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XRQ技研の業務日誌(XRQ Tech Lab)

2012-03-06 心肺蘇生法訓練

Pulse to Press

梅の開花など春の便りが聞かれるようになってきたが、まだ寒さとほんのちょっとの暖かさの繰り返しである。

 3月になると進路も決まりはじめ、中学校では通常の授業から離れた行事が行われるようになる。先日、近隣の中学校で「命の尊さ講座」ということで心肺蘇生法(CPR)の講習会があった。私にも東京消防の災害時支援ボランティア(TFDV)に登録していたので声がかかり、参加した。 中学生にとっては「やらされる」という気分があり、最初のうちはだらだらとした雰囲気だったが、実習が進むにつれ真剣な姿が見られるようになってきた。

 CPRは胸骨圧迫による道具を使わない蘇生法である。心肺停止の状況になると人は4分で50%、5分で25%の蘇生可能率に下がってしまうという。酸素の供給が絶たれることで脳の損傷が進んでしまうためといわれている。救命救急士や医師による対応が行えるまでの時間、その場にいる人が一刻も早くCPRを実施することで蘇生率を高めることができる。2010年、より実戦的にガイドラインが改定され、訓練を受けていない人でもCPRを行い助かる命を少しでも助けようという動きが始まっている。

 義務教育を終え新たな世界への巣立ちを控えたこの時期、中学生がこのような経験をすることは大きな意義があると思う。一度でもCPRの経験をしておくことで、そのような場面に出会ったとき最初の一歩を踏み出す勇気になると思うのだ。

 東京防災救急協会の指導者からのレクチャーが終わり、各班に分かれての実習になった。子どもたちはそれぞれの役割を分担し、第一発見者が周りにいる通行人などを巻き込んでCPRを実施する訓練である。一人で胸骨圧迫法を5サイクルほど行うとひどく疲れてしまう。救急車の要請通報やAEDの搬送依頼などを相手の目を見ながら確実に行うこと、とぎれなくCPRを行うために近くいる人を活動に巻き込むこと、など一人一人が自分で考えながら訓練した。昨年3月の記憶が子どもたちの心に深く根付いているようである。どの顔にも一人ではなくみんなで助けるんだという気概が感じられた。

 このコースは救命入門コースと位置づけられ、CPRとAEDの使い方を主とした内容であった。普通救命救急の講習では止血法や包帯法、気管にものが詰まった場合の対処法なども含まれるが、まず心拍停止の人の命を救うということではこのような講習が有効だと考える。

 1分間に100回以上胸骨が5cm程度下がる圧迫をするというのは思いの外たいへんである。救急車が到着するまで続けるためには何人もの人が交代しながら行わなければならない。さまざまな機会を通してより多くに人がCPRの訓練をしておくことが大切だと思う。

 追記 1分間に100回以上というタイミングを体感するために音の出る機器を作成した。製作記事はこちら