税局長は、事務次官や主計局とは異なり、消費税では税収が減ると国会で答弁しています。
*2:例えば、館龍一郎・浜田宏一(1972)『金融』岩波書店、建部正義(1997)『貨幣・金融論の現代的課題』大月書店p17など。
シント
>逆に言えば経済規模が拡大するにもかかわらず貨幣の量が不足すると必要な財の交換速度が維持できず、新たな貨幣の発明を促してきた、とも言えるかもしれません。
>こうしてみますと、デフレ日本は不換紙幣という触媒が不足し、財の交換が不足している状態と言えるでしょう。
いつも良い日記をありがとうございます。今日も勉強になりました。
自分も今の日本は、日銀券と言う触媒不足で財の交換が不足し、それで人々が貧困に喘いでいると思います。
財を欲しくないではなくて、財を手に入れられない状態に人々はなっていますからね。
shavetail1
シントさま
コメントありがとうございます。
貨幣への理解が日銀は他の中央銀行と異なるという認識から、貨幣論へと興味が伸びてこのエントリーを書きました。
経済学界では最近でも岩井克人氏は「貨幣論」で貨幣トートロジー説を述べ、降旗 節雄氏はマルクス経済学の観点から岩井貨幣観を批判されているようです。 ある書評では降籏説は理論以前と酷評されていました。
経済学者からも、デフレ日本の処方箋につながる貨幣論を聴きたいですね。
shavetail1
触媒の海となっている生体内ではアデノシン三リン酸(ATP)という物質が「エネルギーの貨幣」と通称されています。
ATPは別の分子にエネルギーを移してADPになりますが、すぐに別のメカニズムでATPに再生され、エネルギーのサイクルを担っています。 ATPを生物が発明する前の生命は生存はできましたが、ポリリン酸など効率の悪いエネルギー貨幣しか入手できないため、当時の生命は緩慢にしか移動できないなどの制約がありました。
生命界と貨幣経済にアナロジーを感じます。
(注:ATPはADPへと変換され再びATPに戻るため、触媒そのものではなく、触媒である酵素とリンクしてエネルギーを伝達しています。)
shavetail1
経済学の最先端では、貨幣論でも最先端の議論がされているのか、と思っていましたが、下記のURLなどの研究を見ると、それほど進んではいないのかも、と思えます。
http://www.canon-igs.org/column/macroeconomics/20091111_197.html
http://www.canon-igs.org/column/macroeconomics/20091111_198.html
ななみのゆう
こんにちは。
私は、現況においては金融政策を否定します。政府通貨も否定、新規国債の日銀直受けにての財源確保も金融政策の場合と同じ理由で否定です。
ただ、経済が大きくなれば通貨の量もそれに応じて増加しなければならない。これは真理でしょう。そして過去において経済が好不況を繰り返してきたのはこの通貨の量が金などの生産量に左右されたからだと推測します。
そして現代は管理通貨制度に移行、おかげで金などの現物担保価値からの解放がなされ、その量を自由にコントロール可能な時代なったのですが、経済学はいまだその意味を十分に理解していないのでしょう。それが故に、日本では失われた20年になってしまいました。
このこと、すなわち貨幣論を立ち止まったままにしておかずに、十分に探求すること、それが日本を苦境から救う価値ある努力になるのだろうとは私も同意見です。よい論述に賛同です。
shavetail1
ななみのゆうさま
貨幣論というものを、マルクスが結構いいところまで洞察して、
全く現実に合わない結論、つまり誰の労働価値も一緒、あるいは1日で作った車よりも2日で作った車の方が2倍の価値がある(労働価値説)と言う結論で経済学を構築してしまったため、逆に近代経済学では貨幣論をきちんと考えなかったように思います。
しかし、不換紙幣を兌換紙幣と同じように負債と考えるのが主流だとか、近代経済学も相当に変で、貨幣論に至っては経済学の最初で教えるべき枠組みさえないように思えます。勿論貨幣の3機能は教えますがあれを知ったからと言って、次の考察は生まれません。
やはり貨幣の価値の源泉が何かは一度は考えるべきかと思いますね。
ここまで意見がななみのゆうさまと一致しているかとおもいます。
そこから私は触媒不足という考えで、インフレ率が4%以下で、完全失業率に近づくまで紙幣量を増やすという金融政策が必要という結論ですが、ななみのゆうさまはどうすれば日本のデフレを脱却できるとお考えでしょう?
ななみのゆう
shavetail1 さま
>そこから私は触媒不足という考えで、インフレ率が4%以下で、完全失業率に近づくまで紙幣量を増やすという金融政策が必要という結論ですが、ななみのゆうさまはどうすれば日本のデフレを脱却できるとお考えでしょう?
金融政策というのは、金融機関に対するお金(マネベース)の供給なわけです。即ち触媒の量を増やすことですね。ところがこの触媒(MB)は国民の財布に日銀から直接に入るお金でもないわけです。まずは誰かが借りてくれないといけない。借りてくれてはじめて、国民の財布の入るマネストックが増えることになります。そうするとGDP=MS量×所得速度ですから、景気は好況に向かい始めます。
さてここで、現在の日本の経済状況を判断してみますと、企業はお金を借りてまで、将来のための設備投資すべきかどうかですが、答えは明らかです。もし、ここで、「いや民間企業は国に頼らず自助努力で自らの企業の発展のために努力すべきである、だからお金を借りてでも、儲かる次の事業に、手を出しなさい」という中小企業のアドバイザーがいたとしたら、私は即刻そのアドバイザーを首にすることをお勧めしますが、いかがですか?
つまり、私の考えは、金融政策では、現在のデフレから日本が脱出、で来ないという判断です。だから大幅な財政出動が適切な政策だとの結論です。
shavetail1
ななみのゆうさま
私も仰るように、金融政策だけではデフレ脱却に効果が弱いだろうと思いますね。 小泉政権の頃の金融緩和で、ある程度景気は向上したと言われますが、企業業績がよくなったにとどまり、家計への波及はあまりなく、物価は上がりませんでした。 現在のアメリカがリーマンショックから抜けるのに時間を要しているのも同様の原因かと思います。 だからなぜ高橋財政のように財政出動を伴わないのかとおもいますね。
ただ財政出動する財源はどう考えますか?
国債増刷も一案ですが、これは小渕政権あたりでずいぶんやって、大幅な景気回復はなく、デフレのままでしたが。
ななみのゆう
>国債増刷も一案ですが、これは小渕政権あたりでずいぶんやって、大幅な景気回復はなく、デフレのままでしたが。
小渕首相は道半ばで倒れてしまい残念なことでした。あのまま続けておられればデフレは解消したかもしれませんが、おかげで国債増刷も中途半端になってしまいました。
「デフレ克服のための考察 世界恐慌時のアメリカの経済政策の失敗と成功に学ぶ」
http://www.higane.co.jp/sozai/etc/american_inflation.htm
↑これは張間義文さまのご紹介によるものです。アメリカは1929年の株式大暴落から始まった大恐慌から、立ち直るのに、GDPの4倍もの財政支出をすることで成功しています。
どのように思われますか?
shavetail1
ななみのゆうさま
ご質問の件、以前私も金融政策優先のマネタリスト型政策と財政政策優先のケインジアン型政策のどちらがデフレ脱却に有効かを考察したことがありました。
「デフレ不況脱却策−マネタリストとケインジアンのどちらが正しい?」がそれです。
http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20110903
ケインジアン型の方がマネタリスト型より優れる点は、家計に直接マネーを行き渡らせることができる点だと思います。ただ、財源が日銀ではなく、市中銀行ですよね。 日銀に代えて市中銀行を財源にすると、金利負担が発生することが唯一無二の問題かと思います。これに対し、日銀を財源にする政策ですと、日銀券には金利がつきません。 国債の直接引き受けであっても、国債保有者が日銀という言わば政府の子会社となるのですから、金利負担はあっても、その金利は政府のものということで政府から見れば無利子融資です。 市中銀行から政府がマネーを借り続ければ、銀行への利子支払が増え、国債の支払い持続性が疑われ、金利が急上昇する恐れを蓄積していくことになると思います。
ななみのゆう
>市中銀行から政府がマネーを借り続ければ、銀行への利子支払が増え、国債の支払い持続性が疑われ、金利が急上昇する恐れを蓄積していくことになると思います。
ところがそのことを否定する事実が、1929からの大恐慌からの脱出法に見られませんか?
