Hatena::ブログ(Diary)

shi3zの長文日記 RSSフィード Twitter

2012-12-01

[]小さい会社で未来のデバイスを一緒に作ろう! UEIが2014年新卒募集開始! 13:01

https://fbcdn-sphotos-c-a.akamaihd.net/hphotos-ak-snc7/600317_10152006597135752_1876404205_n.jpg

 今日は就活生向けのエントリー。

 僕らが開発中のデバイス「enchant MOON」について、なぜこの時期に明らかにしたのか理由がある。

enchant.jsベースの新ハード「enchant MOON」、2013年春発売に向け開発中 | マイナビニュース

 

 それは、12月1日から、2014年度の新卒を募集するからだ。

 2014年、つまり今から1年半後には、UEIはデバイスを企画・設計・製造する会社になっているはずだ。


 だから、2014年の新卒の方々に向けて、「UEIはぼんやりソフトウェアをやっている会社です」と伝えたのでは実態と異なる事になる。


 そこで実は社員も存在すら知らなかった極秘プロジェクトだったのを、急遽公表することにしたというわけ。


 とはいえ、enchant MOONの詳細、それがいかなるものなのか、どんな形をしていて、どんな機能があるのかはまだ秘密のベールに包まれている。


 僕たちがなぜハードウェア事業を始めようと思ったのか。

 それはソフトウェア主導のハードウェア事業こそが、ソフトウェア企業の進むべき道だと信じていたからだ。


 そもそもソフトウェアとは何だろうか。

 とても狭い意味では、ソフトウェアとはハードウェアの上で動いている幻のようなものである。

 しかし少し広い意味で捉えれば、ソフトウェアとは人々の思想、意識、考え、そのものだ。


 日本のものづくり社会、手先が器用で勤勉であることだけが美徳とされた時代はもう終焉を迎えている。

 慢性的な円高は、もはや誰にも止められない。


 これから日本が輸出すべきなのは思想、意識、考えといったソフトウェアだと信じている。

 ハードウェアの生産は国内で行うよりもアジアの他の国々で行った方がより効率的で安価なものになる。日本人の大半が使っているPCや、携帯電話は、もう韓国や中国といった国々で生産されたものだ。


 我々はもうハイテク分野の製品に関しては選択してしまったのだ。

 例えば日本の大手メーカーから発売されているPCであっても、中身は台湾のメーカーが中国本土の工場で作ったものがほとんどだ。


 MacやiPhoneといったApple製品にはハッキリと「Made in China」と書かれている。

 ただし「Designed in California」とも書かれている。


 我々が目指すべきものはこれだ。

 我々は「Designed in Tokyo」のハードウェアを作って行く。


 製造そのものは、世界のどこで行われても構わない。

 ただしその思想、設計(design)、外観の根本だけは我が国日本の首都東京で作る。


 設計(design)こそがソフトウェアの本質であると思っているからだ。

 ソフトウェアを輸出できるようにならなければ、これからの日本は沈没していってしまう。


 今年、我が社は国際的企業を目指し、アメリカ合衆国カリフォルニア州に100%子会社を作る。

 独自にデザインしたハードウェアを持って世界最大の家電製品見本市であるラスベガスのInternational CESと、世界最大のモバイル製品見本市であるバルセロナのMobile World Congressに出展する。


 世界に殴り込みをかけるときに、なにを武器とするか、僕たちはガジェットを選んだ。

 ソフトウェア企業が手がける、確たる思想とデザインを持ったガジェットだ。



 僕は世界に冠たる企業となるためになにが必要なのか、数年にわたって海外のあらゆる都市を見て来た。とりわけ、北米は注意深く様々な都市を訪れた。


 すると解ったのは、世界中で成功した日本製品は、全てガジェットであったということだ。

 自動車でもウォークマンでもいい。カメラ、プレイステーション、もちろんファミコンゲームボーイ、Wiiもそうだ。


 全てガジェットなのだ。機械であり、「ハードウェア」なのだ。


 なぜならハードウェアだけが国籍や言語、文化と無関係に存在できる唯一の製品だからだ。

 僕はワサビが好きだが、アメリカ人には食べれない人もいる。馬刺も好きだが、アメリカのカウボーイにそんなものを食わせたら撃ち殺されるかもしれない。


 しかし、僕がひとたびカメラを取り出せば、誰もがその美しいデザインと性能にほれぼれする。

 ただカメラを首からぶら下げて持ち歩いているだけでいい。


 いろんな人が「いいカメラだね」と話しかけて来る。

 海外で日本製のPCを使っていると、驚くほど日本のPCが知られていないことがわかる。

 

