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shi3zの長文日記 RSSフィード Twitter

2008-07-18

やってみて解った、AppStoreで勝負するための9の鉄則 13:22

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御陰さまでそこそこ順調なスタートを切ることが出来ましたが、実際にやってみて解ったことがいくつかあるので、これからやろうと思う皆様のためにもメモ

  • WWDCには絶対参加すべし

 WWDC(WorldWide Developers Conference)に参加しないと、そもそもAppStoreで勝負する前提として難しい。なにしろAppStoreの説明はWWDCでしか行われていない。従って参加した人にしかわからない情報が多過ぎる。WWDCに参加した人でないと絶対に手に入らないSDKの最新版を手に入れたり、膨大なAPIの使い方の解説などがなければ絶対にこのスピードでリリースすることは不可能だったと断言出来る。WWDCに参加していてすら、未だにAppStoreで商品を発売できていないベンダーが多いことを考えると、参加していない人はもっと苦しいのではないかと思う。今回参加出来なかった人は、次回は是が非でも参加すべきだろう。知人の会社は、半年以上前からiPhoneへの参入を表明していたにも関わらず、そもそもiTunesへのアプリの登録方法すら知らなかった。これくらいのスタートの差があったら、参加しないとダメだったろう。SoftbankなどのキャリアはWWDCなどには一切ノータッチなので、情報が降りてくるのを期待しても無駄である。

  • 納税番号(EIN)はできるだけ迅速に用意すべし

 AppStoreでモノを売るということは、ソフトウェアを輸出するということです。国際取引になるので、アメリカ国税局から納税者識別番号をもらわないといけません。電話で取得することができますが、ネイティブスピーカーの人でも聞き取りに苦労するようなものなのでFAXで取得するのが無難です。でもFAXだと発行されるまで数週間かかります。つまりすぐにでも取得すべきです。

  • 海外法務知識のある味方をつけるべし

 最大の障害は英語ではありません。英語が読める、かろうじて書ける、だけならあらゆるアメリカ人と英国人が該当します。しかし、中学生が六法全書を暗記していないのと同じように、単に「英語が読み書き出来る」だけの人が、複雑な法律や商習慣、アメリカ特有の法解釈などを理解しているわけがありません。W-8BENという書類にサインしなければならないのですが、ただサインするだけでは済まず、そこに何を書くべきかということをW-8BENの説明書類(A4で10ページくらいある)から読み解いて正しいことを書かないと行けません。ちょっと英語が読める程度では話にならないのです。

 僕は幸い、国際取引の経験豊富なネイティブスピーカーの友達(リチャード・ノースコット)が居たのでコト無きを得ましたが、自力でやるのは100%無理だったと思います。

AppStoreへ登録して実際に反映されるまではかなり時間がかかります。また、一度登録してからアップデートを書けようとしても、かなり時間がかかります。どのくらい時間がかかるかというと、我々はZeptoPadの発売日に新しいアップデートを発行したのですが、未だに審査中です。つまり軽く一週間くらいかかります。BREWみたいなものだと思えばいいでしょう。従って、できるだけ手元でデバッグしてから登録しないと大変なことになります。「アップデートはあとからでもできるんだ」という考えではダメでした。猛省中です。これはi-mode向け製品とは明らかに違うところです。

  • 価格設定はターゲット国にあわせるべし

AppStoreの価格設定は全世界共通です。ZeptoPadは$9.99、UEIpingは$0.99ですが、日本円にすると1200円と115円という非常に中途半端な値段になります。

しかしこんな事情はエンドユーザには関係ないので、ターゲットとする国の事情にあわせたほうがいいでしょう。ZeptoPadはアメリカ基準にあわせてみたのですが、間違って日本でも売れてしまいました。こういうこともあります。だいたい、$0.99と$9.99がボリュームゾーンです。

  • 説明文は8カ国語で用意すべし

日本向けだけが前提のサービスならともかく、デフォルトでワールドワイドなAppStoreでは、説明文が日本語だけでは通用しません。できるだけ世界各国で通用するような言葉であることが望ましいと思います。US英語、UK英語、フランス語、カナダフランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、日本語はカバーしたいところです。今はインターネットで翻訳をしてくれるサービス(だいたい日本語から8カ国語に翻訳して数十万円くらい)がありますからこれを利用するといいでしょう。

  • プレスリリースは現地語で直接打つだけでなく日本にも打つべし

日本のマスコミの方がまだiPhoneに関してはとりあげてくれやすいので、そこから外電として海外のメディアに載るケースも少なくありません。日本国内のメディア対策も馬鹿にしないでやることが重要だと思います。

  • ジェントルに徹するべし

ひとつ大ポカをやってしまったのが、勝ちを焦ってアプリ名の前にスペースを入れたりしてしまったこと。日本のi-modeサービスなどでは、50音順に並べた時に上位に来るように頭に記号や数字を付けるのは常識だったのですが、アメリカでは大変な非常識だったらしく、とてつもない反発を受けてしまいました。世界市場の洗礼を受けたと受け止めています。多いに反省し、ひとまず謝罪文をAppStoreに掲載しました。すると、今度はきちんとアプリを評価して下さる方が増えていき、少しずつですが信頼回復できてきているようです。iTunesStoreはいわばAmazonに2ちゃんねるがくっついているようなものなので、少しでもおかしなことをするとAppleが注意する前に社会的制裁を受けます。これには本当に驚きました。今思えば、ZeptoPadのユニークさに絶対の自信があったのだから、大人しくやっていれば必ず評価されたのにと思うと非常に残念です。要するに、ジェントルに商売しないと尊敬されないということです。これは肝に銘じたい。

  • 世界規模の広告媒体を有効利用すべし

Google Adwordsを使えばいとも簡単に世界各国のWebページへ広告を配信できます。まさに4畳半にいながらにして世界戦略を遂行出来るのです。既に全世界あわせて500万PVもの広告露出を行っています。そこからの成果は確実に返って来ているのです。しかもクリック報酬なので予算はそれほどかかりません。これを利用しない手はない。



ZeptoPadがいくら売れたかぜんぜんわからないのですが、少なくとも各国で上位にランクインしていることは事実なので、あとはWebへのアクセス数などから推定するしかありません。

しかし、クライアント様企業に対しても、iPhoneにおけるビジネスをする上でどんなことに気をつけるべきか、どんな手段を使えるかの情報提供をするための橋頭堡を確保できたかなと思っています。

UEIではiPhone事業に参入したいという企業様のご相談を受け付けております。

詳細は http://www.uei.co.jp/まで