「デフレ克服のための考察 世界恐慌時のアメリカの経済政策の失敗と成功に学ぶ」
http://www.higane.co.jp/sozai/etc/american_inflation.htm
560億ドルのGDPに対して、最終的に、2千億ドルの国債発行をして、アメリカは景気回復し、1950〜1970の好況期を迎えたし、2000年には財政赤字ゼロを視野に入れる政策を計画とのアイデアが出るぐらい財政はいったん回復しています。
2012-05-06 「サルでも分かる化」して複雑な問題を解く方法

ここ何回か、「サルでも分かる…」と題したエントリーを続ています。
サルでもわかる、と題してはいますが、元の問題はいずれも相当な難題で、真の意味ではサルでも分かるところまで持っていくのは困難です。 ただ、相当な難題をまあまあの課題にまでする手段はあるもので、筆者はサルでも分かる化するために、
- マインドマップでの見える化
- MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive;ミーシーもしくはミッシーの略)での思考整理
というふたつの方法を組み合わせて使っています。
1.マインドマップでの見える化
問題を容易化するために、見える化は大変有効です。 頭の中で考えていると、モヤモヤしたりぐるぐる回ったりする思考が、見える化により固定され、何が問題のポイントなのかが見えてきます。
マインドマップというのは、私たちの頭の中で起こっていることを見えるようにした思考ツールの一種です。*1 このマインドマップは、手書きでもいいのですが、見た目を良くし、入れ替えの手間を省き、あとで再利用するといったことを考えれば、マインドマップ作成のフリーソフトFreeMindなど*2を入手して描くと良いです。FreeMindのダウンロードはたとえばFreemind使おう会のサイトからも無料でできます。
2.MECEでの思考整理
例えば、前回のエントリー用に作成した、国債の積み上がりという不安について考えるためのマインドマップをみてみましょう。
このマインドマップを描く際には、MECEという考え方を使っています。
MECEとは、まだ適切な日本語訳はないですが、コンサルティング会社などではよく用いられる、「相互に排他的な項目」による「完全な全体集合」を意味する言葉です。 要するにMECEとは、「重複なく・漏れなく」ということになります。
日本の財政を国債中心に整理しなおし、MECEとなるように並べ替えると例えば右のようになります。
きちんと言えば、右の図では日本の財政を収入、支出、バランスシートと3回も繰り返して表現していますので、この図は厳密にはMECEではありませんが、分かりやすいように、MECEの考え方に基づいて描いた財政の収入、支出、及びバランスシートに関するマインドマップ3枚を連結して描いた、とお考えください。
この図を作る上で目標としたのは、「国債(積み上がりの)不安を除くこと」を図示することです。*3 「2.新規国債発行」額は(意図的に増やすのでなければ)自動的に決まってきますので、国債の積み上がり方は国債返済額である国債費(と金利動向)で決まるという仮説がたちます。 そこでどのような方法で国債費増額が可能かをMECEで順番に検討していったのが、昨日のエントリー「サルでもわかる日本国債の不安を除く方法」です。
収入のある項目を増やすか、支出のある項目を減らすかにより国債費の増額が可能となります。
言い方を変えれば、何らかの費目から国債費に向けての「所得移転」のようなことが起きないことにはプライマリーバランスには大きく影響しない、ということです。 例えば仮に「成長産業への補助金を投入し、国債を減らす」といった政策があった場合、直接的には「1.税収」のなかでの家計(労働者)から企業への所得移転であり、間接的にしか「4.国債費」増額にはつながらず、効果は(あったとしても)タイムラグを置いてしか観察されないことが想像できます。*4
こうして順番に国の財政を構成する費目を国債費財源として考えていった結果、通貨発行(増額)以外にデフレ日本で有効な新規国債費財源はない、というのが、昨日のエントリー「サルでもわかる日本国債の不安を除く方法」の結論でした。
あなたも、身近な問題から大きな問題まで、マインドマップでの見える化とMECEで、これまで解けなかった問題を解いてみませんか?
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サルでも分かる、増える自殺と財務省日銀の関係
サルでもわかる日本国債の不安を除く方法
次の記事も、マインドマップを使って書きました。
サルでもわかる水と金の価値の違い
*1:マインドマップはトニー・ブザン(Tony Buzan)が提唱した思考・発想法の一つであり、「マインドマップ」という呼称は、日本国内においては一般社団法人ブザン教育協会によって商標登録されている。
*2:ほかにもiMindMapなどがある
*3:国債が発散するかどうかについては、プライマリーバランスの他に国債金利と名目GDP成長率も関係しますが、このエントリーでは主題を外れますので金利の問題は割愛します。
*4:こうして考えてくると、大半の政治家の関心事の多くが、「1.税収」内の所得移転に集中しているようにも思われます。国政にあずかる政治家には、もっと大きなフレーム(考え方の枠組み)で国の財政を考えて欲しいところです。
2012-05-04 サルでもわかる日本国債の不安を除く方法

最近欧州危機が再燃の兆しを見せるなか、日本もギリシャ化する、いや日本はギリシャ以上にひどい状況で、改革は待ったなしだ、などいろいろ議論されています。
今回は日本国債の積み上がりを抑えるためには何が有効で何は有効でないかを考えてみましょう。
図1損益・バランスシート両面から見た日本の国家財政
国家財政に収益をもたらす3グループと、主な支出先4グループ、
それからバランスシートを示した。
バランスシート中の8.プライマリーバランスは4.国債費と2.新規国債発行額の差。
図1は日本国家(政府)の損益とバランスシートをざくッと見たものです。 企業の財務諸表と同様、国の損益とバランスシートは同じ国家財政を、ふたつの切り口、1年単位で見たものと累積で見たものであり、
という関係でつながっています。*1 プライマリーバランスとは借金のある家計でいえば、年間借金純返済額といったところで、このプライマリーバランスを0以上に増加させれば国債残高は減っていきます。
日本国債の不安をなくすためには、現在大きくマイナスであるプライマリーバランスを、たとえマイナスのままでも現在より増加させる(より0に近づける)政策をとる必要があります。 それではプライマリーバランスを増加させる政策とその効果を順に見ていきましょう。
表1 政府支出抑制策
主な政府支出抑制策としては、公務員給与抑制、年金減額、医療費や公共投資抑制などの
その他政府支出抑制がある。表中、緑色のセルは、国民生活に直接影響のある部分、
レンガ色は直接には影響しない部分を示す。
表1は政府支出を抑制してプライマリーバランスを改善しようとするものです。 現在の欧州危機への対応もまさにこの政府支出抑制型ですね。
