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XRQ技研の業務日誌(XRQ Tech Lab)

2015-06-14 MTR (Mountain Topper)

MTR2とタッチパドル

 MTRとはアメリカのKD1JV Steven Weberさんがデザインしたトランシーバーである。Stevenさんはこれまでにもいろいろな製作を発表されて世界中のhamを楽しませてくれている。彼はよく「ハイクに行く」とネットで宣言し数ヶ月にわたって開発から離れることがあるが、このリグはそのような彼のライフスタイルを具現するようなMountain Topperという名前である。山の上などで運用することを念頭に機能を特化してデザインされているようである。(初代の名前はMountain Top'erであった)

 ハイクは荷物を背負って歩かなければならないので、軽量でかさばらないことが必須である。そのため、このリグはとにかく小さい。90mm×60mm×30mmほどで出っ張りがほとんどない。操作はスライドスイッチと押しボタンで行う。ダイヤルのような出っ張りもない。表示は1桁の7セグLEDと音だけである。電源は9V仕様だが2W程度は十分に出すことができる。お空の状況に応じて2バンドが選択できる。

 当初、このアイディアがネットで公開され、希望者にキットが頒布された。150台ほどが出されたのだが、すぐにsoldout。2回目のロットも150台ほど頒布され、私もその時売り出しのタイミングを見ながらメールを送って購入することが出来た。SN/278

 その後、MTR2としてマイナーチェンジしたものが公開され、前回以上の人気ですぐにsoldoutしてしまった。一回り大きなケースになっていたが22mmほどに薄くなっていて扱いの上ではよりコンパクトになったように感じられた。さらにデザインが洗練され電源スイッチがついたり入出力が一つの面にまとめられたりの改良が行われていた。また3バンド仕様になり、受信出力も増加されていた。

 初回のキットを入手できなかった私は、早く次のロットが出ないかと待っていた。するとLNRというショップから完成品として販売されるとのアナウンスが流され、すぐに予約が始まった。開発者本人からではなくショップからの発売のようである。予約をしてから数ヶ月が経った頃、直前になって販売が延期されヤキモキさせられることもあったがどうにか入手することが出来た。

 MTRおよびMTR2を使ってみての感想だが、QRPとはいえ2Wほどの出力があれば国内の交信は十分に楽しめる。操作方法は特殊で、周波数選択は・直接モールス符号で設定する、・押しボタンで上下に移動する、という2つの方法が用意されている。ボタンを押し続けることで変移幅が自動で変わり微妙な調整や離れた周波数への移動にも対応している。ダイヤルを回すように直感的に動かすことは出来ないが、特定の周波数で運用することが多い場合にはそれほど不自由は感じない。周波数表示はボタンを押すことでモールス符号の音と7セグLEDで4桁の値を順次表示する。

 受信はダイレクトコンバージョンではあるがCWに対応した選択幅に設定されており、あまり不満は感じなかった。音量調整はなくAGCによって調整されている。そのため、相手局の状況によっては、「調整出来れば」と思う時もあった。

 エレキーは3つのメモリーが用意されていて、予め定型文を入力しておき、スムースに送信することができる。スピード調整も設定モードに入って上下のボタンを押すことで円滑に変更することができる。4つの押しボタンのみで様々な機能を使い分けられるようにマイコンがデザインされていることに脱帽である。この操作をフローチャートにわかりやすくまとめたマニュアルがネット上のフォーラムに掲載されている。

 のんびりとバンドの中を巡りながら交信を楽しむということには向いていないリグだが、MountainTopperという名のような使い方をする場合にはたいへん頼もしいリグであると思う。開発者のKD1JV StevenWeberさんに賞賛と感謝を贈りたい。