 アメリカの量販店に並んでいるPCは、たいてい韓国製か台湾製だ。日本製のものなんかほとんどない。

 だから彼らは日本製のPCを見るとそのあまりのクールさに驚く。


 タクシーの運転手に「いますぐそれを売ってくれ」と言われた事もある。

 ガジェットは、存在するだけで圧倒的なパワーを秘めているのだ。


 ソフトウェアの良さを言葉やムービーで説明するのは凄く難しい。

 いくつか成功したこともある。


 僕たちの書いたiOS向けアプリは、AppleのCMにも採用されたし、北米のiTunesでバナーにもなった。

 世界中のAppleStoreに僕たちが作ったアプリのアイコン(とりわけロゴは僕自身が書いた文字だ)が飾られている。日本の小さな会社としては、ちょっと自慢できるかもしれない。


 だがそれだけだ。

 それが継続的に大きな収益を生み出すような仕組みになっていない。


 誰かのプラットフォームに乗り続ける限り、新しい進化を起こす事はできないのだ。

 もちろん僕らはなにか他のプラットフォームに対抗しようと思っている訳ではない。


 ただ、複数あるソフトウェアの表現手段のひとつとして、ハードウェアを選んだだけなのだ。

 これからもiOSやAndroid向けアプリの開発は続けて行くし、モバゲーのゲームだって作る。


 僕たちは無数にある選択肢のうちのひとつとして、独自のハードウェア、独自のソフトウェアパラダイムというものを掲示していく。これがほんの少しでもいい。市場に受け入れられたら、僕たちはハードウェアをきちんと事業として立ち上げて行く事が出来る。


 もちろん最初から完璧なものなど作る事はできない。

 我々のハードウェア、「enchant MOON」の最初のバージョンは、それほど大きな成功を得る事はないだろう。

 Apple LisaもMacintoshもそうだった。

 思想に実装が追いつかないことはよくあることなのだ。


 だが、僕らは自分たちの磨き上げたビジョンに絶対の自信を持っている。

 それを実現するために、僕たちは考えうる限り最良のスタッフを集めた。


 とりわけ重要だったのは、NTTドコモで長年OSの開発に関与していた濱津誠氏の招聘だった。

 ふつうに考えたら、スーパー大企業から1/1000以下の規模のこんなわけのわからない会社に転職してくるわけがない。


 けれども、濱津氏の招聘は、我々にとって非常に重要だった。

 僕からみたら、濱津氏の能力をNTTドコモは充分活用できていないように見えた。


 まず、日本の大企業というのはNTTドコモに限らないが、正社員が製品のソフトウェアを書く事が許されない場面が多い。


 正社員はあくまでも監督役であり、プログラムを書くのは下請けの仕事だからだ。

 だからどれだけ学歴が高くても、どれだけプログラミング能力があっても、プログラムを直接書く事は歓迎されないのである。


 同じようにNTTドコモからベンチャー企業に転職した人の一人が中嶋聡氏で、彼はシアトルにある小さな会社に転職して、InternetExplorerというソフトを開発した。Microsoftは今では巨大企業だが、中嶋氏が転職した当時はラッキーな宝くじを引いたとるに足らない会社のひとつに過ぎなかった。


 しかし濱津氏が卓越したプログラミング能力を持っていることは業界では良く知られていた。

 彼が大企業の中にいる限り、その才能が外に向かって開かれることは永久にない。社長にでもならないかぎり、日本の大企業というのは、技術者に裁量権を与えず、真のチャレンジができないからだ。そして大企業になればなるほど社内政治に長けた人間だけが出世の階段を上って行く。技術や思想は忘れ去られ、安楽椅子の上で全てが決定されるのだ。



 だから僕は敢えて濱津氏に今の職を捨て、うちにこないかと誘った。

 その誘いには、誰もが衝撃を受けた。当の会議に居合わせた、うちの社員ですら驚いた。


 けれども一番衝撃的だったのは、濱津氏がそれを受け入れてくれた事だ。

 これは誰にとっても驚きだった。


 それから濱津氏がどうなったか。

 MOONの基礎となる部分、我々が「enchant OS」と呼んでいる部分の主席開発者として日々いきいきと仕事をしている。それが彼のTwitterFacebookの発言から伝わって来る。そういうことが、僕は嬉しい。