政府支出抑制には一見大きく異なって見える公務員給与抑制、年金減額、医療費や公共投資抑制などがあります。減額した政府支出分を4.国債費の増額にまわしてプライマリーバランス改善を目指します。ただ、こうした緊縮財政策は、国債費を増額した分だけ5.〜7.の支出減を介して民間へのマネーを抑制します。 緊縮財政策は、マネー減少による景気抑制とデフレ傾向が伴います。 好景気でインフレ状況ならば大変結構な策ですが、景気が良くない欧州や、景気が良くない上にデフレの日本では緊縮財政策は自殺行為です。 また景気悪化を介して税収を減らしますので、緊縮財政策を介して財政再建をなしえた政府はない、といわれるゆえんです。
表2 収入増加策(その1税収増)
何らかの方法での増税策、昨今話題の消費税増税の効果。
比較のために何らかの原因での好景気の影響も記載した。
表2は増税による政府収入増加策です。仮に、何らかの方法で増税したとすれば、その分を4.国債費に回すことができます。ただ、プライマリーバランスは一旦は改善するしょうが、増税で民間のマネーを吸い上げるのですから、景気が悪化し、税収が下がるので、増税の効果を継続するためには、それ以上に好景気が続かなければ持続性がありません。 なお、消費税増税は、財務省ウェブサイトでも確認できますが、トータルでは税収減少要因です。
デフレ日本で消費税を上げると、税収が減る上に景気が悪化し、プライマリーバランスの悪化が加速し国債破綻不安は加速するでしょう。
また仮に、何らかの要因で好景気になったとすれば、税収が増える分、4.国債費に振り向けることができます。 日本でも小泉首相の時代には好景気により税収が増え、プライマリーバランスが改善していましたね。 ただ小泉改革では、日銀のデフレ政策をやめさせずに雇用流動化策をとったために、非正規雇用が促進されてしまいました。 小泉改革では、見かけ上「好景気」による税収増は、デフレ下にあるためサラリーマン給与が減り続ける中での企業増益でした。結局、家計(労働者)→企業→政府というルートでのマネー吸い上げでしたから、「実感なき景気回復」というのもうなずけます。
表3 収入増加策(その2 国債・通貨発行)
新規国債発行でプライマリーバランス改善ができるのか、国債増発で
財政政策を実施したら効果、通貨増発の効果をみた。
表3ではその他の方法によるプライマリーバランス改善策を見てみましょう。 まず新規国債発行でプライマリーバランスの改善が可能かどうかを考えて見ます。プライマリーバランス自身が国債費−新規国債発行高ですので、新規国債発行により、国債費を賄うというのはちょっと考えても無理です。
では、この新規国債をまず公共投資などの財政政策に使って、景気浮揚による税収増を介してプライマリーバランスを改善しようとすればどうなるでしょうか。これは、小渕政権などで繰り返し実施された建設国債による公共投資そのものであり、先に増発された国債増加より、税収増による国債費増加は小さく、プライマリーバランスは却って悪化させます。 「乗数効果があるので、建設国債による公共投資はプライマリーバランスを改善させるはず」という考え方は、10数年まえまで、日本政府の主流的考え方だったかもしれません。 ここはサルでもわかるように説明は困難ですが、発行された国債の全額が税収で回収されるとは考えられない上、建設国債も償還時期には返済せざるを得ず、返済時点では乗数効果は負であることを考えると、国債発行による財政政策はプライマリーバランスを悪化させることは不思議でも何でもないと思います。
さて、最後が通貨発行です。表1〜表3の3.通貨発行を見ていただくと、表3の最後以外は0つまり、中央銀行も政府自身も通貨を発行しないという前提でここまで話を進めてきました。しかし、もし政府が発行した国債を中央銀行が直接引き受けて紙幣を発行するにしても、政府自身が政府紙幣を発行するにしても、この発行した通貨を直接4.国債費に振り向けることが可能です。このような国家の通貨発行権こそが国家と企業や家計との最大の違いでしょう。政府または日銀からのマネーにより、プライマリーバランスは直接改善できます。 税収から国債費に回さねばならない部分が減るのですから、マネーが民間に残り間接的に景気を改善する効果も期待できます。
こうして表1〜表3と分析してみると、次のような結論に至ります。
デフレ日本での支出抑制策はもってのほかであり、増収策の中でも税収増を先行させても持続的にプライマリーバランスの改善は期待できません。ましてやデフレ下での消費税増税は、税収全体を減らすことは財務省ウェブサイトでも確認される事実ですから、国民経済を縮め、かつプライマリーバランスの悪化を加速する愚策中の愚策です。 国債を発行し、市中消化して財政出動しても、国債が積み上がるだけです。
デフレ日本で意味があるのは通貨を発行し、これで国債費を賄うことです。
筆者としましては、国債のバランスを中心に国の経済を考えるのはいかがなものかと考えています。
国債の日銀直接引受や、政府紙幣の日銀両替で政府がマネーを獲得したら、それを直接に国債費として使うよりも、公共投資・減税や補助金その他で民間にマネーを流せば、好況にもなるでしょうし、デフレ脱却もできます。 好況になれば税収が増えるのですから、自然にプライマリーバランスが改善します。
いずれにしましても、デフレ国の為政者としては、国の財源として税収・国債のほかに紙幣発行があることを知らなければ、「出口のない国債危機」からの脱出は不可能でしょう。
shavetail1
abz2010さま
> シニョレッジファイナンスで「日本国債の不安」を取り除けるってこと??
そうです、以上。 で済ますのも味わいがないので、ちょっと言葉を足しましょう。 (でないと、岩本康志センセ辺りにも叱られそうですし)
ここで私が使っているアプローチ法は、MECE(mutually exclusive, collectively exhaustive)と呼ばれるもので、それをマクロ経済に使ってみました。 日本の国家財政を収入という切り口で捉えれば税収・公債(国債)・シニョレッジの3種で、それ以上でも以下でもなく、支出という切り口で捉えれば国債費・家計(公務員)・家計(年金)・その他の政府支出という4種で全て、というくくり方が可能でしょう。 これら収入(3種)を増やすか、国債費以外の支出(3種)を減らせば国債費、つまり借金の返済に回せる部分が増えるでしょう。 表1〜表3は、再びMECEアプローチを用いて、国家財政の収支要素(3+4種)のうち、国債費以外の6種を順番に国債費が増えるように1要素ずつ動かす、という思考実験をしています。すると、デフレの日本では、唯一シニョレッジファイナンスだけが継続的にプライマリーバランスを改善し得ることが分かる、というのがこのエントリーの結論です。
shavetail1
perfectspellさま
>通貨発行による解決。インフレで反映される。消費税なら何%上昇と前もって数字が出るが、"?%"上昇と不安定化しただけ。/てか財政マネタイズだよね
このエントリーを殆ど読まずにコメントを書いているんですかね?
