解錠師
「解錠師」を読了。期待してた以上にとっても良い話だった。少年時代に起きたとある事件がトラウマになり口がきけなくなった主人公が、ちょっとしたきっかけで解錠に才能を見いだし、その才能を利用したい人間達の思惑に巻き込まれる形で犯罪に手を貸すことになり…というあらすじ。実は犯罪サスペンスものって、小説でも漫画でも映画でもそれほど相性が良いほうじゃなくて、この本も一部で話題になってた*1ので手を出してみたものの、そこまで面白いことを期待してなかったので、途中からの盛り上がり方に夢中になってる自分にびっくりしたくらい。
やっぱりヒロインが登場してからの、主人公とヒロインとの交流の描き方が素晴らしいと思う。絵を通じた文通とかね。そこに至るまでも、やたらとリアルで臨場感のある解錠シーンの描写に、この本はただ者じゃない…と思わせる迫力があったんだけども、ヒロインと向き合う主人公と、悪人達と向き合う主人公と、まったく異なる温度感がこれまた見事にはまって、たいそうバランスが取れた作品になっていると思う。
あと読んでいて思ったのは、非常に映画向きなストーリーだなぁ…と。映画化決定という話題を目にした記憶がないのが不思議なくらいなんだけど、実際の所はどうなんでしょう。ストーリーは映画向きとは言え、主人公が口をきけないというハンデが、本では苦にはならないけど映像化の際はどうするのか、演出一つで単調にも退屈にもなりそうな分、まだ満足のいく脚色が出来ていないというところか。
既にKindle書籍になっているし、翻訳もとても読みやすいし、個人的には自信をもってお薦めできる一冊。是非とも手に取ってみて欲しいなぁ…。
- 作者: スティーヴ・ハミルトン,越前敏弥
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/08/01
- メディア: Kindle版
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日々ロック
なぜか3巻が発売されてから半年以上も積んだまま放置していたので、最近4巻が書店に並んでいるのも見ても「どうせ読まないし、もう売っちゃおうかなぁ…」などと、今思うととぼけたことを考えていたのだが…。
本日、もう読まない本や漫画をまとめて30冊くらい売ってこようという段になって、未読だった3巻を処分しちゃってもいいかどうかの最終チェックのつもりで軽く読み始めてみたところ。うん、俺は馬鹿かと。なぜこんなに面白い漫画を未読のまま売っちゃおうなんて考えに及んだのか。あぶないあぶない…。
もうね、本当に熱い。主人公がロックしてるシーンは、なぜなのか説明できないんだけど鳥肌が立ちそうなほど高揚してくる。今思うと、この感動は1巻や2巻を読んだ時にも感じたはずなのに、それを今まで忘れていたとは。本当に自分が信じられん。。
というわけで、処分するどころか、未購入だった最新刊もすぐさま購入。やばい、面白すぎる!
絵が地味すぎるのがね、この漫画の面白さを忘れかけていた原因な気もするけど、この絵だからこその不思議な高揚感と輝きがあるのも事実で、ホント損してるというかもったいないというか…。見かけでは気付きにくい、パワフルな面白さにあふれているので、未読の人はだまされたと思って是非とも一読していただきたい所存。
- 作者: 榎屋克優
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/10/19
- メディア: コミック
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- 作者: 榎屋克優
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- 作者: 榎屋克優
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