 UEI社長としての僕の使命は二つ。

 ひとつは社員の幸福に寄与すること。

 これは単に高い給料を払うというだけでなく、真に意義の或る仕事を成し遂げているのだという実感、感触、挑むべき目標、高い志、そういったものを与え続けるのだということ。


 もうひとつは、人類の進歩に貢献すること。

 それは我々が信じる「コンピュータの未来像」を明確に描き出し、人々に示し続けるということ。

 そのためには既存のオペレーションシステムやハードウェアや言語といったものの枠に囚われていてはダメだ。


 既存のものは利用し、活用し、未来の方向性を示すものでなければならない。


 我々が開発する最初のハードウェアである「enchantMOON」について、既にあちこちで予想がでているが、 誰もが予想できないものになることを僕は確信している。本当に革新的なデバイスというのは、誰にも予想がつかないものだからだ。


 そのうえ、最初は大半の人々にとって理解に苦しむものになるだろう。

 批判を受けるのは覚悟の上だ。


 それでも僕らはこれをやり遂げる。

 革命を支える為に、僕らはソリューションビジネスとコンテンツビジネスを続けて行く。

 ソリューションビジネスでビジネス現場のコンピュータに関するニーズを捉え、コンテンツビジネスを通じて一般消費者の内なる心に耳を傾ける。


 この両輪が支えるのは、誰も見た事がない21世紀のコンピュータの形だ。

 大企業には絶対に真似できない。いや、むしろ真似してくれたらそれが名誉であるとさえ思う。

 みんなが真似したくなるようなものをいつか俺たちが作ってやろうじゃないか。


 僕らが今回の新卒採用で欲しい人材は大きく三つ。

 エンジニア、クリエイター、総合職、だ。


 エンジニアは、ソフトウェアでも電子回路の専門家でもいい。卓越した能力を持ってさえいれば学歴は問わない主義だ。中退でもかまわない。僕にしてからが、大学を二回も中退して、学歴は高卒だ。


 クリエイターは、ゲームを作ったり、Webをデザインしたり、ユーザーインターフェースを考えたり、ストーリーやキャラクターを考えたり、まあいわゆるクリエイターと呼ばれる職種ならなんでも募集している。これに関しては作品と面接を重視する。


 総合職に関しては、吸収力があり、頭が良くてフットワークの軽い人間を求めている。特殊な才能は要らないが、勤勉さと真面目さのある人がいい。


 職場としてのUEIの魅力について社長である僕が語るのは野暮というものだろうから、ここはリクナビの本文を見てほしい。


【就活ならリクナビ2014】新卒・既卒の就職活動・採用情報サイト

http://job.rikunabi.com/2014/company/top/r981230059/

 UEIはまだ派遣社員なども含めてスタッフ総勢150人の小さな会社だ。

 しかし既に零細というほど小さくはなく、税法上は大会社だが、まだ大企業というほど窮屈でもない。


 よくワンマン経営だと誤解されるが、それは僕の声がデカいだけで、実際の細かな経営や意思決定は各ディビジョンの担当取締役に任せている。


 僕は未来を描き出す仕事に専念しているのだ。


 あなたにもし本当に卓越したエンジニアリング能力があれば、他の会社よりはUEIの方が活かせるかもしれない。

 もし本当に21世紀初頭のAppleのように、世界を根底から変えたいという欲望を持っているなら、UEIの総合職ならそれが叶うかもしれない。ダメかもしれないが、ダメだった場合、なぜダメだったのか、間近で学ぶ事が出来る貴重な機会となるだろう。


 会社が小さいということは一人一人の裁量が大きいということでもある。

 MOONの開発チームは150人中わずか5名。僕は彼らを密かに「サターン5」と呼んでいる。月に行くわけだしね。


 優秀でさえいれば、学歴は問わない。しかし博士号や修士号には充分な敬意を払う会社であることは付け加えておく。


 まだ明かせないが、来年にはもっと凄いことが起きる。

 日本のベンチャー企業はもちろん、世界中見回しても、そんなことをやりとげた会社は数えるほどしかないようなことを僕たちはやろうとしている。


 さあ、この壮大な法螺話を信じるかどうか。

 それはあなた次第だ。