このエントリーの主題は、プライマリーバランスの改善で、消費税は、財務省ウェブサイトに記載の通り、消費税単独では税収が増えても、税収全体では税収減を招きます。 財源が減るだけですから、プライマリーバランスを悪化させます。
あなたの論点は物価が上がるかどうかにあるようですが、消費税増税で、確かに物価は見かけ上は上がりますが、民間からマネーを吸い上げるためGDPデフレータを下げるデフレ要因です。
財政マネタイズか、と言う問いには、Yes, so what?とお答えしておきましょう。
ななみのゆう
こんにちは、プライマリーバランスの黒字とは、政府一般会計において、「歳入−新規国債発行」と「歳出−国債費」との関係において、>0であることでよろしいでしょうか。
shavetail1
ななみのゆうさま
>プライマリーバランスの黒字とは、政府一般会計において、「歳入−新規国債発行」と「歳出−国債費」との関係において、>0であることでよろしいでしょうか。
*1に書いたように、(予算側から見れば)仰るとおりです。国債側に注目すれば 国債費−新規国債発行額 ですね。 図示すると一目瞭然ですが 歳入=歳出 ですから、同じことですね。
abz2010
>このエントリーの主題は、プライマリーバランスの改善
確かにおおっぴらにシニョレッジファイナンス、或いは財政マネタイズ、をやれば数字上のプライマリーバランスは改善、もっと言えば解消、できます。
しかし、経済自体はめちゃくちゃになります。 それはインフレ・デフレ関係ありません。 インフレ・デフレは経済システムが保たれた上で均衡的に価格水準が遷移している状態ですが、財政マネタイズをあまりおおっぴらにやりだせばシステム自体が破綻して大きな混乱がもたらされることになります。
要はプライマリーバランスの改善は財政再建への必要条件の一つではありますが、必要十分条件ではないわけで、どのような手段を用いてもプライマリーバランスだけ達成すれば財政再建できるというわけでは無いという事です。
だからこそ実質的には財政マネタイズに近いことをやっているように見える各国中央銀行の総裁はことあるごとに、「これは財政マネタイズではないですよ」と主張しているのです。
>消費税は、財務省ウェブサイトに記載の通り、消費税単独では税収が増えても、税収全体では税収減を招きます。 財源が減るだけですから、プライマリーバランスを悪化させます。
よく聞く話ですが、なにか定量的な根拠があるのでしょうか?? 財務省のウェブサイト???
イギリスは間違いなく日本以上の不況下で消費税増税を、しかも2年続けて行ない、景気は悪いままですが少なくともプライマリーバランスは改善しました。 その他の欧州諸国もその後を追っています。
確かに実際には増税を行なっても自力で財政破綻を回避できない国もでてくる可能性は高いですが、そのような国が財政再建を無視すれば、より急激に財政破綻へ突き進むでしょう。そして他の国もそんな国は助けたいとは思わないでしょう。
そういった実質的に既に破綻している国はともかく、そうで無い国においてはイギリスがやったような増税による歳入増加と社会保障削減による歳出のカットは財政再建への王道と考えられており、そういうコンセンサスがあるがゆえに国債市場もそういった行為にはポジティブに反応し、財政破綻をより遠ざけることができることになります。
もし本当に財政マネタイズ以外に財政再建が成し遂げられないのであれば、既にその国は半分破綻しているようなもので、国債金利が低かったりしているのは大いなる錯覚によるものということになりますが、国債市場がこれだけ大規模に勘違いをしているという可能性よりは、「財政マネタイズ以外に財政再建が成し遂げられない」という考えが間違っている可能性のほうが高いのではないでしょうか?
ななみのゆう
判りました。確かに、国債費(償還費+利払い費)−新規国債発行額>0ならば、プライマリーバランスでは黒字の筈です。しかし、新規国債発行額は存在しますので、その額だけ累積国債残高は増加していきます。
shavetail1
abz2010 さま
>財政マネタイズをあまりおおっぴらにやりだせば
それはそうです。財政マネタイズをやり過ぎればインフレは行き過ぎるでしょう。 しかし、財政マネタイズをした瞬間、インフレが行き過ぎる、というのは事実でしょうか?
ことしの3月、米国カンザス・シティ連銀総裁は、次のように述べたと報道されています。(3月2日 ブルームバーグ) ”米カンザスシティー連銀のホーニグ総裁は、米連邦準備制度理事会(FRB)の米国債購入計画は「債務のマネタイズ(貨幣化)に相当する」と指摘”、と。しかしその後2ヶ月米国が制御不能の経済状態に陥っているとは思えません。
税収にしても取り過ぎればおかしくなるし、国債も刷りすぎればおかしくなるように、シニョリッジも頼りすぎればおかしくなるのは当然です。 ただ、いまでも国債を日銀が10兆円以上毎年直接購入しているのに、シニョリッジそのものが経済破綻に直結的なお話は如何なものかと。
>よく聞く話ですが、なにか定量的な根拠があるのでしょうか?? 財務省のウェブサイト???
たとえば、以下のウェブサイトを見てみましょう。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/011.htm
H8年、消費税+法人税+所得税でみると、合計40兆円だったものが、消費税増税のH9年こそ、42兆円となりました。ただ、所得税+法人税は既に1兆円減っていますが。
それがH14年には合計34兆円、H23年には合計32兆円とトレンドは右肩下がりだということを指しています。
>イギリスは間違いなく日本以上の不況下で消費税増税を、しかも2年続けて行ない、景気は悪いままですが少なくともプライマリーバランスは改善しました。 その他の欧州諸国もその後を追っています。
英国はインフレ目標政策を掲げていますが、消費税増税の年には、敢えてインフレ目標上限を外れることを厭わないといっています。消費税がデフレ要因だということを理解して中央銀行がマネー供給をやっているのでしょう。日本銀行はいまだに経済状態によらずCPI=0%を維持するデフレ目標政策ですから、これで消費税増税をすれば自殺行為だといっています。 日本の現状はデフレであり、CPI=2%程度のマイルドインフレを維持している英国とは全く違います。
何度も例に出して恐縮ですが、高橋是清も、徳川吉宗も、ローマ帝国でもデフレは財政マネタイズで解消しています。
経済史上、緊縮財政でデフレを脱却した事例があったら教えていただきたいところです。
shavetail1
ななみのゆうさま
国債費(償還費+利払い費)−新規国債発行額>0
という状態とは
借金返済−新規借金>0 という状態ですから、借金は減ります。
ななみのゆう
>>借金返済−新規借金>0 という状態ですから、借金は減ります。
ところがこの状態でも新規に国債発行をしているわけですから、その額分だけ国債は増えます。
「プライマリーバランスが0」というのは基礎的財政収支額においては新規に借金しませんよということですから、今までの累積国債残高に対する利払い分だけは増え続けることを意味します。
shavetail1
>>借金返済−新規借金>0 という状態ですから、借金は減ります。
ところがこの状態でも新規に国債発行をしているわけですから、その額分だけ国債は増えます。
「プライマリーバランスが0」というのは基礎的財政収支額においては新規に借金しませんよということですから、今までの累積国債残高に対する利払い分だけは増え続けることを意味します。
ご指摘ありがとうございます。仰るとおりで、以下のように訂正させてください。
>>借金返済−新規借金>0 という状態ですから、(☓借金)◯借金の元本は減ります。
abz2010
>財政マネタイズをした瞬間、インフレが行き過ぎる、というのは事実でしょうか?
