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XRQ技研の業務日誌(XRQ Tech Lab)

2010-02-21 表面実装部品

shig552010-02-21

 光の春の時期になってきた。吹く風は肌を刺すが、陽射しは暖かくなり、風のない日中は上着が邪魔になるほどだ。コートを脱ぎ、身軽になった格好で、シャツの腕まくりをし散歩をすると身体まで軽くなる。心なしか木々の芽も大きくなったように感じる。川面で餌をついばんでいるカモの姿まで緩やかに見えてくる。なにしろ寒さに身を縮じ込ませていた時に見た水中に頭を突っ込んでいるカモの姿には「冷たい水の中に頭を突っ込んで・・・」と寒々しさしか感じなかったのだから。

 最近の電子機器はどんどん小さくなり、実装密度が上がっている。

ICやLSIが登場する前、個別の部品を使っていかにコンパクトに作るかという課題にいろいろな試みがなされた。ここの部品をキューブ状に作り、平面だけでなく立体的に配線をする方法、基板の上に部品を配置し、その基板を何枚も重ねて水平方向だけでなく、上下の方向にも配線をする方法などが雑誌に紹介されていた。実際、アマチュアでは空中配線によって強引にケースの中に組み込む工作が多かった。

 そのうちに、印刷技術によって重層の基板が作られるようになり、半導体部品や抵抗などを基板の中に作り込んでしまう集積回路が登場し、ICの時代が到来した。一つの機能がICの中に組み込まれた74シリーズのようなロジック回路が手軽に手に入るようになり、回路作りに夢中になったものである。

 最近ではマイコンが一つのチップになり、昔は多くの部品を組み合わせていた回路が。ソフト的に行えるようになっている。そのマイコン自体もムカデのような形から基板にぺったりと貼り付いたような小型のものになっている。そして表面実装技術(SMT=Surface Mount Technology)によって大変に小さな部品が主流になり、手作業での配線が難しい状況になっている。ピンの間隔が0.65mmとか1.27mmというルーペを使って、先の細いはんだごてを慎重に扱わなければ配線することができない細かな部品になっている。

 小さい部品は実装するのは難しいが、性能は大きな部品と同じであり、装置を小型に作ろうとするときには使わざるを得ない。私の製作でも活用している。七色LED/モールス表示の電圧計の製作では12F675のSOPタイプを使った。表面実装タイプであるので大変に薄くできるからである。専用の基板を起こせばもっと小型にできるのだが、私はDIPへの変換基板を使って、さらにそれをユニバーサル基板で配線するという、非効率的な方法で配線している。それでもPICの部分の厚さは4mm程度にすることができ、8mmしか内法のないケースに組み入れることができている。

 もし、基板を起こせば2〜3mmほどの厚さで回路を組めるはずである。ただし、抵抗やコンデンサなどの部品も小さくなるので、ピンセットでつまみながら、部品がはんだごての先のハンダに吸い付けられないようにしなければならず、手作業での配線は大変に難しいものになってしまう。そこそこの大きさがアマチュアには必要なのだと思う。

 秋葉原などの部品屋さんを覗くと、まだ個別の部品が並んでいるが、これらの部品の使用が産業界ではほとんどなくなってきている現状から、だんだんになくなってしまうだろう。手作業で作ることから得られた自作の喜びが失われそうである。せめてもうしばらくこの楽しみを続けるためには、今のうちに部品をストックしておかなければならないようである。