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XRQ技研の業務日誌(XRQ Tech Lab)

2015-09-25 発想の転換

single paddle keyer

 いつもと異なった発想をすることで思いがけないものが生まれることがある。

 これまでマイクロスイッチを使ったミニパドルをいろいろ作ってきた。このパドルはスイッチの切れ味を生かし、適度の反発力もあるので気に入っている。2つのマイクロスイッチを重ね合わせ、両側から挟むように操作することでダブルレバーのパドルとして動作させてきた。しかし、2つを重ねると言うことで厚みもあり、操作するレバーが左右で、上と下に位置がずれるという面もある。親指と人差し指の位置関係を考えると、このずれがかえって適しているとも考えられるが、外観は奇異にも見える。

 そこで、すっきりとしたデザインにならないかと知恵を絞ったのが、このパドルである。レバーを開く方向に押すことで隣のスイッチがonになる機構である。つまり2つのマイクロスイッチを背中合わせに置き、互いのレバーが接するようにする。するとシングルレバーのような操作でパドルの動作をさせることができるのだ。

マイクロスイッチのレバーをそのまま使い、操作しやすいようにレバーにパッドを取り付けている。そのためストロークは大変短く、軽いタッチになっている。金属同士がふれあうような反発は得られない。使用想定としては軽い荷物であることが求められるトレッキングなどの移動運用である。

 この機構を支持するための台として単四乾電池3本用の電池ケースを使った。手に持っての運用となるので持ちやすい大きさである。ケース中に何も入れないのはおもしろくないので、DL4YHFのメモリーキーヤーを内蔵した。多くのリグがキーヤー機能を持っているが、使い慣れたキーヤーを使いたいと思ったのだ。電池ケースの、電池を保持する機構部分全てをニッパーで切り取り、そのスペースに基板を収納した。ボタン電池は基板上に設置し、ピアゾ素子はケースの底に貼り付けた。ケースに付いていたスライドスイッチはピアゾ素子のon-offに使用し、実際の運用で、リグのサイドトーンを使うときにはoffにできる。この電池ケースの活用も発想の転換である。当初、タカチのSW-53というケースをパドルの台として使っていたのだが、中にキーヤーを入れようとしたところ厚さが合わず、断念せざるを得なかった。そこで目に入ったのがこの電池ケースである。電池でなくても基板を収容できるはずと組み込んでみると、ちょうど手頃だったのだ。スイッチの活用も幸いであった。

 掌に収まるような小さなパドルだが、木陰の下で椅子に座り、のんびりと電信を楽しむにはちょうどいいと思う。発想を変えて見ることからそれまで気づかなかったものが見えてくる。木々の枝に渡したロングワイヤーにQRPリグという組み合わせで、このパドルからゆっくりした符号が出て行くのが楽しい。そんな信号がもし聞こえましたら、どうぞお相手ください。