財政マネタイズの規模によるのでは? 日本が財政再建できるほどのマネタイズを瞬間的に行なえばめちゃくちゃになると思います。 で、影響が出ない程度にやるなら、それだけでは財政再建には足りないでしょう。
むしろ日銀も既に財政マネタイズに近いことをやってると思いますよ。 もちろんそう思わせないことに細心の注意を払いながらですが。
財政マネタイズは規模もさることながら、それを行ないかねないと思われること自身がリスクであり、「財政マネタイズ? Yes, so what?」なんて態度を見せれば一発でアウトだと思いますよ。 だからこそ日銀だけでなくFRBもECBもそう見られないことに細心の注意を払っているわけです。
ちなみに
>>借金返済−新規借金>0 という状態ですから、(☓借金)◯借金の元本は減ります。
サラ金で借りたお金(例えば100万円)の返済を100円だけ自分で払って残りを他のサラ金で借りて返したら「借金返済>新規借金」になりますが、それで借金の元本は減ると思いますか?
ななみのゆう
shavetail1 さま、おはようございます。
>>これで消費税増税をすれば自殺行為だといっています。
>>高橋是清も、徳川吉宗も、ローマ帝国でもデフレは財政マネタイズで解消しています。
この部分は仰るとおりに同意出来ます。
abz2010 さま
>> しかし、経済自体はめちゃくちゃになります。 それはインフレ・デフレ関係ありません。 インフレ・デフレは経済システムが保たれた上で均衡的に価格水準が遷移している状態ですが、財政マネタイズをあまりおおっぴらにやりだせばシステム自体が破綻して大きな混乱がもたらされることになります。
これは資本逃避のことを仰っておられますか?それとも他の事項ですか?
上記おっしゃるとおりです。
shavetail1
abz2010 さま
中央銀行の保守度?は日銀>ECB>FRBということには同意されると思います。 FRBは上記のカンザス・シティ連銀総裁発言にもあるように、(行間には批判的意味合いはあっても)既にマネタイズが始まっている、ということを明言しています。 ECBは財政マネタイズに消極的ですね。 ただ、日本はデフレという「財源」があるのですから、欧米とは全くことなります。 現在休眠している設備や失業者がいてなおかつデフレですから、中央銀行は声を大にして財政マネタイズを進めればいいのです。そうすれば、現在銀行に大量に眠る老人マネーも活性化されます。これまで財政マネタイズが問題だった局面とは、インフレであったり、あるいは戦費など国民生活に無関係な浪費にマネタイズされたマネーが回されたり、でしょう。
それらに対して、デフレ日本で、財政マネタイズされたマネーを直接国民にヘリマネするなり国債費に充てるなりする分には、国民生活は向上するでしょう。
ただし、インフレに転換すれば、高橋是清が日銀引受け国債を市中に9割まで放出消化したように、「正常化」が必要になるでしょうね。
abz2010
ななみのゆう様
財政マネタイズをどの規模でやるかにもよると思いますが、どこかで悪い方向へと転がり始めて止まらなくなれば、たしかに「資本の海外逃避」はめちゃくちゃになるまでの”過程”のどこかで起こることになると思います。
ただ「資本の海外逃避」と言っても、所得税の増税等で議論になる「金持ちが海外に資産を移す」というものとは少し違うものになると思います。
説明しづらいですが、通常の状況で誰かが資産を海外に移した分だけ円安になるというのであれば「国富」的にはその配分の中で外貨建ての部分が増えるでしょうが、総額はそれほど急激には変わらないと思います。
一方でめちゃくちゃになる過程で起こるのは、秩序だった「資本の海外逃避」というよりはパニック的に円(と国債)が投げ売られる事で起こる国富の崩壊的な縮小であり、本質は「資本の海外逃避」ではなく「資本の消滅」という事になると思います。
もちろん長期的には混乱を経ていずれかは落ち着きを取り戻すことになるでしょうし、混乱の時期はそう長くは無いかもしれません。 しかし、多くの人々が必要の無い混乱と苦痛を味わうことになるでしょうし、終わった後には(ストック的には)かなりの人が以前より貧しくなっているでしょう。
まあそうなれば民間の資産が現在価値で1000兆円分(国債残高分)ほど消し飛ぶ代わりに国の借金もそれだけ無くなるわけで現状に不満を抱く人にとってはある種の「リセット」としては必ずしも最悪の結果ではないのかもしれませんし、そういう意味で「駄目もとで財政マネタイズやってやろうじゃないか!」みたいな意見なのであれば賛同はしないまでも必ずしも否定するものでもないのですが、
ちなみにリスクを厭わないというのであれば、財政マネタイズの真意を隠しつつ日銀が国債保有金額をそ知らぬ顔で増やし続けるのはある種のギャンブルとしては面白い可能性はあるとは思います。 まあ中銀が本来あるべき姿からはかけ離れていますが、、
abz2010
shavetail1様
国債の購入=財政マネタイズという意味ではFRBも日銀も実際の所さほど変わらないのでは? 日銀は国債残高の10%弱、FRBは10%強を保有しており、若干FRBの方が多いですが大きくは変わりません。 FRBは途中からツィストオペで国債の総額を増やすのを抑制していますし、
ECBはやはりユーロの性質上財政マネタイズをおおぴらにやる事には反対意見が強いのでしょうが、それでもLTROなんてのは裏口財政マネタイズじゃないかという批判は強いですよね。
そういう意味では上にも書いたとおりFRBもECBも日銀も多かれ少なかれ実質的には財政マネタイズに手を染めているという事になるのではないでしょうか? もっとも3者とも財政マネタイズに見られない事に細心の注意を払っていますが、
ちなみに日本はデフレだから財政マネタイズに強いというのは微妙かと思います。
そもそも財政マネタイズのリスクが漸進的なインフレを引き起こすというだけであれば、それほど拒否反応を示す必要は無いかもしれません。 インフレが2%から5%、或いは6%になっても生活は苦しくなりますが、別に壊滅的ななにかが一気に起こるわけではありません。 むしろ財政マネタイズを語る際に恐れられている本当のリスクは国債金利の上昇に端を発するもので、そういった意味ではデフレかインフレかは大きな違いではないと思います。
よってあえて比較するならむしろ潜在的経済成長率が相対的に高く、基軸通貨を握っていて、中国などの潜在的な国債需要者がいる米国の方が財政マネタイズにははるかに強いと思います。
shavetail1
abz2010 さま
おっしゃることに殆ど違和感はありません。
ただ1点、デフレが財政マネタイズに中立的という点はどうでしょう? 歴史的に見て、デフレで財政マネタイズをした事例はおおいでしょうが、それで景気回復もしていないうちに、金利が上がりすぎた、といった事例をご存知でしょうか?
abz2010
デフレ下ということであれば限定されますが、需給ギャップが存在する(=不況下・高失業率下)中で財政マネタイズをしてギャップが埋まる前に金利が上昇した例なら幾らでもあるんでは無いでしょうか? (というか需給ギャップが完全に埋まっているのに国債金利が高騰した例の方がむしろ稀有でしょう。)
ちなみにshavetail1様が例として挙げられたローマ、吉宗、石橋湛山の例についてはローマ、吉宗のケースは典型的な基軸通貨を当局が握っていた例、石橋湛山のケースは財政マネタイズというより公共投資を含めた積極財政が功を奏した例と私は理解しています。 (そもそもデフレの原因自体も違うと私は思いますが、)
日本は基軸通貨を握っているわけでは無いのでローマ、吉宗の例は当たらず、かといって公共投資が功を奏するような状況でもないでしょう。 公共投資は十分なリターンが期待できるなら必ずしも財政へのマイナス評価には直結しない(故に建設国債と赤字国債は違う)とは思いますが、既に日本でそのような割のいい公共投資機会がたくさんあるとは思いません。
ただ、一方でデフレ下であれば財政マネタイズをやっても大丈夫と多くの人が信じているなら、チャンスがゼロでもないとは思います。 そもそもどこまでやれば破綻するかといった線引きが本質的にできないような話でもあるので、まだ破綻していない限り、もう少し無茶をしても大丈夫な可能性は常にあります。 ただ、やればやるほど破綻に近づく上、破綻したら最後、ちょっとやそっとの対応では処理しきれない可能性が高いので、個人的にはチャレンジしないほうが良いとは思いますが。
shavetail1
abz2010 さま
ローマや吉宗が基軸通貨を握っていたというのは初耳です。
普通には基軸通貨というのは国際為替市場で中心に扱われる通貨のことでしょう。 日本両が基軸通貨なら、当時の1米ドルは何両に相当していたんでしょう? 基軸通貨だったことがあるのは現在の米ドルと、英ポンド位でしょう。
それから私のブログで、石橋湛山を扱ったことは一度もありません。 あの人は戦後の政治家です。 私が繰り返し取り上げているのは、1930年前後というデータもある大恐慌後の時期にデフレを脱却した高橋是清の「高橋財政」です。 あれこそ財政マネタイズでしょう。もしあれが財政マネタイズではない、というのなら、私の主張全体も財政マネタイズの話ではなくなりますが?
