感性を生かす

shibasaijyo2012-05-28


おはようございます。

筆心展大いに楽しみました。同じ人でありながら素晴らしい字が書ける、このような事実を見ますといかに「習い相遠し」という孔子の教えが身にしみます。「性」は近くとも習いによって人と隔たりが出来る。
M&Uスクール受講生の皆さん土、日と一泊二日ありがとうございます。いつも書いていますが、習うは実戦、行動です。一ヶ月しっかりと行動し習いの成果を出してください。
感性から得られる福は沢山あります、まことに感性とは素晴らしいものです。感性により受ける感動は楽しいのです。昨日は感動した一日。筆心展の代表は東京の勉強会にもご出席いただいていますM先生、M先生の師匠は今は亡き「原田観峰先生」。
M先生に展覧会をご案内いただき昔の観峰先生の作品を展示していますということでご案内いただき、二作目の前に来て拝見したところ私の魂がぐっと掴まれしびれ感動、動けなくなったのです。
「古を汲んで脩(なが)き綆を得たり 胸を盪(うご)かして曽雲生ず」という五言絶句の詩。昭和25年、師39才の時の字、私は3才。その時の名が、観岱と言っていたそうです。
「教育書道確立という志を古から伝わってきた字を学び立て、上手下手、成功するしないなどに心を執われず、情熱を大いにかきたて精進、習練しようではないか、そうすれば古から気が高まり雲が湧き出て雨ふらし大いに潤したように、私の志もきっと実現するであろう」。と私は読み、四十而立する前に自分の心境を書いた観峰先生の字に金縛りにあったのです。
「感性を生かす」。
昨日も同じ事を書いています。人間は先ず感性によってその第一印象を持ちます。だからこそ身だしなみや言葉遣い、態度行動は大切です。誰しも外見から判断しようとするのは当然なのですから。
しかし論語、学而第1、第3条に「巧言(こうげん)令色鮮(れいしょくすくな)し仁(じん)」と。
意は「巧みな言葉を用い、表情をとりつくろって人に気に入られようとする者には、仁の心が欠けている。」ということも配慮すべきです。
表面だけ繕えばいいとよいというものではないのが人生。言葉を飾るほど、繕うほどに自分の出来ることと大きく離れていくものです。大言壮語を吐く人の多くは実行できる人は少ないのです。しかしその大言に惑わされる人のいることも事実です。
夢を語ることは悪くはありませんが、自分の言った言葉でも人は酔うことも知っていなければいけません。言葉に酔うだけでは何も変わらず、素晴らしい言葉を聞き励みとした人が変わっていくのを茫然自失になって指をなめて見ているようではよろしくありません。
「性、相近し。習い、相遠し」(論語陽貨第17、2条)の「人間は生まれつき大差はないが、その後の学習によって差がつくんだよ、だから習うことは大事なんだ」ということが身にしみます。感性に惑わされず、感性を生かすようにしましょう。
踊る阿呆に、見る阿呆、同じ阿呆なら踊らな損そん、という俗諺もあります。視ても聴いても楽しいことは事実、それよりも習い習う、行動する事が一番楽しいのです。
筆心会の皆様と楽しい懇親会を終え隅田川の川風が一日の爽快感を表すように吹いており隅田川公園から眺めるスカイツリーのライトアップされている姿がおとぎ話に出てくる塔のように見えました。
5月の最終週、しっかりと締めくくりましょう。感動を胸に宇治に帰ります。

世界平和をお祈りいたしましょう。Flower in your mind・ありがとう・心に華を咲かそう。 合掌
 私たちは東日本大震災の復興を祈り応援します。