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XRQ技研の業務日誌(XRQ Tech Lab)

2014-05-26 木肌のぬくもり

Cuboid TouchPaddle

いろいろな街に新しい商業施設が次々と作られている。秋葉原駅AKB劇場の前を過ぎ、御徒町方面にJRの高架沿いに進む。神田消防署を過ぎた先に「2k540」という施設がある。鉄道の高架下に作られているので、傍に行かないと見つけにくい施設である。

ここにはもの作りの職人さんの店舗がたくさん集まっている。

一つ一つの店舗に個性が溢れているので、見て歩くのも楽しいが、店の人に声をかけると手作りの雰囲気そのままの会話が楽しめる。店によっては制作の様子を見せてくれているところもあり、その手元を見ていると時間の経つのも忘れてしまいそうである。

どれもこれも欲しくなってしまうのだが、私は帆布で作られたバッグを手に入れた。山形にあるお店の出店だと言うが、頑丈な作りで飽きの来ないデザインがいい。使えば使うほど味が出てくるようだ。展示されていた非売品のバッグはたくさんの擦れがあり、すり切れたところもある。それでもバッグとしての機能を十分に果たしている。よれよれになって見窄らしくなるのではなく、一つ一つの傷が長い時間の経過を示していて味になっている。手に入れた真新しいバッグがこれからどのように時を重ね、成長していくか楽しみな買い物であった。

北海道の木工をやっている店があった。クラフトの専門店だと言うことで木のおもちゃやおもしろい造形の小物類が展示してある。アイヌの人々の工芸とはまたひと味違った洗練されたセンスの品物である。その店のレジの脇に段ボール箱に入った木のブロックを見つけた。商品を作る際に残った木片を正方形に近く切り取り、表面を平らにしたブロックである。いろいろな材質のものが混じっているが、マホガニーのものが多い。

マホガニーはセンダン科の常緑高木で、材は赤黒色、木目が美しく堅牢で水にも強い性質を持っているという。クラフトの材料としてたくさん使われているようだ。安価に譲っていただけると言うことで一袋手に入れた。何か使う目当てがあったわけではないが、その木目の美しさに惹かれたのである。

積み木のように部屋に置いていたブロックだが、徐々にものづくりの気持ちがだんだんに沸き上がってきた。手に馴染むものがいい。タッチパドルを作ることにする。駆動回路はこれまでのものを使うこととし、木材に穴を開けてケースと一体化したデザインがいい。そこでいろいろと考えを巡らし、試行錯誤を重ねながら制作を楽しんだ。

材質が結構固く、手道具での作業が難しかったので、電動ドリルを活用した。フライスが手に入ればもっと楽に作業ができるのだが、未だ手に入っていない。ルーターで細かなところを整えながら木肌のぬくもりを楽しむ。

ステンレスの凛とした美しさもいいものだが、木にはぬくもりを感じる存在感がある。電波を使ったモールス通信という世界で、短音と長音の組み合わせというデジタルの中に、その符号を送出している人となりが感じられるのだ。こんな木肌のぬくもりからどんな符号が送り出せるか楽しみである。