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XRQ技研の業務日誌(XRQ Tech Lab)

2016-11-26 Matcing indicator

Taylor indicator

 アンテナの調整は奥が深い。QRPの運用では、アンテナにいかに効率よく電波を載せ、放射するかが重要になる。元々の電力が小さい上にアンテナで減衰したのでは電波の届く範囲がますます狭くなってしまう。小さな電波を効率よく送り出すことはとても重要なのだ。

 より強く電波を放射するためには放射効率の良いアンテナに送信機からの電波を効率よく送ることが必要である。私の場合、EFHWというアンテナを使っている。使用する周波数共振する長さ(1/2λ)のエレメントの端から給電するタイプで、給電点のインピーダンスがとても高いうためトランスフォーマーを入れて送信機のインピーダンスと整合を取って使っている。

 しかし、設計上のエレメントの長さでは実際に伸展すると周囲の影響を受けて設計通りには動作してくれない。給電点のインピーダンスはアンテナの設置状況によって大きく変化する。そのため、実際の設置条件で、より効率よく電波が放出するように調整する必要がある。受信状態でアンテナを調整すると、すーっと感度が上がるところがある。送信と受信は電波の出・入りであるので入りやすい状態は出やすい状態でもあるといえる。おおむね、その感度の良くなった状態が調整の取れた状態と考えることもできるのだが、さらにしっかり調整したいところである。そのため、アンテナアナライザーやSWR計などの表示器を使うことになる。

 その表示器のひとつにTayloeさんのブリッジがある。50Ωのブリッジの一つをアンテナとし、アンテナのインピーダンスが50Ωになってブリッジが平衡すると中点の電流が流れなくなることを利用した表示器である。アンテナのインピーダンスを50Ωに調整するための機器と言い換えてもいいだろう。

 わずかな部品で簡単に作ることができるのでこれを作ってみた。出来上がったところで、アンテナに繋ぎテストしたのだが、LEDは消灯しなかった。予めアンテナアナライザーでSWRが最小になるよう調整したアンテナである。アンテナと送信機の整合が取れているはずなのになぜLEDが消えないのか。配線を間違えたのだろうか、イモハンダがあるのだろうか、いろいろと調べたがわからない。そこで、同じ部品をブレッドボードで組み上げテストしてみる。アンテナの代わりにダミーロードを使い試してみると、50ΩではLEDは消灯し、その他の値の抵抗では点灯することが確認できた。この回路は正常に動作しているのだ。いろいろ悩んだのだが、ふと思いついて、前の実験で使った整合をとってあったアンテナを繋ぎ、チューナを動かしてみた。するとLEDが消灯する点が見つかったのである。つまり、アンテナアナライザーを使ってSWRが最小になるよう整合をとっていたのだが、そこのインピーダンスは50Ωから大きく離れていたのだ。

 理論的には入・出力側のインピーダンスが同じならばSWRは1:1になるのだが、送信機の出力側が50Ωに設計されているとはいえ、必ずしもアンテナ側を50Ωにすれば整合するとは言えないようなのだ。

 携帯に便利なマッチング表示器としてこのBridge indicatorを製作したのだが、ことは簡単ではないようである。ますます深みに填ってしまった。製作記事