ブログトップ 記事一覧 ログイン 無料ブログ開設

XRQ技研の業務日誌(XRQ Tech Lab)

2014-02-18 QRPthief

小電力盗人という回路

今年2度目の大雪は各地に大きな被害をもたらしている。山梨県では隣接する県へのルートがほぼ通行止めになってしまい、陸の孤島状態だという。透析の必要な人などがヘリコプターでピックアップされたり、道路上に閉じこめられてしまった数百台のトラックなどのために救護所も数多く作られたりしているという。談合坂のSAに閉じこめられた山崎パンの輸送トラックから移動できない人々にパンの配布が行われたとか、道路に閉じこめられた車に対して地域住民から炊き出しの支援が行われたとかの話も伝わってきている。これまでの大きな災害に見舞われてきた経験が生かされ、災害に対して人々が力強く対処する体制ができてきたようだ。多くの自衛隊員が出動し、道路の啓開を行い、物流インフラの回復を図っている。時間の経過に応じての自助・共助・公助が進められているようだ。東京では他と比べては少ない27cmの積雪だったが、会う人ごとに雪かきで身体中が筋肉痛だという話題になっている。

 おもしろい回路を考える人がいるものだ。QRPthiefという回路をJacksonHaborPressのサイトで見つけた。キットとして販売はしているが、部品を提供するだけで基板もなく空中配線で作ってくれと書かれている。キットを売ろうとするよりも「おもしろい回路だよ」と回路を紹介するような取り扱いである。

 調べてみると、この回路はJoule thiefという名前で1999年に発表された有名な回路なのだそうだ。

 その回路だが、至って簡単である。コイルとトランジスタと抵抗、そしてLEDだけである。その名前がおもしろい。QRPthiefとJacksonHarborPressでは名付けている。QRPは通信で使われるQ符号で小電力を意味している。thiefは「こっそりと持ち去る泥棒」とか「こそどろ」という意味のようである。Joule thiefもエネルギーを盗むと、同じような名前である。

 モーターを回すことができなくなってしまった電池など、使い切ってしまった電池からでも電気を取り出すことができるということから付けられた名前のようだ。

 化学製品である電池は次第に起電力が落ちてきて、ものによっては駆動するだけの電流が取れなくなってくる。しかし、全く空っぽになっているのではなく内部抵抗が大きくなり十分な電流を流さなくなっているのだ。電圧も下がってくる。そんな電池でも使えるというのがこのQRPthiefという回路である。

 一種の発振回路で、低下してしまった電池の電圧を昇圧してLEDを点灯させる。LEDはとても小さな電流でも点灯するので、発振による断続的な高電圧によっても明るく点灯することができる。通常、白色や青色のLEDは3V程度の附加電圧を必要とするのだが、低下した電池の電圧をこの電圧以上に昇圧することで点灯できるのである。それも、複数のLEDを並列に接続してもあまり明るさを変えずに点灯する。使い切った電池からこれほどまで電気をかすめ取ってこられるのかと感嘆するほどである。

 LEDの光はそれほど明るいものではないが、停電などで明かりを失ったときには役に立つ明かりである。省エネとして電池もしっかり使い切ってしまうのも一興だと思う。非常時の備えとしても一つ作っておくのはどうだろう。