シーモアさんと、大人のための人生入門

先日試写にて鑑賞。スター俳優イーサン・ホークが仕事や人生に行き詰まりを感じていたときに出会った84歳(現89歳)のピアノ教師にたちまち魅了され、そのドキュメンタリーを自ら監督した作品。シーモアバーンスタインという方のことは寡聞にして知りませんでしたがセイモア・バーンスタイン表記でニッポンでも何冊か訳書が出ている著名な元コンサート・ピアニストであり50歳でピアノ教師に転身したという本作の主人公の、もう映画の最初からなにか包みこまれるようなあたたかで豊かでメンターというかグルというか精神的拠り所的キャラクターに、富にも名誉にもめぐまれているからといって充足しているとは限らない、その1人であったらしいイーサン・ホークの救われた感がそういう華やかな世界とは無縁な自分にも伝わってきて、シーモアさんのピアノの音色の美しさ、孤独や悲しみも受容するピュアな強さになにか手を合わせたくなるような心持に。
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