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shi3zの長文日記 RSSフィード Twitter

2014-04-13

Kindle本が売れすぎて驚いた。そして気付いたロングテールの罠 06:33

 なんか中央公論の吉岡さんが「Kindle版が大変なことになってる」と騒いでいるので何事かと思ってよくよく見ると、Kindle本が新書ランキングの1位になっていた。



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 で、「新刊なんだから当たり前じゃないの?」と思っていたんだけど、どうもそういうことではなく、紙の本を含むすべての新書の中の1位がKindle版の「教養としてのプログラミング講座」である、ということだった。



 とりあえず、このブログからも数百名の方が買っていただいたようで、本当にありがとうございます。


 で、これってまあ確かに売れてなくはないんだけど、Kindleの場合品切れがないので売れ続けるけど、紙の本は在庫にどうしても限りがあるので、売切れてしまう→ランキングが下がる、ということなんだと思う。


 実際、「教養としてのプログラミング講座」の紙の本の場合も、なんどかランキング上位まで行っては、売り切れになってランキングを下降するというのを繰り返していた。


 過去、enchantMOONもそうだし、enchant.js関係の本を何冊かAmazonで売ったことがあるんだけど、いずれもカテゴリーのランキングで1位をとるものの、すぐに品切れになって在庫が補充されるまで編集部と一緒になってヤキモキすることが多かった。

 で、編集部と僕の間では「この本は確実に○○部は売れるはずだ」というヨミがあっても、出版社の営業に言わせれば「そんなわけのわからない本が売れるワケないし」と相手にされない。


 ちなみに「教養としてのプログラミング講座」も例外ではなく、編集と営業の間で初版部数についてせめぎ合いがあったという。まあプログラミングについて書かれた新書が売れるなんて普通誰も思わない。


 その結果、初版はつねに少なめに設定され、Amazonにはごく少量(数百部)しか入荷されない。

 そんなもんだから、売り切れになったあとの再入荷がつらい。


 で、Amazonで売切れるということは他のサービス(紀伊国屋ブックwebとか)に流れるということなのかな、とも思うんだけど、結局書店を除けばAmazonが一番売れるような気がする。


 Amazonはロングテールに対応するため、大量の製品の品揃えがあるのだけれども、実は在庫として確保する量は限られている。下手すると、全く売れるかわからない新製品は1個だけしか扱わない、ということもある。


 そして在庫を確保してもらうために倉庫代もこちらが払わないといけない。これは出版社ごとに全体の枠が決まってる。

 だから結局、ちょっと変わった本ばかり作ってる我々は少ししか在庫を置けないということになってしまう。


 で、そこでスマッシュヒットが出ても、在庫が瞬間的に蒸発してしまって、そこから次の在庫が入るまでにタイムラグがある。


 この機会損失を、僕も編集も、いつも「ギギギギ・・・」と歯ぎしりしながら見ていたのだ。


 営業の無理解というギャップは常に埋めるのが難しい。



 そこにKindle版だ。

 実はこの本が、僕の初めてのKindle本ということになる。だからKindle本がどのように売れて行くのか、実感として知らなかった。


 たぶんこのブログの読者に、そもそもKindleを日常的に使ってる人が多いのだろう。

 Kindleのメリットは、読みたいと思ったものを読みたいタイミングで買い、どこにでも持ち歩けることだ。


 先日、Kindle本でお勧めの本を何冊か紹介したけれども、それも飛ぶように売れた。

 つまりこのブログとKindle本はとても相性がいいのだ、ということになる。


 実際、たとえばちょっと古いマンガとか、マニアックなマンガとかは紙の本で揃えるのは面倒だし、読み終わった後邪魔になってどうせ捨ててしまうならKindleで買いたい、という心理は凄く理解できる。


 また、新書も似たようなもので、読んでみて、つまらなかったらそのまま読むのをやめてしまえばいいけど、面白かったらどこにでも持ち歩きたい。スマートフォンでもタブレットでも読みたい、となれば、Kindle本がいいのだ。



