8月の読書メータまとめ

2016年8月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2293ページ
ナイス数:39ナイス

ノーベル平和賞で世の中がわかるノーベル平和賞で世の中がわかる感想
解説量の増減はあるもののすべての受賞者について1ページ以上の解説をつけているのはさすがの一言。すべての受賞者となると扱っている範囲が広いしページも限られているのでこれだけで世の中わかろうとするのは難しいですが、ノーベル平和賞を軸とした近代史の入門書としてはいいと思います。ハルノートのハルさんが受賞してるってのは知りませんでした。
読了日:8月26日 著者:池上彰
韓流経営 LINE (扶桑社新書)韓流経営 LINE (扶桑社新書)感想
元々ハンゲームやネイバーが日韓の掲示板を運営してたことを知るものとしてはLINEが日本発と言い張るのは無理があるよなぁ…と思ってました。この本を読めばLINEが世界に広がる戦略と、それは普通の日本企業には無理なんじゃないかなと思わせられます。 日本のLINE社に務める社員はLINEの詳細なトラフィックデータにアクセスできないとか、ホリエモンのLINEを支えるライブドアの人達への証言は面白いです。最後の「もしライブドア事件がなかったら優秀な技術者の受け皿になっていたか?」という問いは個人的には少々疑問です。
読了日:8月23日 著者:NewsPicks取材班
居酒屋の誕生: 江戸の呑みだおれ文化 (ちくま学芸文庫)居酒屋の誕生: 江戸の呑みだおれ文化 (ちくま学芸文庫)感想
本書の著者が書いた「すし天ぷら蕎麦うなぎ」が面白かったのでこれも読んでみました。居酒屋の業態からよく来る客を軸にして今にも繋がる江戸文化を眺める話です。お通しは昔はなかったとか、飲食屋を減らすために幕府行った規制や規制緩和の話、また均一料金で飲める店が流行ったり、4文銭を発行しすぎたがためにインフレを起こしていたが豆腐の値段はほとんど変わらなかったなど興味深い話が満載です。歴史トリビアとしても楽しめますが、著者が余計な解釈を加えていないために読みやすい本だと思います。
読了日:8月22日 著者:飯野亮一
無限論の教室 (講談社現代新書)無限論の教室 (講談社現代新書)感想
0.999...=1の...の部分の解説に納得が行かない人にオススメ。「数学ガール」のゲーデル不完全性定理とゴールは似ている部分はあるが、あちらはガチガチの数学的な解説でこちらはなるべく哲学的な立場から解説を試みようとしている点が違う。どちらにしても難しいがサイモンシンの「不完全性定理」よりは平易に書かれてると思う。哲学の本となると過去の哲学者の言葉を平易に書こうとしてエッセンスが削ぎ落とされ誤読の再生産になりかねない本が多いが、その点でこの著者は信頼がおけるのではと思う。
読了日:8月16日 著者:野矢茂樹
人生エロエロ (文春文庫)人生エロエロ (文春文庫)感想
みうらじゅん氏の著作は何作も読んでるとかぶっている内容も結構あるわけですがそれでも面白い。一つ一つのコラムは1ページ半なので軽く読めます。阿川佐和子との対談で言っていた男女全体会議ってなんとか実現できませんかね
読了日:8月15日 著者:みうらじゅん
イギリス人アナリストだからわかった日本の「強み」「弱み」 (講談社+α新書)イギリス人アナリストだからわかった日本の「強み」「弱み」 (講談社+α新書)感想
テレビはスポーツとニュースしか見ないのにこんなこと言うのもなんですが、近年のテレビの「外国人から見てここかすごい日本」とか、逆に「外国はここがひどい」的な番組をほぼ毎日やってる状況に嫌気がさしてました。この本は評判がよかったので読んでみましたが、日本がやるべきはそういう外国とのアンフェアな比較やステレオタイプな分析にひたる(Woolly thinking)ではなく、数字を元にした冷静な分析であるという提言に賛同します。こういういい本を書いてくれる外国人の方がいる時点で日本は恵まれてると思います。
読了日:8月10日 著者:デービッド・アトキンソン
アダルトビデオ革命史 (幻冬舎新書)アダルトビデオ革命史 (幻冬舎新書)感想
AVにまつわることをポルノ映画から遡ってまとめた本。ハード(カメラ,VHS,DVD)が変わったからソフト(出演女優、演出)が変わり、流通が変わっていった変遷を書いている。最近AV業界の違法斡旋で本番しない建前であるというのが驚きのニュースとして取り上げられたが、この本を読むと歴史的な経緯であることがよくわかる。「わいせつ」の定義が警察や司法の手に委ねられてるため、いびつな形で発展していったこともわかる。硬い文章に対する不評もあるようだが、個人的にはAVを軸とした映像作品のまとめ本として興味深く読めた。
読了日:8月8日 著者:藤木TDC
日本会議の研究 (扶桑社新書)日本会議の研究 (扶桑社新書)感想
日本会議という組織の源流から始まり、日本会議のキーパーソンのつながりや、新しく入ってくる人達が学生運動の2世3世であることなどを説明している。とにかく情報の裏とりが丁寧な印象を受けた。それでいて学術的な厳密性にこだわってないので読みやすかった。日本国憲法に書いてる手続きで憲法を改正することこそ、憲法を認めたのだという「反憲」という考え方は初めて知りました。あと靖国問題靖国神社と政治の結びつきの問題こそが重要であり、A級戦犯合祀は付随する問題であるという考え方を知りました。
読了日:8月2日 著者:菅野完
毒蝮流! ことばで介護 (講談社+α新書)毒蝮流! ことばで介護 (講談社+α新書)感想
おそらく唯一無二の存在であろう毒蝮三太夫の高齢者(老人)に対する接し方の本。「子ほめ」ならぬ「親ほめ」「爺婆ほめ」といった感じの本。個人的には景気が悪くなってから社会に出たせいか、いらぬ罵倒を親にすることも過去にはあったのですが、これからは「今のいい世の中を作ったのは父母のおかげだよ」という言葉をなるべくかけて上げたいと思います。「絆」なんて大上段に構えたものでなく「かまい合い」が重要だという提言は心を打つものがありました。
読了日:8月1日 著者:毒蝮三太夫

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