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XRQ技研の業務日誌(XRQ Tech Lab)

2012-11-22 モールス通信 for ever ! !

モールス体験装置

 日本では平成8年3月31日、世界一の電報取扱量を誇ったJCS銚子無線電報サービスセンタが廃止され、その後、唯一無線電信のサービスを行っていた長崎無線電報サービスセンタが平成19年1月廃止されて無線電信の商業的な使用が終了した。

 GMDSSや衛星通信などにより、伝送効率が低く不安定要素のある長波〜短波の無線電信が取って代わられるのは致し方のないことである。しかし、この通信方式が廃れてしまうのは何とも惜しい。幸い、このシンプルな人が直接操作をする電信はアマチュア無線では愛好者が増えている。電信を使って交信することのおもしろさが人々を捉えているのである。

 だが、困ったことに、アマチュア無線の世界でも高齢化が進んでいる。科学技術にあこがれて青少年がこぞって飛び込んでくる世界ではなくなったのだ。意図的に若い人たちに電信のおもしろさを伝える努力をしていかなければならない状況となっている。

 CQ誌2012年7月号にJA1DSI津田稔氏のすばらしい教育実践が掲載された。

 電鍵を打ち、符号を介して相手とコミュニケーションができる楽しさを若い世代が体験する機会を多くしようという実践である。

 

 津田氏の実践を参考にさせていただき、私なりのアレンジで、Picを活用したより少ない部品と簡単な回路でこの装置を構成してみた

 一つの基板の上に送信機能と受信機能を乗せ、短点、長点の符号を音とLEDの点滅で示している。送信と受信の場合でLEDの色を変え、圧電素子からの音程も変えることで自分の信号か相手からの信号かを区別できるようにした。

 2つの装置の間の接続には、市販品が手に入りやすい両端に3.5mmφステレオプラグが付いたケーブルを使用した。部屋の両端など離れたブース同士をケーブルで結ぶことで通信を行うのである。

 この装置は受信優先のプログラムになっており、相手が送信中でもこちらが電鍵を押すと相手側に割り込みを懸けることができる。電話での双方向通信になれている子どもたちには単方向通信ということも物珍しいものだろう。相手と向かい合って、協力しながら通信を行う経験をしてもらいたいと考えた。

 通信に興味を持たせるだけでなく、その仕組みにも興味を持たせるために、装置の基板の様子が見えた方がよいと考えた。電池があり、基板上に乗ったいくつかの部品で音が出たり、LEDが点滅したりする様子を見ることで、「どんな仕組みになっているのかな」と興味を抱かせたい。そこで、板の上にスペーサーを介して基板をねじで固定した。ピエゾ素子は板に張り付けてある。音はどこから出ているのかなと覗き込むと、基板の下に黒い素子が隠れているという設定である。電池もスイッチ付きの電池ボックスを使い、ここから電源が供給されているのだということを一目でわかるようにした。

 ハムのさまざまなイベントでこの体験装置が活用され、子どもたちがモールス通信に興味を持ってくれることを願っている。使っていただける方にはこの装置を貸し出すことも考えている。

 モールス通信 for ever!!