 そういえば僕も「もしドラ」は紙の本を持ってない。Kindleで読んだ。


 最初は文章に違和感があるが気がつくと泣いてしまう。ドラッカーについては特に学べないが、意味もわからず涙がこぼれるというのはすごい構成力だと思う。


 Kindleで読んだ、といえば「統計学が最強の学問である」

統計学が最強の学問である

統計学が最強の学問である


 これはもともと、今回の「教養としての〜」を書く時に、「こういう本にしたい」と編集の吉岡さんに読めと言われて買ったのだった。


 ああ、あと、東浩紀の出版記念イベントに呼ばれたので、「一般意志2.0」もKindleで読んだ。微妙にハードカバーな本なので、Kindleはありがたかった。

[asin:B009YG88QO:detail]

 そして気がつくと動物化するポストモダンもKindle版が出てる

動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)

動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)


 個人的には2の方がお勧めだ。「こんなものの見方があったのか」と思う。

[asin:B00APB8H86:detail]

 副読本として「物語消費論改」もお勧め。

 あらゆる物語を構造的に解説していて、これも目からウロコだった。


人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1) (講談社選書メチエ)

人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1) (講談社選書メチエ)


 カイエ・ソバージュもKindle版あるかなーと思ったら、なかった。残念。

 このシリーズこそ大きくてかさばって、しかも長いからKindleで読みたいのに。

煙か土か食い物 (講談社文庫)

煙か土か食い物 (講談社文庫)

 舞城王太郎の傑作、「煙か土か食い物

 これもときどき、繰り返して読みたくなるのでKindleで読むのがいい。



 もしかすると紙の本とKindle本は相乗効果で売れるのかもしれない。

 発売のタイミングを同時にしたら、もっと売れるのではないか。

 だぶって買ってもらう、みたいなセコい売り方ではなくて、普通に面白い本を紙で入手するか、Kindleで入手するか、あるいはその両方か、読者に選んでもらうほうが売り方として誠実なのではないか、と思った。


 結局、気分が悪いのは、売切れるとすぐによくわからない業者が定価よりも高い価格でマーケットプレイスに出品すること。当然ながらそのぶんの印税は入らないし、出版社も損をする。少なくとも出版されてから半年以内の本の場合、Amazonはそうした業者が定価よりも高い価格で本を売ろうとするのを規制すべきだと思う。


 しかし実感として、「本が売れてる」というのがこんなによくわからないものだとはちょっと思わなかった。


 もしかして、「本を書いた」という感動を感じるには、僕は本を書きすぎてしまったのかもしれない。

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 でもなんか、書店に立ち寄るとずらっと並んでるし、「ああ、これが一般書の世界なのか」という感じ。


 でも正直、今読み返すと縦書きでプログラミングの説明するのってわかりにくいなと思ったりする。

 まあでも、入り口としてはこれでいいのだろうか。


 さっそく続編の話もでてきているんだけど、これを読んだ人は、次にどんな本が読みたいのだろう。と思うと、なかなか企画も進まない。


 そのへんのフィードバックを貰う方法が、結局、紙だろうがKindleだろうがあまりないのは残念。Amazonだと書評になっちゃうしね(それでもAmazonに書評が載るのは嬉しい)。

 

 しかし驚きました。本当に。


 そうそう。火曜日(4/15) 18:00からのニコニコ超会議「仁義なきプレゼンバトル」にenchantMOONで出場します。

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【出展企業抗争】仁義なきプレゼンバトル -予選篇- |niconico プレゼンをチェックして投票しよう!

http://www.chokaigi.jp/2014/jingi/


 ローソンさんやグリコさんに森永さんにスクエニさん、ガンホーさんに岩手県さんといった、スーパー大企業&地方自治体を相手に、零細企業である僕たちユビキタスエンターテインメントがどんな戦いぶりをするのか、ぜひ見届けて下さい。