abz2010
なるほど基軸通貨というのはおかしいですね。訂正します。
意図としてはローマの貨幣は強大国家の貨幣としての通用力を持っていたでしょうし、一方で吉宗については鎖国していたが故に、国内では唯一無二の貨幣であったわけで、信用が無くなればすぐに他の通貨に乗り換えられてしまうようなポジションではなかったと言う意味です。(そもそも金貨・銀貨であれば改鋳してもその品質相当の価値は残りますから、現在の貨幣とは訳が違うと思いますが)
高橋財政は確かにマネタイズ的な意味合いが強いですが、資本流出規制を同時に行っていたことに留意する必要が在ります。 円が信用を失って他の通貨に乗り換えられてしまう危険性を理解していたからこそこういう政策を取ったのだと思いますが、現在同様のことを行うのは難しいでしょう。
shavetail1
abz2010 さま
知的資産創造という雑誌の2005年7月号に、富田俊基氏という方が高橋財政の国債日銀直接引き受けについて「売りオペを前提とする国債引受け」という一節を設けて、高橋財政は元々日銀が国債を持ちっぱなしではなく、市場で消化することを前提として国債を引受けさせた、と論じています。 富田俊基氏は残念ながら財務省に取り込まれているためにその事実を日銀の妥協と捉えて述べていますが、 私は市場から国債を買うより、政府から直接買った方がデフレ脱却に資すると高橋是清は考え、実際デフレを短期間で脱却したので、予定通り日銀の国債を市場売却したのだと思います。
この文献はネットでも読めますよ。
2012-05-03 サルでもわかる水と金の価値の違い

今日は 「価値」というものについて検討してみたいと思います。
水を飲めばおいしい、リンゴも食べればおいしい。これらはサルでも十分わかる価値です。
これらは生物的な価値といえるでしょう。*1は、少し考えればわかるようにそのもの自身に固有ではなく、その個体の主観であり、また喉が渇いた時の水と喉が潤った後での水でも生物学的な価値は変わるでしょう。*2
では金やダイヤの価値はどうでしょうか。
金・ダイヤは共に美しいですね。 また希少性もあります。
しかし、精巧な贋金(キン)、贋ダイヤはどうでしょうか。美しさでは区別がつかないからこそ精巧な贋、ですが、それらを贋だと知った途端、(主観的なものである)価値は下がります。
考えてみると金などの貴金属の価値は、リンゴなどの価値と比べるとちょっと不思議で、美しい・永遠に錆びない・希少であるといっても、これらのうち生物としてのヒトにとって意味があるのは美しさ位でしょうか。
言っている意味がわかりづらいと思いますので、ちょっと思考実験をしましょう。
オアシスから砂漠を歩き始めた旅人がいて、そこに天使が舞い降り、「水1キロと金1キロ。欲しいほうを差し上げましょう。」といったとしましょう。
ラクダに水タンクを積んでいる旅人はいちもにもなく金1キロを欲しがるでしょう。 ところが、旅人がオアシスを離れ広大な砂漠のど真ん中まで来て喉がからからになったところで、手違いで空の水タンクしかラクダに積んでいないことを知った時、旅人の前に同じ天使が舞い降り、「水1キロと金1キロ。欲しいほうを差し上げましょう。」と再び問えば今度は水1キロを欲しがるかもしれません。 つまり、金はオアシスのバザールにある商品と交換できる場合には価値が高いが、交換の相手が水しかない(あるいは水さえもない)状況では、金の価値は大幅に減少します。
水と金の価値は、水が少ないときに水の生物学的価値が上がるだけで、金の価値は不変、という考え方もあるでしょう。 しかし大量の水と金しかない世界、あるいは大量の麦と金しかないを想定してみると、それらの世界では金といえどもふんだんにある1種の財としか交換できないのですから、例えば簡単に得られる麦を少量の金を交換したとしても、その金は努力しても簡単に得られる更に大量の麦と交換するのがせいぜいですから、それらの世界での金の価値とは集めて輝きを見て楽しむという以上のものではないと思えます。
こう考えてくると、「金の価値」とはわずかな生物的価値(うつくしさ)もあるものの、それとは全く別の、水やパンなど他の商品との交換が可能である価値、いわば交換可能性が金の価値の大半といえるのではないでしょうか。
交換の相手がなくなると自らの価値が消失する。これが交換媒体、つまり貨幣としての金の価値です。
金銀といった貴金属がなぜ貨幣として人々の間を流通していくのか、といえば、人々の間で、金銀は多くの労力やノウハウなどを投じなければ採れないことが事実として共有されているからです。
それを裏付けるのは、たとえば新大陸の銀です。
1545年にボリビアのポトシ銀山が、ヨーロッパ人より発見され、原住民インディオやアフリカからつれてきた奴隷の強制労働のもと、大量の銀をヨーロッパに持ち込まれました。それまで欧州ではドイツのボヘミア・ザクセン・マイセン地方が銀生産の三大中心でしたが、新大陸から大量の銀が入ってくることがわかると、銀価格は暴落しました。
銀自身をヨーロッパ人の生産力というモノサシで測ると価値が減じてしまったからです。
希少性についていえば、下のコラムのように、プラチナは金(キン)よりも大変希少な貴金属ですが、最近しばらく金よりプラチナが安い状況が続いています。 もっと極端な例で言えば、オバマ大統領の耳垢は、年数グラム取れるかどうか、地球全体での可採埋蔵量1キロにも満たないですが、全く無価値です。
金・プラチナの価格推移(青:NY金価格、赤:NYプラチナ価格)
金
金は有史以来、発掘された量は142,600トンで、オリンピック公式プール約3杯分相当しか存在しない希少性の高い資源です。また地中に残存する埋蔵量は、あと76,000トンしかないといわれています。工業用としても使われている金は近い将来、再利用して利用するしかなくなる時代が来るかもしれません。
プラチナ
プラチナは金以上に希少性の高い金属で、有史以来総生産量は、推定約4,165トンに過ぎず、これは一辺が6m四方の立方体の箱に納まる程度の大きさで、金の約1/34しか生産されてないことになります。
またプラチナは、遠い昔、地球に飛来した隕石によってもたらされたとの説が有力で、採掘量が限られています。今後プラチナは燃料電池など工業用の需要が増えてくる為、ますます希少性が高まると思われます。
現在の経済学者の多くは、財の量の変動により価格が変化し別の安定状態にシフトする、と考えますが、現代の商品市場を眺めても、例えば南米でエルニーニョ現象が起きたという情報が伝わった途端、商品の量が変化していないにもかかわらず、あるいは将来の商品量の変動を踏まえた金額以上に商品価格が暴騰することがしばしばあります。これは、エルニーニョ→天候不良予想→価格高騰というように、現実の財の量よりもその財を獲得するために必要な生産力、あるいはその予測が価格を決めているのだと思われます。
そこで筆者は、貨幣の価値の裏づけは、その貨幣と等価交換可能な生産力だと思うのです。
近代経済学の方からは、「へー、シェイブテイルってマルクス経済学論者か、遅れてるねー」って言われそうですが、マルクスは財の価値は投入した労働力で決定される、と上記と一見似た考え方ですが、決定的に違うのは、マルクスの価値のモノサシが、「誰が働いても1日当たり同じ価値の労働力」というものを仮定したため、1日働いて作ったトラクターよりも2日働いて作ったトラクターの方が高価、というような非効率をマルクス経済に内包してしまっていることで、上記の話とは「刷毛とハゲ」位に似て非なる価値観だと思います。
