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shi3zの長文日記 RSSフィード Twitter

2015-01-11

iMaciPodiPhone開発ストーリーのすべてが解る! 必読書「ジョナサン・アイブ」 Kindle11:42

「アップルのどこが悪いか教えてくれないか 」とジョブズが問いかける 。だれも返事をしないでいると 、ジョブズは突然大声で怒鳴り始めた 。 「プロダクトだ !プロダクトが最悪じゃないか !セクシ ーさがどこにもない 」

(本編より)

 皆さんAppleがらみの話題は食傷気味かもしれません。


 が、昨日Kindleで読み始めて一気に読み終わってしまうくらい面白かったので紹介します。紙の本もありますが、届くのが待ちきれないのでKindleで読みました。


 ジョナサン・アイブ、Appleのデザイン・ディレクターの伝記です。


 幼少期から、天才的な才能を発揮しだした大学生、そして就職、転職といったアイブの育った背景と、Appleとの出会い、転職、そして挫折、敗北、そしてスティーブ・ジョブズとの出会い、そこからの大胆な復活劇・・・・。そういったものすべてが凝縮されている貴重な本です。たぶんAppleで当時働いていた人たちでも知らない情報の方が多いのでは。


 そして世界を揺るがすターニングポイントとなった製品であるiPhoneがどのようにして企画されたのか、その内幕を知る貴重な資料として、本書はあらゆる「製品」を作る人の必読書といえるのではないでしょうか。


 「デザイナー」という言葉を聞いて、ただ絵を描く人、と解釈するのは早計です。


 英語のdesign、designerには「設計」「設計者」という意味があります。ロケットの設計をするのもデザイナー、ソフトウェアの設計をするのもデザイナーです。日本語で言えば、「企画」をする人のことです。

「工業デザイナ ーは 、モノをデザインするんじゃない 。僕らはユ ーザ ーが対象をどう受け止めるかをデザインする 。その存在 、機能 、可能性が生み出す意味をデザインするんだ 」

(本編より)

 ハードウェア製品の場合、企画とはそもそもデザインそのものです。

 

 若き日のジョナサン・アイブは、日本企業ゼブラのボールペンをデザインし、それが実際に発売されたりしています。考え抜く事、配慮すること、がデザイナーの使命です。デザインとはユーザとの唯一直接的なコミュニケーション手段なのです。


 スティーブ・ジョブズ復活後は、スティーブ・ジョブズよりもむしろジョナサン・アイブが活躍するようになったからです。ジョブズは経営者として重要な役割を果たしましたが、アイブはプロダクトデザイナー(製品企画・設計者)として大きな貢献を果たしました。


 iMac、iPod、iPhone、iPad・・・それぞれに別々のリード・デザイナーが居ます。

 ジョナサン・アイブは、リード・デザイナーを束ね、デザインの最終決定をする人間です。つまり、優れたクリエイティブ・ディレクターであり、管理職でもあったのです。


 映画「スティーブ・ジョブズ」はiPod発売で終わってしまいますが、むしろ知りたいのはその先、どのようにしてこれほど革命的な製品が作られるようになったか、ということです。その秘密のすべてが本書にあります。

 しかもiPhoneのプロトタイプの写真なども掲載されています。

「 i M a cの開発では処理速度や市場シェアを目標にせず 、 『ユ ーザ ーがそれをどう感じるか 』や 『それは心のどの部分を占めるべきか 』といった答えのない質問を優先した 」

(本編より)

 普段、本を読んでも線とか引かないタイプなんですが、今回は線引きまくってコピペしまくってKindleのコピペ上限超えてしまいました。しかたないのでiPhone版のKindleで重要と思われる箇所のスクリーンショットを撮っています。


 とにかく、少なくとも僕にとっては「まさにこれが読みたかった!」という内容でした。


 少しでもAppleのしごとのやり方に興味がある人には本当にオススメです。

 どうしても伝記の部分が読みたくなかったらいきなりAppleに転職したところから読んでも構わないと思います。それでも充分面白いです。


 そして日本語版序文を林信行(@nobi)さんが書いているのですが、その内容も「序文」と呼ぶのがもったいないほど充実しており、とても読み応えがあります。


 とにかくオススメです


 そしてこの本を読んだら、この本に出てくる「アップルデザイン」も読みたくなること間違いなし

 僕もこの本がきっかけでアップルデザインを買った

 絶版本だけど、定価8000円の価値はある(古本しかないので逆に安い)。

 

 ジョナサン・アイブ以前も含め、Appleがフロッグデザインと仕事をしてた頃のデザインや、アイブのデザインが集約されていて見応えがある。

http://venturebeat.com/wp-content/uploads/2012/12/design-forward-001.jpg


 凄いのは、Appleのほどの会社がプロトタイプのデザインをここまであけっぴろげに公開していることだ。


 それらのデザインはどれもみな超一級で、美しい。いま発売されても買いたくなるような素晴らしいデザインの数々が写真で収録されているほか、読み物としても読み応えがある。


 1月21日に久しぶりにリアルイベントやります

3年目のゲンロンカフェで僕と東浩紀が語らいます - shi3zの長文日記

http://d.hatena.ne.jp/shi3z/20150116/1421373435