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shi3zの長文日記 RSSフィード Twitter

2008-04-29

RSSを使いすぎていたら最新情報に疎くなった 02:38

もちろん僕はRSSを使っています。

凄い使ってる。

購読フィード数は500近く、気を抜くとエントリ数が1000を超えるのもざら。特に海外のニュースサイトは移り変わりが早いので、あっとうまに未読が溜まります。

それ以外にも、たとえばミニブログシステムの構築*1のとき、たとえばFlashやiアプリ、他のWebサーバやJavaScriptなどと通信したいというとき、RSSを使うのが便利です。容赦なく便利。

RSSはある程度標準的な規格のため、いろいろな言語から使えるライブラリやノウハウが貯まっているし、デバッグしたくなったら既存のRSSリーダに食わせてみればいいところなど、仕事の面で利便性が高いのです。



とは言うものの、僕はRSSを使うようになってからめっきり情報に疎くなった気がするのでした。

おかしいですよね。

RSSを使って日に500以上のブログやニュースをチェックして、数千にも及ぶエントリを見ていたら、普通賢くなりそうじゃないですか。

情報通になりそうじゃないですか。

けど、どんどん情報に疎くなっていくんです。

RSSを見ていると、ニュースサイトを見なくなるんですね。

というか、ニュースサイトのRSSしか見なくなる。

するとどういうことが起きるか。

どのニュースが重要なのか判断できなくなるんです。

たとえばIT mediaで新しいiMacの登場を報じているのが今トップに出てるわけですが、この「新iMac登場」と、Twitterの「おなかすいた」が全く同一のフォント、同一の色、同一の環境で出てくる。下手するとまぜこぜになって出てくる訳で、「おなかすいた」と「新iMac登場」の重みはほぼ同一に見えてしまう訳です。

そしてこの「おなかすいた」を含む無数のエントリの大半というのは、僕にとってジャンク情報であることも少なくなく、たとえばjqueryでなにかをどうにかするハックというのはそれを使っていない僕にとってはほとんど無意味な情報ですがAjaxianのニュースには数多く登場します。

そうすると、次にRSSを絞ることにするわけですが、これがなかなか上手く行かない。

なんていうか、絞れるんだったら最初からRSSに登録しないんです。

絞れないからとりあえず抑えで登録してあるのに、絞れというのも無茶です。

しかし、どんどん新しくてどうでもいい情報がやってくる。

もちろん中にはとてつもなく重要な情報もあって、たとえばサンフランシスコで携帯Twitterをいじっていたら、増井俊之さんが「shi3zが近くにいるらしい」とつぶやいた情報は僕にとってはとてつもなく重要でした。他の人にとってはかなりどうでもいいことだろうけど、この発言がきっかけで増井さんのお宅にお邪魔して、いろいろ面白い話を聞かせてもらえたりできたわけで、Twitterに限らずこういうことがあるから捨てられない。

そして、これは全く機械的には処理不能な問題なのです。

僕が増井敏之さんに逢う可能性なんていうのは、出張時点では全く想定できてませんでしたし、コンピュータが僕の過去の発言から増井さんと僕に接点を自動的に見つけるのは不可能。

増井さんが電脳空間カウボーイズの熱烈なリスナーだったなんていうことを僕が知る訳もなく、普通ならそのままスルーして日本に戻ってきてもおかしくない状況なわけです。

つまりRSSは捨てられないけれども、みる時間が勿体ない。

それでいて、メールもRSSに負けず劣らず大量にやってきて、やっぱりその大半は「読まなければならないけど、読むと日が暮れてしまう」情報の大洪水ですから、基本的に読まなく、読めなくなってしまいます。

ホリエモンは「100億稼ぐメール術」のなかで、一日5000通のメールを読むと書いてありましたが、普通の人は5000通のメールを読んだらそれだけで一日が終わってしまいます。「これはうまい。絶品」とかブログに書いてるヒマなんてない。

