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shi3zの長文日記 RSSフィード Twitter

2013-12-03

ルールを変える川上量生さんとルールを作る僕 一年ぶりの対決 07:27

 ドワンゴ会長の川上さんが初の書籍「ルールを変える思考法」を書いたというので、ついに満を持して電脳空間カウボーイズに出てもらうことにした。

http://peatix.com.new.s3.amazonaws.com/event/16811/KAWAKAMI.jpg

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http://www.amazon.co.jp/dp/4040800036

 ちょうど去年の今頃、川上さんのニコ生に呼ばれて、それがたぶん公式の場でenchantMOONについて話した初めての機会だったと思う。まあそのときは何も明かさなかったに等しいけど。


 そうそう、今日NHK Worldの海外向け番組GREAT GEARに出演します。このあとすぐ(11:30)と、15:30と19:30。本当は昨日からやってたんだけど告知するのも見るのも忘れてたので告知

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NHK WORLD - English

http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/index.html

https://fbcdn-sphotos-a-a.akamaihd.net/hphotos-ak-prn2/971594_10152778675430752_906671765_n.jpg

 

 川上さんの本のテーマは「ルールを変える」こと。

 僕にとっても川上さんにとっても、「ルール」とはゲームそのものだ。



 川上さんはゲーマーで経営者である。経営をひとつのゲームとして見れば(これは不謹慎なことでもなんでもなく、数学的には対立や競争はゲーム理論で説明される)、かなり上手いプレイヤーだ。


 実際、川上さんが学生の頃は郵便を使ったボードゲームを主催していたらしい。ゲーマーといっても、ファミコンしか知らないヒヨッコとはわけがちがうのだ。遊びのプロであり、だからドワンゴの写真はずつと遊んでるような奴が多かった。



 一方僕は、ゲームデザイナーで経営者である。

 ゲームを遊ぶことに関しては苦手だが、作ることを生業としている。

 僕の場合、ゲームデザイナーとして知られている業績は、99年の「釣りバカ気分」2001年の「サムライロマネスク」といった、変わったものが多い。未だにこの二つの作品については言及されることがある。その後の「メルルーの秘宝」、近年だと渋谷全体をゲーム化した「クリムゾンフォックス」もあるけど、まああれはデザインというほどではないね。


 僕はゲームデザインをルールの定義と捉え、良いルールと悪いルールを判断し、設計するのが仕事だ。

 実は日本のゲームデザイナーと呼ばれる仕事の中でも、ルールの定義まで行える人はとても少ない。


 下手な人が作ると複雑になり過ぎて遊びにくくなったり、ゲームとして成立しないくらい退屈になったりする。

 だから似たようなゲームが溢れるのも仕方がない。

 日本では、みんなに受け入れられるようなゲームデザインができるゲームデザイナーの数よりも、ゲームを作りたいと考えている人の数の方が圧倒的に多く、ゲームデザイナーなしでゲームが開発されることが圧倒的に多いからだ。


 感覚的にちょっと信じられないかも知れないが、実際はそうなのである。

 ビックカメラのゲーム売り場に行って、ジャンルを見渡してみると、ほとんど変化がないのがわかる。


 全てのゲームがなにかの焼き直しのように見えるのは、ゲームデザインというものが軽視された結果とも言える。


 殆どのゲーム開発プロジェクトはゲームデザイナーなしで行われる。

 たとえばスタッフロールのクレジットに「企画」と書かれている人はいても「ゲームデザイン」と書かれている人が居ない場合、そのゲームにはゲームデザイナーが居ない可能性が高い。企画を立てる仕事とゲームデザインは全く別の仕事だが、その重要性があまり理解されておらず、区別がついていないことが多いからだ。


 しかしゲームデザイナーが日本に全く居ないわけではない。

 アナログゲームの世界では優れたゲームデザイナーが活躍している。


 アナログゲーム、つまりカードゲームやボードゲームは、ゲームデザインそのものだ。


 なぜコンピュータゲームのゲームデザイナーがあまり育たないのかというと、ゲームデザインに凝ったゲームはビジネスとして成立し辛いからだ。


 成熟したジャンルではみんな「どこかで見たようなゲーム」を遊びたがる。

 誰も見たことがないゲーム、というのは受け入れられにくい。


 独創的なゲームデザインは当たれば大きいが、外れる可能性の方が圧倒的に高い。

 だから投資できない。


 僕もソーシャルゲームが流行り始めた頃、自分なりのゲームデザインをソーシャルゲームに適用してみたことがあったけど、あまりにも相性が悪かったのでやめてしまった。ゲームそのものは最終的に60万人くらいが遊んでくれたみたいなんだけど、結局あまりにも儲からないので事業として継続できなくなった。


 最近大流行してる「艦隊これくしょん」は独創的なゲームデザインでヒットを飛ばした久々の例だ。

 あれは企画とゲームデザインの勝利だ。作っているのは元スクウェアの人たちだから当然だろう。ファイナルファンタジーは常にゲームデザインを真剣に捉えている希有なゲームシリーズの一つだ。


 根本的にゲームデザインとは、ジャンルを創りだすようなことであると思う。

 この分野は、実はまだあまり研究されてない。


 僕はゲームデザインに関して二冊の本を書いたけれども、まだまだ掘り下げたいことは多いが、自分がいわゆるゲームらしいゲームデザインから引退してしまったのでゲーム産業を側面支援する立場になっている。それがenchant.jsというわけだ。僕が書いた頃にはほとんどゲームデザインを論理的に解説するような本はなかったのだけど、最近はいい教科書も揃ってきた気がする。



 9leapプロジェクトも、僕にとってはゲームデザインの一種だ。

 コンテストの設計と運営というのは、ゲームデザインそのものなのである。



 ゲーマーの川上さんが最初に書いた本が「ルール」についての本だというのもなかなか象徴的だと思う。

 同じ「ゲーム」を捉えるのでも、プレイヤーとデザイナーでは真逆だ。


 明後日はゲンロンカフェでそういう話ができたらいいなと思う

 ニコ生の有料配信もあるよ

川上量生x清水亮「ルールを変えるのか、ルールを壊すのか、真の支配者(ルーラー)は誰だ!? IT業界注目の師弟経営者対決!」PODCAST アキバ系!電脳空間カウボーイズ公開収録 @shi3z | Peatix

http://peatix.com/event/23500