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XRQ技研の業務日誌(XRQ Tech Lab)

2017-01-01 EFHW Tuner

SWR表示EFHW Tuner

 この頃の伝播コンデションは恐ろしく悪い。普段なら多くの局が聞こえてくるバンドでも時間によってはノイズしか聞こえないことがある。高いバンドになると開けていることのほうが稀である。リグの電源を入れてもぐるぐるとダイヤルを回すだけで、全くの空振りになることが多い。

 そんな時は、はんだごてを握って製作に没頭するのも一興である。製作の面白さは試行錯誤を繰り返し、うまくいかない原因を一つ一つ潰しながら、パズルを解くように、あれやこれやと考えを巡らせることである。そして、その末にその機器が思い通りに動作を初めた時、大きな達成感が得られる。これを体験してしまうと、もの作りから抜け出せなくなる。

 先日来、アンテナの整合表示回路の実験を繰り返してきた。アンテナが効率よく動作するためにはさまざまな要素が絡み合ってくる。更に、アンテナは伸展する状況によって特性が大きく変化するため、理屈通りには動作してくれないのだ。そのため、使用するその場での調整がどうしても必要になる。公園や山などで移動運用する場合、その限られた状況のなかでどうにか運用できる妥協点を見つける工夫が必要なのだ。

 移動運用の場でアンテナに手を加えることは難しい。リグも同様である。リグとアンテナはとりあえずそのまま使い、それらをつなぐ整合をより良くしていくことが重要になってくる。リグから出て行く電波ができるだけ反射して戻ってこないよう調整するのだ。これを定在波比(SWR)というのだが、進行波に対して反射波をできるだけ小さくするように調整する。安易な方法だが移動運用での妥協点である。

 あらかじめ使用する周波数の半波長になる長さのアンテナエレメントを用意し、理論的な同調を取っておく。そしてチューナーを使ってリグとの整合を取る。整合の状況を反射波の少なくなるところを目安にするのである。

 回路としてはとてもシンプルである。手持ちの部品を寄せ集めて組み立てた。しかし、動作を確認しても思い通りに動いてくれなかった。何度も回路図とにらめっこをし、回路を組みなおし、はんだ付けをやり直したのだが解決しない。トラブルの泥沼に長い間漬かっていた。そして、ふとしたことで大きな過ちに気づいたのだ。

 動作確認をするとき、ダミーロードとして50Ωの抵抗を使っていたのだが、このチューナーはEFHWを想定して設計してある。つまり、数キロΩになる給電点インピーダンスを50Ωに変換するトランスフォーマーの役割をしているのだ。だから、ダミーロードとしては数キロΩを使う必要があったのだ。気づいてみれば笑い話なのだが、泥沼からの脱出は容易ではなかった。

 こうして組み上げた「SWR表示EFHW Tuner」は思い通りコンパクトで、それなりの動作をしてくれている。もの作りの醍醐味を味わえた製作であった。 製作のページ