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XRQ技研の業務日誌(XRQ Tech Lab)

2016-10-20 EFHW

Trap EFHW

 EFHWとはEnd Fed Half Wave Antennaのことである。訳すとすれば終端給電半波長空中線ということになるだろうか。ダイポールアンテナのように半波長の真ん中で給電するのではなく、エレメントの一番端で給電をする。つまり、一番端に給電線を介してトランシーバーを繋ぐのである。

 予め使用する周波数に適合するようにエレメントの長さを調整するので、同調は取りやすいのだが、終端部のインピーダンスは大変に高くなり、通常使われるインピーダンス50Ωのフィーダー(給電線)と整合を取るための回路が必要になる。

 ネットを彷徨っていた時、この整合回路として、トランスフォーマーが紹介されているのを見つけた。49:1 とか64:1という比率でインピーダンスを変換する回路である。これを使うと半波長アンテナ終端のインピーダンスが見かけ上50Ω近くにすることができ、整合を取ることができる。

 早速、コアを用意し、トランスフォーマーを巻いてみた。抵抗器を接続して測定してみると、しっかりインピーダンスが変換されるのが確認できた。これを使えば、EFHWができるはずである。

エレメントの長さを計算し、その長さのワイヤーをトランスフォーマーに接続、50Ωの同軸ケーブルを介してアンテナアナライザーでSWRとインピーダンスを測ってみる。確かに、SWRが1に近づき、インピーダンスも50Ωに近くなるところがあることは判明した。しかし、目的の周波数とは離れている。そこで、エレメントの長さを調整すると目的の周波数にその最良点を動かすことができた。トランスフォーマーと半波長のワイヤーでアンテナとして機能するものができたのだ。

 いろいろな周波数のEFHWアンテナを作った。また、エレメントの途中にトラップを入れることで複数の周波数帯(バンド)で使えるEFHWにすることもできた。しばらくこのアンテナを使っていたのだが、状況によって性能が大きく異なることに気づいた。移動運用では、その場所の状況に応じてアンテナを伸展する。十分に伸展できず折り曲げて張ることもある。アンテナは周囲の影響を受けやすいので、製作し調整した時とは大きく異なる性能になる場合がある。トランスフォーマーは所定の比率でインピーダンス変換を行うので、エレメントの設置状況によってインピーダンスが大きく変わった場合には見かけ上のインピーダンスが50Ωから大きく外れ、アンテナとトランシーバーの整合がうまく取れない事態になる。

 そこで、この変換回路を調整可能なものにすることで整合をとることが行われる。チューナーといわれる回路をトランスフォーマーの代わりに用いるのである。チューナーはその整合状況を知るためにアナライザーやSWRメーターのような指示装置が不可欠であり、大がかりなものになる。調整なして利用できるトランスフォーマーのEFHWと、設置場所の状況に対応できるがさまざまな機材を必要とするチューナーとEFHW、それぞれの特性を活かして使い分けていくのが良いようである。

 EFHWの製作は作ることのおもしろさが十分に楽しめる題材である。