shavetail1
hahnela03 さま
ご指摘の内容は文面からは完全には分かりませんが、
もし 岩井克人氏流の、貨幣の循環論法、つまり「貨幣は流通していることによって貨幣である」ということであれば、私はちょっと違うのでは、と思っています。
現在のマネー、不換紙幣がマネーであるのは国家強制力を背景にしていて、国家権力がなくなると偽札に対する抑止力がありません。
ただ、偽札は出ないものとすれば、国家権力も必須ではないでしょう。この辺りが貨幣は貨幣だから貨幣、という考え方が生まれる素地なのでしょう。 しかし貨幣が貨幣と思っている人々は暗黙にその貨幣が流通している地域・国に十分な商品(生産力の果実)があることを知っているから、安心して受け取り、使うのだと思います。
2012-05-02 サルでも分かる、増える自殺と財務省日銀の関係

「自殺考えたことがある」4人に1人 20〜50代、内閣府調査 日経2012/5/2 5:00
内閣府は2日、自殺に関する成人の意識調査の結果を公表した。「自殺したいと思ったことがある」と答えた人は23.4%に達し、2008年の前回調査より4.3ポイント上昇した。年齢別にみると、50代以下は4人に1人が自殺を考えた経験を持っており、20代は28.4%と最も多かった。若年層を中心に近年の自殺を取り巻く厳しい現状が浮き彫りになった。
調査は1月12〜29日に全国の成人男女3000人を対象に実施。2017人から回答を得た。
自殺を考えた経験のある人にどう乗り越えたかを複数回答で聞いたところ「家族や友人、職場の同僚に悩みを聞いてもらった」が最多の38.8%。次いで「趣味や仕事で気を紛らわせるよう努めた」が38.6%だった。身近な人や環境が自殺を思いとどまらせていることが明らかになった。
身近な人の「うつ病のサイン」に気づいたら、病院へ相談することを勧める人は72.7%に上ったが、自分自身の「うつ病のサイン」に気づいて病院へ行くと思う人は51.2%にとどまった。
うつになった場合の支障については「家族や友人に迷惑をかける」が67%で最も多く「職場の上司や同僚に迷惑をかける」(24.9%)が続いた。
この自殺、図1のように1998年以降3万人を下回ったことがありません。
日本の自殺者数推移
日本では自殺者が1998年(H10年)以来3万人台に増え、現在まで高止まりしている。
この自殺の増加について、増加する前年の1997年アジア通貨危機があったから、日本の景気が抑制され、という説明を自殺急増当時はよく聞かされていました。 しかし、15年も前の、既に皆が忘れかけているアジア通貨危機がいまだに日本の自殺を高止まりさせている、などという説明に説得力があるのでしょうか。
図2は、この自殺数と物価指標のGDPデフレータを、1982年(右下)から2008年までプロットしたものです。
図2 日本の自殺者数と物価(GDPデフレータ)の関係
物価がマイナスになると、自殺は高止まりする、という関係が見られる。
図2のように、GDPデフレータと自殺にはかなり強い相関が見られます。 GDPデフレータがマイナスとなると自殺数が増えるということです。
図3 世界で唯一日本だけ物価(GDPデフレータ)が下がり、同時に賃金も下げ続ける
出典 IMF World Economic database 2011
図3は、世界で物価が安定していると言われる諸国の物価変動です。日本では物価が安定しているなどと言いますが、それは消費者物価指数CPIで見た場合の話で、消費者物価は1−2%高めに出る癖があることが知られていて、実際に物価を正しく示すGDPデフレータは1998年以降マイナスが続いています。このように数年以上続くデフレは、戦後の世界で唯一日本だけです。
GDPデフレータのマイナスが続く理由は、その当時の経済事象を1997年に消費税増税があったことと関係があることは「サルでもわかるあなたの賃金が上がらない理由」に書いた通りです。
要約すれば、日本で賃金が下がり続けるのは、
転嫁できない消費税の増税→運転資金減→従業員の給料減・関係先会社の売上減→日銀が「下級財シフト」を無視して必要なマネーを吸い上げ→デフレ継続
というサイクルがぐるぐる回っている、ということです。
筆者は日本が自殺大国となったのは、物価をマイナスにコントロールし続ける日銀と、そのきっかけとなる消費税増税を主導した財務省の合わせ技によるものと思います。 野田首相が政治生命をかけてここで更に消費税増税を行ったら、自殺数がどこまで増えるか想像もつきません。
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「サルでもわかるあなたの賃金が上がらない理由」
現代日本でなぜ精神疾患が増えているのか
shavetail1
20代が自殺を考えたという理由には、三浦朱門氏らと文科省が主導したゆとり教育が原因のひとつとなっている「現代型うつ病」も関係しているでしょう。
shavetail1
stdalfoure様
ケインズは「人はみな、長期的には死んでいる」という有名な言葉を吐きました。 意味は…。調べたらすぐわかりますね。
shavetail1
allezvousさま、quabbinさま
私も擬似相関を知らないわけではありません。
ただ、私の思考法は、「当たらずとも遠からず」を繰り返し、最短手数で正解にたどり着くというもので、外れることを全く厭わない、というある意味(正解を求める文科省的思考では)どうしようもないものですが、今日の自殺問題と昨日のレーザー核融合、2週前の囲碁ソフトとモンテカルロ法の話、2ヶ月前の人類・貨幣進化論といった具合に、ばらばらの、専門外の話を並行して考えるには効率がいい方法でもあります。
というわけで、お二人に自殺-デフレが擬似相関である、もしくは自殺がふえたことと○○こそがじかに相関しているという事象があれば、是非ご教示をお願いします。
shavetail1
mangakoji さま
貴重な視点の提供ありがとうございます。
最近の15年間、自殺数が3万人を大きく超えている、という感じで専門家間で語られていたりするんでしょうか。 または逆に1997年以前の自殺者数が2万人程度、というのも違っていたりするんでしょうか。 具体的な数値ではなくても、ヒントとなる追加情報をお待ちしています。
そういえば、日本の失業者のカウント法が世界的には特異で、就業をあきらめた失業者はカウントされないとか聞きますね。
実際の日本の失業者はどれくらいいるもんでしょうかね。
(後半独り言です)
シント
>そういえば、日本の失業者のカウント法が世界的には特異で、就業をあきらめた失業者はカウントされないとか聞きますね。
実際の日本の失業者はどれくらいいるもんでしょうかね。
【月刊WiLL:2012年3月号】
http://web-wac.co.jp/magazine/will/201203_w
>■岩田規久男
デフレ・超円高の元凶は日銀だ
このコラムによれば、「就業をあきらめた失業者」(潜在的失業者)の数は、2011年11月15日の総務省発表によれば469万人と書かれてありました。
完全失業者に潜在的失業者を加えると、実質的な失業率は11%とか・・・。
shavetail1
allezvousさま
>物価指標って普通はインフレ率になるから、無理矢理GDPデフレータを物価と言い換えない方がいいと思うなあ。
「GDPデフレータ」って、物価指標でなければ何なんでしょう?