で、結局どうするかというと、とりあえずRSSリーダーをクリックして、「未読を消化した気になる」わけです。

高校の頃、再テストがどんどん貯まって一定数を超えると、「再テストを全てクリアする自分」というのが想像できなくなりました。

毎朝テストがあって、80点未満は全て追試なのですが、そんなの、一定数を超えると物理的限界に達する訳です。

それでどういうわけか僕は再テストを200以上遺したまま卒業してしまいました。

あの高校の卒業認定基準には重大な欠陥があったとしか言いようの無い話ですが、御陰で僕は大学にも通えて、ときどきやり残した再テストのことを思い出しては「いったい、なんであんなものをやれと言われたんだろう」と遠い目になります。阿部先生、元気かな。

まあこの再テストと同じことがいまの僕にはメール、そしてRSSに関して起こっている訳です。

こんなことはもう少し前なら絶対に起きなかった。

4年くらい前、僕はネットというのがとてつもなく退屈な場所だと感じていました。

毎朝、ZAKZAKとimpress watchとZDNetを巡回して、知人のプログラマのブログを巡回して、ブログを書いて、またZAKZAKとimpress watchを・・・というループの繰り返し。

アメリカで一日ぼーっとする仕事(いわば職場警備員みたいな)をやっていたときは、誰も来ないがらんとしたオフィスでレイニア山を遠くに眺めつつ、ひがないちにち2ちゃんねるをひたすら見るだけ、という生活でした。その2ちゃんねるですから、自分の興味のあるスレッドはひとつかふたつしかなくて、「世の中ってなんでこんなにつまらないんだ」と思っていたのです。

RSS以降の世界というのは、僕にとっては「退屈より早く次のニュースがやってくる時代」でした。

でも次のニュースというのがまたどうでもいい。どうでもいいけどついつい見てしまう。その繰り返しで丸一日どころか何日も過ごせてしまう。

そして最後には見るのをやめて、なんだか「見た」という感じで見た気になって終えるのです。メールに至っては、「本当に重要なメールなら、相手から電話が来るなりするはずだし、僕のことを良く知っている相手なら、僕ではなくてアシスタントにメールをするだろう」と考えることにしています。事実、僕宛に直接来るメールは殆どないのです。

だからMacのmail.appには、「僕宛」というフォルダがあって、たまにそこだけ見ることがあります。

僕だけが宛名に入っているメールを選別すると、1/100もない。それでも見るヒマすらないということもありますが。

似たような話で、3ヶ月ほど前から、UEIの社内には戦略情報グループというのができて、ここはひたすら海外のニュースの中で人気のあるニュースを翻訳している部署があります。この部署は、ひたすら翻訳したら社内ブログにアップするだけという、きわめて贅沢な情報収集の部署なのですが、これはけっこう見応えがあります。

なぜかというと、人力で翻訳しているため、絶対数が少ない。

けれども、いちおうdiggredditなど、アメリカの人気ソーシャルクリップからニュースを拾ってくるのでハズレが殆どないんです。

GIGAZINEでは絶対とりあげないであろうネタなんかもたくさんあって、これはこれで見応えがある。なにより情報が少ないのがいい。


それで最近は、ニュースを読むために時折ZAKZAKやimpress watchのトップページにアクセスするようになりました。

すごい本末転倒。4年前に逆戻り。けど意外に心地よいのです。

けれどもこれが正しい姿なのかもしれません。

その手のトップページというのは、各雑誌社が「重要」と思ったニュースが前に来てますし、文字が大きくなっていたり、写真でサムネイルがついていたりと工夫されています。

時間がないときにはそっちのほうが便利だし、ノイズも少ない。

友達のブログだけチェックしてればあとはいいかな。

それが要するに昨日のエントリーで言いたかったことの片鱗です。

*1:弊社にはZEKE lifelog Coreというミニブログ構築ミドルウェアがあり、いろいろなサイトで利用していただいています