10月に読んだ本まとめ

2016年10月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2261ページ
ナイス数:18ナイス

街場の五輪論 (朝日文庫)街場の五輪論 (朝日文庫)感想
小池都知事就任のあたりから、五輪の最終プレゼンの頃とは雰囲気が変わってきましたが面白い本でした。この本を読んでJOCシンガポールの謎のコンサル会社に成功報酬を渡していた事件の続報が聞こえてこないな、と思って調べてみましたが、まさにこの本が出たタイミングから先に全く進んでいないようでした。マスコミが五輪に対して自由にものが言えないのは情けないな、と言うのは確かです。別に五輪に限った話じゃないですけど。
読了日:10月31日 著者:内田樹,小田嶋隆,平川克美
不格好経営―チームDeNAの挑戦不格好経営―チームDeNAの挑戦感想
DeNAはモバゲーの会社だと思ってたので、ネットオークションに源流があるとは知らない程度の知識で読み始めました。この本は2000年代のネット(ブログ誕生以前)やモバイル環境(iモードガラケー全盛時代)を知った上で読まないとピンとこない感じがします。個人的にはモバオク開発までの創業秘話的な部分が一番面白く読めました。ベイスターズ買収の話をもうちょっと読みたかった気がしますが南場氏はあまり深く関わっていないようで記述が少なかったです。
読了日:10月26日 著者:南場智子
それがぼくには楽しかったから 全世界を巻き込んだリナックス革命の真実 (小プロ・ブックス)それがぼくには楽しかったから 全世界を巻き込んだリナックス革命の真実 (小プロ・ブックス)感想
当初の目的はLinuxを作ったLinusがどういう人なのか、Linuxがどのようにして出来たかの詳細を知りたくて本書を読んだのですが、それ以上に面白い内容でした。特にソフトウェアの知的財産権についてとLinusGPLGNUをどう思っているか、といった内容は読み応えがありました。この本のタイトルがそのまま著者のメッセージですが、付け加えるなら「興味はお金では買えない」というのがこの本の強烈なメッセージでした。しかしGNU Hurd(名前は出てませんが)ってそんな昔から不完全なOSとして名高かったんですね
読了日:10月22日 著者:リーナストーバルズ,デビッドダイヤモンド
赤塚不二夫生誕80年企画 バカ田大学講義録なのだ!赤塚不二夫生誕80年企画 バカ田大学講義録なのだ!感想
みんなバカについて語っているかと思いきやあまり赤塚先生との関係はあるようでないような…泉麻人の赤塚研究は面白いですが、特にみうらじゅん久住昌之は他でも読める内容の焼き直し感はあります。それが悪いわけではないですが…。ただ三島由紀夫が「劇画における若者論」というエッセイで手塚治虫を貶し赤塚不二夫を賞賛する文章を書いていたというのはちょっとした発見でした。 https://goo.gl/6rr6x7
読了日:10月18日 著者:泉麻人,みうらじゅん,久住昌之,会田誠,鴻上尚史
肉食の思想―ヨーロッパ精神の再発見 (中公新書 (92))肉食の思想―ヨーロッパ精神の再発見 (中公新書 (92))感想
50年も前の本にあって古さを感じさせず、食から欧米文化を読み解くというのはむしろ新鮮ですらある。欧米について、キリスト教の理解から入っていくよりもこの方が納得感があった。労働すればするほど生産力が上がる日本の稲作は、ある程度以上は頑張っても家畜の生産が上がらない欧米と比較しており、昨今の長時間労働の問題にもつながっているのではとも感じた。最後に日本特有の同調圧力の存在にも触れているが、「空気の研究」あたりもまた読み直したくなる内容でした。
読了日:10月14日 著者:鯖田豊之
話すだけで書ける究極の文章法 人工知能が助けてくれる!話すだけで書ける究極の文章法 人工知能が助けてくれる!感想
この本の新しい所は「何をしゃべっていいのかわからない」というのが音声認識アプリケーションの弱みだと思われていた所に、「音声入力は頭の中の『見える化』である」という考え方を吹き込んだことだ。今後音声入力が仕事術として定着すればこの本がターニングポイントとなったとなるし、音声入力が普及しなければやはり使いこなすのは難しいとなってしまうのかもしれない。著者が困っているドッペルゲンガーシンドロームに対してはGist等のテキストの履歴を取るサービスが使えるかもしれない。ややタイトルがキャッチーで無い気がする。
読了日:10月11日 著者:野口悠紀雄
Coders at Work プログラミングの技をめぐる探求Coders at Work プログラミングの技をめぐる探求感想
プログラマが知るべき97のこと」という本を読んだのだが1人あたり2ページで物足りなかったので、ビッグネームが多くそれぞれ深く語っているこの本を読んだ。インタビュー形式がこの本の特徴なのだが、話のトピックがあっちこっち行くので読みにくくはある。しかし偉大なプログラマの間でも、優れたプログラム言語やコンピュータサイエンスという言葉に対する意見は分かれる、というのが発見でした。C++嫌いが多いですが90年代後半のC++は標準にコンパイラの実装が追いついていないという時代が長いので仕方のないことだとは思います。
読了日:10月10日 著者:PeterSeibel

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