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XRQ技研の業務日誌(XRQ Tech Lab)

2013-10-29 OAM on air meeting

自作のミニ電鍵

 OAMとはその名の通り、お空の上での会合である。アマチュア無線ではこの会合がさまざまなグループで行われている。私の参加しているのはA1クラブのミーティングで土曜日の朝行われている。メンバーは日本全国、また近隣の国々にいるため、顔を合わす機会は少ない。せめて電波を通じて交歓しようという会合なのだ。

 A1というのは電波形式のうち「主搬送波を振幅変調し、変調用可聴周波数を使用しない電信」を示す記号である。電波を断続することでモールス符号を送受し、通信を行う「電信」愛好家のクラブがA1クラブである。

 電信は電波の断続であるからデジタルなのだが、人が耳で聞き、それを符号として文字に変換するというシンプルだが奥深い通信方法である。最近では、身の回りの通信はほとんど機械でデジタル処理され、、入力と出力のみを人が利用している。電信では符号というアナログ=デジタル変換も、符号から文字へのデジタル=アナログ変換も人間が行う。単点を1とすると長点は3、点と点の間隔は1、符号と符号の間隔は3、語と語の間隔は7と符号の生成には決まりがあるのだが、電鍵を操作するとき、人それぞれに微妙な癖が入り込む。また、そのときの感情さえもその符号に乗ってしまうことがある。デジタルであってもとても人間的なデジタルなのだ。

 さて、先日のOAMでのこと。キー局となったのは愛知県の局だった。その局に向けて全国のメンバーから呼び出しが送られる。キー局はそれを1局ずつ取り上げ、レポート交換をしていく。たくさんの局が一斉に呼びかけるのでワァーンという固まりに聞こえることもある。しかし、キー局が発信するときには皆が受信体制にはいるのでキー局がどの局と交信しているのかがわかる。キー局との交信を聞いていることでたくさんの局の様子を知ることができるのだ。

 私も何回となく呼びかけるのだが、なかなかキー局にとってもらえなかった。この周波数帯は電離層による影響を受ける。伝播の状況は時々刻々と変わっているのでキー局と私との間に伝播の道が開いたときがチャンスである。キー局と交信する局がお隣の国から北海道に代わり、中国地方に移り、東海に来た次の瞬間、私の信号がキー局に届いた。私の設備は4wのQRPで軒先に渡したワイヤーアンテナなのだが、そんな送信電力やアンテナの効率に関わらず、伝播の状況が好転したのだ。レポート交換をし、TU(Thank you)を送り交信を終えた。ほんの10数秒の交信だったが、とても興奮するひとときであった。電波を通して大きな自然のうねりを実感することができた。

 様々な偶然を楽しむのがアマチュア無線かも知れない。電波の飛び方は太陽や地磁気の影響を受けてめまぐるしく変わっている。局と局を結ぶ伝播ルートが開けたとしても、そのときにその周波数を聞いている人がいなくてはいけない。自然の状態や相手方の状況など色々な条件が重なったとき、初めて交信が成立する。

 家にいながらにして地球や宇宙の動きを体感出来るのは楽しいものである。