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XRQ技研の業務日誌(XRQ Tech Lab)

2009-03-15 電源装置の復活

shig552009-03-15

 低気圧の移動に伴って、縦型の等圧線が何本も日本列島を覆い、強風が荒れくれた一昨日。各地で電車が止まり、フェリーが欠航、東京湾アクアラインも止まってしまった。自然の威力のすごさを見せつけられた一日だった。

 一転して今日は朝から穏やかな天候。風は冷たいものの陽射しが強くなり、上着を脱いでしまう一日になった。

 先週見つけた碧桃樹を見に行く。先週は枝の先に数輪の花が咲いている状態だったが、今日は枝が見えない程花が開いていた。微かに香りを放ちながら枝という枝に花がまとわりついている感じである。青空をバックにすると花の白さが際だっている。天候によって花の表情も豊かになっていた。

 スーパーでも春を感じた。いち早く商品の構成が変わっている。おでんが入っていたケースにつけ麺が置かれている。ところてんが堂々と商品棚の目立つところに出てきた。これまでの「暖かさ」を想起する品物から「涼しさ」「冷たさ」を思わせる品物に替わっている。この不況で安さを前面に出し、競い合っているスーパーだが品物の展開も季節に先行しようとしているようである。自然の季節の移り変わりより社会面での変化の方が先行しているようでおもしろい。

 先日来、電圧可変の電源装置がおかしな動きをしていた。LM317を使ってVRにより電圧を設定する装置なのだが、電圧計を見ているとVRを回したとき針が前後に振れるのだ。本来VRの変化につれてスムーズに変化しなくてはならないのだが、電圧が上がったかと思うとぴくっと下がったり、VRを回しているのに変化が始まらないことがある。この装置はもうだいぶ昔に作り、さまざまな実験に使用してきた。経年変化で壊れてもしかたがないのだが、まだ働けるのなら働かせてやりたい。そこで、久しぶりにケースを開けてみることにした。

 コンセントからケーブルを外し、装置を取り出すと、「重い」。ずっしりとした重さである。そう、電源トランスを使っているのだ。最近の電源はスイッチング方式がほとんどだが、昔は電源トランスで降圧し、ブリッジダイオードで整流して電圧を制御する回路に送り込んでいた。トランスは鉄板と導線の固まりだから重いのだ。ある程度電流を取れるようなトランスだとなおさら重い。この装置を作った時、実験で使えるようにと結構な値段のトランスを手に入れ、ひもで縛ってもらったトランスを、掌を真っ赤にしながら電車を乗り継ぎ持って帰ってきたのだった。

 回路を調べてみると、特に異常はなかった。回路は大きな基板にゆったりと組み込んである。最近の虫眼鏡がなくては部品を取り付けられないような精密さはない。基板の導線の太さも比べようもない程幅広く取っている。

 さて、いよいよ異常箇所の特定だが、考えられるのはVRそのものである。別のVRに取り替え、動作を見ると正常に動いた。やはりVRがおかしくなっていたのだ。VRは抵抗体が塗布された面に摺動子が接触することで抵抗値を可変している。何回となく回しているのだからすり減ってくるのは当然である。接触抵抗が変わったり、抵抗体自体が変化しているのだろう。

 半導体などと違って、耐電圧も高く、あまり故障することもないと思われるVRだが、これまでにも結構壊れていることがあった。構造は単純だが機械的な作りであるので、致し方ないのかも知れない。外見では故障がわからないものなので、テスターで当たるなど正常に働くかどうか試してみることも大事である。

 VRを取り替えることでまたこの装置は復活した。これは自分で作り、長年使っているので馴染んでいる。この装置にももう少し付き合ってもらうことにする。

 電源装置はスイッチングレギュレターにアップコンバータやダウンコンバータをつけたものなどいくつか作っているのだが、普段の実験にはこのアナログ式の電源を使ってしまうのだ。このようなアナログメータで電圧と電流がわかればほとんどのことは用が足りてしまう。

 古いものでもなかなか捨てられない。ものが溢れるわが実験室である。