XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

台風一過

コスモス畑

今日は台風一過の青空が広がっている。台風18号は北海道の東側を過ぎ、熱帯低気圧に変わったようだ。南西諸島を通過し、本州に近づいてきた頃から各地に被害が出始めていた。台風の西側にあたった滋賀県などでは数十年に一度といわれる大雨が降った。新たに制定された「特別警報」が発令されたが、「直ちに命を守る行動を・・」と言われても激しい風雨の中では避難が難しかったようである。京都などの有名な観光名所が洪水の土砂に覆われている様子は痛々しい。
 一方、台風の東側の遠く離れた関東地方では、積乱雲が発達し、大きな竜巻が発生したようである。突然の強風で屋根が飛ばされたり農業ハウスが壊されたり、電柱や街路樹がなぎ倒されたりしている被害が出ている。
 これまでも毎年台風の来襲を受けているのだが、今回のような猛烈な雨や、台風から離れたところでの強風被害は初めてのように思う。地球全体での気候が荒々しく変動しているのだが、身近なところでもさまざまな被害が続いている。
 「数十年に一度の・・」「千年に一度のプレート移動が・・」「南海トラフにエネルギーが溜まって・・」「未曾有の・・」「想定外の・・」耳慣れない言葉が次々に現れている。
 被害に遭われた方々にできるだけの支援をし、少しでも早い復興を祈りたい。

 ところで、気になった言葉がある。「熱帯低気圧」と「温帯低気圧」である。よく気象情報で”熱帯低気圧が発達し、台風○号になった。”とか、”台風は勢力を衰えさせ熱帯低気圧になった”と使われる。近づいてくると下り坂の天気になったり、荒れ狂ったりする低気圧なのだが、この二つはどのように異なるのだろうと調べてみた。
 結論から言うと、その生成過程が異なるようである。熱帯低気圧は熱帯地方の海上で暖められた空気の上昇気流によって発生した渦巻きであり、その中心風速が17.2m/秒を超えると台風と呼ばれるそうだ。また、温帯低気圧は暖気団と寒気団がぶつかり、上昇気流の発生によってできる渦巻きで、前線を伴っていることが多いという。この二つは発生する場所による違いではなく、発生過程の違いによる名称のようである。そのため、温帯低気圧は風速が強くなっても台風にはならず、台風が弱まっても温帯低気圧にはならないのだという。

 今回の、台風から遠く離れたところで発生した竜巻は、台風の影響で急激に発達した積乱雲によって10個も同時に発生したようである。台風の渦によって太平洋上の暖気がその縁に沿うように押し出され、列島上の寒気団とぶつかって起きた現象のようだ。
 大地の動きや大気の動きが複合的に連続して起こると、思いも寄らない、それこそ想定外の事態が発生する。これまでの経験則が通用しない災害になる可能性がある。
 人の英知はそれを乗り越える底知れない力を持っていると信じたいが、ともかく日々身の回りを再点検し、減災に努めたいものである。