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XRQ技研の業務日誌(XRQ Tech Lab)

2011-09-14 ”SOTA”HalfWave Tuner

SOTA Tunerの部品

 荒ぶる天気がおさまり、夏の暑さが戻ってきた。気温は高いものの朝晩は涼しい風が吹いている。夏の間続いていた電力使用制限が解除されたが、冬の電力制限の話題が出てきている。残暑がまだまだ厳しいが秋の気配がだんだんと目に付くようになってきた。

 Summits on the Air (SOTA) というアワードがあり、山の頂上から運用した人(Activator)とその移動局と交信した人(Chaser)がバンドや山の高さによる得点を競うアワードのようだ。現在のところ日本には設置されていないようだが世界30数カ国に支部を置いて活動しているとのこと。

 その名を冠に付けた大変シンプルなチューナーが出された。コイルとポリバリコンのみの構成だが、ワイヤーの長さをあらかじめ半波長に設定しておくことで整合がとれるようにしている。

このような装置を考えるとき広い範囲の調整ができるように複雑な構成を考えがちである。だが、実際に運用するときにはワイヤーはほぼ決まったものを持ち歩いている。ワイヤーの長さを半波長にしておけば調整範囲が狭まり簡単な回路でよいことになる。ハイキングなどでの運用時には持ち物はできるだけ少なく軽量であることが求められるので、このような小さな装置はありがたい。

 山の頂上など見通しのよいところでの運用では、VHFやUHFなどの高い周波数を使うことが多く、アンテナも高利得のものが使われている。しかしHFなど低い周波数での運用では、波長が長くなる分アンテナが巨大化してしまう。そのため高利得のものは望むべくもなく、ロングワイヤーを使うことが多い。ワイヤーアンテナでは設置状況に合わせて整合を取ることが必要であり、このような装置が必須なのである。

 さまざまな放送が行われている。テレビ、BSCS、FM、AM、その他有線放送やボットキャストというネットによる放送もある。電波を使うものと有線で行われるものがあるが、テレビやFMではV/UHF帯の電波を使うので伝播範囲が限られ、サービス範囲が狭くなっている。そのため放送内容は地域に根ざした身近な情報となり、車で移動しているとそのサービスエリアを実感することができる。衛星放送のBSやCSでは周波数がとても高いのだが宇宙から放出され、空から電波を受けることになりサービスエリアは全国規模となる。また、AM放送も中波(MF)が使われているので伝播範囲がとても広くなり、山間部や市街地の奥まったところでも聴取可能である。そのため、AMラジオでは全国の天気概況になっていたり地域限定ではない内容になっていたりする。

 今ではGPS電子レンジWiFiなど身近なものでも電波のそれぞれの周波数帯の性質を活かした利用が行われている。技術的な興味から電波を探求してきたアマチュア無線の先輩たちが科学技術の発展に寄与し、電波利用が拡大してきた。その中でアマチュアに許可された周波数はごく狭くなったが、それぞれ特色のあるバンド(周波数帯)が設けられている。 携帯電話の普及で高い周波数が注目されがちであるが、初期のアマチュアが活躍した低い周波数も捨てがたい魅力がある。”SOTA”のような厳しい条件の中でもさまざまに装置を工夫をし、電波と戯れるのも楽しいものである。