ここまではヤッター、ヤッター、やった〜諦念と開き直り

先日も引用した映画秘宝のインタビューで三池監督は『ガッチャマン』を映画化(実写化)すんのには『ダークナイト』なみのもろもろが必要で日本の現状では到底できないと語っていた。ホント、今回のアレの役作りで阿部サダヲが狂い死んで、来年の日本アカデミーで会場全部スタオベなんてことがありえないって意味でもやはりそれは当を得ているんだと思う。
んで、そんな諦めを開き直りに変えて全力投球したのが、今回の『ヤッターマン』なんじゃないかと思った。
で、あらためてそれを可能にしてるのが、いい意味での三池監督の映画オタク的な教養の無さだったんではないかと感じている。美術関係の人はそうともいかず、やはり敵方の造形(特にドクロベー)には『ゴレンジャー』等の東映特撮の、CGには(天野のオマージュなのか)FFの影が見えた*1。ついでにいうとふかきょんドロンジョ様入浴シーンが妙に『うたかたの日々』してたのはおかしかったけど…。
まあこれで三池さんにオタク要素があれば石ノ森ヒーローの鬱屈が盛り込められたり(FF7のクラウドもそう)、もしくは『ペットントン』『どきんちょ!ネムリン』等浦沢義雄のモノマネに堕す可能性があったはずなんだけど、そうならずにちゃんと『ヤッターマン』をやったというところがキリキリとの違いなんでしょ。まあ、そんなかでぬけぬけと『GOZU』を自己引用するてーのはすごいっちゃすごいんだけど、少年にエロをシリーズとしては前作の『妖怪大戦争』に比べてさほどそのへんのパワーアップがあったかというと疑問―個人的には前回の川姫の股と今回の櫻井の杏奈の股吸いなら川姫だし、血アギ様に感じられたエロスとタナトスの交錯と、今回のきょうこりんのフレンチハレンチにしても…ま、これは好き好きだと思うけど。


本編上映前の予告編『くれしん』だの『名探偵コナン』のときはわいわいしてた家族連れが、『おっぱいバレー』で急に親御さんが黙ってしまった瞬間の方がずっとスリリングで、まさに「子供はわからなくていい」状態だったもんね。

*1:ヤッターキングがメタリックボディだったのは惜しい