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XRQ技研の業務日誌(XRQ Tech Lab)

2013-11-27 電子基板の修理

3PDT-SWを取り外した

 電子機器を製作するとき、ガラスエポキシやベークライトの板の上に薄く銅箔を貼り付け、回路の通りにパターンを形成したものを使っている。部品同士の配線に、この銅箔を使うのである。パターン上の所定の位置に部品を取り付けることにより配線が出来上がるので、いちいち線を引き回す手間がいらなくなる。

 使われる部品がスルーホール部品と言われる、両端にリード線がついた形状のものから、チップ部品といわれる、基板の表面に実装するキューブ状のものに変わってきている。部品が数mmと小さくなると同時に配線間隔が狭くなり、手ハンダでの作業が難しくなってきている現状である。

 さて、取り付けられている部品に不具合が出てきた場合、交換する必要がある。基板に貼り付けた薄い銅箔に部品が取り付けられているのだが、なんども熱を加え、力を掛けることで銅箔が剥がれてしまうことが発生する。手早く、ストレスをできるだけかけないように作業しなければならない。部品の交換をしようとして基板を損傷してしまい、基板自体が使えなくなってしまうこともたびたびあるからだ。

 これまでの経験で得た部品取り外しのノウハウを紹介する。

 ピン間隔の狭いICなどの表面実装部品を取り外すには、全てのピンを覆うほどにハンダを乗せてしまうのが有功である。溶けたハンダの固まりは熱量を取り込んでいるのですぐには固まらない。ピンについている全てのハンダが溶けている状況を作ってしまうのだ。こうすることで部品をつまみ上げ、取り外すことができる。一本ずつのピンを外そうとしても長い時間過熱することは、基板の損傷を多くする。大量のハンダを乗せることで短時間に部品が取り外せ、部品を取り去った後でハンダウィッグによってハンダを除去することができる。ハンダを取るのに、ハンダを乗せるという逆転の発想で対処するのである。 修理専用の大きな熱量の広い面積を同時に過熱することのできるはんだこてがない場合に有効な方法である。

 小さなチップ部品を取り外すときにも、部品全体をハンダで覆ってしまうように過熱すると簡単に部品が基板から離れ、取り外すことができる。

 部品面とハンダ面が基板の表裏になっているスルーホール部品の取り外しの場合は、その部品の再利用などを考えず、思い切って作業のしやすい状態にするとよい。つまり部品を壊してしまうのだ。3PDTのスイッチを取り外したことがあった。基板に取り付けられているタブは9本である。その1本ずつのハンダを除去し取り外そうとしたのだが、何度も何度も作業を繰り返してもタブが動くまでハンダを取り除くことはできなかった。そこで、意を決して、そのスイッチをペンチで押しつぶして破壊し、基板に取り付けられているタブを露出させ、1本ずつ上記のハンダを追加する方法で取り外した。こうすることで容易に取り外せたのである。基板の損傷も少なく、そのままの状態で新たなスイッチと交換することができた。

 使えるかも知れない部品を壊してしまうのは勇気がいることだが、それよりも機器全体を考えて、基板を生かすことの方が得策であると割り切ることである。

 小さなノウハウではあるが、どこかでお役に立てば僥倖である。