ブログトップ 記事一覧 ログイン 無料ブログ開設

XRQ技研の業務日誌(XRQ Tech Lab)

2014-02-21 中国製のキット

中国製のチューナーキット

 ネットを彷徨っているとき、おもしろそうなキットを見つけた。中国香港のショップから同じものが出品されている。しかし結構値段のばらつきがあり、完成品は4倍もの値段で出品されている。このキットはアンテナチューナーでトランシーバーとアンテナの間に置いて整合を取るための装置だ。部品数も少なく、簡単な回路なので製作はそれほど難しくないと思う。香港のショップから出品されているキットが送料込みで最安なので、購入のボタンをポチッと押してしまった。約半月ほどして品物が送られてきた。届いたのはクッション封筒に入ったプラスティックのケース。その中にいろいろな部品が詰め込まれていた。しかし、説明書など作り方を示すものは入っていない。購入元のサイトを探すと、目立たないところで回路図が見つかった。

 パーツリストを作成し、確認すると欠品はないようだ。先ず難関のコイルの製作から始める。12接点のロータリースイッチを使っているので、細かなタップを出さなくてはならない。数回巻いてはタップを出しという作業を繰り返し、全体で36回を巻いた。ロータリースイッチの裏側を見ると端子の部分に1〜12の番号が振られている。それを参考にコイルのタップをロータリースイッチにはんだづけしていく。細かな作業で難儀した。

 ケースの穴あけは付属のシールを活用した。完成品の写真を参考にしながら配置を考える。作業手順を考えると蓋の部分にすべての回路を組み込んでしまった方がやりやすい。上面の配置を少し変更して、DPDTも入出力コネクタもこの面に一緒に配置するようにした。穴あけはプラスチック素材なので簡単だ。ドリルとリーマーを使い30分ほどで終わる。そして穴の位置決めに使ったシールを剥がそうとしたがなかなか剥がれてくれない。仕方なく剥離剤を使って取り除いたが、完成品の写真をよくよく見ると、このシールは穴あけの目当てだけでなく、完成後の表示としても使われるようだ。しかし、この更紙のようなシールでは見栄えが良くないので、レタリングは別途行った方が良さそうである。

 部品を取り付け、配線を行い、最後にポリバリコンにつまみを取り付けようとしたところで問題が発生した。ポリバリコンのシャフトを延長してノブを取り付けるのだが、延長用のビスしか入っていない。さらにそのビスはノブの穴より皿部分が大きくてノブを取り付けることもできない。仕方なく、手持ち部品を工夫して乗り切ることにした。

 チューナーとして活用できるものが出来上がった。しかし、いざ使用してみるとLED表示が機能しない。いろいろ原因を探ったが解決せず、手元にあったオリジナルのTayloe SWR Indicaterと交換して対応した。コイルの定数が違うのだが私のような小電力では感知しないのかもしれない。ピックアップコイルの定数を変更など試してみたい。使用している部品の信頼性という面でも不安が拭えない。チューナーとしては正常に機能する装置なのだが、ある程度の技術がないと御しきれないキットのようだ。

 このキットを作ってみて、開発者の思いと、キット作成者の思いが離れすぎているように感じた。開発者は自ら製作をしながら細かなところまで気を配り開発したのだろう。しかし、キットとしてまとめるときに、その製作者としての視点が失われ、指示されたものをまとめて入れるだけになっているようだ。一つ一つの部品がどのような役割を持ちどのように製作するのかという視点からの細やかな配慮が見られないのが残念である。

 国産のキットがほぼなくなってしまい、海外のキットを活用する機会が増えている。この国のキットも多くの人が楽しめるものとして成長してくれることを願っている。