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shi3zの長文日記 RSSフィード Twitter

2008-06-10 iPhone!iPhone!

iPhoneを見て解った、Appleという会社の"本質を見抜く目" 23:12

iPhone、売れるか、売れないか、で言ったら、周囲の期待ほどは売れないと思っています。国内で20万〜50万台くらいではないでしょうか。それでも単体の端末としては大ヒットですが。

なぜそう思うかというと、iPhoneを買うということは、普通の人にとって捨てるべきものが多すぎる。

たとえばiPhoneにこれだけ熱狂している僕であっても、905シリーズを捨ててiPhoneのみで生活しろ、と言われると躊躇します。

iPhoneを携帯電話と考えるべきではありません。iPhoneはアナザーチョイスなのです。


とはいえ、これだけの完成度を誇る商品をわずか199ドルで全世界統一価格として販売できるアップルの凄さは言うまでもありませんが、iPhoneが偉大なのはルックスでも、機能でもありません。


「洗練」ということです。

「洗練」とは、文字通り余計な者を洗い流し、練り上げられた設計ということです。

iPhoneは「何を残して、何を捨てるべきか」を徹底的に追求された製品であると言うことができます。だからコピー&ペーストすらできない「コンピュータ」にこれだけの人々が熱狂するのです。

逆にいえば、これだけ洗練された商品を使いこなすには、その人のライフスタイル自体が洗練されていなければなりません。

しかし多くの人は、それほど洗練されたライフスタイルを送っているわけではないので、iPhoneの提供する世界観だけで生活できる人はむしろ稀でしょう。

iPhoneはW-ZERO3やD4、E-MONSTERと似た商品に見えますが、実は全く対極にある商品です。

なぜかUEIにはW-ZERO3のユーザが異常に多いのですが、彼らはW-ZERO3を電話兼PDAとして使っています。時にはノートPCそのものの機能を代替させようとすらします。

WindowsMobile搭載のW-ZERO3シリーズが進化してWindowsVista搭載のD4になったというのは、W-ZERO3的な世界観としては当然の帰結です。W-ZERO3は「小さなWindowsマシン」がメインなのです。


ではiPhoneとはなにか。iPhoneとは、「小さなMac」ではありません。「高機能なiPod」です。

だからiPhoneの持つ機能でデスクトップ、またはノート型Macと同じ仕事をしようという人は殆どいないはずです。

WindowsMobileがあくまでも「ポケットに入るウィンドウズ」を目指すのに対し、iPhoneは「ネットが使えるiPod」です。

WindowsMobileがあくまでもマルチタスクに拘る一報、iPhoneはバッサリとマルチタスクやバックグラウンドプロセスを切り捨てています。


僕が今回の発表のなかで最も注目したのは発売時期でも値段でもありません。

http://onosendai.jp/twitter/g.php?w=300&url=http%3A%2F%2Fgyazo.com%2Fae6903863adfbf491ffc1d28b6543f19.png


 「バックグラウンドプロセスはあり得ない。電池も食うし、プロセスの管理はまるでそれ自体がゲームのように複雑だ。必要なのは、プッシュノーティフィケーションサービスだ」


という言葉です。

痺れました。

今まで、あらゆるキャリアの担当者、あらゆる機会、あらゆる相手に言っても、殆ど理解されなかった、その概念を、携帯電話というマーケットに参入してわずか1年、しかも捨てられるものを全て捨て去ってiPhoneを洗練し続ける、あのiPhoneの開発チームから、まさか聞くことになるとは。


ケータイコンテンツの最大の特徴とは、ユーザ側から働きかけるのではなく、サービス側から働きかけることによってユーザの行動そのものを動的に変えて行くということです。


 中嶋聡さんによる解説

 Life is beautiful: まだまだ開拓の余地がある「釣りバカ気分」的なモバイル・ユーザー・エクスペリエンス


しかしこれを活用したサービスは、手前味噌だけれども、僕を含めて何人かしか作っていません。

それに、まだエンターテインメント的な使い方がメインで、実用的に使った人はほとんど居ません。

しかしこれこそがケータイの持つ最大の特徴であり、従来のコンピューティングには獲得できなかった巨大なフロンティアです。

iPhone2.0で、アップルはこれを実現するためのインフラを提供します。


http://gyazo.com/58b2d3fa917c0c90b93463efe158603e.png


プッシュ通知サービスそのものは、Androidにもありますし、ドコモのケータイにも一部入っています。しかし、あれだけバサバサといろいろなものを切り捨てているiPhoneという端末が、これは新たに特徴として追加した。

要するに、ケータイの本質とはなにか、本当に必要な機能とはなにかを考えた時に、プッシュノーティフィケーションは、「必要だ」と判断したわけです。

僕はこの事実を驚きをもって受け止めるとともに、あらためてAppleという会社の底力を感じました。

iPhone 3Gを見たファーストインプレッションはこんな感じでした。

UEIはiPhone向けアプリを今まで以上に積極的に開発していきたいと考えています。