米大統領が国防長官にヘーゲル氏、CIA長官にブレナン氏を指名 (WSJ日本版から引用)

アメリカが、新たに動き出す準備をしている。

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【ワシントン】オバマ米大統領は7日、引退するレオン・パネッタ国防長官の後任にチャック・ヘーゲル上院議員を、また不倫問題で昨年11月に辞任したデービッド・ペトレアス中央情報局(CIA)長官の後任にジョン・ブレナン大統領補佐官(国土安全保障・テロ対策担当)を指名した。
オバマ氏は、ヘーゲル氏の国防長官指名の理由について、民主党員ではなく共和党員を選任したいとの意向を持っていたことや、ヘーゲル氏がベトナム戦争に従軍した経験があることを挙げた。ヘーゲル氏は、議会が指名を承認すれば、米国の同盟国との関係を強化するとともに、世界に自由を広めたいとの抱負を明らかにした。

 オバマ氏は指名発表の記者会見で、「ヘーゲル氏はわれわれが必要としている超党派の伝統を体現している。国家の防衛に当たっては民主党共和党もない」と強調した。また、ヘーゲル氏が議会で指名承認されれば、初のベトナム戦争従軍歴を持つ退役軍人になる点を指摘した。

 ヘーゲル氏については、イラク戦争について当初は支持しながらもその後反対の姿勢を強めたことや、2008年の大統領選でオバマ氏を支持したことから、共和党内では指名承認に反対の声が強まっている。また、ヘーゲル氏がイラン革命防衛隊をテロリスト組織として認定することに反対したり、2007年に「ユダヤロビイスト」が議員をどう喝していると発言したりしたことから、イスラエル支持の姿勢に疑問を投げ掛ける向きもある。

 米政府当局者は、へーゲル氏の指名承認が厳しいプロセスになるのを認識しながらも、共和党は最終的には昔の同志で、ベトナム戦争の退役軍人でもある外交・軍事情報問題の専門家の足を引っ張ることはしないだろうと確信していると語った。

 上院軍事委員会の理事であるインホフ議員(共和、オクラホマ州)は、「ヘーゲル氏の政策スタンスや実績、発言のいくつかについて重大な懸念がある。指名承認に当たっては十分検証する必要がある」と、慎重に審議する姿勢を示した。また、グラハム上院議員(共和、サウスカロライナ州)は指名発表前の6日、CNNテレビのインタビュー番組で、「ヘーゲル氏の外交政策に対する見解は主流から外れており、米国史上最も反イスラエルの国防長官になるだろう」とし、指名に反対する意向を明らかにした。

 オバマ氏は、長らくCIA職員だったブレナン氏については、国際テロ組織アルカイダの追及に精力的に取り組んできたと称賛した。ブレナン氏はオバマ氏の信任が厚い側近で、ホワイトハウスと近い者をCIA長官にするという人事に戻った形だ。陸軍大将だったペトレアス氏は、オバマ氏の側近ではなかった。

 ブレナン氏は、4年前にオバマ政権下で大統領補佐官に起用される前のCIA在勤中に、テロ容疑者に対する厳しい尋問を容認するのに関係したとして、リベラル派の活動家から批判を浴びた。同氏は、「水責め」などによる尋問には関与していないとして反論している。ブレナン氏はまた、大統領補佐官としてCIAの無人機攻撃やイエメンでのCIAの活動強化を主導してきた。

 指名承認に当たっては、リベラル派からの反対はこのときほど強くないかもしれないが、軍事情報やテロ対策でブレナン氏が強大な権限を握ってきたと見ている一部共和党議員から批判を受ける可能性がある。ただ、最終的には承認を受けるとみられている。
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