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XRQ技研の業務日誌(XRQ Tech Lab)

2014-08-10 トラブルシュート その2

見比べれば一目瞭然なのだが

 電子回路トラブルの多くは半田付けに原因があることが多い。しかし、今回はそうではなかった。

 Hendricksから出されているDCxxというトランシーバーは感度もよく、1W程度の出力が得られるので、そこそこ交信も楽しめおもしろいキットである。今回、手持ちのものの中で作りかけになっていた14MHzのものを10MHzに改造することにした。このキットは初期のものがAタイプで現在は多少の変更がなされBタイプになっている。それぞれの回路を調べ、バンドごとの相違を見てみると、改装にはいくつかの部品の交換で対応できそうである。

 まず、すでにくみ上げてある基板の状態を検査する。14MHz帯での送受信とも正常に機能している。出力も1W程度出ていた。

AタイプからBタイプに変更されたとき、出力段の石が2N7000からBS170に変更になっている。こちらの方が出力がとれやすいようで、最近の製作ではよく使われる石である。今回の改造でも出力段はBS170に交換することにする。Xtal発振子周りの定数変更でコンデンサを交換し、ローパスフィルターも交換する。

 作業を終え、スモークテストをすると、いやな臭いとともに電源が落ちた。どこかでショートが起きているようだ。臭いの箇所はBS170である。ピン接を確認せずに交換してしまったのだが、2N7000とBS170では入出力が逆になっていた。このデバイスを正しい向きにして交換し通電、規定の範囲の電流になる。しかし、受信はできているようだが、出力が出てこない。石が破壊されると一緒に周りの回路にも損傷が出てしまったのだろうか。回路図とにらめっこをし、励振増幅段やキーイング回路などのいくつものデバイスを交換する。しかし、出力は出てこない。

 風呂に入っているとき、ふっと思いついてローパスフィルターの前に、別のRF信号を入れて出力を測ってみる。設計周波数である10MHzの信号を入れても出力が出てこない。コイルの通電は確認できた。つまり、このフィルターで出力が阻害されていると考えられる。

 そこで、フィルターを再確認してみると、とんでもないことに気づいた。トロイダルコアの大きさが違うのだ。回路図にはT37#2と書かれているが取り付けられているのはT50#2だった。手持ちのコアを使ったのだが、目分量の判断で50を37と誤認して使ってしまったのだ。同じ巻き数でもコアが違えば同調周波数は全く異なる。出てほしい周波数のパワーが抑圧されていたのだ。これではすべてが正常に働いていてもフィルタが機能してパワーが出てこないのは当たり前である。

 コアを取り替えコイルを作り直した。やっと出力が出るようになり一件落着である。

 今回も、思いこみからトラブルが起きてしまった。気を付けているようで間違いは起こるものである。失敗の繰り返しから学び、トラブルが減少していくよう努めていきたい。