名前
人口の変化も人口の年齢構成の変化も考慮しない生の自殺者「数」を使っての解析はさすがにまずいでしょう。
人口の変化を考えるのは当然として、人口の年齢構成の変化も考える必要があることについては次の資料の23ページあたり。
http://www.ncnp.go.jp/nimh/pdf/kenkyu49_sp.pdf
これはがんの増減を考える場合と同様の注意点です。
http://www.mc.pref.osaka.jp/ocr/question/toukei_2_ageadjust.html
日本の場合は年齢調整に縮約しなくても男女別年齢階級別データが公開されているので、性・年齢階級別の自殺死亡率を使った方がいいのではないでしょうか。
データはこちらの11ページと13ページ。
http://ikiru.ncnp.go.jp/ikiru-hp/genjo/toukei/pdf/2011table2.pdf
shavetail1
名前さま
>人口の変化も人口の年齢構成の変化も考慮しない生の自殺者「数」を使っての解析はさすがにまずいでしょう。
「まずい」という意味合いがよく分かりません。
例えば統計でない場合、日本の人口が減ったは「まずく」、日本の人口は若年者で減ったは「いい」というのだとしたら、なにがまずいかわかりません。日本の人口は若年者だけでなく総人口でも減ってますでしょう?
この記事はもともと「現代日本でなぜ精神疾患が増えているのか」
http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20110709
として書いたものの再掲に近い記事です。
【うつ病・自殺が増えるルート】として
デフレ(日銀)、消費税アップ(財務省)→不況→うつ病(→)勤労者たちの自殺 という因果関係があるのではないか、という「作業仮説」が考えられるので、その仮説の真偽について検証したいというのが私の今の段階です。
年齢別死亡率を使えば、何が見えてくるのかをご教示ください。

> ネタ, これはひどい 消費増税の際に、法人税率、所得税率共に減税しただけの話。
それから、yas-malさま
>所得税と法人税はその時期に減税されてるからね。税収減って当たり前なの。税収減の原因が消費減税だって言うなら、内需が減ったというデータもあるはずだけど、見たことがない。
コメントありがとうございます。
確かに消費税増税と引き換えに減税がありましたね。でも毎年減税されているわけでもないのになぜ、右肩下がりなんでしょう?
平成9年を境に、外食産業や出版その他の産業規模がピークアウトしました。
http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20110720
また、サラリーマン給与もこの年にピークアウトして右肩下がりです。更にはGDPデフレータのピークもこの年でした。
http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20120502
減税や、この当時のアジア通貨危機を減収の原因とする説がありますが、当時の減税やアジア通貨危機を覚えている方が少数派になっている現在、なんでその影響が給与減などの形で出続けているのでしょう?
何故、税収減なのか?
その理由は、消費増税、法人減税、所得税累進率の勾配低下、労働派遣法などのために、分配、再分配が不適切となり、金融資産が偏在して言ったのではないか?実際の偏在については調べていませんが、如何でしょう?ただ、貯蓄ゼロ世帯が30%を超えたとのうわさもある現在、これはほぼ事実であろうかと思います。
税収減の理由は金融資産の偏在に求められそうです。
平成9年と言えばWidows98の発売時期ですね。
新たなイノベーションにより消費が米に逃れ、日本の収益減少に貢献したか・・・。
あるいはコンピュタ技術の発達しはじめの時期で、それ関連のあらゆる産業が増えて、外食産業や出版その他の産業規模が小さくなった。
情報技術の発展から、企業が中国等の安い国の人材に頼るようにななった。
平成元年はバブル弾ける場所で、銀行の投資、融資が緊縮していく、多くの企業の廃業と、割に合わないまでの投資ブームで実体経済との資産価値の乖離による、衰退の流れ。景気のピーク感。
そういうのモロもモロが作用していて、増税=税収が増えない とは結論できない。
試しに増税して、税収が増えなければ、減税の措置をするのが、合理的解釈
仰ることがよくわかりません。
ウインドウズ98が発売されたことと、現在の税収不足に何の関係があるのでしょうか?
増税で税収が増えないは、理屈というより、実績です。
GDPデフレータ(正しい物価)も97,8年頃ピークアウトし、サラリーマン給与も同じ時がピークです。
そして何より、増税を牽引した(財務省に牽引させられた?)橋本龍太郎氏本人が2001年の国会で、「私は97年から98年にかけて、緊縮財政をやり、国民に迷惑をかけた。私の友人も自殺した。本当に国民に申し訳なかった。これを深くお詫びしたい。」 と緊縮増税策の間違いを認めていますよ。
その根拠は何でしょう?
○○だから●●だ(と思う)、という話でなければ、YESともNOとも言いようがありません。
結果、今まで日本人が仕事で得てた収益は海外の物になり、その税収は海外のものになるし、貧困が増えて自殺者も増える。
それで、何で日本だけが世界で唯一デフレが15年ほど続いているんでしょう?
途上国に仕事を奪われるというのは、先進国なら日本だけでなくどこでも共通でしょうに。 でも他の先進国が98年頃からデフレになったり、自殺が増えたり、給料が減るようになったなんてことはないですよ。 どこの国でも給料は増えています。 マイルドインフレが普通ですから。
ヨーロッパの先進諸国は内陸部、そして海沿いでないが故に企業が安い国に人件費を求めて海外に会社を移転しても、貿易上のコストがかかって相殺してしまうから、産業の空洞化がやりにくい。
移動距離問題をクリアできそうな近場、中東でやりたくても治安の問題もあるので無理。
ロシアも同じであろうが、豊富な天然資源の輸出をメインにしてるので財政問題は日本とは違い楽観的で公共事業メインでもやっていける。
アメリカは、広大な土地を活かした農業や資源、あらゆる産業があるものの、全体の事業規模に比べると、日本より工業依存度はない。。
だから海外に工業が流出しても産業の空洞化のインパクトは日本よりも小さい。
また人件費の安い場所までは 日本が中国に依存するのと比べて距離があり、貿易コスト高で、ヨーロッパと同じく産業の空洞化起こりにくい。
シンガポールはアジア諸国とヨーロッパ区域の貿易の中継地区であり、海外には事業移転っできないだろう労働環境が日本の規模より相対的に多くある。
税が小さく、治安も良いので途上国より技術流出リスクが小さく、海外企業が事業移転するメリットがある。
金融システムが世界一で世界中の資本と人材が集まる。英語圏であり、地理的にも途上国から使える人材が集まりやすい。
日本は、世界で唯一、産業が空洞する要素が多くあって、貧困が生まれる要素がある。
だからデフレ化してる様に見える。